かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

登録日:2011/07/26(火) 21:56:36
更新日:2024/04/20 Sat 00:05:19
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かまいたちの夜シリーズ3作目にして完結編。
『×3』はスリーではなくトリプルと読む。

本作は、前作『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』の本編エンディングからの1年後で、直接の続編。
そのため過去実際に殺人事件があったことを前提としたストーリーになっている。
賛否両論が分かれた『2』に対して、こちらは再び我孫子武丸が筆を執って脚本を書いたため雰囲気は『1』に近く、殺害前に犯人を割り出せば惨劇回避、見つからなければホラー要素満点の地獄絵図と化す上、ファンタジー要素や霊的ホラーまで本筋のストーリーで楽しめるバラエティー豊かな話になっている。
ただし、このぶっとんだ内容などから賛否両論。まぁ『2』からの流れを変える為にはこれぐらい必要か。

上記の通りストーリー自体が初代『かまいたちの夜』と前作『かまいたちの夜2』をやった人前提となっているため、まだやった事のない人のために、この一本に前2作のメインシナリオが再録されている。
やったことのある人はおさらい、初めての人は順番にやっていくといい感じ。(ただしサブストーリーは含まれていない)

『×3』だけの新システムとしてザッピングシステムがあり、本作は4人の主人公のシナリオがある。
これは『』同様、ある一人の人物の行動が他の人に影響を及ぼすシステムで真相に向かう為にはこのシステムによって起こる選択肢を上手く噛み合わせなくてはならない。
ただし最初は香山のおっさんからスタートし、徐々に主人公が追加されていく形式。
また本作の場合は同じ館内の閉鎖空間のため、一人がバッドエンドになると連鎖的に他3人も巻き込まれてしまうパターンが非常に多い。



【あらすじ】


1年前に起こった『2』の惨劇「三日月島事件」は一応解決したが、関係者達の心には大きな傷が残った。
その一人である香山誠一も、三日月島の呪いに苦しみながら助けを求める魂の悪夢を何度も見るようになる。
祈祷師に相談した香山は、かつて島の当主であった「岸猿伊右衛門」の強い怨念により犠牲者達の魂が縛られていると知り、島を買い取り館を再建して浮かばれぬ魂の供養を行うことを決意した。
そして事件からちょうど1年後の8月15日、香山に招待された当時の関係者が集められる……。



【登場人物】

主人公


  • 香山誠一
最初の主人公。今回三日月島に再び皆を呼び寄せた張本人。
前作の事件以来、悪夢に悩まされており、迷える魂を供養するために屋敷や島を買い取って修復を行った。
その甲斐あって館は1年前と同じように修復された。ぶっちゃけ前作の素材を使い回すための大人の事情だったりする。
他の登場人物達の不幸の連鎖を断ち切る姿はまさに勇者

  • 矢島透
前2作の主人公だったが、今作では2番目の主人公。名前は変更できない
KYな名探偵。いつもは頼りないがここ一番で見せる頭のキレは相変わらず。

  • 久保田俊夫
3番目の主人公。4人の主人公の中でも真の主人公といっても過言ではない。
一年前の事件をキッカケに心が荒むなど作中で一番変わった男にして最も救われた男。

  • 北野啓子
4番目の主人公。ぽっちゃりしたOLの女性。恋の悩みを抱いていて、その想いを伝えるため島に訪れる。


他の登場人物


  • 小林真理
ヒロイン。やっぱり名前は変更できない。事件をきっかけに、現在はペンション「シュプール」の美人オーナーとして頑張っている。
透も臨時バイトで手伝っているため関係性はちょっと進んでいるような進んでいないような、やはり微妙な関係。
今作ではとある秘密を抱えている。

  • 春子
香山の離婚した元妻。現在の苗字は不明。落ち着いた雰囲気の和風美人。
前作の事件には巻き込まれていないが、今回香山に食事の調理などを頼まれて参加する事になる。

