バトル・ロワイアル

登録日:2012/02/02 Thu 19:47:32
更新日:2024/04/12 Fri 01:10:16
所要時間:約 8 分で読めます


タグ一覧
3年B組 BR R15+ いつかギラギラする日 この世界に神はいない キャッスルロック クエンティン・タランティーノ サバイバルゲーム スティーヴン・キング デスゲーム デスマッチ バトルランナー バトルロイヤル バトルロワイアル バトル・ロワイアル バトロワ ヒャッハー ビートたけし フォーリング・ダウン リアルFPS リアルオンライン対戦 リアルデスマッチ 不朽の名作 傑作or問題作 前田亜季 反権力 命がけのサバイバルゲーム 塚本高史 孤島 安藤政信 小説 山本太郎 戦わなければ生き残れない 映画 東映 柴咲コウ 栗山千明 死のロングウォーク 殺し合い 深作欣二 漫画 狂気 社会風刺 自衛隊「一切の協力をお断りします」 藤原竜也 藤原竜也の本気 超問題作 邦画 香川県 高岡蒼佑 高見広春 鬱展開の嵐 魔法少女まどか☆マギカ



今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをして貰います



『バトル・ロワイアル』は1999年に出版された高見広春の小説。および、同小説を基にしたメディアミックス作品。

◆概要

42人の中学生が生き残りをかけて殺し合うという衝撃的な内容の為、大手出版社の賞を逃した事が逆に口コミで話題となった作品。
国会でやり玉に上げられたり、現実に事件を起こした未成年者が愛読していたと報道されたりと、一時は社会現象にまで発展し、話題性からかえって映画の興行収入に貢献したというから皮肉である。

執筆中は『バトル・ロイヤル』というタイトルだったが、作者がこの作品を友人に見せて感想を求めたところ、
フランス語好きのその友人に「フランスだとバトル・ロワイアルと読む」と返され、その語感を気に入ってタイトルを変更したという。
ちなみに、真面目に仏訳すると、「バタイユ・ロワイヤル」(Bataille Royale)となるらしい。

2000年に深作欣二監督、東映配給で映画化。
原作の「若者対体制」から「子供対大人」に主旨や設定が変更され、ゲーム性が薄れてメッセージ性が強くなり、良くも悪くも監督の色に染まった作品になっている。
特に監督は、自身の少年期の戦争体験と、大人の事情で少年少女が死を強制されるという状況に通底したものを感じ、メガホンを取るに至った。

また田口雅之作画による漫画版が、ヤングチャンピオン誌で連載された。
緻密な劇画調で強いエログロ描写が特徴で、特に中盤からは設定やストーリーを一部変更し派手なアクションが増え、娯楽色が強くなっている。
グロ描写に関しては出血は勿論、内臓やらも過剰なくらい終始鮮烈に描かれるので、そういう描写が苦手な人は要注意。


◆あらすじ

●西暦1997年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。
この国では毎年、全国の中学3年生を対象に50クラスを選び、
国防上必要な戦闘シミュレーションと称する殺人ゲーム、「プログラムを実施していた。
ゲームはクラスごとに実施、生徒たちは与えられた武器で互いに殺し合い、
最後に残った一人だけが家に帰ることができる。

●香川県城岩町立城岩中学校3年B組*1の七原秋也ら生徒42名は、夜のうちに修学旅行のバスごと政府に拉致され、高松市沖の小さな島に連行された。
催眠ガスによる眠りから覚めた秋也たちに坂持金発と名乗る政府の役人が「プログラム」の開始を告げる。

ゲームの中に投げ込まれた少年、少女たちは、様々に行動する。
殺す者、殺せない者、自殺をはかる者、狂う者、仲間をつくる者、孤独になる者。
信じることができない者、なお信じようとする者、愛する気持ちと不信の交錯、そして流血……

(以上、紹介文より抜粋)


以下、ネタバレを含む



◆主な登場人物

※()内は映画版役者
その他のクラスメートに関しては城岩中学校3年B組(バトル・ロワイアル)を参照。

男子15番。家族はおらず孤児院で育つ。真っ直ぐな正義感の持ち主で、容姿端麗で運動神経が良くクラス一のモテ男。
ゲームによって死亡した親友の想い人だった中川典子を最後まで守り抜こうとする。ゲームには否定的で、率先して同級生を攻撃しない。
原作小説、漫画版、映画版のそれぞれでかなりキャラクターが異なる。
漫画版では正義感が強調されており、「熱血正義バカ」と評されるようなふた昔ほど前の少年漫画の主人公的な性格となっていた。
映画版では親友に隠していたが、密かに以前から典子のことが好きだった。母親は不在で父親は中学入学日に自殺したので孤児院に入る事となり、そこで国信と知り合う。

  • 中川典子(前田亜季)
女子15番。小柄で可愛らしいが芯の強い女の子。七原に想いを寄せている。国語が得意。
小説・漫画版ではブーメラン、映画版では双眼鏡と支給武器に悉く縁が無く、作中でもプログラム開始前に負傷しているので七原や川田の後衛に回りがち。
とはいえ武器の空弾倉に弾薬を装填したり、はぐれた七原の捜索に結果的に成功するなど要所で活躍はしていた。
なによりも最大のファインプレーが桐山の撃破
映画版ではクラス全員が担任のキタノの授業をボイコットした時も一人で授業を受けており、イジメに遭っていた反面キタノから特別視されている。

