仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE

登録日:2010/12/20(月) 20:40:35
更新日:2024/04/21 Sun 11:51:21
所要時間:約 7 分で読めます




【注意】この項目は重大なネタバレを含みます




―今、地球のCORE<コア>で最も熱い戦いが始まる―




2010年12月18日に公開された劇場版仮面ライダー作品。
仮面ライダーW仮面ライダーOOOがメイン。

前年に好評を得た『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』を更に超パワーアップさせる事をコンセプトに制作された。
同じくそれぞれ前年度の仮面ライダーと、現行ライダーを主役にした物と、両者が合流する『MOVIE大戦』の三本立て。

Wはその後の春映画やMOVIE大戦にもゲスト出演しているが『仮面ライダーW』のタイトルが付く映画タイトルは現時点では本作が最後となっている。

MOVIE大戦シリーズのなかで純粋に二作品の共演になっているのは本作が初である。
なお、企画初期は仮面ライダーディケイドこと門矢士もゲスト出演する予定だったが、諸事情により断念。
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦でのディケイド復活はそのリベンジであると白倉Pが発言している。


キャッチコピーは…



仮面ライダー、地球の中心「核<コア>」へ。





仮面ライダースカル メッセージforダブル

まさかのスカルスピンオフというかタイトル変わってる
基本的に亜樹子とおやっさんの視点がメインなのでWとアクセルの活躍は非常に少ない。
その分、スカルの魅力全開で彼のハードボイルドさを存分に味わえる。


展開が非常にハードかつ大人向けで
『目の前にいる人を助けられずに殺される』
『信頼していた者の裏切り』
『街中で起きる無差別かつ大量の殺人』
『タンクローリーの下敷きになった敵を助けない』
『メモリブレイクしても変身者は死ぬ』*1
『その事実を理解した上でなお闘わなければならない残酷な現実』
ドーパントを倒してもメモリによる効果が消えない』
『孤独に生きる事を強いられる残された者達』
『幸せになれない登場人物たち』
など、本編では考えられない非常にやるせない固ゆで卵な内容になっている。


敵が非リア充の味方スパイダー・ドーパント用済みの花魁売人バット・ドーパントなのは初代のオマージュであり、
Wの世界で初めてライダーにトドメをさされた怪人は初代と同じく蜘蛛男になった。

幼い頃のあの人も出てるよ!

W 最終回は2011年8月であるので過去の1999年は11年前と表現しているなど2011年と思われる描写もある。



【あらすじ】


舞台はW本編後、鳴海亜樹子と照井竜の結婚式当日。



…………



鳴海 亜樹子と照井 竜の結婚式当日



…………



大事な事なのでもう一度言うが



鳴海亜樹子と照井竜の結婚式当日である

一体、何がどうしてこうなった(ry
ひとまず此処は置いといて本題。
結婚式当日、突如風都を襲ったプテラヤミーが持つガイアメモリの一種、メモリーメモリの力によって亜樹子は過去の風都を覗く。
そこで鳴海荘吉が仮面ライダースカルとなったキッカケ、『スカルのビギンズナイト』 を知る事に……。



【登場人物】


鳴海亜樹子/なにわの美少女仮面
本編での芯の強さは何処へやら。本編+劇場版含めてあんだけ風都を守るライダーたちの戦いを見守ってきたのに、
自分の周りの男性が全員仮面ライダーで事件解決を最優先する態度にプッツン。

マリッジブルーも重なってまさかまさかの仮面ライダーアレルギー*2に。居ないと明らかに街がヤバい(?)のに「ノーモア仮面ライダー」なんて言い出すようになってしまう。
まあ結婚式当日にまで事件が発生し、新郎と父の代理×2が出動するハメになる心労を考えれば無理もないか。*3
なにより、仮面ライダーが出動せざるを得ない風都の治安の悪さが一番の問題のような気もする。本作における狂言回しである。


