タケコプター

登録日:2010/12/02 Thu 00:08:14
更新日:2024/03/28 Thu 16:20:41
所要時間:約 7 分で読めます




ドラえもん」に登場するひみつ道具の一つ。

●概要
高さ10cm×直径10cmほどの竹とんぼのような形をしている。
根本は吸盤のようなドーム状になっており、これを頭に装着する*1

原作第一話から登場する最古参のひみつ道具で、
四次元ポケットを除けば使用頻度が最も高いひみつ道具であり、最もポピュラーなひみつ道具でもある。

テレ朝版「ドラえもん」の新旧主題歌(ドラえもんのうた/夢をかなえてドラえもん)両方で、
ドラえもんが最初にシャウトする道具であることからも、知名度のほどがうかがえる。


普段はドラえもんの四次元ポケットの中に収納されている。いくつ持ってるかは不明。

時々、のび太も持っていたり、机の引き出しに予備を入れてあったりする。


●使用法

主に頭頂部に装着するが、タケコプターが上にくるならどこでも構わない模様。
本体のスイッチを押すことで起動し、空を自由に飛び回ることができるようになる。

使いこなすにはコツがあり、使い方を知らない者が使うと、暴走したり、タケコプターだけが飛び去ってしまう、といった事故が起きる。
のび太のドラビアンナイト』では手で掴んだままスイッチを押してしまい、そのまま空の彼方までぶっ飛んで行ったアホがいたほど。
とはいえのび太がすぐに使いこなせる程なので、大したコツでもない。(ただしテンパるとのび太は上記の事故をやらかす)
また、邪魔な警察官やママを排除するために、頭につけて無理やり空をとばせた例もある。
どう見ても帽子ごと飛んでってる?気にすんな!
また髪が長い人が使用すると、プロペラに絡まる可能性があるので、ヘルメットなどで顎を固定するといいかもしれない。

バッテリーの容量から、連続稼動時間は約80km/hで飛んだ場合、8時間と限られている。
が、普通のラジコンのように、適度に休ませながら使うことで、総稼動時間の底上げも可能(「のび太の恐竜」など)。ただし「ペロ 生き返って!」のように一晩中休みなしで動いていた例もあるので、機種ごとに違うのだろうか。
なお、最大速度は不明だが80km/hより出ることは確かである。


空想科学読本』で、タケコプターが実在した場合の現実が取り上げられたことがある。
そこでは、大体このように書かれていた。

「タケコプターを使うときは、ヘリコプターのテールローターのようなものを付けないと、慣性力やら遠心力やらで人間の首はちぎれるし、ドラえもんは頭皮にあたる部分が引きちぎれる。」

<実用されたらとかそういう話以前に、めっちゃ危ないじゃん!?

…と思ってしまうが、『空想科学読本』の理論は、
『タケコプターの仕組みは、プロペラの回転によって起こる風の力で飛ぶ仕組み』(ロボコンとかと同じ)
とした場合の話である。なお、後に柳田氏は小中学生との交流会にて彼らが発案した改善案に納得していたりもする。

…さすがに誰かが気づいたのか、現在ではちゃんとした設定が作られている。

現在の「ドラえもん」におけるタケコプターの仕組みは、
『プロペラの内部に反重力発生装置が組み込まれており、回転によって装着者の全身に反重力を伝え、空を飛ぶ』
というもの。
小学館から刊行されている「ドラえもん」のひみつ道具関連の書籍では、大抵この設定が紹介されている。
ヘリコプターとは原理が全く違うので、タケコプターは使っても首がちぎれることはない。

言ってしまうと、柳田氏が上記の理論でヘリコプターと同じ原理として取り扱ったのは、
「反重力」の設定を取り出すとそこで話が終わってしまうからである*2*3

また初期の書籍では反重力ではなく強力な揚力を発生させて飛ぶタイプも紹介されており、
大長編などの描写を見るとタケコプターの飛ぶ原理は揚力だったり反重力なだったりあやふやなようなので、
柳田氏が上記の理論を扱ったこと自体は全く設定から外れた行為というわけではないとも言える。

反重力設定でなかった具体例を上げると、
ドラえもん のび太の宇宙開拓史』大長編版の作中で、タケコプターをロップルに紹介した際にタケコプターの揚力がプロペラ式である事を示唆する発言をドラえもん自身がしている。

