死喰い人(デス・イーター)

登録日:2012/01/08 Sun 04:54:16
更新日:2024/01/22 Mon 14:05:01
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死喰い人(デス・イーター)ハリー・ポッターシリーズに登場する魔法使いの集団及び個人を指す。

第一次・第二次を通してヴォルデモートの全盛時代には不死鳥の騎士団の20倍の勢力を誇ったとされ、
許されざる呪文を始めとする闇の魔術を多用し、魔法界を恐怖に陥れた。


概要


ヴォルデモート卿に忠誠を誓った闇の魔法使いたちを指す呼称であり、
純血主義を標榜し、反対勢力やマグル生まれの魔法使い及びマグルへの破壊活動を行うテロリスト集団である。

メンバーはおおむね純血、もしくは半純血の魔法使い・魔女で構成されており、その大半がホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮出身である。
……もちろん、実際にはグリフィンドール出身者レイブンクロー出身者も確認されているほか、どの寮の出身なのかや、そもそもホグワーツ出身者なのかさえ不明な所属者も多い。
(例えば幹部クラスだったと思しきイゴール・カルカロフは、ダームストラング専門学校の校長になったという経歴を考えると、ホグワーツ出身者ではない可能性が高い)
そのため、必ずしも死喰い人=スリザリン出身者というわけではない。

メンバーの詳細については死喰い人(メンバー一覧)を参照。


ルシウス・マルフォイのような純血主義思想を持つ差別主義者や、ベラトリックス・レストレンジのような闇の帝王のカリスマに惹かれる者、
ピーター・ペティグリューのような恐怖心から従う者が集まっている。

ヴォルデモートの寵愛を受けようと必死になっているが、ヴォルデモート本人からは敵と同様に情け容赦なく扱われており、
彼の機嫌が悪ければ八つ当たりで殺されることも(運が良ければ拷問で済む)。

死喰い人に一度なったら最後、死ぬまでヴォルデモートに服従することになり、逃げ出したら最後、が待っている。

元死喰い人のイゴール・カルカロフは多くの仲間を魔法省に売ったことから復讐を恐れて逃亡したが、約一年後に死体となって発見された。
それでもリーマス・ルーピンいわく「一年も持った方が驚き」とのこと。

カルカロフのように仲間を売る死喰い人が出ても一網打尽にされないように、死喰い人全員を把握しているのはヴォルデモートのみとなっている。

作中での描写

死喰い人になることは優れた闇の魔法使いになったことを意味するとされ、魔法界では主君に次ぐ恐怖の対象とされている……
……はずなのだが、作中ではほとんどいいところがない。

特に魔法省・神秘部の戦いにおいては12人も集まって自分たちの半分の人数しかいない14、5歳の子どもの制圧にやたら手こずり(簡単に壊れかねない「予言」を手に入れるのがヴォルデモートからの指令であったため、ハリーたちに予言を先に入手されたことで後手に回ったという事情もあるにはある)、
そのせいで不死鳥の騎士団やアルバス・ダンブルドアが加勢に来てしまい、ご主人様に救出されたベラトリックス以外は全員逮捕という情けない結果に。
このことは次巻でセブルス・スネイプから嫌味混じりに弾劾されており、やはりあの顛末は魔法族の目から見ても醜態であるらしい。

正直なところ、呼称から想起される「闇の魔術を極めた魔人」等という類のものでは無く、
常人は敢えて破らない禁忌を節操なく犯す、ヴォルデモートという強者につくコバンザメがほとんど。
本当に有能と言えるのはダンブルドアさえも最後まで騙し通し、闇の帝王復活の下準備を完遂したバーテミウス・クラウチ・ジュニアや、スネイプ、ベラトリックスくらいのものだろう。

