登録日 :2009/10/28(水) 12:23:02
更新日 : 2017/08/09 Wed 00:56:23
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傀…と呼ばれています


人鬼と呼ぶ人も


或いはむこうぶちとも…



近代麻雀連載、むこうぶちのメインキャラ。


高レートの雀荘に出没し、類稀な強さで対局者を破滅へ追いやる男。
その圧倒的な強さから、彼を知る者は彼を暴虎、人の姿をした鬼、等と語る。

本名、素性は一切不明。
それどころか飲食するシーン等も一切無く、闘牌が終われば幽霊のように消えたり、気配がなかったりと、人であるかも怪しいところ。
唯一人間らしいところと云えば煙草を吸っているところぐらいのもの。
安永曰く年齢は自分より年下らしいが、そう呟いた若き日の安永(余談だがワイルドでかなりかっこいい)の頃から現在に至るまで傀の見た目はほとんど変化が無い。


雀荘で案内された卓に傀がいたらそれは死亡フラグ
対面ならばさらに確率が和了る。

彼に根こそぎ毟り取られた者の末路は大別すると二種類。
一つは全財産から命まで文字通り全てを失う者、もう一つは命だけは拾い、なにもかも失った状況から大切な物に気付く者。
対局者にとってはまさにパンドラの箱である。


様々な場所で高レート麻雀を打ってはいるものの、特に金が目的であるという描写は無い。安永萬が言うには「敗者の姿が見たいから」。
辺鄙な場に立つ卓に出向いたり、ホームレスたちと対局してみたり、身内麻雀に突然現れたりすることもある。
政界の御隠居・及川翁や華僑の大物・劉などの権力者に紹介された場に足を向けたり、次期首相を決める闘牌に天の声として参加した事もある。


一方でレートのそこまで高くない『東空紅』に姿を現すことが多い。
傀と安永が出会ったのもこの雀荘。

ここで行われる蒼龍會の定例会に唐突に現れ、安永の出した問題(という名の安永自身が抱えてた疑問)を解いていったりもしている。
またイカサマを勝つための手段ではなく同卓者や観戦者へのショーとする手品麻雀では、敢えて場を荒らす事無く会の趣旨に乗っ取ってイカサマで和了っている。
上記のように状況に割と融通が利く事を見せてる場面もあり、数少ない傀の人間らしいシーンともいえる。


麻雀での勝ち金は駅のコインロッカーに現金で収納されている。
傀が作中で勝った金は実に億を軽く越えており、現在の貨幣価値に換算すると(ry


その雀風は変幻自在で、ノー副露ノー和了で半荘を終わらせる事もあれば、親の第一捨牌から鳴いていくこともある。
おおまかに言うならばアナログ打法だろうか。

所謂「卓の流れ」を重視した打ち筋であり、傀の鳴きは手を進めるためのものではなく、相手の牌を喰い取ったり他家を降ろすためのもの。
低目に連続して差し込むことで相手の運を減少させたり、他家に有効牌を送ることで結果的に手駒の様に扱うなど、常識では考えられない打牌を良く行う。

このような鳴きによる流れの支配は、故・安藤満氏が得意としていた亜空間殺法に近い。


作品初期は鳴きで流れを掴み、ひたすら本場を積み他を圧倒していくという打ち筋だったが、現在では序盤は見に回り、終盤で一気に捲る事が多い。
いずれにしろ運や流れを根こそぎ奪っていく麻雀であり、対局者の方々には心から同情申し上げる。

流れを掴んだ状態、所謂『仕上がった』傀は、打点は高いわ手は早いわ、リーチをすればほぼ一発ツモという恐ろしい状態に。
またその場合、リーチ後見逃し次順ツモという荒業をよくやってのける。

徹底的に絞り尽くす事もあれば、微妙に残金を残して屈辱感を与えたり、敢えて表現するのなら、標的に最も敗北感を与える勝ち方で勝つ。


  • 御無礼
傀を妖怪御無礼たらしめているのはこの台詞。
主に見逃しからのツモや、『仕上がった』状態の傀が対局者からロンする時に発せられる。
『傀の御無礼が出た相手は死ぬ』というジンクスがあるくらい。
ちなみに幽霊と麻雀を打った時も このセリフで除霊した。

御無礼を一度でもされるともう手遅れ。
その後は御無礼の嵐となり、一気に地獄に突き落とされる。


過去にはイカサマを駆使する対局者も数人いたが、傀はその全てを早々に看破し、挙げ句にそれを逆手に取ったり逆に利用したりして御無礼している。
その為、相手にとっての精神的なダメージはかなり大きい。
ちなみに、傀はイカサマを見破ってもそれを指摘せず、ただあからさまな打牌で見破っている事を伝えるのが常。
しかし唯一、積み込みに対しては何の動きも見せなかった。対面が上家下家の積み込みを邪魔していた事もあるが。