ちなみに肝心の反重力は、タケコプター本体が認識した装着者全身にかかる仕組み。

漫画の第1話でのび太が初めてタケコプターを使った際、
「付ける位置がおかしい」と指摘したときにドラえもんが「どこでもいい」と答えたのはこのため。
ただし、この時はズボンに装着していたため、のび太本人はタケコプターに認識されずに墜落した。
ちなみに、ドラえもんは頭に何か被っている時はしっぽ近くに付けていた。
SP版によれば、ドラメッド三世は昔帽子の上に付けたせいで帽子だけ飛んでって墜落したことがあるらしい。

このような仕組みなので、水中でも使用可能
しかし宇宙は、ひっくり返す重力が無いので使用不可。
重力さえあれば、月面であろうがコーヤコーヤ星であろうが使用は可能。

一つのタケコプターが反重力を及ぼすことのできる範囲には限界があるため、
巨大なものを飛ばす時は、複数個のタケコプターを使用する。(イメージガムで作った巨大ロボットデブラムなど)



登場、活躍など

とにかくよく壊れたりする
特に映画になるとなかなか高い確率で電池切れを起こしたり、なくなったりしている。
そのかわりほぼ全ての映画作品に登場している。
また、『のび太と未来ノート』ではビッグライト巨大化させることで風力発電のプロペラ代わりに使用している。


のび太の将来の息子であるノビスケや、セワシまでふつうに使用している。
ドラえもんがのび太が大人になるまで彼のもとにいたり、秘密道具を置いて帰ったとは考えにくい。
故に、遅くとものび太の時代から20年後には発明され普及が完了していると思われる。
半公式本でもノビスケの時代にはすでに完成しているという説がほとんどである。

また、ノビスケやセワシと言った10~12歳そこらの子供が所持していることから、免許の類も必要でなく、入手も容易であると思われる。
ちなみにある書籍では日本航空協会の方がタケコプターのような道具が実在した場合、
現行の法律では飛行機のそばを飛んではいけないなどの制限を守れば特に免許はいらないと述べていた。

ただ危険なひみつ道具でも書かれているように、安全面に関しては疑問符が浮かぶが……。


類似品としてTOKIO開発の『しげコプター』があるがこちらは2ローターにより浮上するガチなヘリである


●余談
余談だが連載初期や日テレ版の頃は「ヘリトンボ」という名前だった。
「タケコプター」の名称は「『小学三年生』1970年6月号掲載の「ご先祖さまがんばれ」が初出。
「ヘリトンボ」は白色であったが、「タケコプター」は黄色っぽく木製にも見える。戦国時代で使用するため外見が木製っぽい「タケコプター」を出したのではなかろうか。つまり、木製に見える竹トンボを模した機械である。

その後、併用されるも「ヘリトンボ」が主流だったが、テレ朝アニメ版において「タケコプター」が採用された事に伴い、タケコプターに統一され、過去の作品でも「ヘリトンボ」が「タケコプター」差し替えられる事になった。
「タケコプター」採用の理由は「ヘリトンボ」が聞き取りづらいからだそうだが・・・ 聞き取りづらいか?

さらに余談だが、コロコロで連載されていた『ザ☆ドラえもんズ』の漫画版では、
タケコプターならぬ「ヌンチャクコプター」なるものもあり、王ドラが所持している。
学年誌「SP」の4コマでは道場の壁にはりつけてプロペラの隙間を縫って拳を放つ訓練をしていたところ、壁ごと飛んで行った


●おまけ:飛行道具の数々
タケコプターという超便利な道具があるにもかかわらず、なぜか無数に存在する。以下はその片鱗に過ぎない。
藤子・F先生はどんだけ空を飛びたかったのだろうか…。
なお「乗り物セット」や「コンチュー丹」、「強力うちわ風神」や「サンタイン」や「ウラメシズキン」などのように、
飛行以外が本来の用途で飛行能力「も」ある道具や、
「どこでも行ける矢」「どこでも風船」「ばくはつこしょう」等行ったらそれっきりで行先の変更が聞かないもの、
「三輪飛行機」「昆虫飛行機セット」「エネルギー節約熱気球」などのように動力ありきの乗り物は面倒なので省略する。

・フワフワオビ
TC2巻『しずちゃんのはごろも』に登場する帯状の道具。
天女の羽衣よろしく、これを巻けば体が軽くなり、自由に空を泳ぐことができるようになる。
作中では赤ちゃんのオムツとして誤って使用され、赤ちゃんが空に飛んで行ってしまった。
もしかしたら妖怪「一反木綿」の正体は未来人が置いて行ったフワフワオビかもしれない

