瞬獄殺

登録日:2010/07/03 (土) 13:22:56
更新日:2023/12/22 Fri 00:32:49
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鬼     一

哭     瞬

啾     千

啾     撃


故     抜

豪     山

鬼     蓋

成     世





ストリートファイターシリーズを始めとするカプコンの格闘ゲームに登場する技。英名はRaging Demon。
非常に高い性能を持っていることが多く、大概の作品では超必殺技ゲージすべて消費という条件がついた大技扱いになっている。


暗転中に滅殺の構えを取り、片足を上げる構えをとったまま滑るように相手に接近し、胸ぐらを掴むと発動。
画面が暗転して無数の打撃音とヒットエフェクトだけが表示され、暗転が終了すると相手が倒れている。
この技で相手をKOすると背景に大きく「」の文字が表示される。

演出としての初出はスーパーストリートファイターⅡX。
同作の隠しボスである豪鬼が乱入してくる際に、正規ボスであるベガを一瞬のうちに葬り去る演出で使用。
当初は名前が無く「ベガ殺し」などと呼ばれていた。
この時は胸ぐらを掴まず、すれ違いざまに画面が真っ白になって打撃を叩き込むように演出されていた。
その後、ストリートファイター ザ・ムービーとストリートファイターZEROでスーパーコンボとして実装され、実際に対戦中でも使えるようになった。 

コマンドは多くの作品で弱P・弱P・→・弱K・強Pという順番押し。
この特徴的なコマンドは、ヴァンパイアのモリガンの「ダークネスイリュージョン」が初出。
そのため当時は「豪鬼ネスイリュージョン」などと通称されていたが、現在は「瞬獄殺コマンド」と呼ばれる事の方が多い。

本来は殺意の波動に呑まれた暴走状態であり、使用すると自身の命を削りながら死ぬまで攻撃し続ける。
殺意の波動をコントロールすることで自身へのダメージを減らし、任意に発動できるようにしたのが『瞬獄殺』である。

暗転中にどんな攻撃をしているかは不明で、解釈や考察は多数ある。
下に、スト3当時の多くのプレイヤーが称賛したSTREET FIGHTERⅢ RYU FINAL -闘いの先に-(漫画)における解釈を示しておく。

+ RYU FINALにおける正体
滑るような阿修羅閃空での接近から、すさまじい速度と密度でパンチを連打する。
その拳の一発一発に殺意の波動がこもっており、ヒットの瞬間、波動拳が密着で炸裂して敵の身体を突き破る。
ブロックしても密着波動拳が体内を破壊するため、瞬獄殺はガードが不可能だったのである。後述のガイのように払い避け(パリィ)でなら受けられるが、殺意の波動に目覚めた格闘家のラッシュを全弾払うのは難事業とかいう領域ではない。

殺意の波動を己の物とした格闘家は、常に身の回りに「敗れて死んでなお戦いをやめられない闘士の亡霊」がつきまとっているのだという。
それらを打ち払うために「常に波動を放つ(通常技キャンセル波動拳)」が日常化し、その結果「瞬獄殺」に至ったらしい。

中平版リュウは過去に「殺意の波動」に侵食されて暴れ狂い瞬獄殺まで使った事があり、その体験をもとにある程度技の内容を把握していた。
それを元に事前に考えていた対抗策は
「あえて拳を喰らい背中まで貫通させて、波動拳の炸裂を不発させつつ動きを止める」
というクレイジーなものだった。
豪鬼は瀕死の重傷を負いながらも瞬獄殺を打ち破ったリュウを賞賛し、反撃で撃ち込まれたリュウのゼロ距離密着波動拳を受容して勝負を決した*1
これらの設定を反映したのか、NAMCO×CAPCOMでの瞬獄殺の属性は物理属性ではなく、波動拳と同じ「気」属性となっている。

ちなみに同じ中平正彦によるコミカライズ「ストリートファイターZERO」ではリュウが瞬獄殺を放ち、これをガイがなんと正面から捌ききって打ち破った
ただし、この時のリュウは殺意の波動による暴走状態だったため、技が不完全だった可能性もある。


暗転中の一瞬で相手をボコボコにノックアウトする、という演出は当時のプレイヤーを魅了し、後発の作品にこれを模した技が幾つも出回るようになった。

なお、ザ・ムービーの実写アクマやサイバーボッツの零豪鬼が使うものは単なる乱舞技になっている。

【使用者】

  • 豪鬼
  • 真豪鬼
  • 神人豪鬼…KO時の文字が神と人を組み合わせた造字。ノーマル瞬獄殺の2倍以上のHit数を誇り、威力も段違い。
  • 狂オシキ鬼…KO時の文字は神と鬼を組み合わせた造字。空中でも撃て、斬空波動掌からキャンセルも可。
  • 殺意の波動に目覚めたリュウ…暗転終了時のポーズが豪鬼と同じ作品と通常リュウと同じ作品の2パターンある。文字も「滅」と「天」の2パターン。
  • ローグ…豪鬼からパワードレインすることで使用可能。文字は「X」
  • 剛拳(ストリートファイター)…中平正彦氏の漫画作品『RYU-FINAL』のみで使用。殺意の波動によるものではないため、実際は「下記の漢道のスケールアップ版」とでも言うべきものと化している。


