ジグソウ(SAW)

登録日:2012/03/07 Wed 20:08:02
更新日:2024/01/25 Thu 23:26:53
所要時間:約 6 分で読めます




以下、映画『SAW』シリーズのネタバレが大量に含まれています。
シリーズを未視聴の方はご注意下さい。








Hello, Mr.Wikigomori.
ハロー、Wiki篭り。


I want to play a game.
私とゲームをしよう。







ジグソウとは、映画『SAW』シリーズに登場するメインキャラ。

演:トビン・ベル。
日本語吹き替え:石田太郎(『SAW』~『ザ・ファイナル 3D』)→銀河万丈*1(『ジグソウ:ソウ・レガシー』)。



◇概要

本名はジョン・クレイマー。
元は機械工学や建築学に精通した天才であり、雑誌などにも名が取り上げられる有名な実業家という肩書きに加え、
麻薬中毒患者の更生施設を経営する美人妻ジルを伴侶に持ち、待望の子供(「ギデオン」と命名予定)にも恵まれ後は妻の出産待ちという、
超がつく程の勝ち組人生を歩むまさにリア充“だった”。

だが、彼の人生はある時に一変する。
  • 妻が経営する麻薬中毒患者更生施設に押し入った強盗により、子供が流産
  • 自らが癌に犯され、完治不能の脳腫瘍を患う
  • そして余命宣告後に自殺を試みるも奇跡的に生き残る
この3つの出来事によって、ジョンは一つの悟りを開く。
「命を省みない者に命の意味を見出ださせる」事が、命が残り少ない自分の使命であると考えたのだ。

そして、最愛の妻であるジルをこの仕事に巻き込まないように一方的に離婚すると、手始めに彼女を流産させた強盗セシル・アダムスを被験者として最初の「ゲーム」を行う。
これを皮切りに、彼自身が「命を省みない者」と判断した被験者を強制的に極限状態に置き、その上で彼らに生死を賭けた「ゲーム」を行うようになり、「ゲーム」に失敗した者を容赦なく死に至らしめる殺人犯となる。

ジョンは「ゲーム」に失敗し、死なせた者たちの皮膚の一部をジグソーパズルのピース状に切り取ることから、その遺体の惨状を見た警察からは「連続猟奇殺人犯“ジグソウ”」という呼称を付けられ、彼らに追われるようになった。


◇「ゲーム」の傾向

ジグソウが被験者に「ゲーム」を行う際、その被験者は
  • 過去に何らかの罪を犯した者
  • 命を軽んじた言動をした者
  • 己可愛さに他者を省みない者
などを基準として選ばれる。

これは前述のジョンが生死の境を彷徨った際に悟った考えが基準であり、結果的に死に至らしめることは往々にしてあるものの、
「ゲーム」はあくまでその者が命を大事に出来る人間になる、或いは強烈なまでに生きる事を欲する事が出来る人間になるようにするためであり、
失敗した時のリスクが重すぎるが、その目的だけ見れば更生施設的な意味合いが強い。
それ故、彼が被験者に行う「ゲーム」の仕掛けは、一見すると成功させることは不可能に見えるものが殆どであるが、
その実、被験者が(凄まじい)肉体の痛みを受ける覚悟を決めればクリア方法が分かるものであったり、
「ゲーム」開始前に行われるルール説明をちゃんと聞いてその忠告に従ってさえいればクリアは可能だったりと、
なりふり構わず、どんな代償を払ってでも被験者が生きようと決意すればクリアできる仕掛けになっている。

「ゲーム」の内容に関しても、ジョンが被験者の経歴を調べ上げた上で「ゲーム」を行うことも多く、
その場合は被験者の犯してきた『業』を治す事で初めてクリア出来る内容に合わせた「ゲーム」としており、そこだけ見れば「更生が目的」なのが分かりやすい。
ただし、一時的に『業』を治して「ゲーム」をクリア出来た被験者も、その『業』がぶり返したことで結果的に「ゲーム」失敗になる場合もある。

なお、ジョン自身は殺人行為を自分はもちろん、他人が犯すことも嫌っており、「ゲーム」で死亡するのはあくまで被験者の意思によるものと考えている。

しかし、この考えは警察や彼の助手と後継者には理解されず、ただの猟奇趣味と考えられている。
確かに、ジョンの「ゲーム」においても被験者に極限の選択を迫るための道具に近い扱いをされ、命の危機に晒されたり命を落とした人間がいたり、
ジョンが自らの身を守る為にアジトに仕掛けたトラップに引っかかって殺された刑事がいることから、そういった解釈をされるのも致し方ない面もあるが。


