ストライクウィッチーズ零 1937扶桑海事変

登録日:2011/07/27 Wed 23:59:32
更新日:2024/04/03 Wed 10:58:17
所要時間:約 6 分で読めます




<<概要>>
アニメ「ストライクウィッチーズの視点で描いた作品。掲載誌は娘TYPE。単行本全二巻。作者は「にんげん」。

アニメ、小説などで隊長やエース級として描かれた扶桑ウィッチが数多く登場し、また数年後登場する兵器のルーツも説明されている。



まさかのシリーズ第二期が連載されたものの、事実上の打ち切り。何があった……



<<登場人物>>
◇扶桑皇国海軍航空歩兵
本編同様士官は海軍の士官服、下士官はセーラー服を着用。ズボンは一律で紺のスク水状のボディースーツである。


坂本美緒
舞鶴海軍付属小学校
→扶桑海軍第十二航空隊北郷部隊

本作の主人公。12歳。階級は一飛曹。
トレードマークの眼帯を着けてはいるが「わっはっは」もなく、弱気である。
だが酒が入ると後々の振る舞いの片鱗が表れ、豪快になる。
おそらく、長年の間にそちらの性格が表に表れていったと思われる。
北郷が師範代を勤める剣道場「講導館」で魔法を使わずウィッチ候補生を全員倒すほどの腕前を持つが、固有魔法の魔眼の制御が出来ずコンプレックスを抱く。
胸は発展途上だが三人の中では一番大きい。将来烈風斬を放つようになるとはとても思えない。
ただ、この時に魔法力を酷使した事が彼女自身にに悪影響が生じてしまう。
また、最終決戦時の北郷の一件で、軍上層部を恨むようになったと思われる。


◆北郷章香
舞鶴海軍航空隊
→扶桑海軍第十二航空隊北郷部隊海軍少佐19歳。使用武器は銃と二本の刀。
「講導館」の師範代で、坂本からは先生と呼ばれ慕われている。

舞鶴がネウロイに襲われた際、初の実戦ながらも候補生達と共に出撃。候補生が次々と撃墜されるなか、坂本の助けもあり負傷しながらも全機撃墜する。

常に笑顔の好人物で年若い坂本達に戦い方だけでなく様々な教えを説く。また実戦経験こそ無かったが駐欧武官を務めるなど頭脳明晰。軍内では「軍神」の異名を持つ。
戦後は最終決戦における負傷により、車椅子生活を余儀なくされ、一線から退いた。最終階級は中佐。
この経緯から、坂本は派閥抗争に明け暮れる軍上層部を憎んでいる節がある(TVアニメ第二期でその描写がある)。
料理は壊滅的で第一話の段階で蟹やタコ、ミカンの入ったオニギリを作ってきたりしていた。料理の被害者は若本、穴拭。

単行本巻末の四コマ漫画によるとウラルの誰よりも強いらしく、「斬撃で海を割った」などの逸話も。
江藤曰わく「包丁を持ったときが一番恐ろしい」。今作のわっはっは担当
作中随一の巨乳。


◆若本徹子
舞鶴海軍付属小学校
→扶桑海軍第十二航空隊北郷部隊
12歳のウィッチ候補生。
坂本とはライバル同士。度々勝負を挑んでいるようだが、魔眼の制御が出来ない坂本相手に勝った気分にはなれないらしい。
言いたいことをハッキリ言う性格で坂本・竹井の3人の中ではリーダー格。一人称はボクっ娘
大量の食料や加藤の豆ひき機を失敬してくるなど豪快な一面もある。

ストライクウィッチーズの史実通りならば後に「扶桑最強のウィッチ」の異名をとるまでに成長。
順当に行けば、1945年(TV第二期)には退役する年齢を迎える。
なお、設定上は坂本との関連性が強いはずだが、リバウ三羽烏の一角は彼女ではなく、西沢義子であるために、いささか設定倒れになっている嫌いがある。

胸は坂本よりも小さい。

固有魔法により自身の身体能力を爆発的に向上させる事が出来る(だがその反動で髪の毛が伸びてしまう)。


竹井醇子
舞鶴海軍付属小学校
→扶桑海軍第十二航空隊北郷部隊
坂本・若本と同じく「講導館」に通っており、学年が一つ下の11歳。この頃は大人しく気弱な性格で、いつも坂本の後をくっついている。
体力・操縦技術共に並以下で訓練でも着陸に失敗するなどの描写があった(機体の不具合の可能性あり)。実戦においても練度不足からか出撃頻度は少ない。

