黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド

登録日:2011/07/30 Sat 01:32:26
更新日:2023/07/13 Thu 18:28:54
所要時間:約 9 分で読めます





やはり彼らは権力と血の臭いを欲していた。


今狂喜の戦乱が始まる!
*1


黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-36「覚醒編(サイキック・ショック) 第1弾」に収録されたスーパーレアのドラゴン・ゾンビ


解説

黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド SR 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 7000
E・ソウル
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札を見る。その中から3枚選び、残りをすべて墓地に置き、その後、選んだ3枚を好きな順序で山札に戻す。

……ん?何かテキストがおかしかったって?



では要約した上でもう一回確認しよう。





自分の山札を残り3枚にする。





( Д )゚ ゚



これがこのクリーチャーの最大の特徴である…。上記の通り自分の山札を残り3枚にしてしまうという気が狂ったとしか思えない能力を持つ。


…普通に考えれば誰得カードである。


何しろTCGの常識に漏れずデュエマも山札が無くなれば敗北。むしろ無くなった瞬間負けになる。またターン開始時のドローは強制である。
つまり実質2ターンで勝負をつけないといけない訳だからだ。

限られた山札と手札とマナ…そして無駄に肥えた墓地だけで余命2ターンの間にどうにかしろと言われても、何も考えなければまず無理だろう。



TCG界を見渡すと相手の山札を破壊するカードは多々あるだろうが、自分の山札だけを破壊しつくすカードなどそうそうないだろう…
基本自殺行為にしかならないため、メインプレイヤー層である小学生には最弱カードの烙印を押されている…



…だがこいつは決して弱くはない!むしろガチからロマンまで幅広くこなす素敵な優良カードなのだ。

何故ならワールドの効果によって残された山札は自分が操作でき、他の山札は全て墓地に送ることができるからだ。
大量の墓地肥やしが出来ることは一目でわかる。
そして見過ごしてしまいがちだが、残り3枚の山札は自分の思うがままにすることが出来る。

つまり最期の2ターンは約束されたディスティニードローが続くのだ。
山札の中から好きなカードを好きなようにドロー出来る……決闘者にとっては夢のような話ではないか。

そしてこの効果があらゆるコンボを可能にする。


主なコンボ

固定された山札と大量にある墓地…両者をいかに利用するかが鍵となる。

もちろん、このカード単体では効果を最大限に活かせない。
このカードを使ったコンボデッキはいくつかあるが、当然ながらそれらのデッキはワールドの効果をフルに扱うようになっている。

元々は返霊を使いやすくするための効果だったが、実際に使われているタイプで最も多いのは1ショットキル型である。
やり方は至って単純。墓地からクリーチャーを並べて攻撃するだけである。


手順としては、
1.ワールドで墓地肥やし。山札の上を《盗堀人形モールス》にする。

2.次のターン。トップで引いたモールスをG・ゼロで召喚。墓地のモールスを回収。
(条件は墓地に6体以上クリーチャーがいること)

3.モールスを全て回収後。《魔龍バベルギヌス》を回収して召喚。バベルギヌスの効果で自身を破壊する。

4.効果により、召喚酔いを無効にするクリーチャー(キリュー・ジルヴェス等)を場に出す。ついでに、《黒神龍グールジェネレイド》も一緒に場に出す。

5.召喚酔いが無いグール、モールス+αで攻撃。相手は多分死ぬ。
と、数の暴力で相手のシールドを割り切るのが勝ちパターンとなる。


また、エピソード1によって超次元を絡めたコンボが可能となった。
(手順は上述した手順の3番とグールを場に出すまでは同じ。)


4.効果により、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を場に出す。

5.ザビミラの効果でワールドを含めた他のクリーチャーを破壊し、破壊した数分の6マナ以下のサイキック・クリーチャーを場に出す。この時、破壊されたグールはワールドが破壊されているのでまた場に戻ってくる。

6.次のターン開始時、覚醒(や覚醒リンク)したサイキック・クリーチャーとグール達で総攻撃。きっと相手は死ぬ。
こちらの場合、

・1ターンで10体以上場に出せる。

・6マナ以下のサイキック・クリーチャーが豊富なので様々な組み合わせが出来る。

・強力なサイキック・スーパー・クリーチャーである《死海竜ガロウズ・デビルドラゴン》や、擬似無限ブロッカーでありながらもブロッカーでない《貪欲バリバリ・パックンガー》のパーツが揃えられる。


と、さらに強力になるがコンボパーツが多くなり事故が多発しやすい。



いずれの型にしろ、数を並べて攻撃するので《アポカリプス・デイ》や《予言者マリエル》等によって止められると山札切れで負けてしまう。

さらに、《お清めトラップ》や《サイバー・N・ワールド》等の墓地回復カードを使われると今度はグール等が山札に戻ってしまい、コンボが最後まで決まらない。

迂闊にマナゾーンに置くと父なる大地(プレミアム殿堂しているが母なる大地も)で準備の出来ていない望まぬタイミングで場に出てしまい一気にピンチになってしまう。

以上のことから強力でありながらも非常に扱いにくく、玄人向けだが使いこなせればトップメタとも渡り合える1枚となっている。
まさしくロマンの塊とも言えるカードである。

