ユウ・カジマ

登録日:2009/08/04 Tue 22:09:53
更新日:2024/03/13 Wed 10:18:18
所要時間:約 7 分で読めます





ユウ・カジマとは、セガサターンの「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」の主人公。

所属 地球連邦軍
性別 男性
階級 少尉 23歳 (0079)
   大佐 37歳 (0093)
CV (原作ゲーム)なし
  山寺宏一
  諏訪部順一




そうだよ、そうなんだ!誰にだってわかってることじゃないか!こんなところで地球に育む生命の歴史を終わらせちゃいけないってことぐらい!!




名前の「ユウ」は、プレイヤーを指し示す「you」から来ている。つまりプレイヤーの分身として意識されたキャラ。
そのため原典となるSSのゲームで彼が喋る事は無い。…が、これを他のゲームスタッフは「ユウが無口」と取ったのか、
CV付ける手間が省けてラッキーと取ったか、昔のGジェネや、ギレンの野望と言ったゲームではCVを付けず、
音声が要らないテキスト部分でも「」を多用し、最低限の事しか喋らない「無口」というキャラで描写した。
PS2の「めぐりあい宇宙」等で音声が付き始め、PS3の「サイドストーリーズ」など近年のゲームではよく喋る。
ちなみに小説版や漫画版では普通の青年で、寡黙ではない。


【彼の物語】

宇宙世紀0079年
戦闘機パイロットとしてサイド5のルウム戦役に参加していたユウはMSの強さを肌で感じMSの必要性を訴えMS「ジム」のテストパイロットになる。
地球連邦軍にとっての新兵器であるモビルスーツの運用を試験するための小隊(地球連邦軍第11独立機械化混成部隊、通称モルモット隊*1)に配属になったユウは、ある作戦で蒼い塗装をされたモビルスーツの襲撃を受ける。その機体は味方であるはずのGMタイプであった。

異常なまでの機動力と攻撃力を持つその機体を、何とか撃退することに成功したユウたちモルモット隊であったが、これは彼らと蒼いモビルスーツとの因縁の始まりに過ぎなかったのである。

ジオンの攻撃を受けたミデアの援護に向かうユウたち。
そこに現れたイフリート改とジオンの騎士と名乗るニムバス
そしてミデアの中から現れたあの蒼いGM。

なんとかニムバスを撃退し基地で新型MSを受領するが、それは蒼いGMであった。
蒼いGMは正式名称ジム・ブルーディスティニーといい、EXAMシステムという謎の多いOSを搭載している実験機であった。
しかし、BDのEXAMは驚異的な戦闘力をもたらす代わりに、搭乗者を殺人マシーンに変える普通の人間には扱えない代物だったのである。
EXAMの副作用に苦しみながらもユウはBDのテストパイロットとして確実に戦果をあげていく。
キャリフォルニアベースで再びニムバスと戦い、EXAM同士の邂逅により謎の声を聴くユウ。
なんとかイフリート改を撃破するが、BDもEXAMが搭載された頭部を破壊されてしまう。


破壊されたBD1号機の代わりに、新型のブルーを受領しようとするが、ニムバスが連邦に亡命したクルスト博士を殺害し、BD2号機を強奪して宇宙へと逃亡。
残されたBD3号機を受領したユウたちはニムバスを追う。

ニムバスの逃亡した先はサイド5だった。ユウはサイド5に帰ってきたのである。
そしてサイド5のEXAM研究施設で明らかされるEXAMの謎、サイド5宙域で激突する2機のブルー。

マリオンの導きにより、激戦の果てにユウはニムバスを倒すが、二機は爆発の光に包まれる。

ちなみに、
「不死身の第4小隊がブルー同士の戦いを目撃しており、サウス・バニングが上層部に報告したのだが、闇に葬られた。」
という漫画が、ブルーの漫画版を担当した作者によって描かれている。



先述したとおりユウはゲームの主人公であるため今までのミッションのクリアランクにより結末が異なる。
+ ネタバレ注意
  • Eランク
ユウは公式の記録によれば、コロニーでの事件で死亡。
サマナ、フィリップ達ジム部隊のメンバーもア・バオア・クー戦で死亡したため、青き死神にまつわる話を知る者はいなくなった…。

  • Dランク
サイド5の決戦以降の公式記録ではユウの記録は残っていない。
しかし、彼の活躍を仲間たちは永久に忘れない…

  • Cランク
こちらでもユウの公式記録は残っていない。
だが、フィリップ少佐によると彼らしい人物が地球にいたのを目撃したらしい。
生死不明であるが、彼がEXAMの悪夢を消したことは確かである。

  • Bランク
奇跡的に生還したユウは仲間たちと共にジムでア・バオア・クー攻防戦に参加、無事生還した。
その後UC.0088で少佐まで昇進したユウだったが、グリプス戦争で負傷し軍を退役した。

  • Aランク
ユウはジムでア・バオア・クー攻防戦に参加し生還。
その後UC.0093の第二次ネオ・ジオン抗争の後にユウ・カジマ大佐は軍を退役した。




皆河有伽の小説において、大佐になったユウ・カジマはジェガンに乗って第二次ネオ・ジオン抗争でアクシズの押し返しに参加したという設定が登場し、後に描かれた漫画『GUNDAM LEGACY』、ゲーム『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』などは、上述の小説の設定を採用している。

時はめぐり宇宙世紀0093年。

ロンド・ベルにより地球に落下しようとしていたアクシズの分断に成功するが、二つに割れた破片の一つが、大気圏への突入を開始したという通信が入った。
これ以上の作戦遂行は無駄です!残念ですが、半分は地球へ…
無駄なものか!
オペレーターからの言葉にそう"彼"は叫び、自機のバーニアを全開にして、アクシズの先端へ向かっていく。
そこで見たのはアクシズを押し返そうとする多数のMSの姿だった。
ジムⅢジェガン、敵であるはずのギラ・ドーガまでいる。
離れろ!こんな事に付き合う必要はない!
νガンダムを駆るアムロからの悲痛の通信が届くが、1機もそこを離れようとはしない。"彼"もまた、アクシズを押し返そうとしていた。
そうだよ、そうなんだ!誰にだってわかってることじゃないか!こんなところで地球に育む生命の歴史を終わらせちゃいけないってことぐらい!!


アムロでもシャアでもない、地球連邦軍大佐としてでもなく一人の戦い抜いた人間として"彼"、ユウ・カジマはそう叫んだ


だがアクシズ先端のMSは大気との摩擦熱とオーバーロードで既に限界に達していた。
限界か…!
その時落下するアクシズの先端から虹色の光が発せられ取り付くMS達を弾き飛ばしていった。

その時にユウは人の温かさを感じたとも、かつて自分が14年前に駆った蒼いMSと一人の少女のことを思い出していた。

小説では、アクシズに弾かれたギラ・ドーガの手を掴んだジェガンがユウ機だったかのように描写されている。ただし、この設定はサイドストーリーズにおいては、採用されていない。





【戦闘能力】

主人公キャラであっても、思惟の流れを読むニュータイプの素養はないが、ゲーム中では、シミュレーションとはいえアムロ・レイの乗ったガンダムを撃墜している*2。}
同僚のフィリップ・ヒューズやサマナ・フュリス曰く「ただのエースじゃなくトップクラス」との事。
さらに本編中では『EXAMシステム』があったとはいえ、超短期間で104機ものMSを撃墜している*3
ちなみに噛ませと名高いジムに搭乗していた時代ですら約37機ものMSを撃墜しているので、機体頼りという訳でもない。

皆河有伽の小説では独自設定として、逆シャアの頃に、量産機であるがロンド・ベル隊やルナツー要塞などの精鋭部隊に主力MSとして配備されたばかりのジェガンに搭乗しているという設定になった。

【その他】

グリプス戦役時の所属は不明だが、0093時の階級を考えるとエゥーゴに所属していたと思われる。
一部ゲーム作品でも、連邦やエゥーゴ所属になる設定の物が多い。

ゲームではどのエンディングでも、EXAMの事件が闇に葬られ、小説では出世街道からは遠のいたと書かれている。が、小説における階級は大佐である。

そして少尉から大佐まで軍属パイロットのまま昇格というのは連邦軍パイロットとしては異例中の異例であり、ジオン系なら兎も角連邦系の佐官でMSに乗っているというのは非常に稀である*4
この手の物でアムロを引き合いに出す場合が多いが、彼は士官学校での教育を受けていないため、昇格できても大尉までという事情がある。
他に少尉~大佐を経験した人物としてはブライト・ノアが挙げられるが、彼は彼でMS搭乗経験は殆どなく(逆シャアでプチモビを動かしていたので乗れない訳では無いとは思うが)、そのキャリアはホワイトベース臨時艦長からラー・カイラム艦長までほぼ母艦である。