  • 川田章吾(山本太郎)
男子5番。とても中学生には見えないワイルドな容貌と全身傷だらけの屈強な体躯を持ちサバイバル能力に長けている。
運動神経も良く、料理も出来、船も運転出来て、医療にも精通しており、ハッキングも出来るなど、オールマイティで超人的な人物。
ゲーム開始の数ヶ月前に転入してきた留年組で、上述の外見もあってクラスでは浮いていた。
映画版では転校生で、それ以前はホームレス生活をしていたとのこと。
関西弁を話す他、前述の数々のスキルについて七原から褒められる度に「当たり前や。俺は○○の息子やぞ」というやり取りをするのがお決まりの流れで、
さらに○○の部分はその都度ころころ変わる*2と、殺伐とした本作の数少ない笑いどころとなっている。
実はこれ以前に神戸で開催されたゲームの優勝者

  • 桐山和雄(安藤政信)
男子6番。クラスの番格。容姿端麗で、天才的な頭脳と運動神経、さらに芸術的なセンス*3も持つ、川田と違う方向でオールマイティな超人。
不良グループ「桐山ファミリー」(命名者は沼井充)のリーダーで、893とも渡り合える身体能力などもあって、舎弟たちから慕われている。
物静かで無表情だが、実は母の胎内にいた頃に特殊な事故に遭い、手術の際に神経細胞の一部が削り取られた影響で、感情そのものが欠落している。
ゲームに乗るかどうかをコイントスで決め、乗ることを決意した後は冷徹なキルマシーンとなってかつての舎弟やクラスメイトを殺害して回る。
映画版では転校生で、自らゲームに志願した快楽殺人者。他媒体と異なり明確な台詞が一切無く、拡声器に息を吹きかけたり若干呻き声のようなものが聞こえた程度。
漫画版では超人的な描写の多い作中にあってひと際目立つ超人で、事故による脳神経の摘出も幼少期に変更されている。

  • 相馬光子(柴咲コウ)
女子11番。愛らしいアイドルのような顔だが、誰もが怖れる不良女子グループのリーダーであり、中学生らしからぬ妖艶な雰囲気を持つ。
彼女が所属する不良グループは売春から薬物、恐喝等の犯罪行為も躊躇しないため、不良集団ではあるが明確な犯罪はしておらず一線は越えていない桐山ファミリーよりも評判が悪い。
クラスの中でもかなりの悲惨な生い立ちを持ち、私生児のため父親は不明、実の母に売られて複数の男性から性的暴行を受け、唯一信頼していた恩師にも強姦され、更に友人にそのことを言いふらされた事がトドメとなって人間不信に陥り精神的に孤立していた*4
ゲームにも「奪われる側から奪う側になる」として乗り気で、殺人を全く躊躇しない、桐山に次ぐ危険人物。
一方、原作では自らを心から信用してくれた滝口優一郎に心を開く一幕があり、後に自らを庇った滝口が致命傷を負ってしまった際には、
まだ息のある彼を抱きかかえ、優しい言葉を掛けながら心臓を撃って介錯をしてやるという場面もあった。
漫画版では過去描写が補完されると共に、色仕掛け、逆レイプ、自慰を披露するなどエロ担当となっていた。

  • 三村信史(塚本高史)
男子19番。クールで頭のキレる“第3の男”。バスケットボール部のエース。
クラスでは財布に大量のコンドームを携帯しているほどのプレイボーイで通っていて女子の評判があまり良くないが、校内全体ではモテている。
七原、杉村と友人で、プログラムでは彼らと合流して脱出を目指していた。
中学生離れした超人的頭脳を持ち、ハッキングの才を活かして政府への反撃を試みるが、
首輪に仕込まれていた盗聴機能で計画が露呈して失敗し、膨大な火薬を用いた手製爆弾での校舎爆撃に変更する。
映画版ではハッキングと爆弾作成を並行して行い、ハッキングは成功したが校舎への突撃は桐山により失敗した。

ハッキングの技術や政府への反撃に用いられたあるアイテムを持っていたのは反政府活動家である叔父の影響。
原作小説ではおそらく政府の手により「事故死」しているが、映画版では生存している。
しかし長年の活動でも状況を変えられない焦りから大規模爆破テロを計画し、『BRⅡ』の冒頭に繋がる。

  • 杉村弘樹(高岡蒼佑)
男子11番。強面でクラスで一番背が高い。寡黙だが心根が優しく誠実。拳法の有段者。七原と三村とは友達。
ゲーム開始から、特別な幼なじみと、ずっと好きだった“ある人物”二人の行方を探している。
その都合と配給物資のせいで小説版・漫画版・映画版全てにおいて七原以上に他参加者と遭遇や交戦しているが、殺傷した人物はいない。

女子13番。少しキツイ貴族的な顔で、クラスで一番の美人。陸上部のエースでクールビューティー。幼なじみの杉村に仄かな想いを寄せている。
クールな性格とプライドの高い性格から、クラスでは孤立気味だったというが、才色兼備ということで周囲から一目置かれてもおり、
孤立気味だったとはいえ、クラス内ではキツイけど良い子という評価で嫌われているわけではなく、どちらかと言えば近寄りがたい存在だったと思われる。
映画版では、演者がタランティーノ監督に注目されるほどの迫真の演技を見せた。

