国士無双

登録日:2011/08/02 (火) 22:34:03
更新日:2024/03/18 Mon 19:18:59
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本来、彼はどうしようもないほどの酷い有り様のはずだった―――




概要

国士無双とは、麻雀の役のひとつである。

麻雀の役における最高位、役満貫、通称役満に位置している。
子で32000点、親で48000点

しかしながら他の役満に比べ比較的よく見られ、四暗刻、大三元と並び三大役満に数えられている。

条件
  • ヤオチュウハイ(一九字牌)十三種、それに何れかをもう一枚の14枚のヤオチュウハイで作る。
  • 特殊な形の役で面子を四つ揃える必要はない。もちろん門前

通常ならば何れかがすでに二枚、最後の一種を待つという状態になる。
だが先に十三種類全てを揃えテンパイになったとき国士無双十三面待ちという麻雀上最多の待ちをもつ役になる。
この「国士無双十三面待ち」をダブル役満とするローカルルールも存在する。
「国士無双十三面待ち」は「純正国士無双」とも呼ばれる。


「国士無双」という役名はいわゆる雅名で、本来の名称は「十三ヤオチュウ」といい、ローカル役の「十三不塔」と同じ起源を持つ役だと言われている。
かつては配牌での十三面待ち&一巡目(鳴きおよび和了無し)での和了以外は役満として認められずただのゴミ配牌でしかなかった。
やがて配牌でのテンパイ(一巡目でのアガリ)が必須条件ではなくなり、手作り(狙って作ること)が認められるようになり、
そして十三面待ち以外の一種(特殊単騎)待ちも認められるようになる……というように徐々に役の成立条件が緩くなっていった。
手作りでのアガリと一種待ちでのアガリが認められたことで、現在ではそちらが通常の「国士無双」になった。
ちなみに名前の由来は中国の武将、韓信の異名からと言われる。意味としては「他に並ぶ者の無いほど優れている」くらいのニュアンス。*1

「国士無双十三面待ち」および「純正国士無双」をダブル役満とするルールがあるのは、(フリテンなしでのテンパイの)難易度の高さに加えて、
かつての「国士無双」の成立条件を満たしていることに価値を与える意味もあると思われる。
しかしながら、ダブル役満扱いを採用する場合、十三面待ちの形さえできてしまえば、山が十分に残っていれば後々自力でツモれる公算が高く、
シングル役満のアガリを蹴ってフリテンの状態でダブル役満のテンパイに取る選択肢も有力。
こうした行為は決してルール違反ではなく立派な戦術だが、「国士無双」本来の姿を損ねると感じたり、ある種の美学に反すると感じたりするようなら、
ダブルではなくシングル扱いにしておくほうがいいかも知れない。



特徴

特筆すべきはやはり使う牌の種類だろう。
大三元が極端に少ないのに対してこちらは十三種類も用いる。
だが各々の必要枚数は基本一枚であり確率的には揃えやすくある程度配牌で揃っている場合は狙うのもいいだろう。九種九牌から流さずに狙うのも一興である。

また、特殊な和了形ゆえに、場に3枚切れている字牌および字牌の加槓(槍槓)でもアガることが可能な唯一の役。
(※字牌では順子が作れないため、字牌を含む通常の和了形の場合は最低でも雀頭として2枚使う必要がある。)


を槓!」

「……暗槓和了りありだったよな?」

「…國士に限りな…」

「ロン、國士無双」

最大の特徴とも言えるのが國士無双だけは暗槓で和了る事が出来る。(ただし認められないケースもあるのでルールは要確認)
誰かが國士気配なら早めに一枚捨てておくか降りるかした方がいいだろう。


デメリットとしては捨牌から勘づかれやすい所である。
麻雀の最初の段階の捨牌はヤオチュウハイが多くなる。そんな中一人だけやたら広げやすい筈の牌を切っていると国士無双を警戒されるのである。
そのため筒子、萬子、索子のどれか一色を優先的に切り染め手に偽装する、特定の筋*2の牌を優先的に切って順子役を匂わせるなど警戒を避ける工夫が求められる。
性質上順子が絡んだメジャーな役には使いにくい端牌が大量に手牌にあるため、それらを切って行けば比較的安全に降りやすい。
しかしそれを見越して么九牌を狙い撃ちされる危険性もあるので、降りきれなくなったらいっそ開き直ってチャンタか混老頭、最悪七対子などに仕上げてしまうことも視野にいれよう。

国士狙いで欲しい牌が早々に四枚切られた時の悲しさ、鳴かれてあと一枚しかない時の焦り、あなたも感じたことがあるのではないだろうか。
そんな焦燥と和了したときのえもいわれぬ快感、それが国士無双の最大の特徴なのかもしれない。


さらに、麻雀を知らない人間ですら国士無双という単語だけは知っていたりする。

主な使用者

日本最強の雀士であり自らの剛運と、時には凄まじい指の力で牌を削って白を作り出す「剛盲牌」という技で国士無双をアガる。
ちなみに国士無双は国士無双でも十三面待ちを多用し、国士無双十三面と書いて《ライジングサン》と読む。

  • 近藤(哲也~雀聖と呼ばれた男~)
こちらは小泉ジュンイチローとは対照的に自分のツキをわざと落とし、クズ牌を集めた結果が国士無双というスタイル。


国士無双「俺の最弱はちょっとばかし痛いぜ?」




国士無双(ライジングサン)
一 九 ① ⑨ 1 9 東 南 西 北


追記、修正は国士無双13面待ちを和了してからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 19:18

*1 ちなみに韓信は武将として優れていたのは勿論ながら、麻雀の発明者にして中国におけるサイコロの発明者でもあると言われている。ただし史実性の疑問視される俗説、伝説の類ではあるが。

*2 詳しく解説すると長くなるが、聴牌形が両面待ちの場合に発生する3種類の待ちのパターンのこと。