初出がキャラ設定が特にないゲーム作品という関係上、
大筋は同じものの、コミカライズやノベライズ、リメイク等で描写や性格がやや異なっている。

二つある小説でキャラが完全に異なるニムバス程ではないものの、ユウも作品によっては別の一面を持つことも多い。
ゲームや漫画のアクシズ絡みのイベントは、皆河有伽の小説版が元ネタとなっている。

  • 登場作品

  • 搭乗機

ジム、コマンド、陸ジムは同時期に搭乗していた機体なのだが、上記の通りのコミカライズ等で描写が異なるためか、作品によって異なる(そもそもゲームの時点で扱いはジムだが外見はG型であり、カラーリングはGS型というややこしい事態になっているためだろうか)。
また、ジムではあるもののやや外見が異なっていたり、コマンドが先行配備型であったりとこれらですら設定が異なることが度々ある。

セリフ
「ニムバス、傲慢さを償え」
「蒼い宇宙にあるのは…憎しみだけではない………」
「お前はマリオンではない…EXAMだ!」
「その傲慢さを償え…」
「俺は俺の意志で戦う」
「今はただ戦うしかない」
「…………っ!!!」
「そうまでしてもお前は彼女を…マリオンを支配したかったのか…!!!」
「終わりだ…ニムバス・シュダーゼン!」
「EXAMが、俺を戦場に駆り立てる」
「五分以内にケリをつけよう」
「…仕方ない」
「…バカなことを」
「過ちは…繰り返させない」


PSソフトの「ギレンの野望ジオンの系譜」において、同郷出身ということでスタック会話があるのだが…、
この頃は「ユウは無口」という設定にされており、「…」としか返さないのだが、
レイヤーは色々と察してお互い頑張ろうと鼓舞してくれるのだった…。*5
ギレンシリーズでは明確に無口キャラにされており、フィリップもサマナもそれを前提に会話しているのが面白い。

取り扱うのが逆シャア世代まで伸びたアクシズの脅威のブレックス率いるエゥーゴでは、クワトロが裏切らないベストエンドに持っていくためには長い間クワトロやカミーユやブライトといったアーガマクルーを任務に充てなければならないため、LAWルートで加入するユウたち元モルモット隊やククルス・ドアンシン・マツナガに頑張ってもらうことになるだろう。


Gジェネ魂でザクⅡJ型に乗せると白い滷獲仕様になる。




?「私について追記、修正することがあるやつは死んでしまえ!」
ユウ「おまえはマリオンじゃないEXAMだ」
EXAM「!!!!!」

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最終更新:2024年03月13日 10:18

*1 ただし、当時の連邦はMSの開発・研究をしながら実戦配備と戦争をする状況である。つまりホワイトベース隊のような末端だろうがルナツー方面軍だろうがレビル本隊だろうが、どこもかしこも「モルモット部隊」であった。

*2 ただ、この時のガンダムはジャブロー到着時のデータであり、アニメ終盤でさらに無双し始めた時のアムロ&ガンダムではないらしい。それでもゲームではEXAMを起動してるラスボスのブルー二号機よりさらに超性能・超機動で襲ってくる。

*3 一年戦争時の撃墜数ランキングはアムロが142機、最も機体を堕したというテネスですら149機である。これらのスコアにはいい加減な所もあるのだが、超短期間でこの数字に迫るって……

*4 純粋な連邦系MS/MAパイロット、かつ正史認定されているものだとZのブラン・ブルタークが少佐でアッシマーに乗っていた程度。大佐で登場歴があるキャラとしては劇場版のシロッコが大佐でジ・Oに乗った経歴があるが、こちらは元々連邦高官からの転向で純粋ではないので例外の可能性が高い。

*5 この同郷と言うのが、ジオンの系譜がPSソフトでありながら、双方ライバルゲームハードのSS・DCというセガハード出身なので、こんな会話が用意されているのではないかとネタになった。