リュドミラ=ルリエ

登録日:2012/04/25 Wed 21:52:20
更新日:2021/08/28 Sat 11:28:58
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――失望したわ

エレオノーラ、あなたは戦姫失格よ

いつかあなたの民を不幸にする前に、アリファールを捨ててしまいなさい



ライトノベル『魔弾の王と戦姫』の登場人物にして、ヒロイン・エレオノーラ=ヴィルターリア(エレン)と同じ『戦姫』の一人。
初登場は2巻。
エレンに次いでティグルと接触し、エレンの砕けた態度に慣れていた彼に戦姫が“国家の重鎮”である事実を改めて印象付ける人物となる。

パラレルワールドにあたる『魔弾の王と凍漣の雪姫』ではメインヒロインを務める。




【人物】

所属国:ジスタート王国
所有公国:オルミュッツ
身分:戦姫
武器:『破邪の穿角』ラヴィアス(槍型竜具)


作中の架空の国・ジスタートが誇る七戦姫の一人。その地位には二年前に就き、現在16歳。
他の戦姫同様に文武に優れ、それを称えて『凍漣の雪姫(ミーチェリア)』とも呼ばれる。親しいものからの愛称は『ミラ』。
統治している領地『オルミュッツ』はジスタート王国内の南西部に位置する。ジスタートの西に隣接する『ブリューヌ王国』、南に隣接する国家『ムオジネル』、両国の国境とも程近い。

容姿に関しては、蒼色の瞳や肩で切り揃えた青髪が特徴的。目元は若干つり上がり気味。
エレンよりも頭ひとつ分は背が低く、胸も少々控えめ……らしいが、イラストや地の文を解釈する限りあくまでもエレンと比較しての事でそれなりに巨乳。
ちなみに『魔弾の王と凍漣の雪姫』では、早い段階でティグルと出会って「恋」を知った影響からか、より体つきが女らしくなり、胸もエレンに匹敵するほどの巨乳となっている。

生真面目な性格で、戦姫という立場に並々ならない自負と責任意識を持ち、また格式や礼儀作法にもかなりうるさい。
基本的に物言いは上品ながら、上記の理由から品位や礼儀に欠ける相手には侮蔑の態度を露わにする(つまるところエレンが大嫌い)。
逆にそうした態度を嫌うエレンには「家柄以外に誇るもののない、態度がでかくて恩着せがましい箱入り娘」と評される。
生まれもあって高慢な所はあるが、自分に非があればそれを素直に認め、誰が相手でも謝罪する潔さも持っている。

数少ない楽しみとしているのが、自分で淹れた紅茶(チャイ)を飲み、時に他人に振舞って労うこと。
そのこだわり具合は、外出時――戦地ですら茶葉と味付け用のジャムを持ち歩くほど。


【戦姫として】

代々の戦姫の選出には、「次代の戦姫は竜具の意思によって選ばれ、ジスタート王はおろか当代の戦姫ですら一切干渉できない」という原則が存在する。
……が、そうした中にあってリュドミラは祖母、母に続き三代連続で同一の竜具に所有者として見出されている
先代である母が現役だった頃から手づからの指導を受け、竜具に選ばれるべく実力を養っていたアドバンテージがあったにせよ、これはジスタートの歴史において非常に稀な例と言われている。

自身がそうした特例であることにリュドミラ本人も相当の誇りを持つが、その一方で、他の戦姫と異なり「三代続いた戦姫の家系」という重責をも背負う羽目になっている。人一倍に立場や格式を重んじる意識はここからきたもの。
戦姫となることを自ら望んではいたものの、切り離せない家のしがらみや、立場を重視する余り自分の感情を押し込めてしまうこと、為政者としての孤独感など。こうした現状には、少なからず悩むところがある様子。

ちなみに先代以前から、オルミュッツは隣国ブリューヌの大貴族・テナルディエ家と商取引の面で浅からぬ繋がりを持つ。
しがらみから無碍にできないこの関係が、後にティグルやエレンとの敵対関係を生むことに。


エレオノーラ(エレン)との関係】

エレンの治めるライトメリッツとリュドミラが治めるオルミュッツは距離が近く、なにかと利害が衝突しやすい。時には争いが生じることもあり、昔から両公国の戦姫同士も険悪になりがちだった。
自分の代もそうなると覚悟していたリュドミラだが、自分に少し遅れてライトメリッツに新たな戦姫が生まれた報せを聞いた時、常々抱いている孤独感が「自分たちの代からでも関係を改善できるのでは?」という期待を抱かせた。
そのまま、内心ドキドキしながらまだ見ぬエレンのもとへ挨拶に訪れたのだが……。

