変身(ヒーロー)

登録日 :2012/04/06(金) 16:54:36
更新日 : 2017/06/07 Wed 13:29:10
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ライダー、変……身!! トウッ!



シュワッチ!



蒸  着!



ヒーローの変身――それは、何時までも色褪せる事の無い男達の永遠の ロマン である。



ヒーローの殆どは生身のまま戦う事は無く、必要に応じてその姿を戦闘形態に変化させる。
それは戦闘スーツの装着であったり真の姿の解放であったり様々であるが、大半の者はそれに何らかのプロセスが必要である。

人はそれを「変身シーン」と呼び、ヒーローの特徴の一つとする。

番組を見る子供たちはこぞってこれを真似し、大人も彼等を永遠の物にするため視聴者達の印象に残るようなイカした変身ポーズを考える。

変身シーンはヒーローのお約束なのだ。

また、多くの場合は「名乗り口上」や「決め台詞」が重要な要素となる。

因みに、変身するガンダムも存在する。



以下、各作品に於ける変身シーンの傾向。



【仮面ライダーシリーズ】


言わずと知れた変身ヒーロー。
初代ライダーである1号は、当初は腰の変身ベルト「タイフーン」に風を受け風力で変身すると言う設定だったが、
後に固有の「変身ポーズ」を取る事によって変身すると言う設定になった。

主な理由は一文字(正確には一文字役の佐々木さん)がバイクに乗れなかったからだが。

これは後輩達にも踏襲され、所謂「昭和ライダー」と呼ばれる面々は皆独特の変身シーンとポーズを持ち、「仮面ライダー=変身ポーズ」を印象付けた。
また、終盤でライダー1号の攻略法がなくなっていったショッカーは 変身中のライダーのベルトを絶対零度で凍らせる という手をとる。
が、これ以降そういった攻め方がなくなり、変身中に攻撃されるケースは希になった。
実は敵幹部も名乗りや台詞とともに変身しているケースがあるので自分達がやられるのが嫌だった為かもしれないが。

また、ストロンガーのチャージアップやBLACK RXのフォームチェンジのような二段変身も既に試みられている。
この試みは当時こそあまり使われなかったが(ストロンガーはともかくRXについては以降はOVや映画だった為尺が少ない事もあるか)、
平成ライダーにて「1人の仮面ライダーがフォームチェンジで特性の異なる複数の姿を使い分ける」という形で定番となった。


時は移り変わって平成ライダーシリーズ(と第二期)。
平成ライダー1号である「クウガ」にも当然変身シーンやポーズは存在したが、
流石にリアルで知られる「クウガ」では第3話に登場した女豹怪人ズ・メビオ・ダが 変身中のライダーを攻撃する と言う、
昭和最後期〜平成生まれには前代未聞の暴挙を行った。

今まで暗黙の了解として受け継がれてきた「変身中のヒーローを攻撃してはいけない」セオリーが
セルフパロディではあるが久しく打ち破られた瞬間であった。

しかしクウガもさるもの、変身しながら応戦すると言う、自然な流れの中でカッコいい対応を見せる事で新時代の特撮の姿勢を示してみせた。
※因みに、クウガでは変身ポーズも上半身のみの最低限の動きで行っているが、これも同様の理由である。

これ以後平成ライダーでは変身中の攻撃は禁じ手では無くなり、
ライダー側も「変身プロセスの簡略化」「生身で戦いながら隙を作って変身」「変身プロセス自体を攻撃に組み込む」と言った工夫を凝らす様になった。

