ダチョウ倶楽部

登録日:2010/05/04(火) 23:57:36
更新日:2024/02/16 Fri 19:56:51
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ダチョウ倶楽部とは日本が誇るリアクション芸人のトリオである。

トリオではあるが初期は4人組で、テレビでまず見られない過激な芸をする芸人達の一人が在籍していたのはあまり知られてない。

概要

出川哲朗と並ぶリアクションの持ち主であり、現在もリアクション芸人といえばダチョウか出川と言われる程。

おでん芸や熱湯風呂が十八番であり、リアクションといったら彼等を外して語る事は出来ないであろう。こんにちは根岸の弟子でもある。

昭和末期~平成初期に生まれた世代には『天才てれびくん』の初代司会「おあいこトリオ」として知られている。
NHKしかも教育テレビとあってさすがに下品なネタはやらなかったが、リアクション芸人として期待されていた節があり、
1年目1学期のシーズンは「人間ではない存在に変えられてしまった」と言う設定で、顔出し人形に入って操演をしながら司会をやるというある意味民放以上の無茶振り。
2学期のシーズンは操演こそなくなったが今度は「ガラクタの寄せ集めで人間になれた」という設定で相変わらず動きにくそうな衣装であった。
2年目と最終年である3年目は極端にひどい衣装を脱したものの、相変わらずコスプレのようなネタ衣装で司会を務めていた。
司会者の衣装がマトモになったのは、4年目に入ってキャイ〜ンが司会に就任してからである。

ある意味では彼らが最初だったことで、後に山崎邦正や出川哲朗が後継番組に出演できたのかもしれない。

なんだかんだで志村けんとのコントが多い。

「いいか? 絶対に押すなよ? 絶対にだぞ!」

は芸人におけるフリであり熱湯風呂での決まり文句である。こんな風に言われたら押してあげよう。
ただし振られて押されないのもオイシイので、押す人のさじ加減による。
日本文化の特徴でもある「暗黙の了解」の象徴として、外国人に説明する際これが用いられることも。
ちなみにゲーム等でパロディされた「絶対○○するなよ」はフリではないので注意。でもやらないと進まない場合もある。


「何で俺がこんな事しなくちゃいけねぇんだよ」

「お前がやらないなら俺がやるよ」

「お前にやらせる訳にはいかないから俺がやるよ」

「じゃあ俺がやるよ!」



「「どうぞどうぞ」」

「なんでだよ!」


の流れは実生活でもノリの良い人がいれば使われたりする。
話が進まない時にこのフリをしたら言い出しっぺがやらされたりと意外にリスキー。だがコレをやるのは一種の様式美なのかもしれない。


時々、スペシャル番組等で雛壇やゲスト全員を巻き込んで大人数でするときもある。その時の様子は圧巻である。


「「「「どうぞどうぞ」」」」


メンバー紹介

  • 肥後克広
沖縄県那覇市出身。リーダーであり司令塔。

と見せ掛けて意外に天然という事がアメトーークによって暴露された(しかも親子で)。
実際はメンバー最年少であり、背が高いから絵面的にリーダーっぽいという扱いを受けているに過ぎない。実は二代目リーダーでもある。

英語というか基本的に勉強が苦手な様子。縄跳びも壊滅的に苦手である。
名字のせいで熊本県出身と勘違いされやすい。
森本レオのものまねが非常に上手い。
また、ドリカムのベーシスト、中村正人にそっくりであり、誰かが吉田美和のものまねをする際、バックにいることもしばしば。中村本人とも頻繁に共演している。
本人曰くプライベートで中村のファンや知人から間違って声を掛けられる事もしばしばあるが、敢えて否定せず中村本人のていで応対しているらしい。

長男・博暁は「肥後DNA」の芸名で「ドレミ倶楽部」というお笑いコンビとして活動していた。

  • 寺門ジモン
兵庫県川西市出身。本名・義人。ネイチャーな人。肉体派芸人であり、ムキムキ。
肉好きが行き過ぎて牛の卸売に参加出来るようになってしまった。さらに2020年11月にはEXILE・NAOTOと土屋太鳳を主演に従えなんと初の映画監督作品「フード・ラック!食運」が上映。スクリーン上で美味しそうに焼かれる肉には彼のこだわりと説得力が詰まっていることだろう。
ネイチャージモンという漫画も出てたりする。番組後期の草野キッドの救世主。