――以下、初対面での二人の様子を端的に紹介。

ミラ「うわ野蛮。頭を下げて請うなら礼儀を教えてあげてもいいわよ」
エレン「(イラッ)それなら背が伸びる方法でも教えろ。そんなチビじゃ無理だろうがな」

戦姫といえど当時二人は14歳の少女。思わず出た言葉からの口論は半泣きの取っ組み合いに発展し、本編時点に至る確執に繋がってしまったとか。
当時の乱闘を目の当たりにしたリム曰く、「子供の喧嘩」そのものだったらしい。

ちなみに、エレンとの仲を度々仲裁してくれるソフィーサーシャとの仲は良好。皮肉なものである。


【戦闘能力】

戦姫の例に漏れず、並の兵が束になっても敵わない強さを持つ。エレンとは完全に実力が拮抗しており、彼女との個人戦績は一勝一敗一引き分け。
オルミュッツ軍を率いる指揮官としては防御戦術を得意とし、守りの上手さはエレン曰く七戦姫随一とのこと(攻めの戦が苦手というわけではない)。
特に、代々の研究の積み重ねからくる竜具『アリファール』対策の特殊陣地はエレン(というかライトメリッツの戦姫)にとって最大の鬼門となっている。

《所有竜具:ラヴィアス》
『破邪の穿角』『凍漣』とも呼ばれる、氷のように透き通った刃を持つ短槍。柄は伸縮自在。
凍気を操る力を持ち、所有者や近くの人間を寒さから守ることもできる。

静かなる世界よ(アーイズビルク)
穂先の突き立った場所を凍結させる。
水面を瞬く間に氷へと変え、足場にするのに使用された。

空さえ穿ち凍てつかせよ(シェロ・ザム・カファ)
槍を中心に凍気を爆発させ、そこから生じた氷槍と共に周囲の全てを貫き、薙ぎ倒す大技。ラヴィアスの竜技(ヴェーダ)に該当。
辺り一面を問答無用で凍結させるか打ち砕く威力を秘め、初披露時には同時に襲い来る四人の暗殺者を瞬殺した。
全周を攻撃しつつ、任意の場所への攻撃は避けるという器用な芸当も可能な様子。



以下、本編での動向(各巻のネタバレ注意)。













《2巻》
1巻終盤にてティグルに加担してブリューヌ王国の内乱に介入したエレンが、ジスタート王への事情説明のため登城したところを出迎える。そのまま喧嘩になりかけたところをソフィーに仲介された。これが初登場。
後にエレンと一緒にいたティグルとも出会い、彼に対しては「取るに足らない人物」とみなす。その少し後、リムが暗殺者の毒に倒れたことで動揺するエレンに対し、家臣一人の危機に自失する様を嘲って項目冒頭の台詞を突きつけた。


終盤ではテナルディエ公爵への義理から、エレンとティグルが率いるライトメリッツ軍と事を構えることに。
堅牢な防御陣形でライトメリッツ軍を苦戦させ、最終的にはエレンと竜具を交えた決闘に発展するも、第三者の介入により戦闘は中断。
そこにティグルの仲裁も加わり、「ティグルとテナルディエの戦いに対し、オルミュッツは中立を保つ」との声明を出すに至る。
また、ティグルの弓の腕を見て彼をある程度見直し、その誠実な人柄を(若干の文句をつけつつ)認めた。
更にエレンとも多少なりとも打ち解けるが、これに関しては互いに恥ずかしがって否定している。


《3巻》
特に出番なし。


《4巻》
エレン・リムが不在、かつ兵力も僅かな状態で隣国ムオジネルの大軍を迎え撃つティグルのもとに手勢を率いて突如現れ、加勢する。
これは2巻での戦いの痕跡からティグルが竜具級の強力な武器を持つと気づき、ティグルを味方に付けるべく恩を売っておこうという狙いによる。
当初はティグル本人への思い入れより、ティグルが持つ『弓』の価値を優先して打算的なやりとりを交わしていた。
……が、激戦の中で改めてティグル個人の人柄や強さを目にしたことで、改めて彼に好意を寄せるようになっていった。
また、これ以降はティグルに自分を愛称で呼ぶよう頼んでいる。


《5巻》
ティグルにそのまま協力し、ティグル・エレンを主軸とした混成部隊『銀の流星軍』と共にテナルディエ公爵との決戦を戦いぬいた。
戦後はオルミュッツに戻ったが、ティグルの引き抜きを狙ってライトメリッツにちょくちょく訪れるようになっている。


《6巻》
特に出番なし。



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最終更新:2021年08月28日 11:28