また、ファイズでは強力な攻撃を受けてファイズギアが外れると変身が解除されるという展開が登場し、
以後強力な攻撃を受ける→変身解除というパターンが定番化した。

一部例外を除き、変身ベルトを使用して変身する。
平成ライダーでは変身ベルトに特定のアイテムを装着して変身するライダーが多い。



ウルトラマンシリーズ


ギネスにも(シリーズの長さが)認められた、日本が誇る巨大ヒーロー。
殆どの者は変身アイテムと呼ばれる変身用の小道具を持ち、それを使用する事によって変身する。


O(%)o


その際、ウルトラマンが飛び出してくるような変身バンクが主に使われている。通称:「ぐんぐんカット」
上記の顔文字のような片腕を上げるタイプが主流だが、両腕やセブンゼロのような体に身に纏うように変身する特殊型や、
マックスのように特殊型の後巨大化するタイプ、
メビウスエックスのように、バンク中にポーズを変えるタイプ、
ギンガのように腕を十字に組んでくるくる回転しながら変身するバンクなど意外と多種多様。

合体ウルトラマン系列だとまた違った演出がなされる場合も多い。

また続編にて変更されたためギンガのようにバンクのタイプが二種類あるものや、
かなり凝ってるビクトリー映像作品に出るたびに演出が違う ゼロなどのような特殊なケースも存在する。

平成に入ってからは、いろんな事情 *1 で劇場作品では(特に昭和ウルトラマンは)変身バンクを新規に作り直すこともあるため、
本放送時と劇場版の変身バンクを見比べてみるのも楽しい。

ちなみにぐんぐんカットには概ね3種類存在し、

1.パース人形
昭和の時代から続く伝統的な方法。
突き出された拳が頭よりもより大きく造形された極端なパース感が施されているため、強力な迫力を出すことができる。
変身パースモデルとしてこのパース人形のフィギュアが発売された例もある。
なお、初代ウルトラマンはカラータイマーが急遽付けられた弊害で、本放送時のパース人形にはカラータイマーが付いていない(人形作成時にはカラータイマーがなかったため)。

2.合成・CG
合成はセブン、CGはゼアスなどが代表的。
初期ティガ・ダイナのような○(%)o自体がフルCGな場合とゼロ等のような旧来の合成の代わりにCGを使っているものがある。
Fighting Evolution3のようなゲーム作品の場合はフルCGで新たに作り直されている。(その場合、初代マンのものはカラータイマーがついている場合がほとんど)

3.スーツをそのまま使う
ある種、一番簡単に作れ、本物との差異が全くない点が特徴。パース人形を作ったり、フルCGを作ったりしなくても良い。
ただし、パース人形と違って遠近感はそのままのため迫力は若干劣る。
そのため、メビウスやエックスのようにぐんぐんカット内で独自の動きを取り入れているウルトラマンもいる。
撮影の際は重力で腕が曲がるのを避けるために、台の上に背中を付ける方向でポーズを撮影しその後それを上下反転させている。


等がある。こちらも各ウルトラマンで違いを楽しむのもいいだろう。


昭和ウルトラマンでは無言で変身することが多かったが、
『ウルトラマンT(タロウ)』で東光太郎が「タロウー!」とウルトラマンの名前を叫びながら変身したことに端を発して叫び変身が見られ始め、
平成ウルトラマンでも『ウルトラマンガイア』の中盤から高山 我夢が「ガイアー!」と叫び変身を始めたことで、
以降の作品でも『コスモス』などで叫び変身が採用された。
そのためか、ティガダイナも、劇場作品などでは本編ではあまりしなかった叫び変身を行うことも。

ちなみにガイア以降で叫び変身がデフォルトでないのはネクサス、マックス、ゼロ、ギンガ。
まあ、ネクサスでは「ウォォォォ!」と叫びながら変身することもあったが。
なお、ギンガの場合はギンガSからは叫び変身になっている(おそらくタロウリスペクトだろう)。
オーブは一応叫ばない変身だが、各形態ごとに決め台詞が存在する。