シンプルに奇人、変人といった括りの人物であり、ダチョウ倶楽部でも上島、肥後と別に活動することも多い。
でも志村けんと絡むとなぜか影が薄くなる。
メンバーで唯一『寺門ジモンのウザちゃんねる』と言うYouTubeチャンネルを持っており、肉や料理ネタは勿論、オオクワガタ捕りやスニーカーの話等本人以外ついてこれないようなマニアックなネタを数多く披露している。
一方で肉の食レポが嵩んでいた時には体調が不安になり、毎日30リットルの青汁を摂ったがトラック一杯分のほうれん草を10台分摂取していたことが医者の手により発覚。無事尿管結石を患うハメになったポンコツエピソードがあったりする。
上島とともにテアトル・エコー附属養成所出身であり、蜘蛛男で知られる声優の槐柳二氏は師匠にあたる。

  • 上島竜兵
兵庫県丹波市出身。本名・龍平。リアクション担当。ダチョウ倶楽部といったらこの人のリアクション無しに語れないだろう。
有吉曰く「ポンコツ」。

にもかかわらず3人で一番の常識人。ていうか肥後と寺門がぶっ飛んでるだけか。怪物くんに出演経験有り。

竜兵会という会を主催している。が、有力な後輩は次々に独立してしまった。
竜兵会の結成理由は、当時、目の前で滑った芸人をナイフで刺すという噂があった千原ジュニアの前で滑らないよう作戦会議をするため。

熱湯風呂や熱々おでんの被害者であるが、ネタを振ってスルーされると押せよ!と逆ギレ風にツッコんでくる。
メンバーの中ではネタが多い方であるが、だいたいスベる。

最近ではメンバー三人ともではあるが上島が特に俳優としても活躍しており、中でもミステリーものでは犯人から被害者まで何でもこなす他、一方でサスペンスでもアウトロー的な怪しい人物も演じることがある。

最近年齢のせいかリアクションが怖いらしい。
俳優の西田敏行に似ており、共演することも多い。
若手を養ったりするためかネット上で叩かれる事は少ない。
ある調べによると、400度までの熱湯に耐えられるらしい。

2022年5月11日死去、61歳没。
上島の死去後は、いつもの流れの後に別の共演者が「どうぞどうぞ」を喰らったり、熱湯風呂に入るようになった。
また、メンバーが追悼コメントで言及したスーパー銭湯アイドル・純烈との共演が多くなり、ユニットの楽曲も発表している。


元メンバー

  • 南部寅太(現:南部虎弾)
山形県鶴岡市出身。本名は佐藤道彦。デビュー当初のリーダー。
逆立ったわずかな頭髪にサングラスが特徴。初期の頃に脱退、現在は電撃ネットワークの一員。
脱退理由は「コントの方向性の違い(南部は現在の電撃ネットワークに通ずるより過激なものにしたかったが、他の3人に拒否され仲違いした*1)」「南部が大先輩に対して『あなたは本当に面白くないですね』と言ったところ激怒され、事務所をクビになってしまった」等諸説あり、本当のところは不明。南部本人は「3人に根回しすることなく毒舌を吐くなどして自分の独断行動にメンバーが付いて行けなくなり、結果としてクビになった」と述べており、やはり方向性の違いが有力そうである。
ガキの使いに肥後が出演した際には、脱退理由を、「これからはボケではなくツッコミをしなければいけないから」と述べた。だが、そんな真面目な話の最中にメガネが斜めに掛かっていたらしく、松本人志に「世界を斜めに見だした」と突っ込まれていた。

とは言え南部が抜けた後もメンバー3人と完全に不仲になったわけではなく、それ以降もダチョウ倶楽部と電撃ネットワークはたびたび共演することがあり、ビートたけしの番組に呼ばれた際は南部が「ダチョウをクビになったやつじゃねえか」と言われ、その後で他の三人が南部をボコボコにするのがお約束であった。南部が病気で入院した際には、3人がお見舞いに来たこともあり、いい意味で刺激のしあえるライバル関係にあったのだろう。
上島の逝去後も、南部は自身のYouTubeチャンネルで彼への想いを涙ながらに語っていた。

多くのリアクションを生み出した事から芸人に尊敬される事も多いが蔑まれる事も多い。親しい芸人に特に蔑まれているらしい。愛情の裏返しだろうか?

十八番として色々な芸はあるものの定番のリアクション芸として使われる事も少なくない為にテレビ番組での出番は少なめ。

しかしリアクションに慣れてない若手芸人のお手本としてテレビに呼ばれる事もちらほら。

PRキャラクターとして起用され、ステージイベントに呼ばれる機会も多い。
決して上品とはいえない芸風ながら、会場との一体感が作りやすい持ちネタ、会場を巻き込みつつ実際には自分たちだけが身体を張る、定番のギャグで先方を多少茶化す形にはなってもその後のトーク自体は真面目に行うなど、世間の期待に応えつつ場を弁えた対応で他人に迷惑をかけることがないためだろう。
芸風が変わらず何をやってくれるかがある程度想像しやすく、会場の盛り上げに長けているというのは企業からすれば非常に安心できる存在である。
一方でイベント進行役がある程度の振りを出さないと繋げにくく、会場を盛り上げるのに苦戦することがある。

ダチョ・リブレの有吉ギャグスクール内に措いて、時に凄まじいギャグ(キャノンボール、裸にされた地理学者など)を生み出すギャグセンスを持っていることは、あまり知られてはいない。

2024年1月20日死去、72歳没。
亡くなった日は、上島の誕生日でもあった。

代表的ギャグ

  • 絶対押すなよ!
  • どうぞどうぞ

上記を参照してくれ
東日本大震災のときは「どうぞどうぞ」に因み「ヤシマ作戦」ならぬ「ウエシマ作戦」も展開された。


  • 聞いてないよ〜
無茶振りのようなコメントを投げかけられたとき、返しとして使うギャグ。
元はバラエティで本当に過激な無茶振りを食らって本気で「聞いてないよ…」と言ったところがウケ、ギャグになった。
相手からの振りがないと成立しづらい。


  • ジャンプ
上島が「〜って言ってんだ・ろ!」と言って床を足でドンッと踏み込むとあたかもその衝撃で飛んだかのようにジャンプする。
その度にジャンプする人が増える。上島がやり始めたら皆がやるという暗黙の了解がある団体芸。
しかし最近は、同じ事務所の後輩の土田等が拒否する事があり、上島がやってくれと涙ながらに頼む。
最近は一回で全員がジャンプするようになった。
ジャンプしてもらったらお礼を言うことも忘れない。


  • すみません、取り乱しました
上島がキレだした後、リーダーや寺門が「本番中だよ本番中!」と突っ込むと急におとなしくなり、カメラに向かって挨拶する。
落ち着いた後にリーダーや寺門に後ろから頭を引っ叩かれるまでがお約束。
「本番中だよ」のツッコミは例えばNHKであれば「ここNHKだよNHK!」というツッコミも加わるなど、その場に応じて言い回しを変えることがある。


  • キス
主に上島がキレだして、宥めるリーダーや寺門がキスをして収まる。或いは他の男性芸能人にキレてキスをして収める。
上島か出川が多用するが、どちらかがピンで出ると他の芸人が犠牲になる。
遂には嵐の櫻井翔までもが犠牲者になった。

基本的に男性がターゲットであり、女性が相手のときはキスをしようとして止められるまでがお約束。


  • くるりんぱ
上島がキレて帽子を叩きつけた後や突っ込まれて帽子を落とされた後、拾う時に「くるりんぱ」と言って帽子を回しながらかぶり直す。
だいたいスベる。これを機にキレて上記のキスやジャンプとの併せ技も。
土田晃之がいると高確率でネタを潰される。
因みにミジュマルもやった。


  • 熱々おでん
上島を羽交締めにして熱々のおでんを食べさせる芸。白滝を口に付けられて熱がり、卵は無理矢理口に入れられる。
卵は勢いよく吐き出すまでがお約束であり、最近は普通に熱いのでレシピを渡して作ってもらっている。
土鍋の蓋の開け方など非常に細かいテクニックが凝縮された芸である。
元々は「ひょうきん族」で片岡鶴太郎がやったコントでのハプニングが定番と化したものを、事務所の後輩であるダチョウ倶楽部が受け継いで芸に昇華したもの。
イベントの試食で何かを食べるときも熱がらせるネタや無理矢理食べさせる流れをやることがあるが、このときは吐き出さずにちゃんと食べる。
なお、笑点の演芸コーナーで熱々おでんを披露する時には客席から拍手が起きた。