海軍高官の孫娘で、父親も軍人という名家の出で、彼女自身は特にウィッチになりたかったわけではなく、周りの成長に付いていけず逃げだしたこともあった。しかし、
なんだかんだで才能はあったようで、後に「リバウの貴婦人」の異名を誇るウイッチとなる。この時に加藤武子と親交を持ったのが成長のきっかけだったらしく、戦後は武子を姉のように慕うようになった。

…胸についてはノータッチで。


◇扶桑皇国陸軍航空歩兵
通常軍服と巫女服の2タイプが存在する。
ズボンは軍服の場合通常だが、巫女服ではお尻の割れ目が見える際どいズボンを着用する。


◆江藤敏子(中佐)
扶桑陸軍飛行第一戦隊戦隊長。
ウラルの陸軍飛行隊の隊長を務める。
智子や武子、圭子らが軍生活で逆らえない唯一の存在。
ネウロイの弾をシールドで逸らすなど高い技量を見せる。ウラルで一番強い北郷と戦って「いい線いける」と言っていた。
北郷とはつきあいが長いらしく江藤は「怒ると怖い」らしい。
戦争末期の御前会議でグダグダ振りを見せた軍部に嫌気が指し、生還した後に退役した。
その後はコーヒーを武器にして喫茶店を経営、生計を立てている。
1940年代以後に元部下らが大成した後も、頼れる相談役として振る舞い、軍に残った智子らの心の支えになっている。



◆穴拭智子(少尉)
扶桑陸軍飛行隊第一戦隊。
当時は士官学校卒後間もない頃で、当時の年齢は14歳。江藤指揮下の若手航空ウィッチの一人。
後々に語り継がれる扶桑海三羽烏の一人。
戦闘スタイルは刀を使った巴戦。

当時からかなりの自信家。新型ネウロイ相手に正面から挑み撃墜されかけたことも。その美貌から、当時から軍部の戦意高揚のプロパガンダに活用されることが多々あった。

当時はプロパガンダに担ぎ上げられていた事もあって、性格的に高飛車で、傲慢なところがあった。
新米時代の坂本らを『いないほうが安心して飛べる』とまで言い切り、血気に逸って突撃するなどの独断専行も平然と行った。これが彼女の将来を案じる加藤武子に危惧された結果、戦後にスオムス送りにされてしまう。
なお、当時は加東圭子とウマがあっていたようで、圭子と共同で模擬戦の提案をするなど、意外に仲が良い様子が描かれた。
だが、実のところは、その美貌や戦闘スタイルから、圭子に嫉妬されており、その事が圭子の人生を大きく変えてしまったのは皮肉なものである。

トレードマークは「豪勇穴拭」と書かれたスカーフ。扶桑海事変をテーマにした映画では主演を務め、アニメ版で宮藤に送られた扶桑人形のモデルになるなど扶桑で最も有名なウィッチになる。
事変最終決戦では小説版主人公の特権が発動したらしく、彼女と坂本の一刀が決め手となった。

また、小説「スオムスいらん子中隊」の主人公でもある。スオムスに派遣され、レズな隊員やら技師に狙わる苦労人。
若手時代の傲慢さはこの時に消え、好人物へ成長した。
TV版第二期までに大尉昇進が叶っており、いらん子中隊を改編した第507統合戦闘航空団の隊長をそのまま地すべり的にしばらく務めた。
年齢的には1943年ごろに一線を退く年頃であるが、士官学校卒故、軍には残ったようである。


加東圭子(少尉)
扶桑陸軍飛行隊第一戦隊。
扶桑海三羽烏の一人。愛称は「ヒガシ」。
当時は18~9歳ほど。部隊のウィッチでは最年長であるが、意外と血気盛んな性格。
3、4歳離れている智子とはウマがあったようで、出番も多く描かれている。

戦闘では銃撃を得意としており、この当時は『扶桑海の電光』との諢名を頂く撃墜王であった。小隊内では、ライフルによる狙撃、並びに援護を行う。
穴拭が敵に撃墜されかかった際、魔法による狙撃で弾を敵弾に当て軌道を逸らすという離れ業をみせる。
(シールドを貫通する程の弾だったので、この援護が無ければ智子は撃墜されていたと思われる)

智子とは親友であったのだが、後年、『智子の容姿に嫉妬していた』と述懐しており、その嫉妬心が心の闇となっており、
それが彼女の運命を大きく変えるきっかけになる……。
戦後は年齢の問題もあり、退役してカメラマンに転身したが、後に軍に復帰。1942年にはマルセイユの所属するアフリカ部隊の隊長に就任する。
事変当時は歳相応にやんちゃなところが多く見られ、智子や武子とよく絡む。また、後々の『おねーさん系』なイメージとは裏腹の勇猛な一面も描かれ、インパルスガンダムよろしく、ナイフで敵機を一刀両断する芸当も見せた。第二次ネウロイ大戦で指揮官として腕を奮う彼女だが、現役時代は撃墜王として鳴らしていたのである。

