ルッカ(クロノ・トリガー)

登録日:2011/10/12(水) 12:05:13
更新日:2023/10/05 Thu 02:50:08
所要時間:約 6 分で読めます





「一人でいくなんて、水臭いんじゃない?」

SFC、PS、DS、携帯アプリに展開しているゲーム、『クロノ・トリガー』の登場キャラクター。
ヒロインとして十分な魅力を持っており、根強い人気を誇るキャラクターである。


【ストーリー面における活躍】

彼女がいなければ、物語は進まない。それほど、『クロノ・トリガー』では重要な役割を持つキャラクター。

『クロノ・トリガー』は「ゲート」と呼ばれる時空と時空を繋ぐ扉を介して様々な時代を旅するゲームだが、この「ゲート」は非常に不安定。
それを安定させるためのアイテム「ゲートホルダー」を驚異の科学力で作りだし、パーティーの冒険をバックアップしたのがルッカである。
ドームでロボを修理したのも彼女。
その時、「スゴい、完全な人型ロボット…」と科学力の差に驚くシーンもある。

高い行動力を持っており、クロノが冤罪で捕まった際には衛兵を殴り倒しながら助けに来てくれたりしてくれる。
また、パーティーの最後の一歩を踏み出すきっかけになる発言を多くする。
このため「縁の下の力持ち」という言葉がぴったりなキャラであり、パーティーを前に引っ張っていくマールとは真逆な立ち位置にいる。
一部のファンからは「裏ヒロイン」や「真ヒロイン」とも言われている。


【人物像】

ガルディア王国の城下町トルース在住。19歳。
科学者タバンと、足が不自由な女性ララの間に生まれる。

ヒロインとして様々な属性を持つキャラクター。
その属性は本当に多く、幼なじみから始まり、眼鏡っ子に天才科学者、お転婆、お姉ちゃんと掘り下げれば掘り下げるほど出てくる。

「天才」を自称し高笑いする姿が度々登場するが、基本的には努力家であり、発明と技術向上に全力をかける姿は大人顔負け。
それらは過去のあるトラウマを克服するための反動だったりする。

弱い自分をひたすら隠し、強がっているところが多くある。
が、お酒を飲んでタガが外れたりすると途端に絡んだり甘えたりしてくる。
また、クロノに関するあるイベントでは(条件次第だが)クロノに抱きついて泣きじゃくる姿を見ることができる。


「あんたがいない間……
 すっごく大変だったんだから……」
「……マールがね……とっても……
 ……でも……私だって……」
「……ねえ、クロノったら!
 聞きなさいよ!」
「ホントに……バカなんだから……」

根っこはドコにでもいる普通のか弱い女の子。


【戦闘面における活躍】

使用武器は銃とハンマー。
いわゆる遠距離タイプで、敵と離れているときは「めいちゅう」で補正がかかる射撃を、
近距離なら「ちから」で補正がかかるハンマーで殴ると、物理攻撃に関しては扱いにくいキャラ。
……かと思いきや、最強武器が多少の補正ならガン無視出来るむらっけ有りな武器なため、たまに前衛を超える破壊力を叩き出したりする。
……無論、逆もある。

彼女の本領は魔法。属性は「火」。
所謂魔法使いキャラであり、序盤は線攻撃や眠り攻撃、混乱攻撃などを覚え、中盤・終盤は高い火力で広い範囲を一掃する魔法を覚えていく。
素の魔力の高さから高い火力を持ち、「れんけい」コマンドによってさらなる火力を誇る。
序盤はマールとの連携が主だが、終盤は様々なキャラと連携が出来る。
エイラの「3段キック」と「れんけい」した技「炎3段蹴り」などは作中屈指の破壊力を持つ。