怪獣を始めとした巨大な敵を相手にする事が多いため、変身そのものを妨害されることは殆ど無い。
しかしまったくないこともなく、例えば「メビウス」ではレッサーボガールが変身しようとしたヒビノ・ミライを攻撃し、気絶させることで変身を妨害していた。
他にもダークルギエルは、変身中のギンガを蹴飛ばすという前代未聞の大胆な妨害をやっていた。(ご丁寧にもぐんぐんカット内に割り込んでくる演出)
また、変身アイテムそのものが盗まれたりして変身が阻害されることもある。特にセブンのハニートラップ絡みは有名。

また変身者とウルトラマンが別人格である場合、状況によっては変身をウルトラマン自身が制止したり、
変身者に戦う意思がない(もしくは戦える精神状態でない)まま変身したために力を存分に発揮できないといった事が起きる。
『ウルトラマンコスモス』では逆に、ムサシの窮地を救うべくコスモスが変身をするように促したこともあった。

ウルトラマンが人間に擬態しているパターンでは、エネルギーの酷使や重度のダメージによって変身能力が失われる可能性もある。
そもそも擬態しているタイプはむしろ人間に 変身 しているので、元の姿に戻る術を失うこともある、と言った方が正確だが。



スーパー戦隊シリーズ


戦闘服を着込む以上、当然彼等も変身アイテムを所有している。
統一感を出すためか同じ戦隊は同一の変身アイテムを使う事が多い。
ただし追加戦士などは他のメンバーと違うアイテムを使うこともある。
また同時変身はほぼお約束である。こちらも強力な攻撃を受けると変身解除される事がある。

また、やっぱり変身アイテムはよく取られたり無くしたりする。

ゴーバスターズなどでは敵の攻撃を防ぎながら変身が可能。
トッキュウジャーに至っては自動で相手を弾き飛ばしてくれる機能がつき、変身妨害の心配がなくなった。
他にも変身アイテムが壊されたり故障したりして、応急修理するシーンもあったりする。

変身アイテムはかつては男児憧れのパパ必須の携帯品が腕時計だったことから変身ブレスが多かったが、時代の移り変わりにより携帯電話が多くなった。
しかし今でも変身ブレスは一部に根強く残っている。
2000年代以降は、変身ブレスのヒーローは変身後も左腕に露出している。
2015年現在、スマホ型のツールが初期メンバーの変身に用いられたことはない。
(追加戦士枠では特命戦隊ゴーバスターズのビートバスター・スタッグバスターの変身ツールとして初めて用いられた)

ちなみに戦隊初期の作品ゴレンジャー・ジャッカー・バトルフィーバーには変身アイテムが存在せず
ゴレン・フィーバーはそれぞれ「Go!」「フィーバー!」と叫んで一回転すると一瞬で変身可能。

一方のジャッカーは基地の変身用カプセルに入ってエネルギー(ぶっちゃけ放射線)を照射してもらう事で変身が可能とちょっと面倒くさい。
しかも場所が限られている。…つまり凄まじく不便なのでこれ以降は変身自体はどこでもできるタイプしか出ていない。
他社作品だがトミカヒーローシリーズでも「レスキューフォース」ではジャッカー方式が使われたが、流石に不便だったらしく、
第2期にあたる「レスキューファイアー」では道具さえあればどこでも変身できるようになった。



【アメリカ】


アメリカのヒーローは基本的に普段からヒーローとしての能力を使うことができるため、
全身タイツ などを普段着の下に着込んでおいて非常時に服を脱ぎ捨てるか、コスチュームを着込んで変身する。
つまりヒーローの姿は日常の姿を隠すための姿や、ただの戦闘服とも言える。

また殆どフルフェイスのマスクを着用しないため、服を脱ぐだけで変身でき、余り時間を取らないのも印象的。

ちなみにスーパーマンは正体を隠さなければならないにも関わらず素顔を完全にさらけ出しているが、
それでもバレないのは、彼が普段掛けている眼鏡から 催眠電波が出ており、周りの者はスーパーマン=クラークであることを認識出来ない から、という
中々にヤバい設定が存在する。