この頃からカメラ好きであり、彼女はライカ党である。


◆加藤武子(少尉)
扶桑陸軍飛行隊第一戦隊。
扶桑海三羽烏の一人。愛称は「フジ」。
当時15歳。

部隊内では常に智子の暴走に振り回され気味。ため息をつく場面が多い。智子とは士官学校で同期であり、その頃からの親友である。
海軍との模擬戦では性能で劣る機体ながら坂本を撃墜寸前まで追い詰めるが、偶然坂本が捻り込みの機動を行ったことに対応できず撃墜される。

撃一号作戦では新型のネウロイを倒す為、観戦武官としてカールスラントから派遣されたガランドと共にBf-109戦闘脚を装備して出撃。急降下爆撃により撃破している。
自身の居場所を無くしたと思い逃げ出した竹井にアドバイスし、脱皮のきっかけを与えた。戦後は竹井の第二の師と言える存在となった。

戦争末期の御前会議では作戦案を提出するも、上層部から馬鹿にされて相手にされなかった。
しかし海軍高官の嘲笑に耐えかねた江藤が高官を殴打したのと、御前会議に出席していた内親王殿下が皇室権限で案を承認したことでウィッチ部隊の指揮権を与えられ、指揮官として奮闘した。
だが、この無茶が原因で陸軍参謀本部から妬まれ、大尉以降の昇進速度は意図的に遅らせられてしまったものの、プロパガンダには活用された模様。

「スオムスいらん子中隊」では智子の国内での親友として登場。カールスラントに派遣され、指揮官として活躍する。
趣味はカメラで、メーカーはコンタックスが大好きである。圭子に勧めるほどにコンタックス党である。


◆黒江綾香(少尉)
扶桑陸軍飛行隊第一戦隊。
当時は16、7歳ほどで、隊内では年長組に属していた。

海軍との模擬戦では人数の関係で参加しなかったにもかかわらず、穴拭らが負けた為江藤から訓練メニュー10倍を言い渡される。
出番はモブよりはマシという程度。隊内で智子や圭子のストッパーの役目を担った。三羽烏の巻き添えを食うことが多く、後々の智子同様の苦労人である。当時は江藤の僚機を務めていたために智子達と組んで飛ぶことは少なかった。
途中で智子たちとは別部隊に配置転換されたが、撃一号作戦では再び隊列を組んで、北郷らと共に新型ネウロイの誘導、囮役となり撃破に貢献。
外伝の描写から、当時は坂本の面倒を見たことがあるらしく、意外と気心の知れた関係であるらしい。

イメージモデル元の黒江保彦氏(日本陸軍エース。戦後は航空自衛隊空将補)や釣りキチ三平よろしく、重度の『釣りキチ』である。
劇中の扱いは二、三言セリフがあるだけのモブよりマシな程度! まぁ外伝に顔出ししている人なのでしょうがないか。

後のエースとしての異名は「魔のクロエ」

アニメ1期~2期間では新型ストライカーのテストパイロットを勤めていた。
また「キミとつながる空」にも登場し、坂本に烈風斬のヒントを与え、坂本が7年も連絡をよこさないのを愚痴るなど、気さくな人柄を見せた。



◇その他のウィッチ

◆アドルフィーネ・ガランド(大尉)
カールスラント空軍コンドル軍団第88戦闘飛行隊隊長。観戦武官としてウラルに赴任した。ズボンはタイツ状の物を着用。

魔眼の制御に苦しむ坂本に対し、魔眼持ちのウィッチとしてアドバイスする。

撃一号作戦ではテスト用に持ち込まれたBf-109を装備し、加藤と共に急降下爆撃により新型ネウロイを撃破。作戦中に爆弾を抱っこしている彼女はとても可愛い。

後のカールスラント空軍総監。
アニメ2期の小説版にも少しだけ登場している。



<<戦闘脚(ストライカーユニット)について>>
今作で登場する戦闘脚は機体内に魔導エンジンを収容するとした「宮藤理論」が定着する前の物からであり、作中序盤ではエンジンを背負って出撃する描写もある。

いかに宮藤博士が優秀であるか、大戦後期までに戦闘脚がどれほどの進化を遂げたかがハッキリと分かる部分である。







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