鳴海荘吉仮面ライダースカル
本作の主人公。妻子が居るのに女が二人も寄ってくる渋メン。
娘である亜樹子に、結婚式には側に居ると約束するが……。
今回もドーパント相手にシンバルキックを披露。
「俺は自分の罪を数えたぜ……」


松井誠一郎(マツ)
おやっさんの相棒。翔太郎に対するフィリップと同じく、事件に関する手掛かりを探るのが仕事。癖は指パッチン
地球の本棚はもちろん使えないので、現実の図書館から情報を探し、W後半回に出てくる相関図そっくりにコルクボードを用いて分かり易く纏める。
おやっさんにとって最高の相棒だったが……。
ちなみに前世はハットリくんと飛電其雄の元で働きDJサガラと仲が良く、五代雄介や夜神月が隊長仲間でギンガブルーが後輩な十番隊組長だった。


メリッサ
亜樹子にそっくりなおやっさんの妹分。風都で人気の歌手でおやっさんにボディガードを依頼した。
「私、聞いてない」が決めセリフなので亜樹子の母親……かと思ったらそんな事無かったぜ。
と思いきや、2015年に発売されたムック本の中のキャストインタビューにて、演じた山本がメリッサは亜樹子の母と発言する文章がある。
映画中には幼い頃の亜樹子が母親を呼ぶシーンがあるので、これが本当なら色々おかしいことになるのだが……真偽は不明。(比喩として母と述べたのだろうか?)


照井竜仮面ライダーアクセル
所長にメモリとアクセルドライバーを取り上げられて変身不能。亜樹子に嫌われてショックを受ける辺り、彼はもう戻れない所にいるのかも……。2号ライダーで結婚式が描かれるのは、仮面ライダーキバ最終回の仮面ライダーイクサ/名護啓介以来である。
なお、後に公開された彼が主人公のスピンオフVシネマでは、結婚後の彼らの生活が見られるが、料理などは彼が担当している模様。


左翔太郎仮面ライダーW
ハードボイルドを目指すハーフボイルド探偵。
今作では現在部分ではもちろん、過去の映像でも半モブとして登場し、彼がハードボイルドに憧れるキッカケが描かれた。
余談だが、1999年時点で小学生だったことが判明。高く見積もっても本編(2009年)では22歳ということになり、亜樹子とそんなに変わらない可能性が出てきた。


フィリップ仮面ライダーW
出番が少ないのでイマイチ影が薄い。亜樹子が陥ったマリッジブルーに興味津々で翔太郎にドツかれる。


風都イレギュラーズ(ウォッチャマン、サンタちゃん、クイーン、エリザベス)風都超常犯罪捜査課
お馴染みの面々が結婚式に参加。
刃さんは、まだ巡査だった若かりし日の姿も過去の映像にて出てくる。


シュラウド
フィリップの母親。今作ではおやっさんの幼馴染で、彼にスカルメモリやロストドライバー、スタッグフォンなどを渡していた事、マツに内緒で鳴海探偵事務所のガレージ(現在フィリップがいる所)に居候していた事が判明。
若い頃の姿が描かれることから(親の若い頃が娘に似ている、という発想から)若菜冴子の役者が二役を演じると思われたが…結局、TV本編の違いは衣装と髪型だけであり、本編同様、包帯の下の顔は謎のまま。


尾藤勇(サム)
本編31話・32話にも登場した荘吉の昔馴染み。
今作は彼が自首をする1年前の話で、荘吉の捜査の協力者を紹介してくれた。




仮面ライダーOOO ノブナガの欲望

オーズの外伝的エピソード。
脚本は劇場版には久々に参加した井上敏樹

これまで井上は多数の劇場版を手掛け視聴者を魅了していたが、今作はノブナガの変化が軸なためか、作風がテレビシリーズを手掛けた際の物に近い。
井上脚本らしくハードシリアスな展開を見せており、TV版とはほぼ別物のパラレルワールドとなっている。
プロデューサーとメインライターの小林靖子との雑誌での対談内で、脚本が出来上がったのは本編1・2話の映像が完成する前と判明している。

作中、どう考えても必要な描写が無いので色々と場面をカットされた可能性がある…というかDC版にあった。



【あらすじ】


歴史上、最も欲望深いとされる人物「織田信長」
彼のミイラを発見した鴻上ファウンデーションはセルメダルを利用し、人造人間(ホムンクルス)として復活させるが……?