特に上記の1ショットキル型は2010年度の全国大会でマイナーながらも活躍した実績を持つ。


また、このカードのように新弾により過去のデッキが大幅に強化されるケースもあるので、時間があればカードを眺めてみるのも一興である。


派生カード

殲滅の英雄ハンニバルZ VR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 7000
E・ソウル
地獄返霊4(このクリーチャーが攻撃する時、またはそのHR能力を使った時、自分の墓地からカードを4枚、好きな順序で山札の一番下に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーのHR能力を使う)
HR−相手のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー

同じくDM-36で収録された「Ζ」の1体。
イラストではデーモン・コマンドがエザワに跨がっており、よく見ると角や色などの装飾が微妙に異なっている。
同弾収録かつイラストでも共演しているだけあって相性は抜群であり、膨大な墓地のカードを利用して地獄返霊による除去効果を連発し、相手クリーチャーを文字通り「殲滅」できてしまう。

世界の果て(エンド・オブ・ザ・フューチャー) ターミネーター SR 闇文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を下から5枚を残してすべて墓地に置く。
W・ブレイカー
自分の山札の最後の1枚を引く時、かわりにカードを1枚、自分の墓地から手札に戻してもよい。

アウトレイジMAXとして新生したエザワ。某映画をモロにパロったカード名をしている。
コストが1重くなってパワーは1000上がり、効果もエザワになかったものが追加されている。
山札に残せる枚数が3枚から5枚に増えた代わりに任意のカードを選べなくなったが、最後の1枚をドローする際には墓地から手札に回収できるライブラリアウトの防止効果が搭載された。
ドローの確実性が弱まった代わりに安定性が増したエザワといった性能となっている。

龍装鬼 オブザ08号 SR 闇文明 (9)
クリーチャー:ドラゴンギルド/マフィ・ギャング 8000
このクリーチャーの召喚コストを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき-1000する。
終焉の開闢(ビギニング・オブ・ジ・エンド) SR 闇文明 (3)
呪文
自分の山札の上から3枚を墓地に置く。その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。

今度はドラゴンギルドとして利用され、ツインパクトになったエザワ。
効果についてはあまりエザワの面影がないものの、墓地肥やしの点で言えばクリーチャー・呪文の両側ともしっかり受け継いでいる。

ビシャモンス <ハンニバル.Star> SR 闇文明 (3)
スター進化クリーチャー:マフィ・ギャング/デーモン・コマンド/レクスターズ 15000
スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
T・ブレイカー
このクリーチャーの攻撃の終わりに、カードを2枚、自分の墓地から山札の下に置いてもよい。そうしなければ、このクリーチャーを破壊する。

上述したハンニバルのレクスターズなのだが、イラストではビシャモンスが霊体状のエザワに跨がっており、実質<エンド・オブ・ザ・ワールド.Star>と言える。
コスト3にしてパワー15000の3打点というトンデモスペックなのだが、デメリットとして攻撃の終わりに墓地のカード2枚を山札の下に戻さなくてはならない。
地獄返霊を疑似的に再現した能力であり、能力的にはエザワではなくハンニバルの方をしっかり継承しているようだ…。

縫合 レディオブ・ローゼルド P 水/闇/自然文明 (10)
クリーチャー:ディスペクター/ゼニス/ドラゴン・ゾンビ 23000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
マッハファイター
Q・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によって出た時、カードを5枚引く。その後、相手は自身の手札を5枚捨てる。
自分の山札が5枚以下なら、自分がクリーチャーで攻撃される以外の方法で自分はゲームに負けず、相手はゲームに勝たない。

ゼニスの一柱である《「智」の頂 レディオ・ローゼス》とまさかの縫合を果たしたディスペクター
効果の解説はあちらの記事に詳しいが、エザワの派生として見ると墓地肥やしの要素は薄いものの、枯渇寸前の山札がしっかり反映されている。


メディアミックスでの活躍

週刊少年サンデーに掲載され、何故かマイナーなまま終わってた漫画「Duel Masters Rev.」ではレエンvsレイナ戦でとんでもないことが起こった。
1.デッキのほぼ全てをデーモン・コマンドで構成する。
2.《アレス・ドラグーン》召喚。
3.エザワ召喚。残すカードは《「謎」の頂 Z-ファイル》2枚と《天運ゼニスクラッチ》。
4.《天運ゼニスクラッチ》の効果で《「謎」の頂 Z-ファイル》をめくり、コストを踏み倒して召喚。
5.《「謎」の頂 Z-ファイル》の効果で墓地のデーモン・コマンドを12体召喚。
6.一応召喚酔いがあるのでレエンにターンが回るが、《アレス・ドラグーン》の返霊3を使ってレエンのクリーチャーを除去。ついでにライブラリアウトを防止する。
7.アザッシター

レイナ「これがデュエマ史上最も過激なコンボ、チェンジ・オブ・ザ・ワールドよ。」
すげえ!でもネーミングダサイ!
因みにヒラメキ・プログラムをデスモナークに打ってエザワを出した方がより危険性もなくやりやすいのは秘密のお話。まあその代わり、コスト7のクリーチャーを入れる事が出来なくなるけど…



追記・修正はドヤ顔エンド・オブ・ザ・ワールド!!からの山札切れで負けたことのある方にお願いします。

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最終更新:2023年07月13日 18:28

*1 画像出典:Twitter イラストレーター前河 悠一氏 @YuichiMaekawa 2017年4月23日掲載より https://twitter.com/YuichiMaekawa/status/856134066831114240?s=20 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids