グルーデック・エイノア

登録日:2012/02/01(水) 22:22:53
更新日:2024/02/17 Sat 20:34:11
所要時間:約 6 分で読めます






復讐という亡霊にとり憑かれて
悲劇的な人生を歩め……!




機動戦士ガンダムAGE』の登場人物。

CV:東地宏樹
性別:男性
階級:中佐
年齢:39才→65才

連邦軍中佐でコロニー「ノーラ」アリンストン基地副司令

フリット・アスノが技術者として働いているアリンストン基地の副司令であり、いつもサングラスをかけて気難しい顔をしている。

コロニー「ノーラ」がUEに襲撃された際、脱出するどさくさに紛れてデータバンクに侵入しデータを書き換え、
ノーラの住民を見捨てて自分達だけで逃げようとした腑抜けた艦長ディアン・フォンロイドを気絶させて*1成り代わり、
非常時ということで連邦軍の新造艦ディーヴァの艦長の座に居座る。

ノーラ脱出後、フリットとウルフ・エニアクルの模擬戦中に遭遇したUE母艦の特性を一人で分析しているなど、怪しい行動が目立つが……


以下、ネタバレ
















「天使の落日」事件の生存者。
昔はコロニー「エンジェル」に妻子と供に住んでいたのだが、UEにコロニーを襲撃され、妻子を失う。

当時技術者であったグルーデックは復讐心から連邦軍に入り、技術者としての技能や作戦立案能力を買われて異例の早さで昇進をしている。
連邦の腐敗を憂いており、独自にUEの正体を追っている。
目的としてはフリットと同じであり、グルーデック自身もフリットの事をUEに復讐を誓った同志と思っている。

コロニー「ファーデーン」で監査局の憲兵司令に逮捕されかかるも、逆に不正を暴いて恫喝に近い口封じを行っている。

また、同コロニーでザラム側の首魁ドン・ボヤージに接触。
連邦軍の戦力を当てにしておらず、独自の戦力として戦艦などを要求。
その報酬として連邦軍が管理しているMSのデータ「フォルダーEZ7」を提示。
本来の彼の立場ではそれらを手に入れることなど不可能のはずだが…?
そしてコロニーから出発する前、自身の目的をディーヴァクルーに話し、同意を得た。

アンバットの要塞攻略戦終盤にて、要塞にディーヴァを強硬揚陸させる。
自ら指揮を執りつつ司令室占拠を目指し白兵戦を仕掛けた。

司令室にて死の商人ヤーク・ドレことギーラ・ゾイを追ってきたフリットと合流。
この時には既にコロニー「エンジェル」にUEを引き込んだ人物、即ち「天使の落日」の首謀者をギーラと突き止めており、要塞を自爆させようとするギーラを射殺。

その後現れたギーラの息子に、わざわざ馬鹿正直に本名と所属を明かし*2、自分自身に復讐心を抱かせるような言葉をかけている。


攻略戦を制したグルーデックは、自分に協力してくれた各クルーに礼を言う。
そして自室に戻ったグルーデックは、今は亡き家族を想い一人を流すのだった……

彼の復讐は終わったのだろうか?


独断でUEとの交戦に踏み切ったことは結果として軍規違反とされ、直後に連邦軍の憲兵に連行されてしまう。
軍法会議にかけられた彼は、一連の行動の責任を一身に負い刑に服すことになる。


そして連邦軍上層部は、これまでの戦いは全て軍が主導して行なった作戦である、と事実を隠蔽した上で大々的に発表するのであった。



【第2部】
26年の時を経てようやく釈放された。
頭には白髪が混じり、無精髭も目立つなど積年の苦労がうかがえるが、
刑務所内では係官からもUEと戦った「真の英雄」と認知されていた模様。釈放の際には刑務所職員総出の敬礼で見送られた。