欠点はその燃費の悪さと「すばやさ」の低さ。
MPの最大値が「99」で固定の本作において、攻撃魔法主体は相当キツい。
雑魚戦でMPを使いきったり、ボス戦途中でMP切れが起きるのもざら。
だが、アイテムが豊富なためあまり気にならないかもしれない。
一応「すばやさ」をアップさせたりMP消費を抑えたりする装備品も存在するため、それらでカバーすることも可能。
そのせいで属性吸収や状態以上耐性を犠牲にしなければならない場面もあるかもしれないが、背に腹は代えられない。
特にMP消費を1/2に抑える「シルバーピアス」や1/4に抑える「ゴールドピアス」はルッカをPTに組み込むならぜひとも欲しい装備品だろう。

また彼女専用の装備品としてタバンシリーズがある。
これはルッカの父親であるタバンが開発した防具で、ルッカの家に戻るとストーリー進行に応じてタバンから受け取ることができる。
どれも入手時期の市販品より強力なため、最速のタイミングで受け取れば非常に便利。

  • タバンベスト(受け取り時期:未来から現代に帰還以降)
 ルッカの弱点である素早さを+2し、火属性のダメージを半減する体防具。
 原始に行くまでは装備更新は不要。

  • タバンメット(受け取り時期:グランドリオン修復以降)
 この時点で最も防御力が高いうえ、魔法防御が+10もされる強力な頭防具。
 魔王城に向かう前に是非とも入手しておきたいが忘れられがちなのが玉に瑕。

  • タバンスーツ(受け取り時期:シルバード入手以降)
 最後に完成するタバンシリーズ。素早さを+3し、火属性の攻撃を1/5に軽減するベストの強化版。


さらに、ニンテンドーDS版以降の移植版では追加装備としてルッカ専用の「エレメントガード」が登場する。
防御力92という高い性能を誇ることに加え、「あらゆる属性攻撃を無効化」というとんでもない性能になっている。


【緑の夢イベント】

ルッカを語る上では外せない、「時間改変」の重要さとその恐ろしさを体感できるイベント。





以下、ネタバレを含みます





このイベントは、中世にいるフィオナの願い、砂漠の大地に緑の復活を叶えた時に起こる。

ルッカは深夜に目が覚め、何かに導かれるように一人、散歩に出かける。
その先には「ゲート」があり、ルッカはそこに飛び込む。

ゲートの先は、ルッカの家。
辺りには日記が落ちており、ここがルッカの過去の時代と言うのが分かる。

居間に出ると、そこにはまだ歩いている時のララの姿が。その近くには、タバンが開発していた大型機械。
掃除かなにかをしていると、ララの服が機械のベルトコンベアに引っ掛かり、取れなくなる。

と、その時、機械が動きだす。

ベルトコンベアに引っ張られるように機械に近付いていくララ。

必死に引っ掛かりを取ろうとしながら、幼いルッカに「機械を止めて!」と叫ぶララ。
だが、まだ機械に疎い幼いルッカは慌てるばかり。
さて、現代から飛んできたルッカがとるべき行動は……

このイベントは二通りの結末がある。
1つは、解除キーを入力してララを助ける結末。
助けた場合、現代のララのケガが「なかった」ことになり、元気に家の中を歩き回るようになる。
もう1つは、解除キーを入力せず、ララの足が動かなくなる結末。この場合、現代のララの様子はこれまでと変わらない。
全てはプレイヤーの裁量次第だが、果たしてあなたはどちらの結末を選ぶだろうか。

「現代のルッカ」は、ララの事件がきっかけでこのような惨事を二度と起こさないために科学者になる決意をし、科学の勉強をしてきた。
これは史実通りにララの足が機械に巻き込まれると、その後の日記で分かる。
現代から飛んできたルッカにとって、これはララの足を救う絶好のチャンス……
本来なら絶対に叶えられない願いを叶えるチャンスなのだ。

だが、ここでララの足が機械に巻き込まれなければ、もしかしたら「幼いルッカ」が科学者の道を志すことがなくなり、
今の自分……つまり「現代のルッカ」は消えてしまうかもしれない。
実際、物語の序盤で「時間改変」が起きた結果、マールの存在が一度「消滅」している。
もしここで「時間改変」を行えば、最悪、自身の身に同じ事が起こる可能性もある。
恐怖はつきない。

