シナジェティック・コード(蒼穹のファフナー)

登録日:2013/06/19(日) 21:38:00
更新日:2023/09/01 Fri 13:19:56
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この項目は、『蒼穹のファフナー』シリーズのネタバレが含まれています。




シナジェティック・コードとは、蒼穹のファフナーにおける用語で、ファフナーパイロットにとってはとても重要なもの。
搭乗時に神経接続を用いるファフナーとパイロットの脳を連結するのに必要な「ある種のの状態」で、成人はコード形成が難しくなり、無理に形成しようとすると脳に負担が掛かってしまい、船酔いや酩酊状態に似た症状が出るため、作中で出たパイロットの平均年齢は16歳となっている。

ノートゥングモデル及びマークフィアー・マークエルフのコアを移植したザルヴァートルモデルの搭乗にはこのコード形成が必須となるが、
自力で形成が可能なパイロットは10万人に1人と自然分娩における出生率が極めて低く、剣司(と恐らく僚)がこれに該当する。
人類軍がシナジェティック・コード形成が出来なくても搭乗可能なファフナーを運用しているのはこの為であり、
Alvisは試験管ベイビーに遺伝子レベルでフェストゥム因子を同化させることでシナジェティック・コード形成を可能とした。
だがこのシナジェティック・コード形成能力の付与の代償は余りにも大きく、
パイロットの親達が赤紙を見た時唯一の例外の里親を除いて取り乱した。



所謂「経年劣化」によって形成率が低下した場合、因子活性剤などの薬物である程度の改善は可能で、
成人している日野道生や狩谷由紀恵がシナジェティック・コードの形成が必要なノートゥングモデルやマークニヒトに搭乗できたのは薬剤のお陰という面もあるが、共にアルベリヒド機関による試験管ベビーの第一世代であるという一面もある(生存している第一世代はEXODUS時点で弓子のみ)。
但し因子活性剤を使いすぎると死に至る可能性もある。

道生と狩谷はフェストゥム因子を移植した第一世代なので元々ファフナーには乗れるが成人しているので形成値が低下しており、狩谷はそもそも適正が低かったのでマークニヒトの搭乗の為に同意の上で因子活性剤を致死量ギリギリまで投与していた(狩谷のミツヒロに対する愛情を利用された説がある)。



1期1話時点で真壁一騎のクラスメイト全員のシナジェティック・コード形成値は出ているが、設定ミスか作画ミスか3話で出された値と異なる場合がおり、設定としては3話のものが正式な設定と思われる(但し故意に改竄されていた真矢はこの限りではない)。

小説版での記述によると、脳の表側(トップソイル)にある「人間らしさ」を生み出す領域から、原始的な脳の深奥部(ダークフロア)にあるR領域、爬虫類(レプタイル)の脳に至るまですべての部位の脳波が緊密に関係しなければならず、その関係は黄金比として脳波計で表現され、対数スパイラルと呼ばれる連動状態を表すらしい。
更に竜宮島回覧板にも記述があり、この形成には積極的な自己否定が必要で、脳の自意識を司る部分を眠らせる事ができるかどうかということ…らしい。
トップソイルとは末梢神経、自立交感神経系、自立副交感神経系、脊髄、右脳と左脳、延髄の事を指し、ダークフロアは間脳、視床、視床下部、辺縁系、網様体を指す。
要するに脳がどれだけ違う変性意識下の自分を受け入れられるか、ということなのだろう。


黄金率の0.618:1:1.618に近ければ近いほどファフナーパイロットとしての適正が高く、一騎は形成率が最も高い。
この形成率が低くてもファフナーとの一体化を受け入れる気持ちの強さ次第では高い適正を示す場合もある(形成率が低い僚が選抜された要因は恐らくこれが関わっている)
劇中で判明している限りでは、基本的に同化耐久率とコード形成率の高さは相反しており、例えば同化耐久率の高い僚は形成率が低く、逆に高い形成率を叩き出している真矢、祐未の同化耐久率は低い。ただし例外もあり、一騎や総士はコード形成率も同化耐久率も高い。
L計画に参加したパイロット8名の選抜基準はこの形成率の高さだったので、恐らく同化耐久率は二の次だったと思われる。
この選抜理由として有力なのは、
「RoL当時の竜宮島とAlvisは実戦経験が乏しく、ファフナーで戦うことのリスクや同化耐久率の重要性が不鮮明だった」
というものがあり、ブラックボックスの中に遺された僚の遺言がそれらを生々しく鮮明に伝えた事が後のパイロット選抜前の適性検査に繋がったのでは、という推測がある。