  • 内海幸江(石川絵里)
女子2番。真面目で周囲の信頼も厚い委員長。七原に好意を寄せていた。
友人の女子仲間を集め、灯台に立てこもっていたが、善意が全て裏目に出てしまい……

上記は3年B組生徒のごく一部であるが、とにかくこのクラスやたら個性の強い超人揃い、というのはファンの間で語り草になっている。
大人顔負けの身体能力や頭脳を駆使する逸材や、果てはヤクザ相手に渡り合えるほどの完璧超人が男女問わず複数在籍。おまけにガチムチのオカマまで当たり前のように居る。
これで中学3年生というのだから、死なせるには余りに惜しい人材であろうと思われるのだが、同時にこんなのが本気を出したら政府転覆すら容易いだろう。
*5


  • 【小説版】坂持金発
  • 【漫画版】嘉門米美
  • 【映画版】教師キタノ(ビートたけし)
今回のプログラムの進行を指導する「教師」役の担当官。
小説版での名前、容姿、話し口調は、もろにTVドラマでお馴染みの某熱血教師その人をオマージュしている。
だが反対に、その言行は残忍で悪趣味極まりないゲス野郎。
朗らかで間延びした印象から一転、必要であれば「生徒」を平然と殺害し、死地に送り込む政府の犬であるが、そんな彼にも妻子があり、人並みの家庭愛は持っていた。
少なくとも大東亜共和国にとっての「模範的」な家庭人ではある。
武器の扱いも手慣れたもので、銃はもちろん、ナイフを投擲して正確に生徒の眉間に命中させ殺害するなどしている。

漫画版では大人の事情で名前が(当然)変更され、見た目は肥えたパグかなにかのように醜悪に描かれた。
常に笑みを絶やさない表情の豊かさが特徴だが、率直に言ってキモいの一言に尽きる。*6名前の由来は「Come on,Baby」のもじり。
作中での行動は小説版以上に悪辣になり、国信慶時がいた孤児院の先生をプログラムに反対したという理由で暴行したことに始まり、
同じくプログラムへの選出に抗議した担任教師の射殺体を生徒たちに公開、原作では手を下さなかった国信を自ら射殺、
部下と優勝者の候補をトトカルチョ感覚で談義したり、自身の娘に対する教育論(国家への滅私奉公)を喜々として語るなど、嫌悪感を抱くに十分な悪役っぷりを披露。
それでいて原作同様に川田の脱出計画をある程度まで看破する、政府サーバへのハッキング犯を独自に照会するなど、
政府の役人として頭の切れる一面も見せている。俗悪にして有能なので始末が悪い。

映画版では企画当初、元ネタの俳優*7に出演交渉すべきか悩んだらしいが、監督の意向でビートたけしに依頼することに決定。
深作欣二とも縁の深いビートたけしは二つ返事でこれを承諾したとか。
本編では職場にも家庭にも居場所をなくした、疲れ切った「大人」という人物像であり、
かつて学級崩壊を起こしたB組の生徒達を道連れに、無理心中を目論んで今回のゲームの「教師」を務めた。
原作と異なるのは国信に明確な憎悪を抱いている点で、混乱に乗じてナイフで(かつて臀部を斬られたことの意趣返しとして)斬りつけたうえ、
なおもプログラムに抵抗する彼の首輪を起動させ、殺害した。
反対にB組の生徒たちで唯一、ボイコットに参加せず授業に出席した中川典子を特別視しており、自ら校舎を出て相馬による中川の殺害を妨害した。
映画版の続編BR2では彼の娘が重要人物として登場する。

いずれの場合でも元は本職の教師であったらしく、それがどういう経緯で生徒達を死導する立場となったかは定かではない。

映画版に登場する、プログラムのルール説明用VTR「バトル・ロワイアルの正しい戦い方(BR法推進委員会監修)」における進行役を担った、声優業をしているという噂のお姉さん。
不謹慎なほど明るくルールを解説し、「楽しく元気に戦ってくださいね♡」なんて笑えないエールを送ってくれる。
支給される武器の一例として取り出した斧にはいたくご満悦なご様子で、キレッキレなブラックジョークも披露してくれる。
対象クラスごとにいちいち収録しているらしく、会場の概略を解説し、さらに生徒一人一人の名前をしっかりと読み上げる。
仮に原作通りに毎年50クラスが選出されるとした場合、彼女は例年(1クラス40名として)2000人近い中学三年生の名前を呼び続け、そのほとんどが確実な死を強制されるということになる。


◆映画版公開 その騒動と続編展開

日本では映倫管理委員会(現:映画倫理機構)によりR-15(現:R15+)に設定された中、国会議事堂内で疑問の声も上がった映画版バトロワ。

バイオレンスが大好きな自由の国でも販売すると思いきや、実は長らく自由の国では発禁だった。

しかし、遂にDVD発売が決定!