そんなもん使うなら最初から覆面しろよ……。

ただしアイアンマンのような装着型ヒーローや、
ハルクのような変異型ヒーローといった変身することによってヒーローになる者も一部にいる。

日本の戦隊をリメイクしているパワーレンジャーは当たり前だが日本の戦隊のまんま。ただ変身バンクは異なる。
変身バンクで素顔が出ている事が多いのも理由だろう。



宇宙刑事シリーズ


後の特撮ヒーロー界に多大な影響を与える画期的な演出をいくつも生み出したシリーズ。
その一つとして 「変身自体は瞬間的に済ませ、名乗った直後ナレーションによってそのプロセスが解説される」 という手法が用いられた。
実は「変身中に敵が攻撃しない理由」になっている。
ただし変身ポーズは複雑で子供には少々難しい。

この手法はのちのメタルヒーローシリーズに受け継がれてゆく。



牙狼シリーズ


ハイパーミッドナイトアクションドラマ。

本作のヒーローである魔戒騎士たちは魔界の力とされる鎧を召還し、装着することで変身する。
具体的には武器(剣や槍など)で空中に円を描くようにして空間を切り裂き、その裂け目から魔界にある鎧を呼び出す。

しかし、全身を覆う鎧によりアクションが大幅に抑制されるため、生身での戦いのほうが見応えがある……かもしれない。

なお、魔戒騎士は変身しなくてもやたら強い。下手すると変身しなくてもホラーが倒されかねないほど強い。
理由としては「あの鎧は100秒も保たない為、戦闘の大半は生身に武器を持っただけで行う→じゃあ生身の時点でホラー相手に有利つくレベルじゃないと務まらないよね?」と説明されている。


◆ネタな変身プロセス

以上の様に「変身」とはヒーローにとっての見せ場だが、ギャグ系の作品ではそこにも笑いを入れてくることがある。

タイムボカンシリーズの第5作目。いつもは主人公の気合と掛け声で変身しているように見えたが、後半で実は「掛け声の後一時的に意識を失わされ、その間瞬間的に未来へと転送され『変身班』による処置が施される」というめんどくさいプロセスが挟まっていることが判明した。

  • 電エース
河崎実が制作・主演しているミニ特撮ドラマシリーズ。主人公が「快楽の星」出身なため、「 何か気持ち良くなることをする 」という変態じみたトリガーで変身する。
まあ「ビールを一杯」なんて快楽でもOKなのだが、「ビールがないから女性に無理やり抱き着く」・「お楽しみの最中にうっかり変身してムード台無し」なんてアレな変身シーンも散見された。

  • 雅楽戦隊ホワイトストーンズ
ローカル番組『ドラバラ鈴井の巣』内で放送された低予算特撮ドラマ。変身プロセス自体は「主人公3人が雅楽三管を奏でる」という雅やかなものだが、なぜか約一名全裸カットが挿入された。


◆変身時のお約束と特異なケース


基本的に変身時は 攻撃をしたりツッコミやコメントを呟くと言った横槍が入らない のが定番である。
理由としては「変身する場所が人目につかない所なのでそもそも相手がいない」「変身時に周囲に結界を張る等奇襲に備える」
「変身時に膨大なエネルギーを放出するので近づくと危険」「組織の目的上、ヒーローの姿で倒さないと意味がない」
と言った理由付けもある作品もあるが ヒーローと敵組織共に自粛している というのが大半である。

自粛理由については名乗りを上げて変身するのはヒーローだけではなく、
怪人や幹部なども名乗りを上げて変身する事があったりするので変身中に攻撃が頻発すると自分達もやられて堂々巡りとなるので、
あえて攻撃せずに変身を見届けているのであろう(変身途中に攻撃したりするものはもう後がないようなケース)。

また、ヒーローの中には「変身シーンをあえて見せない」と言ったケースも存在し、こちらは神出鬼没さを視聴者に印象付ける事に貢献している。



追記・修正は変身中に襲い来る怪人を退けてからお願いします。

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