◇後継者

  • アマンダ・ヤング
演:ショウニー・スミス
日本語吹き替え:藤貴子(『SAW』『SAW2』)→幸田夏穂(『SAW3』以降)

でっち上げに近い強引な捜査のせいで無実ながら薬物使用の容疑で逮捕・収監され、本当に薬物中毒になってしまった女性。
第1作目にてヘッドギア・トラップを仕掛けられるも、奇跡的に生還して以降は自らの再生の恩人としてジョンの弟子となり、影からジグソウの助手として行動していた。
ジョンが脳腫瘍によって車椅子生活となってからは、彼の介護と代わりに「ゲーム」を仕掛けていたが、
その「ゲーム」は本来のジグソウのものと違い、被験者を必ず死なせるような内容になっていたため、ジグソウ事件を追う捜査官にはその違いに気付かれていた。

前述のセシル・アダムスの恋人であり、セシルがジルの更生施設に強盗に入る様に命令し、ジョンの息子ギデオンを殺す結果を作った張本人でもある。
この事は本人も後悔しているが、この真相を知ったホフマンに脅迫され、リン女医を殺す羽目になる。
また自分が殺さなければならないリン女医の娘に「貴女を助ける男(ホフマン)を信用しないで」と泣きながら告げていた事などから、良心の呵責に苦しんでいた節も見られる。
ジョンは「アマンダがジグソウの後継者として、私怨や制裁願望といった余計な感情を持たずに冷静に被験者に対応できるか」を試すテストとして、
「リン女医が解放される事を許せずに彼女を殺してしまえば、リン女医の夫・ジェフに撃たれる」という状況を用意していたため、結果的にジェフに射殺されることとなる。

  • マーク・ホフマン
演:コスタス・マンディロア
日本語吹き替え:仲野裕

ジグソウ事件を追う刑事だったが、かつて妹を殺した殺人犯をジグソウ事件を模倣して殺害。
その事がジョンにばれ、「劣悪な模倣」ではない真の「殺人と更生の違い」を学ぶか死ぬかの二沢を前にこれを了承。
以降、老人のジョンや女性のアマンダでは出来ない力仕事をメインに、ジグソウの第2の助手を務める。

その後、ジョンの死期が迫る最中に行われた「ゲーム」の中でアマンダを罠にはめて殺害し、ジョンの死後は2代目ジグソウとして行動を開始する。

しかし、自らの冷酷かつ残虐な嗜好をむき出しにして暴走を始めた*2為、最初からジョンに全てを知らされていた元妻のジルによって、ヘッドギア・トラップを仕掛けられたが……。

  • ローレンス・ゴードン
演:ケイリー・エルウィス
日本語吹き替え:大塚芳忠

第1作目にて老朽化したバスルームに監禁されていた外科医。
仕事と割り切った冷酷な余命宣告をジョンに行った事で命を軽んじる者とみなされ、「ゲーム」に参加させられたが、足枷を嵌められた右足首を切断する事で脱出。
足枷に繋がれたままの同じく監禁されたアダム・フォークナーに「助けを呼んでくる」と告げてバスルームの外へ向かう。

配管の高熱で傷口を焼いて止血する応急処置はしたものの出血多量で気絶してしまうが、全てを見ていたジョンに治療や義足の提供を受け、彼の「ゲーム」を医療的な手法で支える第3の助手となる。

なお、本来彼の「ゲーム」はアダムを制限時間内に殺害することがクリア条件であるため、制限時間を超過した上にアダムを殺せなかった彼は失格のはずなのだが、
アダムを殺さないという一線を守りつつ、自らの足を切断してまでバスルームを脱出した執念を認められたということなのかもしれない。
彼もアマンダ同様、「ゲーム」を生還した事によってジョンを自らの再生の恩人と考えており、ジョンもまたホフマンに脅迫されて情緒不安定だったアマンダより、ゴードンを信頼していた。
また、アマンダとホフマンからはゴードンはただの「ゲーム」の被験者としてしか考えられていなかった為、その存在を知られていない事を利用し、ジョンの代わりに2人を監視する役目も持っていた。

