スタンド・バイ・ミー(映画)

登録日:2011/12/26 Mon 00:27:58
更新日:2023/08/31 Thu 00:24:49
所要時間:約 3 分で読めます




『スタンド・バイ・ミー』とは、1986年に公開されたアメリカ映画である。
原作はスティーヴン・キングの中篇小説『THE BODY』(死体)。日本では映画に併せた『スタンド・バイ・ミー』の邦題で訳されている。

概要

アメリカの田舎に住む12歳の少年達の、ひと夏*1の冒険を描く。
主人公たちに感情移入できる少年時代と、大人になってから当時を偲ぶ時と、「人生で二度見る映画」と評される。また、様々なクリエイターに影響を与えた。

また、スティーブン・キングと言えば『シャイニング』に代表されるホラー作品のイメージが強かったが、本作の大ヒットでイメージを大きく変えた。

主題歌は1961年に発表された「スタンド・バイ・ミー」(ベン・E・キング)で、古い曲ながら全米のランキングで9位を獲得。映画自体もアカデミー賞、ゴールデングローブ賞も受賞した名作として知られる。

日本語吹き替え版はフジテレビ放送版(1989年、2014年の「コロンビア90周年記念デラックスエディション」収録)・VHS&DVD版(1998年)・Blu-rayデジタルリマスター版(2011年)の3種類存在しており、
フジテレビ版とBlu-ray版では主役4人の担当に若手俳優を割り当て、VHS・DVD版では子供声が似合う女性声優が演じていた。

あらすじ

ある夏の日、小説家のゴードン・ラチャンスは車内で黄昏ていた。
ゴードンの傍らにある新聞記事の見出しには『喧嘩の仲裁に入った弁護士刺殺される』とある……殺された弁護士の名はクリストファー・チェンバーズ。
ゴードンの少年時代の親友だった。
かつての親友の思いがけない死を知ったゴードンは過去の出来事を思い出す。
あの夏の日の事を、親友達との冒険の日を……

1950年代のアメリカ・オレゴン州*2の田舎町 キャッスルロックに住むゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人の少年達は、木の上に作った隠れ家で毎日タバコを吸ったりトランプで遊んだり、少年期特有の固い絆で結ばれていた。
ある夏の日、バーンがある不良グループから盗み聞きした話を3人に持ち掛ける。

キャッスルロックから約30km離れた雑木林に、行方不明になった後、列車に轢かれて死んでしまった男の子の死体があるという…

死体を見つければ英雄になれるかも…そう考えた4人の少年達はわずかな荷物を持って、ひと夏の冒険へと旅立った…

登場人物

  • ゴードン・ラチャンス
愛称は「ゴーディ」。

物語を作るのが好きな創造力豊かな少年。旅の途中でも、他の3人に自分が作った物語を聞かせている。
彼の作った話は友人間でも好評で作家になる事を夢見ているが幼い頃から優秀な兄と比較されてきた事が原因で自信が持てずにいる。
歳の離れた兄がいたが、数ヶ月前に事故で他界。
元々両親との折り合いが悪く、それが切っ掛けで両親との関係は更に冷え込み、ゴーディは父親に「お前が代わりに死ねばよかった」と言われる夢を見るほど、愛情を感じられずにいる。
兄の事故死はゴーディの心に深い傷を残しており、命を危険に晒したがる無謀なテディの行動が理解できず、原作では度々衝突している。
劇中の行動を見る限り結構やる時はやる性格。
この「スタンド・バイ・ミー」の物語は、成長して作家となった彼が語り部として過去を回想する形式で描かれていく。

モデルは原作者のスティーブン・キング自身で、兄の死や父親との確執は実体験に基づく(ただし、現実の父は物心の付く前に失踪している)。


  • クリストファー・チェンパーズ
愛称は「クリス」。
演じたのは後に薬物のオーバードーズにより早逝した名優・リヴァー・フェニックス。『ジョーカー』で主役を務めたホアキン・フェニックスの実兄である。

4人の中ではリーダー格で、賢くも優しい少年。
特にゴーディと仲がよい。彼が旅の途中の森で仲間ともども沼に入ったときにゴーディがヒルにチ〇コを吸われた際には帰ろうと提案した。
ゴーディの事を彼の両親より理解しており、作家としての才能を誰よりも認め、彼の夢を応援している。
そのため才能のあるゴーディが自分達のような落ちこぼれといつまでもつるんでいてはいけないと考えている。

アル中の父親と地元でも有名な不良の兄を持ち、家庭事情は非常に複雑。
ろくでなしの家族を持つ故に彼自身もどうせろくでなしだろうとまともな目で見られない事に深く悩み、傷ついている。
ゴーディからの応援を受け周囲の偏見をはね除け猛勉強の後に弁護士となったが……

ちなみに原作だと3人兄弟であり、クリスは末っ子でアイボールは次男、服役中の長男がいる。


  • セオドア・ドチャンプ
愛称は「テディ」。
フジテレビ版では若かりし日の岩田光央が吹替担当だった。
ノルマンディーで勇敢に戦った父を誇りに思い、軍隊に憧れを抱く眼鏡の少年。
しかし父親は精神病を患い、祖父からは虐待を受けて育った。
それでもそんな彼らを誇りに思い、他人から「人殺し」と罵られるとキレる。
父親が偉大で勇敢だった事を証明するためか命を危険に晒す無謀な所があり、度々クリスと衝突する。


  • バーン・テシオ
太っちょでドジでのろまという、マンガに1人はいそうなキャラクターのテンプレのような少年。
ノリが良く悪い奴ではないが余りにもバカなので他の3人からは若干軽んじられている節がある。
劇中では特に家庭環境に触れられる事がないので正直一番影が薄い。
兄が不良グループに属しており、彼がその話を盗み聞きしたところから「スタンド・バイ・ミー」の物語は始まる…


  • エース・メリル
地元でも有名な不良グループのリーダー。
ゴーディ達と同じく、仲間達と死体を探しにいく。

演じているのは、今では「24」シリーズでお馴染みとなった若き日のキーファー・サザーランドである。


余談

日本のゲーム作品『ポケットモンスター 赤・緑』の主人公の家では「男の子が4人 線路の上を歩いている」シーンが放映されているが、恐らく元ネタはこの映画である。
その映像を見て主人公は旅立ちの決意を固めるのであるが、海外の(当時から)10年前の映画だった事もあり子供にはチンプンカンプン。
その為、親にこの事を聞いて映画の存在を知った子も多かったのでは?




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最終更新:2023年08月31日 00:24

*1 正確には残暑厳しい秋の初め、このため原作小説では『恐怖の四季(Different Seasons)』の秋編となっていて「Fall From Innocence」という副題がある。

*2 原作ではメイン州。