なお、EXODUS時点において作中に形成率の細かい数値が出ている中で数字上の形成率が高い(黄金率に近い)のは上位3名に絞ると

一騎(3.132:1:4.253)、真矢(3.312:1:4.532)、彗(6.519:1:7.999)


逆に低い(黄金率から遠い)のは、改竄された真矢の数値(12.142:1:13.584)を除いて下位3名に絞ると

僚(15.115:1:18.053)、カノン(15.157:1:15.838)、剣司(12.742:1:13.566)


真矢は形成率が一騎に次いで高い分、ノートゥングモデルにコアとして搭載されている瀬戸内海ミールの欠片の影響、即ち同化現象の進行が誰より早いという大きな欠点があったが、道生とは逆に同化抑制剤を投与する事でどうにか克服している。
L計画参加パイロットでは祐未の形成率が高い(08.342:1:09.969)が、彼女も真矢同様に本人の同化耐久率は低いと明言されている。
総士はマークアインの起動実験の際「見えない左目が見えてしまう」という現象を受け入れられなかった為ファフナーへの搭乗を断念しているが、同化耐久率もコード形成率も一騎や祐未に並ぶほど高く、ティターンモデルの搭乗に数時間は耐えられる程だったという。
蔵前はアニメ版では「パイロット適正が高すぎる」小説版では「適正はパイロットとしてギリギリ」と食い違っているものの、
いずれにせよファフナーの複数回搭乗に耐えられるほどの耐久率はなく、L計画中同時進行に行われた数回のマークツヴァイ起動実験の後、同化現象の初期症状である目の赤化現象を起こしてしまい、特殊偏光レンズのメガネで隠さざるを得なかった。

逆に僚は異常値とも取れるほど適正が低く、カノン剣司はアルベリヒド機関によってファフナーパイロットの適正を持って生み出された試験管ベビーではなく、自然分娩での誕生だったのでノートゥングモデルに対して低いながらも適正を示してる事そのものが奇跡である。
カノンはフェストゥム因子を強引に投与した結果、定着に成功し道生同様ノートゥングモデルへの搭乗適性が付与された為
上記の数値が算出されたものの、適合出来ず死亡してもおかしくない暴挙であるため、その場に居合わせた全員が止めている。
僚は直接的な言及はないものの、彼の病気が「母親由来のもの」という言が確かであれば自然分娩による誕生の可能性が高い。適正が高い祐未とは逆に同化耐久率はL計画参加パイロット8人の中でトップとされている。
また、「ファフナーとの一体化に前向きであれば高い適正を示す場合がある」とされているため、結果的にティターンモデル搭乗が決定した可能性はある(逆にその補正を含めてもこの数値であるという可能性もあるが…)


なお、ノートゥングモデルの数十倍の進行速度だったティターンモデルに長期間乗っていた祐未が最終盤まで末期症状を引き起こしていなかったのは奇跡に近い(詳しくはL計画(蒼穹のファフナー)参照)。
更に改竄された真矢の数値は、弓子がファフナーに乗せたくない為に書き換えたものだが、本来の数値の3倍近い数値になっており、搭乗出来ない原因は神経系の発達障害とされていた。

このコード形成は、ノートゥングモデル搭乗時に起こる変性意識(思考状態が普段とは異なり、戦闘向きになる状態)にも影響があるようで、一騎やカノンのように自己否定が強い場合は変性意識の影響はない。変性意識は大抵が攻撃的なものになるのはこのせい。
道生は特に普段と変わりないように見えるが好戦的な性格になる模様。また、ティターンモデルだった僚と祐未も搭乗時は好戦的な性格へ変化するようだが言及はない。

但し変性意識が臆病な剣司、ゴウバインメットの自己暗示の影響もあって先陣を切る傾向もあるのような例外もある。
ちなみに翔子はあくまで変性意識は「(一騎への)愛情」だが、その愛情が先行してしまい行動理念が「一騎第一」となってしまうが故に攻撃的かつ単独行動しがちな変性意識となってしまっていた。


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最終更新:2023年09月01日 13:19