以上の様に、傀の打法は常人では理解不能。
全局を通し運気や流れを見通した上で最終的に場を支配する超高空から見下ろすような真骨頂。
セオリー外のこともよくやるので、傀と初めて会う人間は彼を初心者と勘違いすることも多い。
まあその後酷い目にあうんだけど。
記者曰く「人じゃない何かが打った麻雀と言ったほうがいっそ納得が行く」


裕太対日陰戦では、突然雀荘に入ってきた中年男性が傀と同じ台詞で入ってきたため、裕太と日陰は傀を意識してしまい打ち筋が乱れるという事もあった。



傀にも運がない日もあるようで、保守党ルールという超ドラ過多麻雀において、ドラが一枚もこないという珍事もあったりした。
保守党ルールとは通常のドラに加え、二つの賽の目、更にその和がドラになるというもの。例えばドラ表示牌が9索、賽の目が1、4であれば、一萬四萬五萬1筒4筒5筒4索5索がドラに、1索がWドラとなる。
ちなみにゾロ目ならばWドラ、和が10なら七萬7筒7索がWドラ、和が11なら八萬8筒8索がWドラ、和が12なら九萬9筒9索がWドラとなる。
大半の読者が思ったであろう、どんだけだよ。
ほぼ運ゲーになってしまうルールの中、それでも傀は最終的に勝った。



自分の狩り場を荒らす者やイカサマをする者、分不相応のレートに踏み込んでくる者は容赦なく御無礼するものの、引き際を知り去っていく者に対しては干渉していない。

また、傀と対局して生き残り、尚麻雀を続ける者は総じて雀力が跳ね上がる傾向にある。
江崎や多河、秀辺りが良い例。

安永は付き合いが長い為、やってる最中に傀の目論見を察したりする場合もある。
ただし自分が傀に突っかかっていってない場合に限るので今だ傀の手の内から出るほどではないが。


現在でこそ無口無表情のキャラだが、作品初期はキャラが定まっていなかったのか、相手を挑発するような言動や、今では見られない邪悪な笑みを浮かべることもあった。
初期は絵柄が少しだけ劇画調なので尚更怖い。
大概長い連載なので絵柄の変化から昔よりもちょっと目が腫れぼったくなり老けた感じになってる。

対局前に新聞を読んでいる姿が良く描かれるが、そのどれもノット日本語。
また、フィリピン語を解しているようなシーンもあった事から、かなりの教養を持つ事が伺い知れる。

たまに、『コミックドンドコ』なる雑誌や『月刊有機農業』、時には『ぐりとぐら』など読んでいる姿も確認されている。
ちょっとニヤリとしてしまうチョイスである。



◆戦国大戦~1600 関ヶ原、序の布石 葵打つ~
CV:緑川光
「死んだ兵は戦場に帰ってこない」
「落城…それがあなたの男の価値です」
セガのATCG戦国大戦が近代麻雀漫画とコラボした際の1枚に、「人鬼 黒田官兵衛」として登場。
イラストは髷を結った傀が本を読みながらこちらに刀を向けているというもの。恐らく読んでいる本はマキャヴェリの『君主論』。
コスト2武力7統率9 鉄砲隊 魅力 と数字上はパッとしないスペック。
この傀が使う計略はそのものずばりの「伝説の人鬼」。相手の計略発動に合わせてカウンターを仕掛けたり、こちらから相手の逃げ場を塞いで荒らしに行ったりと
原作のように派手さはないが流れを支配していく戦い方を再現したカード。
計略発動時にデカデカと画面中央に現れる明朝体の「御無礼」の文字と緑川氏のイケボによる「御無礼…ここで勢いは殺せませんので」のセリフは屈指の格好良さ。

ちなみにこのゲームでは多数の漫画とコラボしており、同じ近代麻雀出身のアカギや小泉ジュンイチローと対面することもあれば、キン肉マンやゴルゴ13ともやりあうことも。
槍を持って進軍してくるアカギに傀が鉄砲をぶち込んでる場面を想像するとなかなかにシュール。



ネット上等では麻雀漫画の主人公同士が対局したら誰が勝つのかと良く議論されているが、傀は御都合的な役満、鬼ヅモ、豪運等が無いために地味に見えるのか、名前が挙がる事が割合少ない。
だがしかし、傀の負ける姿なんて想像出来るだろうか、いや出来ない。
哲也や天、竜、アカギ、ショーイチ等、人外に過ぎるチート能力を持つ者相手であろうと、最後にはニヤリと唇を歪め言うだろう。


「御無礼」、と。




追記・修正は傀と対局して生き残ってから行ってください。

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