レオノフ・ザ・パペットマスター

登録日 : 2012/04/13(金) 04:11:51
更新日 : 2015/10/31 Sat 17:46:04
所要時間 :約 6 分で読めます





あなたは…あまりに人間であり

そして、あまりに人間でない!!



素晴らしい、なんと素晴らしい“素材”だ

ヴァッシュ・ザ・スタンピ―――ド…

ワタ死は……

あ奈汰の…人形ヲ…ツ クリ タイ……




No.4
レオノフ・ザ・パペットマスター


トライガン』および続編『トライガン・マキシマム』の登場人物。
ナイヴズの下に集った殺戮集団GUNG-HO-GUNSの一人。


コートを羽織って帽子を被り眼鏡をかけた、いわゆる紳士スタイルの小柄な中年男性。
その見た目こそ“普通”だが、どこか人間性が抜け落ちたような態度や、興奮した時のカタカナ・当て字交じりの口調が異様さを醸し出す人物。
作中で彼の異常性を目の当たりにしたウルフウッドは、GUNG-HO-GUNS“人外の強さと引き換えに人間として大切な何かを削ぎ落とした在り方” を再認識させられている。


ちなみに、前述のセリフの「ツ“クリ”タイ」の部分は、正確には 殺戮の「戮(リク)」を上下逆にした当て字 。これだけに留まらず、彼のイカレ具合は作中でも群を抜いている。
明らかに人外の姿をしたナインライヴズとペアで登場したこと、また、作中で一度も眼鏡の奥にある瞳が描写されていないことなども(特に読者に対して)彼のインパクトを強めているかもしれない。




戦闘においては、『パペットマスター』の名前どおり武装した人形を用いる……のだが、その数がまた狂ったほどに多い。
十の指先に括りつけた糸を通して数十、数百の人形を一度に操って見せる手腕は、ヴァッシュをして“魔技”と言わしめたほど。
扱う人形の姿は、まさに怪物じみた形状のものから、 人間と見分けが出来ない精巧な造りのもの まで様々。
またそれらに対し、本物の人間の様に振舞わせ、話をさせることまでできる。


なお、彼の手造りというそれらは全て、 腑分けした人体 を材料としている。




彼がヴァッシュと対峙するのは、物語が『マキシマム』に移り雷泥・ザ・ブレードが斃れた後。
ヴァッシュに縁のあるシップの在り処を突き止めて襲撃し、ヴァッシュとその同行者であるウルフウッドがやってくるのをグレイ・ザ・ナインライヴズと共に待ちうける。
……シップの住人を多数殺害し、その死体から造り上げた人形を従えて。


以下は戦いの顛末。









初めは姿を隠し、シップに着いたヴァッシュに 彼の知り合いの住人を模した人形(“材料”は既に死亡) でにこやかに話しかけさせた。
雷泥に聞かされた話からシップが危機に陥っていることを恐れていたヴァッシュが、“彼ら”を人形と気付けないまま安堵の涙と笑みを浮かべた直後……。


人形をバラバラに解体してヴァッシュに見せ付ける。既にシップの人々が“手遅れ”だった事実にヴァッシュが愕然とする中、満を持して姿を現した。


直後に床をぶち抜いて登場したナインライヴズウルフウッドの相手を任せ、自身はヴァッシュと対峙。銃器で武装させた数百体の人形を繰り、シップ内を駆けずり回るヴァッシュにけしかけていく。
時にはシップの住人の生き残りを人形に紛れ込ませてヴァッシュの下に追いたて、ヴァッシュ自身の手で撃たせようとする……という悪辣な精神攻撃も行った。


こうしてヴァッシュを心身共に追い詰めることに成功するが、思わぬ反撃により一転して敗北を期すこととなる。
その“反撃”とは、シップ内に仕掛けられた火災防止用スプリンクラーの作動。ただそれだけ。
しかし数百体の人形とそれを操る為の長大な糸、それら全てにまとわりつく水滴は莫大な荷重を生む。それにより指を負傷させられ、戦闘不能に追い込まれてしまった。


以下、その最期。





ヴァッシュが戦っている間、同じくシップの別の場所で人形と戦っていた青年ブラド(シップの住人)は、ある場所で人形の残骸に紛れた一つの棺を発見する。その中には“とても精巧に、大切に造られた”少女型の人形が一体入っていた。
……とそこに、先ほど指を負傷したパペットマスターが現れる。


血相を変えて「人形から離れろ」とけしかけるパペットマスターに対し、ブラドは一旦退避した上で パペットマスターのいるブロックを丸ごとシップからパージ して彼を倒そうと試みる。
シップは巨大な流砂地帯の上空に浮いており、落下すればまず助からないためである。


……が、崩落の後もパペットマスターはまだ生きていた。片手の糸を先の棺に括り付け、もう片方の糸をシップに伸ばすことで。
そして、シップに伸ばされた方の糸を必死に掴み、彼の命をすんでのところで救ったのは敵であるはずのヴァッシュだった。


ヴァッシュのその行為が理解できずに 「なぜ?」 と問うた直後、戦いの中でヴァッシュが発した 「あんたの親父がくれたパンの味を覚えてる」 という言葉が頭を過ぎる。
次いで思い出す。 「この男と自分は、昔に出会ったことがある」 と。それに連鎖するように、“忘れていた過去”や“人間的な感情”が蘇ろうとするが……。


しかしその直後、棺に括り付けた方の糸が滑り、人形が手の届かないところへ落ち始める。
人形への執着から 「(手を)放してくれェェェ!!!」 と泣き叫びつつヴァッシュに懇願するも、彼を死なせたくないヴァッシュは懸命に糸を握り締めたまま。
この時、彼の 人形/イザベラ(後述) への想いを理解するヴァッシュ自身も涙を流していた。


最終的には、ぎりぎりの余力で操った一体の人形でヴァッシュの手から糸を放させ、棺の人形を追って自ら流砂の中へと没していった。
まず間違いなく、命を落としたものと思われる。




以下、余談。




【“彼”の過去】

パペットマスターが思い出したのは、彼が普通の少年だった頃、“とある青年”に恋の悩みを打ち明けている場面。
少年が恋していた少女は名をイザベラといい、先述した“棺の人形”に向けてパペットマスターが発した名と同じものだった。


このことから、何らかの理由によるイザベラの死が現在の狂人『パペットマスター』を生み、またそれと同じくして自身の過去を封印させた……といった経緯が推察される。
作中でも、先にパペットマスターの正体に気付いたヴァッシュが「全てを忘れて封じ込めている」と言及している。
精巧な人形作りの腕や、人形に人そのものの振る舞いをさせる技術。それらが イザベラの人形に仮初めでも“命を宿らせる” ためのものだったとすれば、とてもやるせないものではないだろうか。
……もちろん、ナイブズの遣いとして惨状をもたらした事実は決して許されないものなのだが。


ウルフウッドが認めた “人外の強さと引き換えに人間として大切な何かを削ぎ落とした在り方”
これを鮮明すぎるほどに体現した、まさにGUNG-HO-GUNSらしいキャラクターと言えるだろう。




【ヴァッシュの謎】

数十年前に少年(後のパペットマスター)が恋の悩みを持ちかけた“青年”は、ヴァッシュ本人である。
なぜ回想でのヴァッシュが本編時と変わらない年格好(二十代半ば)をしているのか ――ひいてはヴァッシュの正体――が読者に明らかになるのは、対ガントレットミッドバレイ戦でのこととなる。



ツ息、修正を、オネ害し升ヨ。

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