クイックマン(有賀ヒトシ)

登録日:2011/07/24(日) 17:46:43
更新日:2024/04/01 Mon 21:43:05
所要時間:約 9 分で読めます




そして完全体になったオレの獲物は…
お前だロックマン!!

コミックボンボンに不定期連載されていた、有賀ヒトシ作の「ロックマンリミックス」「ロックマンメガミックス」「ロックマンギガミックス」に登場する、Dr.ワイリーが作り出したワイリーナンバーズの一体。
略称セカンズこと、第二次世界征服計画で製作されたセカンドナンバーズの一体として登録されている。型式はDWN.012。
一人称は「オレ」。
その名の通り、目にも止まらぬスピードを誇る高速戦闘型ロボット。
初登場はロックマンリミックス収録の『破壊指令』。


特殊武器

  • クイックブーメラン
クイックマン唯一にして最強の武器。身の丈程もある巨大ブーメラン型サーベルである。
ブーメランだが投げて使うシーンはなく、専ら刀代わりに手で持って叩き斬るのに使用される。
高速移動による突進力、自身の剣技も相まって凄まじい切断力を叩き出す。
設定上は原作と同じく、右腕のスロットから小型のブーメランを発射でき、それによる射撃戦も可能だが、本人が近接戦を好む為、未使用。
ダメージでボロボロになり全ての武装さえ失った時、胸部のブーメランを外して最後の戦いに臨むという胸熱な案もあったらしいのだが、諸事情で没に。
他にも、複数のブーメランを連結させてサーベルを形成しているという案もあった模様。

手持ち武器にアレンジされているのは有賀氏オリジナルではなく一応元ネタがあり、「スーパーアドベンチャーロックマン」にて、いつものクイックブーメランではなく大型ブーメランを持っているシーンがある。


性格

好戦的で荒くれ揃いのセカンズの中では異端のクールな一匹狼。
口数は少なく、どんな非常時でも感情を全く乱さない冷静さを持つ。
強者との一騎打ちを所望する武人。故に仲間と肩を並べる事は滅多になく、大抵は単独行動。
勝負を邪魔するなら仲間であろうとも容赦しない面もある。
一方で、戦闘力を失った相手は捨て置く傾向らしく、エレキマンも倒された後見逃された様子。

基本クールで馴れ合いはしないが、仲間と主人思いな部分もあり、デューオ(白いロボット)にワイリーナンバーズが全員倒され、残ったシャドーマンとシェードマン、ワイリーが殺されかけた時は単独で殿を務めたり、離脱後に撃墜されたシェードマンの救出や、マーキュリーに盾にとられたシャドーマンも助けている。
…が、フラッシュマンに関しては性格の相性の悪さや信条の違いもあり、ロックマンとの勝負を邪魔した際に容赦なく切り捨てている。
また自分の意にそぐわないならばワイリーの命令すらスルーする等、フォルテと同じく我の強い面もある。
ゲームではニヒルな笑みを浮かべているが本作ではニコリともしない。『破壊指令』でロックマンと激突する前に「ふふ…」と笑っている位である。


ブロスコミックス版以降では、新規描き下ろしの第一話『ロックマン誕生』より登場。
当時未完成であったにもかかわらず、出会い頭にロックマンの片腕を切り落とす高い能力を見せ付けている。
リメイクされた初登場話『R破壊指令』では、初期の『破壊指令』よりもストイックで超然とした印象が強まっている。


戦闘力

詳しくは後述だが、端的に言うと作中最強といっていい。
ロックマンや他のナンバーズのように豊富な武装はなく、ただ一振りのクイックブーメランのみを武器に戦うのだが、
本人の神速と言っていい圧倒的なスピードと、その圧倒的な剣腕の組み合わせはシンプルながら反則じみた組み合わせである。
作中、彼に完全勝利できたのはロックマンだけである。



【劇中での活躍】

メガミックス

ライトナンバーズの処分を巡る騒動の際、ワイリーに寝返ったふりをしたエレキマンと対峙するが、その圧倒的なスピードをもって一刀に伏させた。
エレキマン曰く「電光より速い」らしい。
その後、ワイリーが世界各国を脅迫及び壊滅の為に造ったスカル衛星の一基の上にてロックマンと対峙する。
この時、乱入してロックマンに再度闘いを挑もうとしたフラッシュマンを、搭乗していたメガドラゴンもろとも斬り伏せている。
その後、ロックマンに宣戦し刹那の見斬りに似たやり取りを行う。…バスターとカッターで斬りあっているようにしか見えないが、まあいい。カッコいいしね。