【登場人物】


火野映司仮面ライダーオーズ
主人公。TV本編のパンツ以外にも欲があり、他者の欲望にも肯定的なキャラとは違い完全に「欲が無い」。
自分の稼ぎを全部知り合いに気軽に配ってしまうほどで、お人好しな初期設定の火野映司に近い為TV本編とはキャラに違いが見える。
時期的にオーズ放映前、かつ初期設定のみから描いた脚本の為、キャラに違いが出るのは当然といえば当然。
後述するが、「TV本編とは同姓同名のよく似た別人だから性格も少し違うのだ」と解釈することも可能か。
タカゴリバとタジャドルコンボがテレビシリーズに先駆けて先行登場するが、公開前のCM、雑誌、パンフレットで出たのはあくまで変身に必要なコアメダルのみで、タジャドルコンボの姿は一切映し出されていない。

ノブナガ(織田信長)仮面ライダーバース
通称ノブくん。今作の主軸となる人物で、鎧を纏った素体ヤミーのような怪人体の他、仮面ライダーバースに変身する。
織田信長の魂を宿したホムンクルスで、信長を殺したと思われる武将の子孫を殺しながら天下を取るために暗躍。
ある意味、戦国武将で初の仮面ライダーに変身した。

最後はドクター真木ィ!に甲殻類系コアメダル(サソリ、カニ、エビ)を入れられ暴走し、オーズに倒された。
肉体のベースは事故で流星塾に迷い込んだ作業員。

後のMOVIE大戦でも、色々と繋がりがある同じ名前の人物が登場する。
4年後にはキラキラに憧れるシャドーラインの闇の皇帝として復活したとの噂が…。


泉比奈
ヒロイン。冒頭のウェディングドレス姿が麗しい。


鴻上ファウンデーションの面々
何らかの思惑があるらしくノブナガの動向を観察している。
会長が相変わらず欲望好き。
里中がビビり
ドクターが発狂、
5103が有能。
5103はMOVIE大戦編で活躍するよ


アンク
映司と別行動を取っている模様(後述)。
出番が少ないのはアンクの役者のスケジュールの問題。
TV本編とは異なり、クジャクメダルとコンドルメダルを苦労して見つけてきた。


グリードの面々
同じく出番が少ない。


ギル
CV:浜田賢二
名前の由来は"裏切る"
(単に"ぎる"という説も)
声のみ登場した恐竜系グリード。2年前は犬型の炎神だったとか。

比奈の先輩の「踊り続けたい」という欲望からプテラヤミー(♀)を生み出す。
カザリによると彼のヤミーは非常に強力なんだとか。

後の仮面ライダーアクアの前の姿(声的に)。

元々TVにも出る筈だったが、DC版のオーディオコメンタリーで設定が変わっていったため、新たに恐竜系グリードが生み出されることになったと語られている。



【映司とアンク】


  • アンクがクスクシエに居ない
  • 比奈達がその事を言及しない
  • 映司が本編ではアンクが所有している専用ケースでコアメダルを管理している(DC版の追加シーンでは映司に預けていると発言している)
  • アンクが映司と接触する際に「相変わらず甘い」と言っている(定期的に顔を合わせるなら「相変わらず」という言葉は普通使わない)

