寄生獣

登録日 :2009/06/28(日) 19:15:20
更新日 : 2017/02/08 Wed 16:11:44
所要時間 :約 6 分で読めます





地球上の誰かがふと思った

『人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか……』

地球上の誰かがふと思った

『人間の数が100分の1になったらたれ流される毒も100分の1になるだろうか……』

誰かが ふと思った

『生物(みんな)の未来を守らねば…………………………』



アフタヌーンで連載していた岩明均の漫画。
全10巻。完全版は全8巻。


普通の高校生、泉新一と寄生生物ミギーの物語。
一見、血や肉片の飛び交うグロ漫画だが、新一とミギーの種を越えた友情、家族、生命の価値とは?
人間とは? などのテーマが盛り込まれた感動作として月日が流れた今でも、多くの漫画愛好家や哲学者から高い評価を受けている不朽の名作。

長らくメディアミックスの無かった作品だったが2014年にアニメ化と実写映画化を果たす。
どちらも賛否両論ある作品だが、それぞれ味のある作品なので寄生獣が好きならば一度観てみると良いかもしれない。




◆寄生生物(パラサイト)
本作に登場するバケモノ。
ヘビのような形をした幼体が人間の体に入り込み、脳を喰らい頭部と同化することで誕生する。
同化された頭部は見た目こそ元のままだが、細胞はパラサイトの【それ】となっており、ゴムのような伸縮性を持ちながら鉄のように固く変
質させる能力を持つ他、人体を容易に真っ二つにできる程の怪力も有しており、
捕食・戦闘時には頭部を鋭利な刃の触手または頭部自体が大きな口に変化させて丸かじり。
といった変幻自在な攻撃方法で獲物に襲いかかる。

また細胞全体が脳・眼・触手などの役割を兼ねていることから作中では「考える筋肉」と例えられている。
稀に人間と同等以上の高い知能を持つ個体も存在する。

この他にも寄生生物同士はテレパシーのようなもので信号を感じとり、
相手の位置や感情を知ることができるといった人間離れした能力を持つが、
首から下は普通の肉体であり、寄生の名の通り人間の内蔵や消化器官に頼って生きている。

彼らのほとんどは脳を奪ったときに芽生える“ この「種」を食い殺せ ”という本能に従い行動している。



~登場人物~

泉新一
主人公。右腕に寄生されたため頭(脳)は普通の人間であり、そのため他の寄生生物から危険視されている。
最初はやや気弱な性格だったが、普通の高校生では考えられない、
血みどろの修羅場を幾度もくぐり抜けてゆく、同時に人間らしさに失っていく自分に苦悩する。
そして戦闘能力も人間離れしており、中盤からは「ミギーに防御を任せて、彼自身が寄生生物をワンパンで殴り殺す」という動きを見せる。
世間では寄生生物のことは知られておらず、人類の為にも自分は名乗り出るべきではと考えるが、
モルモットにされることを危惧するミギーと意見が対立する。


ミギー
もう一人の主人公。寄生に失敗し右腕になってしまった寄生生物。後の右腕のみが怪人化しているアンクの原型とも言える。
新一の体から血液を通して栄養を貰っているため、人を食べることも食べたいとも思わない。趣味は読書。
好奇心旺盛で高い知能を持ち穏やかな性格だが、他の寄生生物同様冷徹で自己の利益のみを優先しており、
正体が人間にばれたときは容赦なく殺そうとする等融通が効かないことも。
新一を気遣うのは新一が宿主だからであるが、だんだんと奇妙な友情が芽生える。
名前の由来は右手を食って育ったから。ミギー自身が名付けた。
ただし海外版では見開きの関係上名前がレフティに。

◆村野里美
新一の同級生でヒロイン。途中で新一と付き合う。

◆加奈
スケバン。浦上より先にパラサイトが見分けられるようになる。


◆田宮良子(田村玲子)
ミギー以上の高い知能を持った寄生生物で、パラサイトの生殖能力を確認するために寄生生物同士でセックスする、
新一とミギーを『貴重なサンプル』として観察したりといった日々生まれる疑問の答えを探求しており、自分達は一体何なのかを常に考え続けている。
劇中に登場する彼女は最初からパラサイトされた状態であり、本物の田宮良子(田村玲子)は既に死亡している。
その高い知能故に戦闘能力は高く、三体の寄生生物相手を翻弄し返り討ちにするほど。
後に出産した我が子には愛情らしき感情を見せており作中の寄生生物とは一線を画した成長をする。深津絵里はパラサイトに寄生される以前の田宮良子には子供を産みたいという願望があったのではないかという独自の解釈しており、それを監督の山崎が拾って設定として反映させたという。


