アレクサンドラ=アルシャーヴィン

登録日:2012/04/27(金) 22:20:53
更新日:2023/09/21 Thu 17:39:02
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おまえが僕を早々に見限ってくれれば……。



川口士のファンタジーライトノベル魔弾の王と戦姫の登場人物の一人。
初登場は四巻だが、名前と人物については作中で度々言及されている。

同作に登場する架空の国家「ジスタート」において、
ジスタート国王に次ぐ地位を持つ「ジスタートの七戦姫(作中では特に戦姫と呼称)」の一人。



エレンことエレオノーラ=ヴィルターリアにとって「親友」にして「恩人」と呼べる存在であり、
また戦技無双を誇るエレンをもってして一度しか勝った事の無い程のバランスブレイカーらしい。
が、現在は病(遺伝性の病気)に伏しており、戦うことは出来ない。

エレンと「どちらかが危機に陥った時、全てを投げうってでも必ず相手の元へと駆け付ける」という約束を交わしており、
三巻終盤から四巻にかけて、その約束がもとでティグルはエレンのいない状況での戦いへと向かう事となる。


以下、四巻以降のネタバレ注意









四巻中盤にて本人が登場する。

“煌炎の朧姫(ファルプラム)”“刃の舞姫(コルティーサ)”等の二つ名を持つ双剣使いの戦姫。
二刀一対の竜具、“討鬼の双刃”煌炎バルグレンを持つ。
“竜具(ヴィラルト)”についての詳細はこっちを参照のこと。

近しいものからの愛称はサーシャ。


□外見

肩口で切り揃えられた黒い短髪に、黒い瞳の女性。年齢は21歳→22歳。
細面で中性的、やや痩せ型の体型。もともと白い肌ではあったが、
二年もの間病に侵されているため肌の白さは病的なまでのレベルになっている。
上下同色の、白ないし黒の服を好んで身に纏う。本人曰く服の色(白か黒か)は「気分次第」らしいが、
エレンの言に寄れば、戦場においては黒、それ以外の場合は白の服を着ることが多いとのこと。

作品においては表紙では黒、挿絵では白の服を着ていた。

今までの表紙は皆、おっぱいが素晴らしかったが、
今回はそれほど振り向き絵という構図なためおっぱいはそれ程強調されていない。
しかしその分とても素晴らしい尻を持っているため、四巻を買った人は帯を外してじっくり堪能しよう。
それでも彼女のおっぱいが気になるという人は7巻以降に披露されるので、ちゃんと買って堪能しよう。
作中トップのソフィーやそれに次ぐエレンやリーザ、
ヴァレンティナには劣るものの彼女も十分素晴らしいおっぱいの持ち主である。

また三巻までは、表紙になった戦姫はその巻において、
何故かティグルさんのラッキースケベイベントに遭遇していたが、今回そのジンクスは破られた。
…………というかそもそも、四巻ではティグルさんと遭遇することがなかった。


□性格、特徴

北にヴァルタ大河を挟んでルヴージュ公国、
南にエレンが治めるライトメリッツ公国を置く、レグニーツァ公国の領主たる戦姫。
戦場に出れば文字通り一騎当千の名将であるが、その本質は穏やかで物静か。温厚な性格で常に泰然とした態度を取る。
反面、状況に寄っては実力行使を全く厭わないあたりやはり戦姫の一人、といったところか。

若年の女性が揃う戦姫達の中にあって、比較的(本当に比較的だが)年長であり、
また15の頃に戦姫として竜具に選ばれているため、戦姫の中ではベテランと言えるような存在。
初対面から今まで犬猿の仲なエレンとリュドミラ(このあたりはリュドミラ=ルリエの項目に詳しい)を諌め役を担うのは、
今でこそソフィーヤ=オベルタスの仕事であるが、床に伏す二年前まではサーシャがその任を負っていた。
その関係からか、エレンだけではなくリュドミラとの仲も中々良好らしい。
現在の一人称は僕だが、子供の頃は私だった。
その理由については下記の生い立ちが原因だが、それ故に、
「素敵な旦那様と子供を作って幸せな家庭を築く」という夢を持っており、
正に戦姫の中では最も家庭的で乙女らしい意外な一面を持っている。