  • 美樹本洋介
フリーカメラマン。ボクシングをやっていたため登場人物の中では最も戦闘能力が高い。
番外編ではなかなかハジケてる

  • 渡瀬可奈子
OLを退職して現在は美樹本のアシスタント。そのため啓子とは疎遠になっていた。

  • 久保田みどり
一年前の事件によって服役中。彼女が服役したことによって俊夫は堕落していくことになる。
当然ながら今回の供養には参加できないため出番は少ない。


その他、前作までの登場人物も何名かが別の形で登場している。



【シナリオ】


  • ペンション「シュプール」編
初代『かまいたちの夜』のメインシナリオ「ミステリー編」の移植。PS2なので画面がちょっと綺麗。
本編以外のサブシナリオへの分岐は削られている。でも大阪就職はできる。
フローチャートは削除されてスーファミ版みたいな章仕立てになっている。

  • 監獄島のわらべ唄編
2作目『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』のメインシナリオ「わらべ唄篇」の移植。
本編以外のサブシナリオへの分岐は削られている。2周目からシュールなバッドエンドが見られるのは同様。
ただしバッドエンドが2つ削られている。こっちもフローチャートは無く章仕立て。

  • 三日月島事件の真相編
『かまいたちの夜×3』のメインシナリオ。本作の本編。
4人の主人公を解放後は、時間軸を移動する「タイムチャート」を使ってザッピングで切り替えていく。
ザッピングシステムは新たな試みだが、何回も似たような文章を読むことになるため面倒くささなどで批判もある。
事件を推理して真相を解明すると、驚愕の超展開が……。

  • ちょっとエッチな番外編
恒例のピンクの栞によって解放される番外編。透が主人公。
相変わらずぶっとんでる。(2のお尻振りほどではないが)

  • 犯人編
番外編と特定のバッドエンドをクリアすると出てくる黒の栞で解禁。
本作の事件の裏側を犯人の視点で見るシナリオ。
当然ながら主人公選択画面から行くことはできず、見るためにはある意外な方法が必要となる。
驚愕の事実が明らかになる。

  • エピローグ
全てのエンディングを回収した金の栞の後に見られる本当の完結編。


前作までと違ってサブストーリーの数は実質2つしかないが、本筋だけでもなかなかのボリュームな上に真相にたどり着く為の難易度は高いため、これからやる人は是非攻略サイトなどを使わずに自力チャレンジをしてほしい。

透達の物語はここで完結したが、後に登場人物を一新した『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』が発売されている。


【関連作品】


挟み忘れた栞

予約特典の非売品単行本小説。我孫子武丸氏による小説3編が収録されている。

  • 〆切り編
〆切り日なのにまだ一行も書けていない小説家・田中と担当のS宮の話。田中の友人の作家として牧野と我孫子という人物も登場しているがフィクションである。
バッドエンド多数のゲームブック形式であり、我孫子武丸氏が『かまいたちの夜2』制作時に田中啓文氏・牧野修氏の両名にサウンドノベルのシナリオ構造を説明するために書いた作品とのこと。

  • ラブテスター編
『かまいたちの夜2』の「ラブテスター篇」のオリジナル版。透と真理が初めてのデートに行く。
もちろんゲームブック形式であり、チェックシートとラブメーターを使う男女2人プレイ用作品。ぼっちや男2人でのプレイは推奨されていません
ゲーム版のシナリオを網羅した上で新たに未公開シーンも追加されている。ただし過激な表現は残念ながら伏字化。

  • 流れシェフ 姫宮麗子
本編開始前、姫宮麗子が初めてシュプールを訪れて真理に出会った頃のエピソードを描いた短編小説。


Another Story かまいたち殺人

公式完全攻略本に収録。飯野文彦氏による書き下ろしストーリーの短編小説。
渡瀬可奈子が主人公となっており、ゲームとはまた異なる話が展開される。



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最終更新:2024年04月20日 00:05