【類似技・自社パロ編】

  • シャイニング豪ショック
MvsSFでメカゴウキの使用する技
空中でも使用可能
背中の文字は「滅」

  • 春獄殺
EXシリーズやハイパーZEROで春日野さくらが使用する技
VS.シリーズでは日焼けさくらが使用
ジャスティス学園ではツープラトンとして採用。相方が羽交い締めにした敵をタコ殴りにする。
殺意の波動には目覚めていないはずなのだが、どうやったのか完全再現

  • ラストジャッジメント
殺意の波動を取り込んだゴッドルガールが使用する技
「天」の様な模様が、胸に出る

  • ファイナルミッション
シャドウ及びシャドウレディの使用する技
出が遅い打撃乱舞技のため、実質的にロマン技

  • 武神無双連刈
ガイの使用する技
完全な暗転はせず、攻撃時にシルエットが見える

  • ユリちょう燕舞
KOF2001でユリ・サカザキが使用する技
非常に似ているがユリ曰く「誰にも真似できない」
低確率で闇に染まったユリが背を向けて仁王立ちする例のポーズになる

  • 漢道
VS.シリーズとSVC CHAOSで火引弾が使用する技
掴んだ後に「親父〜!」と叫びながら自爆する
自爆なのでダンの体力もほぼ0になる
ただしSVCでは「体力半分以下で1度しか使えない技の一つ」「体力が減らない」とさりげなく強化されてた。

  • 殉哭殺
ポケットファイターで火引弾(正確にはその父・火引強)が使用する技
天狗の顔をした親父・ゴウを召喚し、前方に進む親父がヒットしたら発動
ちなみに親父は飛び道具扱いなので相殺・反射可能
しかも飛び道具反射された場合はダン自身が親父の攻撃を喰らって自滅する
背景の文字は「父」

  • 瞬獄餅(通称)
大神でのセルフパロディ
ミカン婆が阿修羅閃空でカマドに接近し、暗転中に大量に餅をつくる
背中の文字は「餅」

  • サンドストーム
ジョジョの奇妙な冒険未来への遺産イギーが使用する技
暗転ではなく画面が砂嵐になるのが特徴
背景文字は「犬」……のはずだが、実際には相手のやられカットインに上書きされるので見えない

  • 滅殺
ブレスオブファイアⅢ及びⅣのセルフパロディ技
演出は本家と同じ
4では暗転終了時の背景に「天」の文字が追加された

  • 凶邪連舞
EXシリーズでカイリが使用する技
暗転演出は同様だが、前進する際は普通に走っていく
初代EXまでは相手に腕を突き刺す乱舞技(封印ほくとの連舞と同じ)だが、EX2からは瞬獄殺に酷似した演出に変更
また「血・継・影・襲・念・傷」の後に大きく「封」の文字が表示されるなど文字数が多い



【類似技・その他】

  • スカロドリーム
同じくEXシリーズでスカロマニアが使用する技
技性質は似ているが彼は不思議な力は使えないため普通に走って接近し
連続攻撃のヒットの瞬間だけを様々なアングルから静止画像で映すというヒーロー的演出の技。
追加入力でアングルを固定したり股間を集中攻撃したりスペシウム光線でフィニッシュしたりちゃぶ台を挟んで話し合うシーンが入ったりする。

  • フラッシュバック
リメイク版テイルズ オブ デスティニー以降のリリス・エルロンが使用する技。
流石に画面全体は暗転しないが、リリスの周りが真っ白に光り、相手をフルボッコにする。
なおリメイク版TOPでも闘技場へ乱入した際に、ガルフビーストを似たような技で瞬殺している。

  • 嫌獄殺
EFZで里村茜の使用する技
背景文字は「嫌」

  • 瞬天殺
格ゲーではなく、漫画るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-に登場する技。
瀬田宗次郎の必殺技であり、彼が唯一名前を付けた技。
超神速の加速「縮地」から超神速の抜刀術につなげる。
あまりの速さに、痛みを感じる間もなく一瞬で死に至らしめるとされる。
作者の和月伸宏氏は格ゲー好きで有名なため、この名前は露骨に瞬獄殺をパロったものであろう。

  • ワリオマン
大乱闘スマッシュブラザーズにおける、ワリオ最後の切りふだ
SPではゲームの流れをスピーディーにするなどの理由で変身系の切り札ふだが廃止されたが、それに伴いワリオの切りふだである「ワリオマン」も一時的にパワーアップするものから、変身して瞬獄殺的な攻撃を行うものに変更された。
初撃がヒットしたキャラに対し、アメコミ風の書き文字を発生させながら連撃を叩き込む。キャラクターが見えているため、「見える瞬獄殺」の異名もあるようだ。
…なんか途中でカメラに向かってVサインを出したり、とどめの一撃がオナラだったりするけどまあいいだろう。

追記・修正を瞬獄殺。

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最終更新:2023年12月22日 00:32
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*1 ただしこの時のリュウに殺意はなく、むしろ「格闘家として豪鬼とまた戦いたい」と涙しながら願っていた。これにより豪鬼は異形と化しつつも死なず、再戦の願いに応じてその場を立ち去った。