それだけではない。

そもそもこの冒険は彼女の発明がきっかけで始まったのである。
もし、過去を変えることで今の彼女が消えてしまえば、世界滅亡の未来を知るきっかけが失われてしまうということでもあり、
今までの旅の中で成してきたことそのものが水泡に帰してしまうということでもあるのだ。

ちなみに、解除コードはタバンの妻の名前『ララ』をコントローラーのボタンで入力するのだが、
入力するのは『RARA』ではなく『LALA』。
大抵の初心者が引っ掛かってしまう入力操作での罠。
ここでララを助けると、ルッカはベッドに突っ伏して泣いた後、ゲートから現代に帰る。
この時、床に落ちているルッカの日記を読めるのだが、そこには
「本当に良かった。
 もしまたあんなことが起こっても大丈夫なように、少しは機械のことに詳しくなろうと思う」と書かれている。
つまり、結局は今の自分と同じく科学者の道を目指すようになるのだが、そこには明確な差がある。

ルッカのように時間旅行をしている人が自身の過去を変えた場合、
「元の結末を知る自分」と「その結末を知らない自分」が生まれることになる。
つまり、「改変した歴史」上において、「元の結末を知る自分」は“いない”存在となるのである。
そして平行世界にシフトした場合、どうやっても「元の歴史の世界」に戻ることは出来ない。
……科学者のルッカが、それに気付かないことはないだろう。

また、ロボを修理し最も心を通わせた間柄ゆえか、ロボの出生に関わるジェノサイドームのイベントでは彼女がいると内容が若干追加される。


【『クロノ・クロス』における活躍】

実はOPで一瞬似顔絵が映っている。

また本編中に頻繁に名前が登場するが、幻影体以外の本人の出番はない。
本作では「ルッカ・アシュティア」というフルネームが設定され、改変された未来では著名な科学者として名を知られているようだ。

本作のヒロインであるキッドの育ての姉であり、自宅を孤児院「ルッカハウス」として恵まれない子供たちを育てていた。
なお、ルッカ本人はゲーム開始より5年前、本編の敵である「ヤマネコ」の手で既に殺害されている。
その関係でキッドはヤマネコを酷く恨んでいる。
これはサウンドノベル『ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石-』の方でも同様で、そちらが由来の設定となっている。


【『ゼノギアス』での活躍】

『クロノ・クロス』のメインスタッフが製作に携わった『ゼノギアス』でもゲスト出演。
「メモリーキューブ(セーブポイント)」の解説を行ってくれる。
……が、ちゃっかり金を要求してくる。
長台詞の中でさらっとシルバード2号の開発に取り掛かるということを漏らしていた。


【『アナザーエデン 時空を超える猫』のそっくりさん?】

シナリオ担当が『トリガー』『クロス』の加藤正人であることからオマージュ要素の多い『アナザーエデン』だが、
最初の村バルオキーに容姿と口調がそっくりで名前まで意識した「アシュティア」という名前の女性NPCが登場しており、
『ゼノギアス』同様にチュートリアル役を担っている。

単なるオマージュネタかと思いきや、後の『クロス』コラボではキッドが「ルッカ姉ちゃん!?」と勘違いするなど、
実際に設定上も見た目がルッカと瓜二つである模様。
さらに、本編でも未来で名の知られた博士であったり「ゲートホルダー」を開発するなど、人柄までよく似ている。
無論そっくりなだけで原作のルッカ本人という訳ではなく『アナデン』世界で暮らす別人であり、当然キッドとは初対面。
だがコラボのEDでは思わせぶりな言動をしており、言わばパラレルワールドの同一人物といったポジションだろうか。

メインストーリー第3部ではついにアシュティアがプレイアブルキャラクターとなり、声優を山崎和佳奈が務めている。




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最終更新:2023年10月05日 02:50