もしかしたら本作のアメリカンリメイク的作品である『ハンガー・ゲーム』のDVDを発売する為にロビー活動したのかもしれない。
柴咲、栗山、高岡、塚本らはこの映画でブレイクを果たし、以後TVや映画等で活躍している。 

2001年4月7日、「当時中学生で観られなかった諸君にこの一篇を贈る」と銘打ち、
未公開シーンや追加撮影カットの追加・CG修正などを行った再編集版『バトル・ロワイアル【特別篇】』が公開。

2003年、深作欣二監督が他界し、息子の健太が跡を継ぐ形で完成させた『バトル・ロワイアルⅡ~鎮魂歌~』が公開。
映画版の2年後を描いた続編で、原作小説とは繋がらない。
あからさまな反米思想と雑な展開がややひっかかるが、熱い演出は悪くない。
杉江松恋によるノベライズ版も出版されているが、結末がわずかに異なる。

また2010年にはまさかの3D版が劇場公開された。


◆「プログラム」


【概要】

劇中では中学生を殺し合わせるという狂気の政策がまかり通っているが、そのプログラムの正式名称は「戦闘実験第六十八番プログラム」である。
その名称からも軍の管轄であるらしく、実施目的は「所要時間などの各種統計を重ねることによる防衛上の理由から」などと国民にはもっともらしく説明されている。
……というのはもちろん建前であり、本当は「知古の友人同士による殺し合い」という状況を見せつけ、宣伝することで、
国民の間に相互不信を植え付け、反政府活動の芽を摘むことが最大の目的である。
普通に考えれば軍務と無縁で肉体的にも精神的にも未成熟な学生を戦わせたところで実戦的な統計がとれるわけないし……

1947年から施行、毎年50クラス*8を対象にし、選出されたクラスはまるごと拉致・移送され、隔離された環境でのバトルロイヤルを強いられる。
原作で施行の根拠となる法律は明示されなかったが、映画版では架空の法律「新世紀教育改革法」を法的根拠としている。
対象クラスの選出は「厳正な抽選」に依るとされているが、実際には学級崩壊を起こした教師が腹いせに対象に推薦するケース、
学生が面白がって志願しクラスまるごと選出されたケースもあったりと、かなり恣意的な運用がされている。
何れにせよ、現役の中学3年生にとっては在籍しているクラスがこの「プログラム」の対象に選ばれた時点でひとりを除いて殺されてしまうので、
無事に中学を卒業するにあたって 高校受験などよりも遥かに恐ろしい壁 として君臨している。

対象となったクラスに在籍する生徒の保護者には、生徒たちの移送が完了した段階で政府から告知され*9、プログラム終了後まで対面も連絡も許されない。
優勝者であれば治療後に帰宅が許されるが、当然、それ以外の保護者は遺体となった子供と再会することになる。遺体が残っていればだが。
優勝者は転居させられたうえで、一生涯の生活保障と政府の最高権力者「総統」からのクッソ雑な記念色紙が贈呈されるが、「プログラム」の内容についての守秘義務も課される。
とはいえ、対象となったクラスと優勝者氏名は全国報道される*10ため、どこに転居しようとも「同級生を殺害して生き延びた者」として周囲から忌避されることは避けがたい。*11
怪我の後遺症や、クラスメイトたちと殺し合ったことへの心的外傷なども合わせれば、その後の人生が明るいものになるとは到底考えられない。
少なくともプログラムに選出された時点で、これまでの生活や交友関係の一切は剥奪される。
そのため、プログラムの優勝者や、対象クラスに選出され死亡した者の親族が反政府運動に身を投じる例は多く、
『バトル・ロワイアルⅡ』における後のテロリスト「ワイルド・セブン」による首都連続爆破事件の遠因にもなっている。

【実施場所】
実施場所は孤島やフェンス等で区画された市街地など様々だが、共通しているのは一切の連絡手段が遮断され、脱出の助けになりそうな移動手段はすべて撤去される点。
さらに逃走防止の為に外側には軍が常に銃口を光らせているため、本作の舞台である孤島では東西南北に軍の巡視艇が常時見張っていた。万が一逃亡を図った場合には警告の上射殺される。
漫画版の川田が参加した前プログラムでは市街地だったようで、エリア外縁に高電圧の鉄線が敷かれていたという描写がある。

電気や水道といったライフラインや基地局も抑えられており、携帯電話による通話も妨害されてしまう。それすらも掻い潜って政府のサーバに侵入する第三の男なんてのも居るが
その一方で、脱出手段となり得るものを除いた設備や物資などはそのまま残されており、
原作小説ではパソコンや自動車等、会場に選ばれた島民の私物が利用できた。その気になればガソリンやプロパンボンベのような爆発物も入手可能。
プログラムは基本的に、実施本部への攻撃や脱走を除けばこれといった反則行為はなく、対象者がプログラム期間中に行う殺人や暴行、窃盗や器物破損その他一切の犯罪行為は、超法規的措置により免罪される。
劇中でも会場となった島の施設や島民の所有物が収奪・破壊されているが、これを制限するような規則や対策はとられていない。
万が一、生徒が会場のライフラインを破壊したり、水道・浄水設備を汚染させれば、プログラム終了後に戻った島民たちにも被害がでる危険性もある。*12
島民は退去に際して「快く協力してくれた」とされているが、実際には兵士に銃を突き付けられ*13強制退去させられているうえ、
「今回」のプログラム終了後には軍のヘリコプターによってびらん性ガスが散布され、島は重度に汚染されている。
これら島民が被った損害について、政府から補償されるかどうか定かではないが、この国家体制では怪しいものだ。


