ウルティノイド

登録日:2009/06/28(日) 17:58:53
更新日:2023/11/10 Fri 14:13:44
所要時間:約 5 分で読めます







目覚めの時は近い……。





円谷プロ制作の特撮作品『ウルトラマンネクサス』に登場する闇の巨人。


ウルトラマンとは対となる闇の力を使って戦い、さらにスペースビースト(本作での怪獣)の使役が可能。

また、ネクサスが戦闘を外界から遮断するための空間「メタ・フィールド」を、闇の力が強化され、
光が十分に力を発揮できない「ダークフィールド」に置換できる。

光を継いだ者が適能者(デュナミスト)と呼ばれるように、ウルティノイドの媒体となる人間は「暗黒適能者」と呼ばれる。



※以降は『ウルトラマンネクサス』本編のネタバレを含みます。










●ダークファウスト
(暗黒適応者:斎田リコ

身長:48メートル
体重:3万2千トン

「お前は…人形…」

モチーフはピエロ。
1クール目にて登場し、姫矢准の変身するネクサス(ジュネッス)と幾度も激突する。
ダークフィールド補正もあって攻めに回ると強いが、かなり打たれ弱く、必殺光線ではない技がリタイアに繋がったりもしている。

変身する暗黒適能者は不明のままだったが、第12話にて主人公・孤門一輝の恋人である斎田リコであることが判明。
実は彼女は孤門と出会ったその日に溝呂木に一家共々惨殺されており、死後にファウストの媒体として蘇生させられた上、
溝呂木の孤門への精神攻撃の一環として、無自覚なまま溝呂木の傀儡として孤門に接触し、彼の恋人に仕立て上げられていた。

自分が既に死者であること、ファウストの暗黒適能者であることを溝呂木から知らされたリコは、
姫矢と孤門にリコの姿で接触し、孤門に「お前と出会ったから私は殺された」と告げた後にダークファウストに変身。
ネクサスへと変身した姫矢を劣勢に追い込み、彼の“光”を奪おうとするも、孤門の悲痛な叫びを聞いてリコとしての人格を取り戻すが、
この展開を快く思わなかった溝呂木が差し向けたノスフェルの攻撃から孤門を庇い、力尽きて斎田リコの姿に戻ると、
ネクサスがノスフェルを倒した後、孤門に彼と出会ったことを後悔していないと告げ、彼の腕の中で光となって消滅した。

このファウスト編の、下手なホラーよりも怖く、(特にリコとその家族が)救われない鬱展開はシリーズでも屈指の鬱度と言われ、
『ウルトラマンネクサス』という作品そのものが子供ウケしなかった要因の一つと目されている。

なお、『仮面ライダーW』には「人形」の「リコちゃん」が出てくるが、脚本家の長谷川氏のお遊びであろう。

主な技
  • ダークレイ・ジャビローム
両拳をぶつけ合わせて放つ、ファウストの最強技。
しかし1回しか使われなかった上トドメにならず。

  • ダーククラスター
頭上に光弾を放ち、空中で分裂させて降らせる技。
ぶっちゃけこっちがメイン技な感じがする。



●ダークメフィスト
(暗黒適応者:溝呂木眞也

身長:50メートル
体重:5万トン

モチーフは死神。
元ナイトレイダー副隊長の溝呂木がダークエボルバーを使用して変身した姿。
腕にメフィストクローと呼ばれる武器を持つ。

ファウストと異なり、メタフィールド無しでもダークフィールドが展開出来る。

変身者の溝呂木自身がナイトレイダー時代から優れた戦士だったことから、ファウスト以上の戦闘力を持ち、ネクサスの光を手に入れるべく暗躍する。

主人公の孤門に対し、自ら殺害して自分の傀儡・悪トラマンとした女性を近づかせ、仲が深まったところでその正体を知らせたことを筆頭に、
子供ごと怪獣を攻撃させたり、隊員達にボロクソ言われる幻覚を見せたりと、陰湿な精神攻撃を繰り返して精神的に痛めつけた上で彼を傀儡にしようとするが、*1
自らの思惑に反して孤門が精神的に再起不能になることなくリコの死を乗り越えて以降は、精神攻撃をやめ、彼を物理的に排除しようとし始める。