結果は相討ちだったが、スカル衛星は破壊されてしまう。リメイク版では衛星残骸の上で空を仰ぎ、いずこかへと去っていった…中破したフラッシュマンをスルーして。


ギガミックス


1巻

『バーニングホイール』では、ワイリーが賞金目当てにロボットカーレース「バトル&チェイス」に出場させようと、ワイリーが用意したマシンをスルーしてサボリ。


2巻

突如現れた強敵、白いロボことデューオの前にフォルテら他のワイリーナンバーズ達があっさり倒される中、なかなかのチートぶりを見せつける。

  • 白いロボ時代のデューオが発した不可視の捕縛波動をクイックブーメランの一振りで弾く
  • デューオのレーザーを斬る
  • 避けるスペースが無いに等しいデューオのレーザーの一斉放射を、残像が残る程の高速移動で全弾回避
  • 高速のクイックブーメランによる一撃でデューオの装甲に傷をつける

この傷が本当に僅かな亀裂なのだが、フォルテや他のワイリーナンバーズの総攻撃ですらカスリ傷一つも付けられなかった結果から見るに、彼の一撃の凄まじさが分かるだろう。
後にロックマンとカットマンらがその傷を狙ってデューオ撃破に漕ぎつけた。ライトナンバーズはクイックマンに敬礼すべき。

そしてデューオ戦もクライマックス。
高速戦闘でデューオと互角以上に渡り合うクイックマンだったが、限界以上の高速戦闘の負担とデューオの鬼畜すぎる頑強ボディの反動もあり、ブーメランの一撃を入れた瞬間、ブーメランと右腕に夥しいヒビが奔る。
そのヒビはボディにも奔ろうとしたが、その前になんと左の手刀で右腕を事も無く切り落とすクイックマン。
不退転の姿勢で手刀のみで戦闘を続行する彼。漢やでぇ……。
が、それに対してデューオはクイックマンを「しつこい悪」と断定。ワイリー基地ごと彼を消し飛ばそうと高エネルギーを放出しようと決意。
それに感付き飛び退くクイックマン。させじとエネルギーを解放するデューオ。そして……爆発。
ワイリー基地は消滅し、クイックマンも……。さらば、最速最強のワイリーナンバーズ。

……と思いきや。


3巻

そして3巻で、スペースルーラーズ戦も終盤に突入。
マーキュリー、ネプチューンを道連れに大気圏突入を果たすも、2体が盾になったお陰で地球に帰還できたシャドーマン。その彼をメカドラゴンに咥えさせて救出し、シェードマンにその事を通信で伝えた。

シェードマンによると、
爆発前に戦場離脱→基地のどこぞにあるメカドラゴンに搭乗→速やかに爆心地から退避
…を一瞬でやってのけた様子。クイックさん、マジパネェ。

しかし、そこを強襲するマーキュリー。シャドーマンを人質にとられ、手も足も出せない状況下に。
……と思いきや、目にも止まらぬスピードでマーキュリーに接近し、一刀両断。シャドーマンを無事救出する。
その一撃に驚きながらもシャドーマンの剣術が効かなかったように、液化ボディによる不死身性をクイックマンに見せつけようとするマーキュリー。
だったのだが、再生するどころか崩れるボディ。信じられない結末に絶望の叫びをあげ、マーキュリーは消滅。

ロックマンですらエネルギー結晶体の力を借りなければまともにやり合えなかったスペースルーラーズの一体を容易く倒すあたり、彼こそまさに地球上最強ロボットと言えるだろう。
マーキュリー撃破の原因については諸説あり、彼が鷲掴みにしたシャドーマンのクリスタルが輝く描写から、クリスタルが何かしらの作用をもたらしたのでは?とも推測されている。
…が、シャドーマンはクイックマンがマーキュリーを斬ってみせたと言っており、真相はどうなのかは不明。

後に発売されたMANIAXの設定資料集によると、ルーラーズの防御フィールドを突破するには
  • ロックマン達のように超エネルギー元素によるエネルギーで中和する
  • 核兵器並みのエネルギーで強引に突破する
このどちらかでしか不可能とされている。無論超エネルギー元素を持たないクイックマンがとったのは後者の方法。
確かにデューオのレーザーを切り裂く等の高い威力を誇っていたが、単なる斬撃が核エネルギー級って……。