【首輪】
対象者は全員が首輪を装着される。
電子機器を内蔵した金属製の首輪で、劇中時点での正式名称を「ガダルカナル22号」という。
高度な耐衝撃性・耐水性と軽量化を両立しており、プログラムの実施に要する数々の機能を備えている。
対象者の生体信号をモニターし、同時にGPS信号を受信*14、正確な位置情報を実施本部に送信し続けている。
密かに盗聴機能も備えており、マイクを塞がない限り、生徒同士の会話も筒抜けである。
さらには爆弾も内蔵されており、以下の条件で爆発し、対象者を確実に死亡させる。漫画版では首が切断され、下顎も粉砕されるほどの威力である。

  • プログラムの進行に伴って増えていく立ち入り禁止エリアへの立ち入り(後述)
  • 実施エリア外への脱走
  • 首輪への破壊行為
  • 実施側の遠隔操作
  • 時間切れ(後述)

先述の盗聴器の存在とあわせて、万が一プログラムの実施に支障があれば、本部側から遠隔操作で起爆させることも可能である。
バックアップ機構は何重にも備えており、故障の確率は極めて低い。国外へも輸出されており、主に囚人監視用途に販売されている。
当然仕様は国家機密であるが、仕様を解析した*15上で電子回路に多少造詣があれば、ラジオ等の部品を用いて簡単に解除できるらしく、
もし解除されれば「首輪の機能停止=装着者の死亡」と判断されるため、プログラムから逃れることも可能である。
実のところ、後述するルールに強制力を持たせているのはこの首輪によるところが大きく、容易にはいかないが首輪さえ解除すればプログラムからの脱出は不可能ではない。

ちなみに本作の首輪は、ルドガー・ハウアー主演映画『ウェドロック』に登場する囚人監視用の爆弾首輪にヒントを得ている。
この作品に登場する刑務所では、収監者全員に爆弾内蔵の首輪を装着され、他の収監者とペアリングされ電子的にリンクしている。
ペアとの距離が100ヤード以上離れるか強引に外そうとすると、首輪は警告音を発したのちに爆発、ペアの囚人もあわせて死亡させる。
自分のペアが誰であるかは爆発の瞬間までわからないため、そのことが相互監視の効果ももたらしている*16
後の『バトル・ロワイアルⅡ』に登場した、タッグマッチ専用の新型首輪「ソロモン6号」にも通じる設定がここに垣間見えている。


【ルール】
対象クラスに在籍する生徒たちが殺し合い、生きている生徒が一人になったことが確認された時点で「プログラム」は終了する。
しかし、それまで普通の中学生として過ごしてきた子供たちにいきなり武器等を渡して「最後の一人になるまで殺し合え」と命令しても、
よほど好戦的か、割り切りが早い者でもなければ、自分の身の安全を最優先に考え、他の生徒と遭遇しないようにどこかに潜伏し、「プログラム」の終了を待つ者が大半だろう。
実際、長く生存するには徒に動かず、安全な拠点に潜伏するのが最も有効な手段である。
実施する側としては、それでは時間ばかりが徒に経過してゲームにならないため、前述の首輪を絶対的な媒体として生徒同士の接触機会を増やし、否が応でも他の生徒と殺し合いを強いるよう、様々なルールを設けている。

まず、生徒にはプログラムの概ねの説明をして実施期間分の食糧と水、実施場所の見取り図、コンパスや懐中電灯と、それぞれに異なる武器が支給される。
銃器の場合は弾薬が若干量付属する他、拉致する際に没収された、元々その生徒が所持していた私物も返却される。

武器の種類は多種多様で、強力なもので各種拳銃や手榴弾、ナイフや手斧といった実戦的なものから、農業用の鎌やバット等の微妙なもの、
果てはブーメランや三味線糸とかいう明らかなハズレまで混ざっている。
あるいは首輪の位置を示すレーダー、シアン化カリウム(青酸カリ)といった、立ち回りによっては有利になりそうなアイテムもある。
これは性差や能力差による不利を解消し、かつランダム性をもたらすための措置である。別に悪ふざけではない。
あまりに強力な装備を与えすぎると実施側が攻撃されるという懸念もあるだろう。

