バグズ・ライフ

登録日:2012/09/02 Sun 12:57:15
更新日:2024/04/15 Mon 15:48:50
所要時間:約 4 分で読めます




『バグズ・ライフ』は、ディズニー&ピクサーにより制作されたアメリカ合衆国のフルCGアニメーション映画。1998年公開。
トイ・ストーリー2』のNG集にキャラクターのフリックとハイムリックが出演している為、見たことある方も多いのではないだろうか。

擬人化された虫の物語であり、小さな視点から見た自然の世界が描かれている。
その為、製作に当たっては『トイ・ストーリー』の十倍もの処理能力を持った最新式コンピュータが採用され、霧や雨、稲妻や炎、キャラクターの動き等がよりリアルに表現されている。
特に雨の描写は、小さな視点ならではの迫力ある映像に仕上がっている。
また、ランディ・ニューマン作曲の "A Bug's Life Suite" は名曲であり、ピクサーの予告編やバラエティ番組でもしばしば使用される。


【ストーリー】

アリの国、アントアイランドを脅かす、ごろつきバッタのホッパー達から仲間を守る為、一人用心棒探しの旅に出たフリック。町に飛び出した彼が連れて帰ったのはなんと個性豊かなサーカス団だった!
サーカス団を勇者だと思いこんでいる仲間達の期待を裏切らない為、一発逆転の奇策でホッパー撃退作戦に挑むフリック。
ところが仲間達に勇者の正体がサーカス団だとバレてしまう。

そして出された結論は、フリックを追放する事だった。

フリックの運命は、そしてバッタから仲間を救う事は出来るのか?


【登場虫物】

<アントアイランド>

  • フリック(デイヴ・フォーリー/宮本充
アリの国の青年アリ。働きアリは全員雌なのでは?というツッコミは無粋。
発明を好み、穀物を収穫する機械や露と葉っぱで作った望遠鏡等を作るも、その発明を認められる事は1匹を除いて、無い。
ちょっぴりドジだが、まっすぐな信念を持ち、「役に立ちたい」という人を思いやる気持ちを持つ。実はアッタ姫に好意を抱いている。

  • アッタ姫(ジュリア・ルイス=ドレイファス/土井美加
アリの国の王女(現実のアリ的に言えば繁殖期の羽アリだろうか)。まだ見習いで、アクシデントに慌てたり、的確な判断が出来ない事から自信が持てずにいる。
そんな焦りからフリックにきつく当たってしまったりもしたが、本来は聡明で美しく、国民の信頼を得ている。

  • ドット(ヘイデン・パネッティーア/須藤祐実)
アッタ姫の妹で、フリックの発明品を認めた唯一の少女。彼女に限らず、本作のアリの子供達はイモムシではなく小さい羽アリの姿である。
小柄で羽が未成熟の為、飛ぶことは許されていないが、気が強く勇気がある。

  • 女王(フィリス・ディラー/磯辺万沙子)
アント・アイランドの老女王。経験豊富で統率力も高く、国民からの信頼も厚い。


<サーカス団>

  • スリム(デヴィッド・ハイド・ピアース/伊藤和晃)
舞台俳優を目指すが、現在は道化のナナフシ。
枝に近いルックスのせいで小道具扱いされる事を気に病む。

  • ハイムリック(ジョー・ランフト/島香裕)
食いしん坊で太った芋虫。動くと奇妙な音が鳴る。
何か食べているシーンが多く、客の食べ物を取ったりもする。まあ芋虫は常に食べ続けていないといけないので仕方がない。
クライマックスでは蛹になり、遂に念願叶ってへと羽化……したはずが、何故か小さな翅が生えた以外は元の姿のままだった。

  • フランシス(デニス・リアリー/田中正彦)
見た目はメス、中身はオスなテントウ虫。そのコンプレックスのせいかガラが悪い。
だがアリの子供達と触れ合い母性が目覚めていく。…父性じゃなくて?