さらにさらに、2015年に刊行された復刊ドットコム版では、このクイックマンVSマーキュリーの戦闘描写が2ページ半に渡って加筆(と言うかほぼ差し替え)されている。
斬っても斬っても断面から再生して倍々に増えていくマーキュリーに対して、クイックマンはただひたすら滅多斬りにするのみ。
本当にただそれだけで、マーキュリーは再生速度を上回る斬撃によってみるみる微塵切りにされていき、遂には無に還ったのだった。
液化ボディといえど大気圏突入によってエネルギーが減っていたから?いいえ、必ず斬るという信念(こころ)があるからです。マジパねぇ。


…このように、作者の贔屓ぶりがうかがえる活躍を随所で見せてくれる。


そもそもなんでクイックマンがここまで贔屓されているのか?

それは有賀氏と彼の出会いから語らねばならない。

原作「ロックマン2」。当時少年ゲーマーだった有賀氏は本作で存在感溢れたボスと出会う事となる。
それがクイックマン。
「コイツだけカーソルから額のツノがはみ出てる!」
「つえー、はえー! どうやって倒すんだよ!?」
外見のインパクトだけでなく圧倒的な強さに有賀氏は釘付けとなった。ここから有賀氏のクイックマンへの愛が始まったのだ。

実際のところは作劇上の都合らしいことが有賀氏のTwitterアカウントにて語られている。
氏が「破壊指令」を描き進めていた頃、ロックマンのライバルキャラを用意しようとしたが当初はロックマン7が未発売でありフォルテが存在しなかった為、8大ボスからライバルを選ぶことになった。その結果、有賀版クイックマンは他のナンバーズとは格が違う凄腕の戦闘ロボットとして産み落とされた。
その後ライバルポジションはフォルテに交代したものの、ストーリー設定がリセットされた訳ではないためチート級キャラであり続けた。
(なおツイート内で「実は言われる程クイックマン大好き!でもないのです」とも発言している)



関連人物

言わずと知れた宿敵。ただワイリーの障害だからという理由ではなく、この手で倒すべき己の存在理由として見なしている。唯一クイックマンが敗北を喫した相手。

創造主なのだが、気に食わない命令はスルーと忠誠心の方面では微妙な関係。生みの親としては敬意は持っている。

  • エレキマン
完成してから最初に戦った相手。ライトナンバーズではかなりの実力者だが、電光より速いスピードで瞬殺した。

  • フラッシュマン
同じセカンズだが、ロックマンとの闘いを邪魔したとして粛清した。その後は険悪な関係になった模様。
なお原作における弱点武器であるタイムストッパーが有賀版で使用された際にクイックマンはダメージを受けていないが、これは使用されたタイミングが良かった為であり、有賀版においても設定上はクイックマンの弱点武器となっている。(ロックマンマニアックス2巻参照。設定資料集である2巻の内容を細かく記載することは2巻の商品価値を著しく削ぐ為、当記事では詳細は割愛する)

  • シャドーマン
ナンバーズ屈指の剣術使い同士だが実力は下。作中幾度となく助けており、剣術面で目標にされた。

  • デューオ
白いロボ時代に交戦、ワイリーナンバーズの総攻撃でさえ傷付けられなかったデューオの装甲にわずかな傷を付け、それが後のロックマン達の勝利に繋がった。

  • マーキュリー
最終決戦にて対峙。あらゆる攻撃を無効化する液体ボディが最強の武器だったが、クイックマンの前には無意味だった。


リミックス以前のクイックマン(有賀ヒトシ)

作者のお気に入りのため、この連載が始まる前のロックマンズサッカー4コマなどでもワイリーナンバーズの代表格として活躍している。(ちなみにロックマンズサッカーのゲームではクイックマンは未登場で、最初の数回は未プレイで執筆していたので全ボス出ると誤解していたため、枠外に「誰か対戦しましょう、俺ヒートマン!」などと書いていた。実際にプレイした後お詫び漫画を描いた後も引き続いて登場し、逆にイエローデビルとかロールちゃんとかメットールとかまで出始めた)
だがいかんせんギャグのため、「 ワイリーの指示で変装してロールちゃんチームに紛れてロックマンと戦う 」(無論すぐばれる)
「最終回前のラストでメットをおろしたメットールに必殺シュートを打ってしまい、ザコキャラチームにほぼ自殺点で敗北、最終回前半を鬱状態で過ごす」
などの妙な場面も出番に比例して多い。


クイックマン「やれるか…?このオレの項目を追記し修正する事が…出来るか!?」

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最終更新:2024年04月01日 21:43