  • 禁止エリア
    • このゲームは一箇所に潜伏していた方が戦術的に有利なため、生徒たちに潜伏させないよう、移動を強いる為のルール。
      ゲームが開始されると生徒たちは政府の拠点となるスタート地点(作中では学校舎)から所定の順番で、1人ずつ出発させる。*17
      原作では事前に抽選された生徒を起点として、以降は出席番号順に出発するルールだった*18が、偶然にも男子1番が選出されていた為に、結局は普通の出席番号順となった描写がある。漫画版と映画版ではこの描写はカットされている。
      全員が出発して20分を以て政府拠点周辺が最初の禁止エリアになる(生徒たちが団結して襲撃するのを防ぐため)。
    • 舞台となる地域は細かくエリアごとに区切られており、最初の定時放送から1時間後から2時間毎にエリアが3つずつ増えて行く(禁止エリアの座標はコンピューターによってランダム抽選)。
      一度禁止エリアになった場所はゲーム終了まで解除されず、生徒たちは徐々に行動範囲を狭められることになり、これによって対象者の行動の自由を奪うことで「会敵」の機会を増やしている。
      運よく潜伏場所が禁止エリアにならずとも、禁止エリアが広がるにつれて他の生存者が否応なく集まってくるため、他の対象者との接触を回避しつづけて終盤まで生き残ることは極めて困難となる。
      また、ランダム抽選故に、一か所に留まっていると周囲が全て禁止エリアとなり、身動きが取れなくなる危険性もある。
なお、原作小説では会場が島だったため、進入がまず不可能な海上もエリアとして設定されていたが、禁止エリアとして選出されることはなかった。
あらかじめ選出対象から除外されていたのか単なる偶然だったのかは不明。

  • 時間切れ
    • たとえ他の生徒と遭遇してもわざわざ殺しにかかる必要はないんじゃね?と思うかもしれないが、当然そんな事態は想定済みである。
      24時間経過しても誰も死亡していない場合は生徒全員の首輪が爆発し、優勝者無しとなる
      なので、自分の命が惜しいなら、(相手が自滅してくれない限り)最終的には誰かを殺す必要がある訳である。
      • 映画版では多機能・高性能ゆえに首輪の動作時間が短く、三日間しかバッテリーが持たないという欠点があり、これがプログラムの実施期間を制限している。*19


以上の状況で、生存者が最後の一人になるまで対象者たちを殺し合わせる。
選ばれたら最後、ほとんどの場合、対象の中学三年生達はルールによってクラスメイトたちと殺し合いを強いられ、
最後の一人になるための生存競争を勝ち残らなければならなくなる。
なお「時間切れ」によって強制終了した例は全体の0.5%程度である。優勝者の男女比もおおむね半々。

実施本部を統括する「教師」は政府の官僚であるが、地位は意外に高く、その待遇は悪くないらしい。
それ自体が危険な職務であるし、高度な管理・実務能力も求められ誰にでもできることではないということから、そこそこのエリートが任命される。
彼らは劇中世界の軍事独裁政権・全体主義国家においてはかなりの上級国民にあたるが、彼らの子女が在籍するクラスが「プログラム」に選ばれることもままあり、
そうなった場合は、例え彼らの子女であっても扱いは変わらず、他の生徒たちと同様に生き残りをかけた殺し合いを強いられる。*20
「プログラム」はある意味では、徴兵制のような平等に科せられる、義務に近い制度ともいえる。

ちなみに、本部内では不謹慎極まりないことに「誰が優勝するか」を対象にした賭けも行われている。さらには本庁の官僚を「勝たせる」ことでゴマをするような行為すら横行している。


【大東亜共和国】
作中における、架空の歴史を歩んだ「日本」。
簡単に言えば「江戸時代に江戸幕府が実施した『鎖国政策』が未だ存続し、『大日本帝国憲法』が現在も存在している日本」。
その地名は概ね現実の日本と同じであり、首都が東京にあることも変わらない。
現実と大きく異なる点は、先述した通り軍の強権がまかりとおる独裁政権の全体主義国家であり、かつ強烈な反米国家であることである。
他にも南樺太に強制収容所を設置していたり、朝鮮半島*21の領有を主張したりと、周辺国との摩擦も激しい。

国家元首は「総統」であり、325代にわたって国家を統治しているとされているが、実際には12代程度の長さでしかない。
そもそも政府中枢の実態は不透明なものであり、反政府思想家からは権力者としての総統が実際に存在するかすらも疑問視されている。
前述の「プログラム」の勝者に渡される「総統」直筆の色紙も子供のような字だったといわれ、実在したとして実権があるのかは疑わしい。

国内には準鎖国体制を敷き、海外文化や政府に都合の悪い情報を徹底的に検閲して国民を思想信条の自由から隔離し、
さらに国家への忠誠と奉仕を強制する思想教育が日常的に行われている。
行きすぎた歴史修正主義によって、正統な歴史も国民には知らされていない。
官憲や軍部の権限は極めて大きく、反政府活動や、あるいは「敵性文化」の所持・流布程度でも厳しく弾圧され、
街中で突然理不尽に拘束・最悪射殺されるような事態が珍しくないなど、人権蹂躙が著しい社会である。

ただし「敵性」「有害」でない文化の流通はある程度容認されており、準敵国であるアメリカの文化*22ですら密かに流入している。限定的ながら国外旅行も不可能ではない。
七原は「退廃音楽」として禁止対象となっているロックを学校で堂々と演奏しているが、取り締まりどころか教師等に注意された描写すらない。
もっとも三村に言わせると、体制への軽微な反抗をあえて黙認することで、国民に満足と慰めを与える「ガス抜き」に過ぎないという。
さらに、政治体制は上述の通りだが、生活水準は先進国としても高いレベルにあるようで、このあたりは現実の日本と大差ないとされる。
高度な技術力と工業力に裏付けされた豊かな経済力を有しており、海外に高品質な製品を輸出することで豊富な外貨を獲得している。
政府のプロパガンダによらずとも、「世界最高の国民総生産」という宣伝は嘘ではないらしい。
先述したような「ガス抜き」による効果と、ある程度の水準の生活保障により普通に生活する分には不自由がないこと、
そして多くの国民は独立性が低く体制依存の傾向が強いため、今日まで表立った混乱や危機もなくこの国家体制が保たれている。
作中では「成功したファシズム」「とてもよくできている狂った国」とも評されている。