  • マニー・ジプシー夫妻(ジョナサン・ハリス、マデリーン・カーン/小山武宏、相沢恵子)
老マジシャンのカマキリのマニーと、アシスタントの蛾(ニシキツバメガ類と思われるが種類不明)のジプシーという夫婦。マニーは常に謎めいた口調で話す。

  • タック&ロール(マイケル・マクシェイン/水野龍司)
双子の団子虫。常に喋っている言葉は、ハンガリー語。「お前クビ!」というフレーズが気に入ったのか、劇中では連呼していた。

  • ディム(ブラッド・ギャレット/郷里大輔
巨大な青いカブトムシ。気は優しくて力持ち、そして臆病。

  • ロージー(ボニー・ハント/林佳代子)
ディムの母親替わりでありパートナーの蜘蛛。姉御肌で、面倒見が良く人情にも厚い。
因みに「Blackwidow(黒後家)」だけに未亡人。夫を食べたのだろうか?

  • P.T.フリー(ジョン・ラッツェンバーガー/岡田吉弘)
サーカス団団長の蚤。団員をクビにしたり体を張った芸で一儲けしようと企む。劇中ではもっとも余計な事を仕出かす。


バッタ一味>

  • ホッパー(ケヴィン・スペイシー/壌晴彦)
本作のディズニー・ヴィランズ。バッタ一味のボスで、持論は「アリは食べ物を集め、その食べ物をバッタが食べる。そしてそのバッタを鳥が食べる」という「自然の摂理」。
「アントアイランドを外敵から守る」という建前で自分達に食べ物を毎年用意するようアリ達に脅迫している。
粗暴なゴロツキだが頭が切れ、自分達より遥かに数の多いアリ達が反乱を起こせば、自分達バッタなどひとたまりもないことをよく知っている。実際自然界じゃアリの餌だし。
最期は鳥に食い殺され、自分が持論として語った「自然の摂理」をその身で体現するという残酷かつ皮肉な死を迎えた。

某ヒーローのイメージもあって日本人にはバッタが悪役というのは少々ピンと来ないかも知れないが、
「蝗害」という言葉がある通り、アメリカやユーラシアなど大陸のバッタは大群で農作物を食い荒らすうえに性格も凶暴と来ているので、洒落にならない災害である。
日本で蝗害が起こりづらいのは、平原が少ないためバッタが大量繁殖する余地があまり無いからだとか。

  • モルト(リチャード・カインド/岡田吉弘)
ホッパーの弟で、自称副社長。お調子者で憎めない三枚目。ホッパーに殴られない理由は、母親の遺言があるかららしい。
兄とは対照的に最後まで生き延び、サーカス団の新入り兼雑用係となった。

  • サンパー(フィル・プロクター/北川勝博)
痩せこけたホッパーの部下で、言葉を発せず奇声を上げ続ける凶暴に狂ったバッタ。
NG集では実にプロフェッショナルな姿を見せていた。

【余談】

本作のピザ・プラネットのバンは虫の町であるトレーラーハウスと連結されて登場する。

ピクサー恒例のNG集は今作からスタートしており、ホッパーに向かい爆笑するアッタ姫や『トイ・ストーリー』の名台詞を高らかに言うフリック、常識人なホッパー等が見られる。
また『トイ・ストーリー』のウッディがスタッフ役として出演している。

同時上映はゲイリーじいさんのチェス。
『トイ・ストーリー2』で登場した玩具修理のお爺さんが、主役として登場している。

ちなみに日本版のCMは4人の芸能人(ユースケ・サンタマリア、千秋、ヒロミ、IZAM)が仲間と一緒にこの映画を観て、仲間から登場虫との共通点を指摘される…というものだった。

「コイツ…頑張るよな~!」
「この子は強いね…。」
「マジで怖い!」
「結構、男らしいんだよね~。」


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最終更新:2024年04月15日 15:48