似たような道具として、紙状に加工された「トビレットペーパー」というのもある。
また「スーパーダンのマント」「スーパーマンごっこふろしき」という名前だけでだいたいどんな用途か想像の付く道具もあるが、
これらは玩具であり大した飛行能力は無く自由には程遠い。
前者は低空をノロノロとしか飛べず、後者は誰かが笛を吹いてくれないと何の役にも立たない。

・空飛ぶ風呂敷
大長編『のび太のドラビアンナイト』に登場。
名前の通り、これの上に乗ると自然に風呂敷包みになって空を飛ぶという、イマイチかっこ悪い道具。

空飛ぶうす手じゅうたん
TC29巻『空飛ぶうす手じゅうたん』に登場する布型の道具。
上記のフワフワオビ系列の中でも最低の欠陥品である。
何がダメだったのか知りたい人は該当項目を参照。

・空飛ぶワッペン
TC4巻『未来世界の怪人』に登場する道具で、ドラえもんが出したのではなくジャイアンが拾った四次元カバンから出てきた道具。
胸に張り付けるだけで自在に飛行でき、機動力はタケコプターと同等以上。

・バタバタフライ
TCカラー1巻『バタバタフライ』に登場した鳥人間コンテストの機材のような装着型の道具。
名前の通り蝶の翅型で、これを背負って羽ばたくことで蝶のように優雅に舞うことができる。
別売で蜂型もあり、お尻で蜂のように刺すことができる。どこかで聞いたような話だ。

・バードキャップ
TCカラー1巻『バードキャップ』に登場した帽子型の道具。
鳥の頭を模しており、被るだけでその鳥の能力を手に入れ、手を動かすだけで飛行できるようになる。
モデルとなった鳥の能力をそのまま反映しているため、フクロウ型は夜にしか使えない。
またニワトリは飛べないので何の役にも立たない。ならなぜ作った。ダチョウやペンギンは使いようによっては役に立ちそうだが。

映画『ドラえもん のび太と翼の勇者たち』では新型が登場し、こちらは背中から翼が生えた天狗のような姿になるので、羽ばたかずに飛行でき両腕が使用できる。

・ふわふわぐすり
TC11巻『雲の上の散歩』に登場する錠剤。
一粒飲むだけで体が風船のように軽くなり、手を動かすだけで飛行できるようになる。
…そんなもんを体の中に入れて大丈夫なのだろうか。まあこれも重力操作系の道具なのだろう、たぶん。
飲み過ぎると空気の抜けた風船の如くぶっ飛んでいく。アホか。

同様の道具として、吹き付けるタイプの「ふんわりガス」もある。

・ロケットストロー
TC25巻『のび太のスペースシャトル』に登場。
口に咥えて吹くことで息を何倍にも強化したジェット気流に変える事が出来、うまく調節する事で反作用を用いて飛行できるようになる。
ただし口に咥えっぱなしでなければ意味がなく、空中で笑ったり会話したりしたら即落下する。危なすぎるわ!
作中では出木杉君のとても小学生とは思えないハイクオリティな設計図によりスペースシャトル(型のグライダー)の動力として使用され、
交代しつつロウト状の吹き込み口に絶えず息を吹き込み続けることで飛行できた。
というか「口を離しただけで即落下」なんて代物は、本来そういう用途で使用すべきものなのではなかろうか…。

・うきわパイプ
TC45巻『うきわパイプ』に登場するパイプ煙草型の道具。浮気バイブではない
タバコの煙を輪っかにすることで、その煙が浮き輪になり、空を泳ぐことができるようになる。
吸い過ぎるとむせる。
昨今の表現規制もあると今後アニメで登場する機会は無さそうである。


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最終更新:2024年03月28日 16:20

*1 髪の毛の上から平気で付けているところを見るに、吸盤ではない謎テクノロジーでくっついているようだ

*2 ならば反重力の場合のタケコプターが現実だと…というのも面白くならなさそうではあるが。なお、反重力自体に関しては別の「空想非科学大全」の方で取り上げているため、以後もタケコプター関連では柳田氏もほとんど取り扱っていない。

*3 ちなみに仮に半重力設定でもそれはそれでヘリコプターのテールローターに相当する姿勢を安定させる手段がないため、関節が多く重量も部位で変わる人体ではバランスを維持しつづけるのは困難を極め離陸すらままならないと考えられちゃうのだが