国旗の色は「クリムゾン・レッド」「血痕」と称されている。漫画版ではもろに「旭日旗」である。


◆余談

ネット上には大量のバトル・ロワイヤルのゲームが存在し、PCや携帯端末など、様々なメディアで遊ぶことが出来る。
またゲームだけでなく、これの設定を参考にして版権キャラに殺し合いをさせるSSや漫画も多数存在し、それらは「パロロワ」という俗称でも呼ばれる。
さらに、劇中においてコイントスでゲーム参加を決め多くの生徒を殺した桐山和雄が、もしゲームに参加しなかったら……というものを筆頭に、本編のifを描くような多くの二次創作を生み出した。
ただ、プログラム参加者だけでも40人前後+運営などの関係者という多数の登場人物を矛盾なく描写することは簡単ではなく*23、未完となってしまうことが多いジャンルとしても有名だった。
当時のファンなら、追いかけていた作品の更新が途絶えて残念な思いをした人もいることだろう。

原作小説は当初日本ホラー小説大賞に応募し、最終選考まで残ったほどなのだが、審査員からはかなりの不評を買い、あえなく落選。
後々のコンテンツの発展性とは裏腹に、設定はともかく文学作品としての質はあまり高く評価されなかった。
とはいえ落選自体が話題を呼んだことも確かであり、エンターテイメント的にも高いポテンシャルを秘めた本作は、サブカル系出版社の太田出版が拾い上げ、出版された。

本作のヒットにより、「最後の生き残りを目指す」形式のことバトロワまたはバトロワ形式と呼ばれるようになった。
また「ロワイヤル」という題からバトル・ロワイヤルというフランス語のように見えるが、
実際にフランス語で表現する場合は「バタイユ・ロワイヤル」(Bataille Royale)が正となる。

映画版トリビア

桐山和雄役の安藤政信氏は劇中では一切台詞が無いが、脚本の決定稿では最終決戦時に『フルメタル・ジャケット』をオマージュしたセリフを語るシーンがあった。
しかし、撮影時に安藤氏が「セリフなしで演りたい」と申し出、深作監督が快諾。
結果、安藤氏はシリアルキラーとしての桐山和雄を表情と動きだけで演じきった*24

映画版では「大東亜共和国」の国名は削除され、明言はされていないながらも、現実の延長線上にある「日本」の出来事として描かれた。
企画当初、このあたりも東映や映倫から難色を示された点で、「現実に近い日本」の「現実に存在する中学三年生」を殺し合わせるという舞台設定には強い反発があった。
結果「日本」を明示する描写は削除され、R-15指定を受けることで妥協されたという。

軍事要素を含んだ邦画では自衛隊が制作に協力することが多いが、この作品に限っては自衛隊は一切の協力を拒否している。
軍隊が自国民に銃を向け、本来守るべき未来ある青少年に殺し合いを強制するインモラルな映画に、
実際に国防を担う(事実上の)国軍が撮影協力することなど論外であり、製作側も覚悟はしていたらしい。
取材協力を得ればクレジットに載せざるを得ず、そうなれば現実の自衛隊のイメージを激しく棄損する事は想像に難くない*25
そのためあくまでも登場するのは「国防軍」である。いいね?

上記の経緯故に、隊員役の俳優への演技指導には元・陸上自衛官に協力を依頼し、俳優陣に自衛隊式の動作を叩き込んだ。
その指導たるや堂に入ったもので、小道具とはいえ小銃一つ粗雑に扱えば怒声が飛んだとか。
また、劇中に登場したヘリコプターやジープ等は、全て民間企業や個人所有するマニアから借り受けたものである。

映画において登場し、軍がプログラムの進行を指揮した校舎は、実際の廃校舎を改装して使用している。
元は外装がレンガづくりで、牧歌的な学び舎といった趣きだったため、全面に紙を貼って寂れたコンクリート造の廃校舎を演出している。
また、劇中では教室の床に透明のビニールシートが中途半端に敷かれているが、これは改装工事中の床養生の名残である。
深作監督が養生を剥がす前の教室を視察した際、その雰囲気を気に入った事で急遽シートを敷いたままにさせた。

原作や漫画版における城岩学園中学校の制服は黒の詰襟とセーラー服だが、それでは映像化にあたって血痕が目立たないという点から、ベージュのブレザーに変更された。
激しいアクションシーンに備えて、女子のスカート内にはフリルが追加され「事故」を防いでいる。

かのバイオレンス映画監督、クエンティン・タランティーノが本作を高く評価した*26ことは有名で、
特に栗山千明氏の迫真の演技に惚れ込み、自身の監督作『キル・ビル』に起用するに至った。推しの演出は映画監督の特権