【生い立ち~戦姫になるまで】

平民出身で彼女の家系の女性は代々『血の病』という遺伝病の一種により、寿命は30歳前後という短命を強いられている。
そのため一人なっても生きていけるようにと母親から家事全般を始め、
サバイバル技術や戦い方など教えこまれて母の亡くなる11歳まで村で育つ。

その後、血の病の宿命を持つ自分を受け入れてくれる『素敵な旦那様』を見つけるための旅に出る。

だが、その一人旅は険しさは想像を絶するものであったようで、
物乞いはおろか一人称も「私」から「僕」に変え、男装を余儀なくされるなど、
現行の戦姫の中では最も過酷な道筋を辿って来たといっても過言ではない。
(悲惨さという意味においては家庭環境を始め人間関係に恵まれないリーザであろうが)
彼女もこの時の旅ことを「母から学んだ技術と知識がなければ一ヶ月ともたなかっただろう」と後に振り返っている。

下記の戦闘能力に代表される短剣を用いた二刀流による剣術もこの旅の中で身につけたものである。

中世レベルの世界で10代前半の娘が誰かに頼りたくても頼れない一人旅を行うには、
それだけの技量を身に付ける必要がある程だったということからその時の旅の険しさを物語っている。

そして、旅に出てから4年目の15歳の時に次代の戦姫として竜具に見出されるが、最初は自分の病の事から断ろうとしていた。
しかし、周囲が病のことを気にせず受け入れ、支え慕ってくれてきたことから、
長かった旅を終えて戦姫としての立場を引き受けることにしたのだった。


□戦闘能力

個人戦闘においては作中最強レベル。
今でこそ病により剣を振るうことが出来なくなっている
(その気に成れば振るえるが、病のせいで持久力がなく短期決戦を強いられることになり、
さらにただでさえ少ない寿命をより縮めてしまう結果にも繋がる)
健康だった二年前においては戦姫達の中でも一、二を争う程の実力者だった。

どれくらい強いかというと、(戦姫になって間もない二年前の為、
今程の実力を持たないとはいえ)エレンとリュドミラの二人を同時に相手にし、尚且つ二人を瞬殺出来るレベル。
またソフィーヤの話では、戦姫どうしの練習試合において、ソフィーヤを含む三人の戦姫を相手取って完勝したらしい。
通常、戦姫どうしの戦いは、一対一でも勝つことが難しく、
このことからサーシャは戦姫の中でも破格と言えるほどの実力を持っていると言える。

とはいえ、エレンも一度とはいえサーシャに剣の勝負で勝った事があるため、
今のエレンとの力量差は二年前にエレンとリュドミラが共に一蹴された頃ほどの絶対的な差ではないようだが、それでも凄まじい力量である。

これほどの力量に至れたのは上述した母の教育と過酷な旅で培った経験と技量に加え、
不屈の精神を備えながら病によって死の淵に立ったが故に得られた見切りの才によるもの。

実際、トルバランも当初はいくら攻めてもやすやすと回避されるために、
戦術を攻めから守りによる持久戦への変更を余儀なくされた。


“討鬼の双刃”煌炎バルグレン
サーシャの所有する“竜具”。
「双刃」の名に違わず二刀一対の“竜具”であり、それぞれ金色と朱色に輝く刃を持つ。
普通の剣より、拳二つ分程刀身が短い。

文章では表記されていないが、挿絵では西洋剣というよりは寧ろ中華刀に近い趣であり、片刃で肉厚の刃が特長的。
固定能力は炎を操る力で金色の刃からは金色の炎、
朱色の刃からは朱色の炎を発することで斬撃とともに炎を発生させ切傷ばかりでなく火傷まで負わせることができる。