自らの思惑のためならば、無関係な人間の命を奪うことはもちろん、場合によっては死後も利用するほど凶悪な一方、
ナイトレイダーの西条凪に歪んだ愛情を抱いており、彼女に拘るあまり自らの首を絞めることもあった。

姫矢編のラストにて、姫矢の変身したネクサス(ジュネッス)と死闘の末、両者共に行方不明となり、
憐編で再登場した時は記憶を失っていたが、記憶を取り戻した際に自身も「アンノウンハンド」と呼ばれる存在の操り人形にすぎなかったことに気付く。

これがきっかけで改心した溝呂木は、光の力でダークメフィストへと変身。
ダークメフィストツヴァイに苦戦する千樹憐のネクサス(ジュネッスブルー)に加勢し、その窮地を救うが、
変身前に負傷していたためにツヴァイを倒すことは出来ず、ツヴァイにメフィストクローを突き立てられて致命傷を負う。
しかし溝呂木は死を恐れず、むしろツヴァイが武器を自分に突き立てている状況を利用してツヴァイの身動きを止めると、
憐に自分諸共ツヴァイを倒すよう促し、アローレイ・シュトロームを受けて光となって消滅。
変身解除されて溝呂木の姿に戻った後、凪に「アンノウンハンドは近くにいる」と警告を発した後、
「罪を償うのならば生きるべき」と諭されて静かに笑みを浮かべるも、直後に光となって消滅した。
非道な男だったが、その最期は確かに光の存在であり、もう一人の『ウルトラマン』と呼ぶに相応しい活躍を見せたのであった。

余談だが、溝呂木を演じた俊藤光利氏は、姫矢准役のオーディションを受けていた。


劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』では
エタルガーの使用する「相手が最も恐れる存在を実体化させる能力」でネクサスの記憶から複製された存在として登場。
正式名称は「ダークメフィスト(エタルダミー)

時空城の屋上を目指すウルトラマンギンガビクトリーウルトラマンコスモスウルトラマンゼロウルトラマンメビウスウルトラマンマックス、そしてネクサスを時空城・第一層フロアにて待ち受ける。
当然ネクサスがこの場を自分から受け持ち、戦闘を開始することに。

コピー体とはいえオリジナルと同じ実力を持ち、従来通りメフィストクローを装備して襲い掛かるが、
ジュネッスになったネクサスのキックを食らいグロッキー状態になったところを、
オーバーレイ・シュトロームを浴びせられ、分子レベルまで分解された。


主な技
  • ダークレイ・シュトローム
クァンタムストリームを鏡写しにしたような逆L字ポーズで放つ、メフィストの最強技。
ダークレイ・ジャビローム同様一度しか使われなかったが、
こちらは喰らったビーストを必ず粉砕したオーバーレイ・シュトロームを相殺した為なかなかの威力のようだ。

  • ハイパーメフィストショット
メフィストクローから放つ光弾。
終焉の地でネクサス目掛けて7連射するも、全部防がれたあげくスピルレイ・ジェネレードとしてまとめてクーリングオフされた。


●ダークメフィスト・ツヴァイ
(暗黒適応者:三沢広之

身長:50メートル
体重:5万トン

メモリーポリスの一員・三沢が、ダークエボルバーで変身した新たなメフィスト。
初代とは違い、目が赤く発光する。

憐編にてジュネッスブルーを苦戦に追い込み、溝呂木のメフィストにも致命傷を負わせた。
最後はメフィストに抑え込まれた状態でジュネッスブルーのアローレイ・シュトロームを受け消滅。
短縮決定後のしわ寄せが来たのか、たった一話での退場となった。