  • この料理は、甘からず、辛からず、かといって旨からず
リーダーや寺門から「まずいんじゃねえかよ!」と突っ込まれるまでがお約束。
イベントでの食べ物を試食する際にも平気でこれをやるが、掴みのネタとしてやったあとは真面目に感想を述べる上、お馴染みのギャグとしても知られているため企業からクレームが来ることはない。


  • 熱湯風呂
日テレのお昼のお色気番組「スーパージョッキー」のコーナー「熱湯コマーシャル」から生まれたネタ。
細川ふみえより飯島直子より、ダチョウ倶楽部にルーレットが当たるのを期待した視聴者も多いはず。
上島はアシスタントと言う名のヨゴレ役で、無茶振りで熱湯風呂に入らされる機会が最も多かった。温度は51℃前後。
「押すなよ!押すなよ!絶対に押すなよ!!」と叫ぶ上島を寺門と肥後が「早よ入れ」と言って熱湯兄弟に突き落とす。
押すな押すなではまだ準備段階なので本当に押してはならない。
絶対に押すなよ!で準備完了なのでその時押そう。

また、よく見れば解るが「画面に移りにくい方の手の指」で数を示しており、これは何回目の「押すな」で押せ

という意味である。
「絶対に押すなよ」と言う瞬間には画面に映りにくい方の手を構え直しており、押されるための準備を整えている。
落とされるときもちゃんと足から入りつつ全身を沈めており、怪我に注意しながら「乱暴に叩き落とされた」という雰囲気を出している。
完成された伝統芸である。

小島よしおが伝統的なこの芸を台無しにしたのはあまりに有名。

熱湯風呂にどういう流れで入るかはそのときの状況に応じて変えており、場にそぐわないときは入ろうとする素振りだけで終わらせている。
例えばケツメイシのMVではスーパースロー撮影まで使って全力で熱湯風呂に溺れて見せた一方、ソフトバンクモバイルのCMでは押してもらえず「押してよ〜」で入らずに締めている。

また、上島はアシスタントとして番組内でアシスタントコンビ「熱湯兄弟」を組んでいた辺見えみりと共に番組のエンディング曲『アッチッチサンバ』をリリースしている。


  • 水を吹く
熱湯風呂等でわざと溺れた後、救出された上島が横になる。
誰かが「ピュッピュッピュッ」と言うか、人工呼吸で腹を押すとそれに合わせて上島が口から水を吹く。

  • ものまね
往年のものまね特番「ものまね王座決定戦」及び「ものまね紅白歌合戦」ではものまね芸を披露。
基本的に肥後がメインに他二人が傍に回るスタイル。
当初は全員がウルトラマンの扮装をして「少年隊」「キャンディーズ」の歌を歌うというこの手の番組ではありがちな賑やかし枠だった。その後、リーダーの名古屋章のものまねが大ウケした後は、ものまねのレパートリーを増やしていき、満を持して森本レオのものまねを披露した回では、ものまね四天王のビジーフォーを破り決勝まで100点満点を獲得するなど隠れた強豪へと成長した。
リーダー以外の二人もそれぞれ安岡力也(ジモン)、野村沙千代(上島)の物真似で人気を得た。
優勝回数は2回。内1回は決勝で当時のものまね四天王(清水アキラ、ビジーフォー、栗田貫一)をストレートで破る快挙を果たしている。
「ものまね紅白」以降はものまねをベースにしながらも前述のリアクション芸を交えた往年のスタイルに変化している。地味に30年以上に亘り出演し続けた隠れたレギュラー番組である。




「何で俺が追記、修正しなくちゃいけねぇんだよ」

「お前がやらないなら俺が追記、修正やるよ」

「お前にやらせる訳にはいかないから俺が追記、修正やるよ」

「じゃあ俺が追記、修正やるよ!」



「「どうぞどうぞ」」

「なんでだよ!」

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最終更新:2024年02月16日 19:56

*1 相談を受けたコント赤信号の渡辺正行によると「コントで使うウンコは本物でなければならない」「ビー玉や金魚は飲めるか?」「花火を背負ってネタをしよう」など無茶苦茶な発言をしていたらしい