突火槍列(プラムオーク)
一対のバルグレンの刃を交差させ、
その前方の地面から行進の列のように火柱を立て続けに出現させる。
サーシャは主に相手を攪乱する場合に使用するようで、
場合によっては火柱の行進に紛れて奇襲を仕掛けるのに使うこともある。

陽炎(オルトレスク)
その名の通りの技で、バルグレンから指向性を持った熱量を出現させて、
周りの大気を揺らがせる陽炎を巻き起こし、敵の視認能力を阻害させることで幻惑する。

双焔旋(フランロート)
一対のバルグレンを取り巻く朱と金の炎が螺旋状に相手を取り囲み、
バルグレンで切り裂くと同時に尾を引いた炎が傷口へと入り込んで、内部から相手を焼き尽くすという大技で、
バルグレンの竜技(ヴェーダ)に該当すると思われる。

状況の悪さもあったとはいえティグルたちでさえ倒しきれなかった、
強力な自己再生能力を持つトルバランを焼き滅ぼし、作中初の魔物勢の退治を成し遂げた。

□作中での活躍

○四巻
中盤で登場。
レグニーツァの北、戦姫の一人エリザヴェータ=フォミナが治める公国、
ルヴージュが些細な理由で挙兵し、レグニーツァへと進攻してくる。

公国を守るため、エレンに対し救援要請を行い、駆け付けたエレンと比較的穏やかなひと時を過ごす。
その後、エレンについて来たリムとも会話、
エリザヴェータの進攻を食い止めるべく出立したエレン達を見送った。


○特に出番なし。


○六巻
序盤に登場。
ブリューヌ内乱終結から半年後。
ジスタートの賓客としてライトメリッツに滞在しているティグルが、
ジスタート王の依頼によりブリューヌ西方の国「アスヴァール」へと向かうことになる。
「道中でレグニーツァに寄ってサーシャに会っておけ」とのエレンの言に従い自領へとやってきたティグルと、このとき初めて対面した。
病のため面会時間は短かったが、その中で様々な話題を語り合う。
いくつかの助言を始め、自身が信頼を置く人物をアスヴァールの案内役に紹介したり、
そして「エレンを守ってあげてほしい」と頼むなどしたのち、後日の再会を約束してティグルを見送った。
ティグルの人格についてはそれなりの好印象を抱いた様子。

○七巻
終盤に登場、亡くなった母の夢から覚めたその時にアスヴァールの内乱終結とティグルの行方不明を知らされる。
その後、エレンに手紙を送り、帰国したソフィーとマトヴェイと再開し、二人と共に帰国したオルガとも邂逅する。
彼女らに現地での詳しい話を聞くが、ティグルが行方不明となった原因である、
“魔物”トルバランことも聞かされるが後に直に接敵するまで半信半疑であった。
しかし、その矢先に当のトルバランが海賊の残党を率いてレグニーツァ襲撃をかけてきた為、
リーザに援軍を要請した後、病を押して決死の覚悟で出陣する。

○八巻
オルシーナ海戦におけるリーザとの共同戦線の下、
消えゆく命の灯火を燃やしながらトルバラン率いる海賊達との壮絶な戦いを繰り広げる。
その際のサーシャの姿に、マトヴェイは見るものにある“伝説上の生物”である火の鳥を連想させた。

トルバランとの再戦において卓越した剣技と見切りによる回避力を駆使して、
最初は優位に立つも持久戦に持ち込まれたことで発作が起きてしまい、その隙を付かれて衝撃波で吹き飛ばされ、形勢を逆転されてしまう。

絶体絶命のところを間一髪で駆けつけたリーザに救われ、
彼女が稼いだ時間と創りだした隙を付いて竜技を持ってトルバランを打ち取ることに成功する。
しかし、それと引き合えに残り少ない寿命を使い果たしてしまいリプナの町の屋敷で待っていたエレンと最後の時を過ごす。

これまでの思い出を互いに語り合い、
自分が果たせなかった囁かな夢を彼女に託すと同時に安らかに息を引き取った。享年22歳。



追記、修正頼みます。

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最終更新:2023年09月21日 17:39