このことから名前を覚えてもらえず、「ツ何とか」と呼ばれ…おや誰か来たようだ。

主な技
  • ダークレイ・シュトローム
一応最強技だが、劇中未使用な上使おうとする描写もナシ。

  • バーストクラスター
ダーククラスターの強化技。
子弾一発一発が誘導性を持つ。



●ダークルシフェル
登場予定だったが、放送短縮によってボツとなる。現在ではデザイン画のみ見ることができる。
三首でキモイ。怪獣の顔の下にファウストとメフィストの顔のあるウルトラマン怪獣。
デビルマンの大魔王ゼノンをイメージすると良い。
背中にはザ・ワンのような角が生えており、本来は石堀の正体はこちらだったことが窺える。凪の回想シーンで石堀の背中からビースト・ザ・ワンのような突起物が伸びるシーンがあるのはこの設定の名残である。
位置づけはダークザギよりもイズマエルに近いものだったとされる。
角のような耳のデザイン案はウルトラマンメビウスのハンターナイトツルギ→ウルトラマンヒカリに流用されている。

ウルトラマンサーガの初期案ではラスボスだったが、再びボツになった。円谷はNプロ好き過ぎである。
DVDボックスに付属している短編小説では、元メモリーポリスの男が人々の恐怖の記憶を吸収して変身、
ダークザギをも超えると称して再び世界を破壊しようとしたが、孤門の変身したウルトラマンノアと激突することになる。

ウルトラマンギンガ最終話に登場したダークルギエルはキャラクターイメージにルシフェルのイメージも取り入れられている。 



別名:邪悪なる暗黒破壊神
身長:50メートル
体重:5万5千トン


ナイトレイダー隊員・石堀として暗躍していた元凶で、溝呂木が警告した「アンノウンハンド」の正体。
その正体は、ある惑星の民が作り上げたウルトラマンノアの模造品が、自我を持って暴走したもの。
ある意味では『F計画』の辿り着く末路の一つと言える。

M78星雲世界にも現れウルトラ兄弟を相手に暴れていたが、ノアとの戦いの末に次元の彼方に飛ばされ、肉体を失った。

『ネクサス』本編では凪が光を手にすることを予知し、彼女の両親を殺害。
さらに光の力を強化する目的で、ネクサスに操り人形(ザギ以外のウルティノイド)をぶつけた。

最終話では、凪を利用して本来の力を取り戻し、外界で孤門のネクサスと最終決戦を繰り広げた。
終始優勢で、ジュネッスの最強技に耐え、ジュネッスブルーの最強技をも軽く打ち消してみせた。

しかし、ネクサスが真の姿であるノアの力を取り戻したために形勢が逆転。
パンチ一発で宇宙空間まで追放され、光線の撃ち合いの末、爆死した。

初期は石堀がビーストに殺されかけたりしてた描写があるが気にしてはいけない(まあ溝呂木は黒幕を知らなかったから)。
しかしそれすらも孤門を追い詰めるための作戦だったのかもしれない…。



主な技
  • ライトニングザギ
腕を逆トの字型に組んで放つ光線技。
ノアのライトニングノアに対抗して撃つも競り合いに負けてしまった。
新宿の街を破壊する際にも使用されたが、何故かこの時はアグルストリームを彷彿とさせる片手撃ちだった。

  • ザギグラビティ
対象を崩壊させる重力光線。
ネクサスに使用して追い詰めるが、サークルシールドでギリギリで防がれた。



ちなみに石堀の演者は『ウルトラマンメビウス』に登場し、またしてもクズ野郎・ヒルカワを演じた。

さらに『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』では溝呂木の演者がレギュラー隊員で出演、
2期では石堀の演者もレギュラー出演、その上司役でリコの演者が出演し、悪トラマン大集合だった。
三沢ェ……。

特に溝呂木は、他キャストにダークエボルバーをプレゼントしたり、
イベントの会場でダークメフィストの指人形を50個買い漁ったりしたらしい。





(・ω・)ターン (  ) ,,,,
/  ーy=- ノ\ゝ;・''・.
/ ゝ    //

石堀「追記・修正、お疲れさん」


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最終更新:2023年11月10日 14:13

*1 何故ネクサスの光の持ち主である姫矢を狙わなかったのかは不明