血統ばかり気にして能力で選ばないからこんなことに……ん? 誰か来たみたいだな。
でもまあいいや。

おそらく、優秀なヤツらの多くは最初にヴォルデモート陣営と騎士団や闇祓いが戦った時に戦死したんだろう。たぶん。
またルシウスも学生時代は優秀であったようなので、長い間実戦から遠ざかっていた関係もあるのかもしれない。OBと現役ならそりゃ現役のほうが普通強い。
(ちなみにルシウスもベラトリックスの放った魔法を無理やり曲げる実力者ではある)

実際、七巻など魔法省を制圧したにもかかわらず、ヴォルデモートらは矢面に立たず、魔法省を傀儡にするにとどめていた。
理由はいろいろあるが、死喰い人だけでは魔法界の支配ができないほどに衰えていたのは確かだろう。


歴史

死喰い人の歴史はヴォルデモートがホグワーツ在学中に献身的な「友人」を取り巻きにしたことから始まる。

ヴォルデモート自身は彼らに友情を感じたことはただの一度もなかったが、
トム・リドルの下には保護を求める弱い者や、おこぼれに与ろうとする野心家、彼の強いカリスマに惹かれた乱暴者などが集まった。

他の生徒に対して悪行を重ね陰湿な事件を起こしていたが、ヴォルデモートに厳重に管理されていたため一度も明るみに出ることはなかった。

彼らの中の数人がホグワーツ卒業後に最初の死喰い人となっている。


闇の印

死喰い人を語る上では「闇の印」の話題も外せないだろう。

形は口から蛇が舌のように這い出ている髑髏のマーク。

モースモードル(闇の印を)」という呪文を唱えると、空に巨大な緑色に輝く闇の印が打ち上がる。

死喰い人が破壊活動を行う際に上空に打ち上げるため、イギリス魔法界ではヴォルデモートの名前と並んで恐怖の対象とされている。

闇の印はメンバーの左腕の内側にも刻まれており、それが互いを見分ける手段となっている。

ヴォルデモートがメンバーの誰かの印に触れると他のメンバーの印が発熱する仕組みとなっており、それが召集の合図となっている。

闇の印はヴォルデモート卿から直接触れられるとかなりの痛みを伴うらしく、
『炎のゴブレット』でヴォルデモートが復活した直後にワームテールが印に触れられた際には叫び声をあげていた。

闇の印を刻印されることは死喰い人にとって最高の名誉であり、印を与えられるにはヴォルデモート本人に認められなければならない。

そのため、狼人間のフェンリール・グレイバックなどのように死喰い人のローブを纏うことは許されるが、闇の印は与えられていないという者も存在する。
……グレイバックはそこらの死喰い人より数段強いのだが……

ハーマイオニー・グレンジャーはこの闇の印の仕組みに着想を得て、
ダンブルドア軍団の秘密の連絡手段に「変幻自在の術」をかけた偽のガリオン金貨を考案した。




余談

原作者のJ・K・ローリングによればマグル生まれのメンバーも少数ながらいるらしい。

また、純血であるように装っているが、スネイプを筆頭に大半のメンバーが半純血(混血)である。

まあ、ご主人様も半純血だから恥じることはない。

そもそもロン・ウィーズリーもぶっちゃけているが、本当に完璧に純血を維持しようと思えばとっくに絶滅しているわけで、魔法界といえどもマグルの血液が本当に一滴も混じっていない家柄は存在しないと思われる。*1
(実際、いとこ婚を繰り返して千年血族を維持したゴーント家が存在していたが、その子孫たるヴォルデモートすら幻滅するレベルで腐り果てていた)
ダンブルドアも「純血の一族では家系図の改竄を行っている」と述べており、事実ブラック家ではシリウスを含む不都合な者*2が家系図から消されている。
「間違いなく純血の血筋、聖28一族」なるものもいるらしいが、決めるのがあの魔法省というだけで信憑性はお察しであろう。





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最終更新:2024年01月22日 14:05

*1 現存する純血の一族は近かれ遠かれ皆親戚関係にあるが、それでも限界はある

*2 スクイブ、マグルと駆け落ちした者、純血至上主義に反発した者、家系図から消された者を支援した者など