『ザ・ファイナル 3D』にて、ジグソウの「ゲーム」がもつ更生の意味を履き違えて完全に暴走していたホフマンがジルを殺害した事を受け、
ジョンの遺言に従いホフマンをホフマンの「ゲーム」を受けて生き延びた結果協力者となった2名の協力を得て自らが閉じ込められた老朽化したバスルームに監禁。
絶対に逃れる事の出来ない状況*3を作り、彼がジョンの仕事を引き継ぐ真のジグソウの後継者となった。

ただし、彼が新たなジグソウとしてゲームを行うという明確な描写はなく、小説版では「ジョンの敷いた道を歩める人間はジョン以外にいないのかもしれない」「ジョン亡き今、誰も彼を真似することはできない」と、自らがジョンと全く同じ道を歩むことには否定的な考えを抱いている*4

  • ローガン・ネルソン
演:マット・パスモア
日本語吹き替え:三上哲

『ソウ・レガシー』で明らかになった最初のジョンの弟子。元軍人の検視官。
ジョンの初めての「ゲーム」の被験者の一人で、彼が研修医時代にジョンのカルテを取り違えたことで彼の脳腫瘍の発見が遅れ、手遅れになってしまったことからジョンの「ゲーム」に参加させられた。

だが、彼は他の被験者達とは違って昏睡状態から意識を取り戻すのが遅れてしまった*5ため、ゲームのルール説明を飲み込む余裕もないまま回転鋸に背中を切り裂かれてしまう。
これがジョンにとって想定外のミス*6であったこと、またカルテを間違えたことにも悪意はなかったことから「死ぬ必要はない」とジョンに認められ、
またローガンも戦争で負った心の傷をジョンに理解された事で彼に心を許し、弟子となって「ゲーム」の仕掛け作りなどに協力した。

ジョンも「憎しみや怒りだけでは人は生きられないと君が教えてくれた」とローガンを信頼しており、ジョンが「命の価値を見出させる」という使命に殉ずるようになったのは彼の影響であるようだ。
実際、ローガンが巻き込まれた最初の「ゲーム」は私怨による制裁の色が強く、ジョンのゲームらしくない無理ゲー度が高かった*7

ジョンの死後すぐにはジョンの後継者になるつもりはなかったようだが、彼の死から10年の時を経て、自分がジョンの後継者として相応しいかを試すため、
自らの妻を殺した犯罪者と協力関係にあり、自身の利益のために釈放させたハロラン刑事へ敢えて自らも受けたジョンの「ゲーム」を再現する形での復讐を行うことを決意。
計画を無事完遂出来たことからジョンの後継者となる決意を固め、ジグソウの遺産(レガシー)を受け継ぐ正統な後継者となった。

ただし、ジョンの直系の後継者でありながら、その思想はジョンのものとは異なる。
「死者の代弁者」として己を定義しており、ジョンにとっては被験者となる「自らの命を粗末にする者」への対応は未知数であるなど、ジョンとは似て非なるジグソウである。





Most people are so ungrateful to be alive.
多くの人間は“生きているという事”に感謝しないで生きている。


Those who don't appreciate life do not deserve life.
生存に感謝しない者は、生存に値しない。


Live or die,make your choice.
生か死か、己の意思で選択せよ。








GAME OVER

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最終更新:2024年01月25日 23:26

*1 2013年の石田氏の死去に伴う後任。

*2 死亡前提の無理ゲーを仕掛けていたアマンダ程ではないが、必ず死者は出るような内容となっていた。

*3 本来の「ゲーム」で与えられていた切断器具をバスルーム外に放り出してバスルームを封鎖した。

*4 また、結局「助けを呼ぶ」という約束を守れなかったアダムに対しては「バスルームの奥の壁、そこに友達がいる」「一緒に過ごしたのはたった数時間だったが、ジョンを除けば、これほど深い結びつきを覚えた人間はいない」と複雑な感情が描写されている。

*5 他の被験者が全員ルールを理解した被験者の1人から説明を受けて突破したタイミングですら昏睡から目覚めていなかった。

*6 目覚めなかった理由が明らかにジョンが昏睡させる為に使用した薬物の量が多過ぎた事。

*7 と言っても最後のゲームの際にはゲーム参加者全員分の脱出用のアイテムを用意していた事が判明するなど、絶対に全員がクリア出来ないという程の無理ゲーではなく、「これまで描写されたジョンのゲーム(時系列的には一番古いのが今回なのだが)の中では一番難易度が高い」程度であったが。