といった描写から、映司とアンクは長期的な別行動を取っている節がある。



【劇場版ライダー】


仮面ライダースカルクリスタル
鳴海荘吉が初変身した時の姿。
頭部が水晶のように透き通っており、Sを思わせるヒビが無い。
ガイアメモリを用いた戦いに納得ができていないために完全な力を発揮出来ないらしく、敵ドーパントに苦戦する。
この手の形態にしては珍しく、『仮面ライダーバトル ガンバライド』でゲーム出演を果たしている。


仮面ライダーコア
CV:ガイアウィスパー
本作のラスボスで初のフルCGライダー。メモリーメモリに甲殻類系コアメダルが組み合わさる事で誕生。
メモリーメモリに記憶された仮面ライダーのデータを基に生まれた存在。
ただしその「記憶」は仮面ライダーのダーク面(人間ではなくなってしまった哀しみや孤独)のみに偏っており、
「異形となった悲しみを憎悪の力に変えて戦う戦士」らしい。通称闇マダオ
地下深くに有る、地球の核から漏れ出した「地球の記憶」の結晶が力の源。



【本作と本編との関連】


Wは最終話で1年が経過しており、本作がOOOの時系列にどう影響するのか議論されてきた。

翔太郎が映司に「また世話んなっちまったな。」と発言しているため、
本作が『FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』、ひいてはW本編と同じ世界観であるのは確実である。
一方のOOOは本編で「映司がNEVERと戦った」という描写が無く、ギルが800年前には存在していない事からパラレルワールドだと思われる。

クライマックス刑事』のように、一つの世界に複数の主役ライダーが存在している可能性がある。
映画のOOOはW本人との共演が多く、それらは「Wの世界のOOO」と考えた方が手っ取り早いかもしれない。

なお、W本編終盤では財団Xの携帯端末にオーメダルの情報が記載されている。
ただし、この描写はあくまでもファンサービスであり、OOOとの世界観の繋がりを示唆する物ではないと公式で明言されていることも注意。
偶然か意図的か、W本編の世界観にOOOが存在すると考えるならば、ファンサービス的な描写としての意図は薄れてしまったが。

そして将軍と21のコアメダルでは映画のOOOがフォーゼと対面しているが、
フォーゼの本編と映画シリーズは(スーパーヒーロー大戦などを除き)同一世界である。

…が、翌年の『MEGAMAX』は本編設定かつWやフォーゼとの面識有りとややこしいことに。
経緯は違えど映画のOOOも本編と同じ結末を迎え、本編とは別世界だが今に至っているという解釈が一番合っている。(逆に、後述する小説の描写などから、本編の世界線でも劇場版と類似した出来事が起きていたと解釈する事も出来る。)
おそらく、こちらではラスボスがギルだったのだろう。


つまり劇場版のOOOは全て本編とはパラレルという解釈にもなってしまい、本編のOOOが取り残されることになる。
仮にこちらの世界にも繋がりを持たせるとしたら、前述したとおり、何かしらの経緯でWやフォーゼと出会っていたと考えるしかない。

ちなみにOOOの最終話には歌星賢吾城島ユウキがチラッと映っている。


余談だが、講談社キャラクター文庫より刊行された『小説 仮面ライダーオーズ』(著:毛利亘宏)は
基本TVシリーズに準拠した内容なのだが、作中で「伊達よりも前に後藤がバースに変身した」一件に触れる一幕がある。

また、本作由縁のアイテム「メモリー・メモリ」は、『S.I.C HERO SAGA』の仮面ライダーW編「Playback」のエピソードにおいて
これを用いて変身した怪人「メモリー・ドーパント」が登場しており、物語上でも重要な立ち位置を担っている。




追記・修正は地球のCOREで行って下さい。

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最終更新:2024年04月21日 11:51

*1 DC版のシュラウド曰くメモリの暴走。

*2 そんな名前のライダーではなく、「仮面ライダーに対するアレルギー反応」の意味

*3 DC版の翔太郎の語りによると、出動が元で式の準備自体ままならなかったこともアレルギーに拍車をかけたらしい