アサギの呪い(学校の怪談)

登録日 :2012/01/28(土) 02:15:43
更新日 : 2017/07/18 Tue 16:17:26
所要時間 :約 5 分で読めます




アサギの いとは、2000年に放送されたオムニバス形式のテレビドラマ。
「学校の怪談 春の呪いスペシャル」の中で出てきた四つの短篇作品の内の第2話である。

過去、不定期に放送されていた同シリーズ内で「呪いスペシャル」が 最怖 と言わしめさせた元凶。
このドラマには他にも「恐怖心理学入門」「おぞけ」が怖い内容であるが、
この「アサギの い」はそれらよりも一線を越えた怖さである。


【あらすじ】
とある女子高にて、綾と真由は転校生の杏子を恐がらせるために、
旧校舎の地下にある開かずの間となっていた図書室へと連れ込んだ。

綾の携帯の番号を杏子が盗み見したという口実で一室に閉じ込めたまま夜になり、気が済んだ綾達は杏子を解放してやる。
当然のごとく怒る杏子は真っ先に帰ろうとするが、入口の扉が開かない。

綾達も鍵をかけた覚えがなく、必死に扉を開けようとするがそのうちノブが外れてしまい、出られなくなってしまう。

八方塞がりな状況の中、真由はこれを「アサギの呪い」ではとつぶやく。

実はこの地下室の部屋は、かつて「アサギ」という名の生徒が閉じ込められたまま、
ミイラの死体となって発見されたいわく付きの場所だったのである。



【登場人物】

  • 綾&真由
今回の原因となった二人組の女子高生。
ホラーにおけるいじめっ子は大抵、最初に殺されるものである。

  • 杏子
綾と真由に地下へと連れ込まれた転校生。
こういったいじめられっ子は大抵、最後まで生き残るものであるが……。

  • アサギ
かつて女子高にいたという生徒。
真由いわく暗い性格、友達が少ないなど典型的なネクラらしい。
夏休みが始まる前日に他の女子達にふざけ半分で地下室へ閉じ込められてしまい、
しかも閉じ込めた側はアサギのことをすっかり忘れてしまった。……普通、忘れるものだろうか。
一ヵ月以上、閉じ込められたままだった彼女は当然、死体となっており、
部屋中に血を撒き散らしていた
壁を掻きむしって爪は剥がれて血で固まっていた
全身干からびたミイラとなっていた
という凄惨な姿で発見されたという。
閉じ込めた側は明らかに長期監禁罪が適用されるのは間違いない。

ふざけ半分でも、絶対にいじめはいけません。




以下、ネタバレ




携帯電話で助けを求めようにも圏外でないにも関わらず何故か繋がらない。
部屋の隅の天井付近には小さな窓があり、地面すれすれで外に繋がっていたがここからも出られなかった。

地下室を調べているうちに綾が奥の部屋で床下にさらに地下へと続く階段を見つける。
風が吹いているので外へ繋がっているのではと考え、行ってみようと提案するが、
真由や杏子は警備員がやってくるのを待とうと反対するも強引に下りて行く。

下りた先は古い防空壕なのか、迷路のような洞窟が広がっている場所だった。

三人はその洞窟を進んでいく中、とある通路の壁に血文字が刻まれているのを見つける。

るれらべたなんみ

意味不明の文字が刻まれているのを読み上げた途端、どこかから何かをひきずるような不気味な音と声が響いて来る。

思わず逃げ出す三人だが、杏子が転んで怪我をしてしまい、洞窟中をさ迷う。
やがて小部屋へと逃げ込んで隠れていると、突如真由は狂ったように地面を指でなぞり続け、
その異常な行動に恐怖を感じた綾が止めようとすると……。


振り向いた真由の目には生気が全く無く、白目を剥き出しにしていた。
真由は何かに憑かれたような、おぞましい声で、

オマエタチハアサギトオナジ。ニドトデラレナイ
と口ずさんだ後に気を失い、正気に戻っていた。

直後、先ほど聞こえた不気味な音が近付いてくる。

綾は懐中電灯を照らして通路に顔を出し、様子を窺ってみた……。

すると、そこにはボロボロの服を纏ったミイラかゾンビのような女、アサギがさ迷い歩いていたのだ。

綾は思わず懐中電灯を落とすが、とっさに身を隠してアサギが通りすぎるまでやり過ごした。
三人は逃げようと部屋から出ていくが、真由は落ちた懐中電灯を拾おうとした途端、
地面を這っていたアサギに捕まり、両目を潰されて殺されてしまう。

必死に洞窟を逃げ回る綾と杏子だが、怪我をしている杏子は途中で力尽きてしまった。


綾はやがて血文字が刻まれている壁がある場所まで戻ってきたが、そこでアサギに追い付かれて
大量の血文字とひっかいた跡が壁に刻まれた、床に無数の骨が転がる小部屋へと追い詰められる。

ここに至って血文字の意味を逆に読むと「 みんなたべられる 」ということを理解し、
自分がしてきた身勝手な行為を悔やむが、時既に遅し。


目の前まで迫ってきたアサギに、綾の悲鳴が無惨に響き渡る……。










数時間後、力尽きて気を失っていた杏子が目を覚まし、やがて洞窟から地下の図書室まで上がってきた。

外は既に朝であり、心身ともに限界だった杏子は外の世界へと繋がっている天井の小窓に向かって必死に助けを求める。

目の前には朝練をしている生徒達の平和な姿が映っていたが、いくら助けを求めても誰も気付いてくれない。



……その時、背後からあの不気味な這いずる音が聞こえてきた。

杏子が振り向くと、そこには__





地下にいる三人の惨劇の世界とは裏腹に、

外の世界は誰も彼女達に気付くことなく、

いつもと変わらぬ平和な日常を送っていた。


それはまさに、かつてアサギが閉じ込められた時と同じであった……。


なお、次の3話である「ドロップ」は他の三つの短篇とは違って感動的でほのぼのとしているため、
前2話で存分に恐怖を味わってしまった人には箸休めとなる。
安心してくださいな。


現在は「学校の怪談 呪いスペシャル」という形でDVD化されているので、興味がある人は見てみよう。

……トラウマになっても保証はしない。


◇余談

ちなみにこの作品で出てきた洞窟であるが、
ロケ地となったのは三浦半島・黒崎の鼻に実在する洞窟砲台跡であるらしい。

関連の写真などと見比べてみると、地形や景観が一致している。

度胸がある方は装備を万全にして行くべし。





。すましい願おを正修・記追



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