ほとんど無表情だった第1部に比べ、フリットと再会した時には微笑みを浮かべるなど表情が豊かになっている。
逆に何か野心を秘めた怪しさも感じられるが。

刑務所内で独自に入手したヴェイガンと繋がっている連邦軍関係者の情報を渡すため、連邦軍中将となったフリットと接触する。

なお、一期では「連邦は腐っている」と評していたが、もしかすると、その頃から繋がりに薄々と感づいており、刑務所に入るのも計算の内だったのかもしれない。



しかし、フリットとの2回目の密談に向かう最中、かつて復讐という枷を背負わせたギーラの息子アラベル・ゾイに刺されてしまう。
グルーデックは自らの運命を受け入れ、アラベルにこれでもう復讐に生きる必要はないと諭し、アラベルが逃亡した後、フリットの端末にデータを託すと命を落とす。
英雄の最期というには、あまりにもあっけないものであった…
絶命寸前にアラベルにかけた言葉といい、復讐の対象を自身のみに絞らせ、彼なりに復讐の連鎖を絶とうとしたのでは?と見る向きもある。




なおアラベルは元々恨みがあったのに加え、グルーデックを危険視していた何者かに雇われており、
その後用済みとしてあっさり謀殺されるのだった。(後にヴェイガンと繋がっていたフロイ・オルフェノア大統領に雇われていた事が28話で明らかになる。)

【第四部】


フリット…長い旅だったな…



そして時は流れ、今まさにヴェイガンを滅ぼそうとするフリットとそれを止める孫キオ
二人のラウンダー能力が共鳴し、フリット編の姿で幻影として再び現れた。

フリットのそれまでの苦労を散っていた者たちと共に労い、ヴェイガンを、大切な人たちを守れなかった自分自身を許すよう促した。
子や孫の説得もあり、フリットはついに本当の「救世主」に目覚めたのだった。
この時のグルーデックは軍人でもなければ、復讐者でもない…どこか優しい表情をしていた…


小説版
高い指揮能力をもつ軍人だがそれだけではなく、軍に入る以前は凄腕のハッカーとして名を知られた人物であり、電脳戦のプロフェッショナル。
入隊後は情報局に勤めていた。(後にボヤージとの交渉に用いた『フォルダーEZ7』はこの時に入手している)

本作ではフォンロイドらを明確に殺害している。
グルーデックは彼らのような腐敗した軍人を心底憎んでいたし、生かしておけば後々厄介なのは明らかだが。

本編に比べ、非道や理不尽さを感じさせる言動や行動が多かった彼だが、ファーデーンでフリットが無茶な戦闘を行った際は
「お前が死ねば、悲しむ者がいる、とは考えなかったのか!」
と、おおよそ彼らしくもない怒声を放っている。
或いは、彼が心の奥底にしまいこんだ本音だったのかもしれない。(これ以降フリットはグルーデックに大きな信頼を寄せるようになる)

実際、その非道や理不尽というのは自分に着いてきてくれた部下たちに「脅迫された」というエクスキューズを与えるためのものであった。


また、アラベル・ゾイに対してかけた言葉は、やはり彼を生かすためのものであった。
そのまま自分が殺されれば父の後を追って自殺するだろうし、捕虜にしたところで尋問ないし拷問が待っている。ならば、自分を憎ませることで生きながらえさせよう、と。
脱出艇の位置も教えている。

それが偽善であることはわかっていたが、生きたその先に、彼が自分とは違う未来を見つけてくれることをグルーデックは期待した。
だが……
小説においてグルーデックは謀殺されるものの、事切れる前にとあるウィルスを端末からネットワーク上に流している(恐らくアニメで操作していたのがそれ)これは速効性はなく、刑務所という安全な場所で証拠を集めてフリットがオルフェノアを糾弾する正当性を世界に知らしめる役割を後々果たすことになる。
これが彼なりの元凶に対する「復讐」なのだろうか…





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最終更新:2024年02月17日 20:34

*1 その後脱出させた様子も無い為、直後にUEによりノーラが爆破された事から察するに事実上の暗殺

*2 ドン・ボヤージとの接触の際には偽名を使っていたのでやろうと思えば素性などいくらでも偽装できたはず