Notes.(鋼の大地 over count 1999)

登録日:2011/12/06(火) 21:02:34
更新日:2023/06/28 Wed 09:28:52
所要時間:約 6 分で読めます




TYPE-MOONでおなじみの奈須きのこが竹菷時代に書いた短編小説。

鋼の大地(over count 1999)の部分的な話を取り上げておりテーマは『天使』。

元々は「天使を題材にしたアンソロジー本作らない?」と誘われたのがきっかけ。

同人としては『ANGEL VOICE』に収録され、月姫読本(青本)にて再度掲載された。

また2006年に発売した「Character material」で設定を大幅に付け足されておりゴドーと少女にも立ち絵が用意された。


本人曰く「こっちの話も機会があれば、ちゃんとした一連の流れにそった物語として形にしてあげたいなぁ」とブラックバレルを見ながら考えてたらしい。

…だがその発言が載っている青本の発売から約10年。
設定の追加こそされたが未だに音沙汰がない状態である。

きのこぇ…

後の型月系作品では鋼の大地はあくまで型月世界が行き着く可能性の1つに過ぎず、このような世界になる可能性そのものも非常に低いことが仄めかされている。

因みにこの小説を出した時に武内崇は『クロウィック・カナベール』という漫画を書いている。
こちらも荒廃した世界が舞台になっており、人造人間ガブリエルという少女が主人公になっている。


余談だが今こそ『TYPE-MOON』と言うサークル名だが下手すれば設定に出てくる魔剣にちなんで『斬撃皇帝騎士団』という名前になっていたらしい…
なお『TYPE-MOON』も、8体のアリストテレスの後、最後に正体を顕す9体目のアリストテレスが登場するという裏設定にちなんだ名前である。
また商業化で付けた社名も本作タイトルから「ノーツ」である。



ストーリーは
『鳥堕し』〜タイプ・サターン迎撃戦、までの間の話になっており、ゴドーの心理描写が主になっている。



内容は合計7章
  • 0/『GODO』
[angel notes. the metter of arms …and over count 1999 type:other.]
  • 1/『Original Sin』
  • 2/『Public Garden』
  • 3/『Roman』
  • 4/『After Images』
  • 5/『Star Is Born』
  • 6/『Glitter Love』



◆プロローグ

限界を突破していた脳髄が焼き切れる。
眠りに落ちる一瞬の間隙、
意識が白く塗り潰される前のわすかな間。
たしかに、自分が、消えゆくまえに敵の姿を視認した。
なんて、
美しい。

―――雲の切れ間に、天使が見える。


  • 0/『GODO』より引用


◆鋼の大地[over count 1999.]
臨終した星。
死に絶えた惑星。
生物の住めない世界。

現在の世界の名称。
正式名称ではなく、荒廃した大地に生きるヒト人の間に伝わった俗称。

鋼の大地の記名が示すとおり、現在の大陸の大部分はひび割れた荒野であり、灰色と白濁とした雲に覆われている。

食物は育つことはなく、大気はかつてのように動物に適した物ではなくなっている。
人間種ふうに言うのなら、徹底した世紀末。

けれど母体である星が死亡しても、人間種はその発達した文明技術によって生き長らえた。

かつて人々が思い描いた星の終わりでさえ、人間種を滅亡させる事は出来なかった。



※以下ネタバレ含む登場人物






ゴドー[GODO]

主人公。
タイプ・ヴィーナスを撃墜し、「ゴドー」、「銃神」、「偽神」、「神もどき」という通り名で呼ばれる。
荒廃した世界に残った数少ない旧時代の人間。

環境適応処置を受けていたため旧人種の中で唯一生き残った、最後の人間。

幾度もの終末を乗り越えてしまったためか自虐的ではあるが悲観的にはならないといった達観(諦観)に至っており、日々のんびりと過ごしている。

天使の姿をした少女が現れたところから物語は始まる。




◆少女

投影、天使の幻想

ある日突然ゴドーのアパートに現れ、お手伝いと称して居候する少女。

遠距離トラブル型スタンドちゃん。

ゴドーの姉の形見であるギターを弾くが、チューニングすら知らなかった上に下手。

オマケに掃除は悲惨を通り越して凄惨。

料理なら完璧と言っていたがギターをイメージだけで弾いていたり、掃除も出来ない為、かなり怪しい。

基本的にいるだけで何もしない。

特殊能力は微妙な癒し効果。


得意技はゴドーの給料を食いつぶすこと。
趣味は大樹の下に集まった人々の人生鑑賞。




◆天使[No・20 Guardian Angel]

「…そう。理屈がなければ生きていけないなんて、未熟な生物ね、あなたって」

一体で核ミサイル並の戦闘能力を持つ、亜麗百種の人工の天使の一人。
名前は不明。
ゴドーに好意がある。

本来亜麗の天使は亜麗との間でより強い種を生むが、「外見の美が大事」ということで他の亜麗には興味がないらしい。


ゴドーが好みのタイプとの事。
ゴドーとはそこそこの付き合いらしい描写があるがゴドーがウエストランドの人工楽園出身という事を知らなかった。

見た目はゴドー曰く美人。
本人曰く「故郷では引く手数多なんです」。

作中では世界にたった一人になってしまったゴドーに
「なぜ戦うのか?」
「なぜ死にたくないのか?」
「なぜ生きていたいのか?」
という問いを投げかけている。
タイプ・サターン迎撃戦に参加しており、戦闘の最中に片翼をもがれる。

飛行船で羽休めをしていたが飛行船自体がサターンに近づきすぎていたため、光の矢で飛行船ごと射たれるが、乗り合わせていたゴドーに庇われて生き延びる。

その時にゴドーのブラックバレルを見て始めて『鳥堕し』を行なった人間ということを知った。

その後どうなったかは詳細不明。




◆六人姉妹[No・1 savig system to earth]

本編には登場しないが欄外の説明されている。
大戦のおり、亜麗百種の盟主として君臨したもの。
その外見は人間種そのもので、六人全員が黒い帽子と箒に乗った童話の魔女のような姿をしていたという。
一人一人が亜麗百種全てを凌駕する能力を持っていた。

大戦末期、末妹である[審判]は騎士によって倒されたが、その断末魔により世界を二分する大地の亀裂『大断層』を作ってしまう。

因みに鋼の大地において[魔術]は失われている筈だが、六人姉妹はそれぞれ[本当の魔法使い]だったらしい。

タイプ・プルートーとの戦闘した結果相討ちとなる。
灰色の雲は六人姉妹が張った防御膜と思われる。

これにおいてはネット上では幾つかの憶測が飛び交っており、
「第六法を体現したもの」
「the dark sixそのもの」
という意見があるが未だに細かな事は明言されていない…




◆アド・エデム[Ado Edem]

騎士エデム
こちらも本編では登場しないが欄外で[黒いアリストテレス]を倒した騎士として説明されている。

魔剣・斬撃皇帝を構成する騎士。
亜麗百種との戦いでは目立たない騎士であったがアリストテレス飛来を期に表舞台に台頭。

その魔剣をもって[黒いアリストテレス]を一撃のもとに両断した。

以後あまりに逸脱した魔剣の為、亜麗百種、人間種、騎士たちによって大断層に作られた廃棄場「魔女の大傘」に幽閉された。
アリストテレスとの戦いが終わりに近づく頃、人類サイドの切札として投入され、難攻不落と言われた[十字架のアリストテレス]を消滅させる。

だが以降の生死は不明。




アリストテレス[Ultimate ONE]
大戦末期に他天体より飛来した八体の究極生命体、詳しくは項目参照。


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最終更新:2023年06月28日 09:28