因みにやけに完成度の高い同人誌があるとかないとか。


後藤
最強の寄生生物。戦いと殺戮を求め続ける戦闘マシーン。
ビキニパンツ一丁でショパンも弾ける。五統さん。五頭さんでもある。
田村玲子が実験により創りあげた か弱い「仲間」の一人ではあるが……無敵だ
隙間以外には攻撃が通じなかったり時速60kmを軽く越える速さで走れる等、ラスボスにふさわしい無敵の戦闘能力を持つ。
五体の寄生生物で体が構成されている為、他の寄生生物と違い首から下も戦闘可能。
しかし最後は新一に付けられた傷口から「毒」が体内に入り統制を失う。
この一連のシーンは単純なバトルものと違い、ミギーや新一の台詞なども相まって色々考えさせられる。


◆三木
後藤さんの右手だから三木。あと三匹統率だから。
「三木がやりたいっていうならやらせてみるさ。……何事も慣れ、だ」と後藤さんの許可を得て頭になり新一を付け狙う。
人間の表情の擬態は得意だが寄生生物五体の統合はイマイチでミギーの作戦の前にあっさり敗北。
その後はずっと右手状態。


◆A
新一が初めてまともに戦った寄生生物。
(厳密にはその前に犬に寄生したタイプと人に寄生したタイプ一匹と戦っているが、どちらもミギーが瞬殺して新一は見てただけ)
性格はリアルに野生動物チックで真っ昼間に新一の学校に殴り込みをかけるが、新一に胴体部分を攻撃され死亡。
田宮良子のセックス相手でもある。
実写版では前編のラスボス化という大出世を果たした。


◆広川
田村玲子や後藤さん達の寄生生物集団のリーダー的存在。後藤さんからボスと呼ばれる。
新一の家のとなり町の市長選に立候補し、環境問題を訴え見事当選する。
以後は自分の市に寄生生物のコロニーを作り上げ、「食堂」などを用意する。
彼の演説により、タイトルの「寄生獣」の意味の一つが明かされる。というより、劇中で唯一「寄生獣」という言葉を使った人物。


◆浦上
連続殺人犯。「過去に人間で遊んだ」ことから寄生生物と人間を見分ける能力を持つ。ナイフがお気に入り。


◆宇田守
新一と同じく脳を奪われる事が無かったメタボで気が弱く涙もろい中年。
唯一の新一と同じ境遇の仲間。新一と違い顎に寄生されている。
体格と年齢の関係で体力が無く、強くない。


◆ジョー(パラサイト)
海に転落した宇田の呼吸を確保を優先したため脳を奪えなかったパラサイト。
元々パラサイトと呼ばれていたが、パラサイトの名が世間で一般化したため、後に差別化のためジョー(顎)と名付けられた。
図鑑で言葉を覚えたミギーと違い映画等で言葉を覚えたため言葉遣いが荒い。


◆島田秀雄
新一を観察するために田宮良子が送りつけたパラサイト。
イケメンで運動神経も良いため女生徒から注目を集める。 表面上は理性的であるため、ミギーからは「話せば分かるタイプ」と分類された。 そのことから生前の島田秀雄も同様の性格だったと推測される。
新一とミギーに警戒されながらも学校生活を送っていたが生徒の一人に正体がばれる。
それを告白され、殺そうとしたところを護身用の硫酸をかけられ暴走。生徒等を目に入り次第虐殺するようになる。
最期は新一の遠距離から投石により心臓を貫かれ絶命。遺体は回収され研究のサンプルとなった。


【主な発言】
完全版裏表紙より


「シンイチ……『悪魔』というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ……」


「泉くん……きみ……泉新一くん………だよね?」
「……さぁ どうなのかな」


「もう死んだんだよ……死んだイヌはイヌじゃないイヌの形をした肉だ」


「おれ一人気づかないうちとっくに……脳まで乗っ取られてるんじゃないのか……?」


「人が死ぬ…ぐらいのことじゃ大して驚かなくなってんじゃないの?」


「寄生生物(われわれ)はなぜ生まれてきた……?」


「……地球上の誰かがふと思ったのだ……生物(みんな)の未来を守らねばと……」


「誰が決める? 人間と……それ以外の生命の目方を誰が決めてくれるんだ?」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/