この項目はもう駄目になってしまいました。
だから、今日は皆さんに追記・修正をしてもらいます。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 小説
  • 映画
  • 漫画
  • 超問題作
  • BR
  • 3年B組
  • バトルロイヤル
  • 不朽の名作
  • スティーヴン・キング
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • バトロワ
  • 深作欣二
  • 高見広春
  • デスマッチ
  • リアルオンライン対戦
  • ヒャッハー
  • リアルデスマッチ
  • リアルFPS
  • 戦わなければ生き残れない
  • この世界に神はいない
  • 自衛隊「一切の協力をお断りします」
  • 香川県
  • 孤島
  • 藤原竜也
  • 藤原竜也の本気
  • バトル・ロワイアル
  • 東映
  • 狂気
  • 傑作or問題作
  • サバイバルゲーム
  • 命がけのサバイバルゲーム
  • バトルロワイアル
  • 邦画
  • R15+
  • デスゲーム
  • 殺し合い
  • キャッスルロック
  • 社会風刺
  • クエンティン・タランティーノ
  • フォーリング・ダウン
  • いつかギラギラする日
  • 反権力
  • 死のロングウォーク
  • バトルランナー
  • 前田亜季
  • 山本太郎
  • 安藤政信
  • 栗山千明
  • 柴咲コウ
  • 塚本高史
  • 高岡蒼佑
  • ビートたけし
  • 鬱展開の嵐

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月12日 01:10

*1 スティーブン・キング作品に登場する架空の町「キャッスル・ロック」のオマージュ。

*2 「料理が上手い」と言われたら「コックの息子やぞ」、「船も操縦出来るのか」と言われたら「漁師の息子やぞ」など

*3 クラスメイトの1人でありバイオリンを嗜んでいて県でも屈指のプレイヤーとされていた織田敏憲を上回るバイオリン演奏の腕であると地の文で描写されている

*4 更に再び自分を売ろうとした母親をはずみで殺害してしまい、預けられた先の親戚の家でも虐待を受けた上に、自分をいじめていた親戚の家の子供が転落死した際、現場に居合わせていただけなのに殺害の疑いを掛けられた事も要因となった模様

*5 まあ等身大の中学3年生では、銃器はおろかナイフすらまともに扱えなくて当然なので、フィクションとしてこれは致し方なしとするべきだろう

*6 やたらと顔がアップになるコマが多く、気色の悪い笑みを読者に見せ付けてくる

*7 お察しの通り、武田鉄矢のことである

*8 映画だと1クラス

*9 この際に保護者が強く反抗したりすれば、その場で暴行されたり銃殺されることもある

*10 漫画版ではさらに死亡者の死因まで

*11 ただし川田が隣県で行われたプログラムの優勝者であることには(漫画版では風貌がかなり変わっているとはいえ)誰一人気づいていなかったため、顔を覚えられるほど何度も報道されるわけでもないようだ。

*12 ちなみに現実の刑法において、水道を汚染させ使用不能にする行為は水道汚染罪・浄水汚染罪にあたり、(支給武器にもある)毒物の混入は水道毒物等混入罪が適用される。死者が発生した場合は死刑適用もありうる重罪である

*13 漫画版での描写。

*14 劇中の大東亜共和国≒日本は反米国家であるが、GPS衛星が米国由来のものかは不明。現実でも米国製システムへの依存を避けたいロシアや中国等が、独自の測位システムを運用している

*15 作中では政府のサーバにハッキングし設計図を盗み出したと説明されたが、海外のネットに先述の国外輸出モデルのデータがあれば、そこからの情報流出も考えられる

*16 ぶっちゃけ時間をかければペアを探し出すことは難しくないであろうし、なぜか刑務所からの脱獄では首輪は爆発しないという重篤な欠陥がある。劇中の警備の緩さからも、全員で暴動でも起こせば脱獄自体は容易であろう。いろいろとガバガバな映画だが、ペアリングされた爆弾首輪という異常な状況の緊迫感と、そのギミックを効かせたラストシーンは見ごたえ十分。

*17 いつまで経っても出発しない生徒は殺害される。

*18 劇中で赤松がやってみせたように、先発した生徒が有利となるのは明白である為、これを不作為な順序にさせる意図があると思われる。それなら最初からアトランダムに出発させれば解決するのでは……

*19 ここまでの高機能化までには長い年月がかかったようで、初期のモデルは重すぎて首を骨折する事故が起きたり、誤動作により生存者全員の首輪が誤爆する事態が発生している

*20 男子20番・元渕恭一は、父が県の環境部長であることから自分のクラスが選出されるなどあり得ないと強弁したが、「特別扱いされるなど考え違い」であると一蹴され、クラスメイト同様に『プログラム』に参加を強制された

*21 1966年まで分断国家であったことから、近代戦史は概ね現実に即していたと考えられる。登場する兵器も実在するものがほとんど

*22 歌謡・映画・文学等

*23 原作小説でも、殆ど触れられないまま最終盤まで生き残り、ようやく登場したと思ったら自滅同然に退場という、凄まじく雑な扱いの生徒がいる

*24 それが好評だったのか、漫画版でも殆ど台詞が無かった。

*25 自衛隊も怪獣・災害を扱った映画などには協力的だが、それはあくまで命懸けで国家国民を保護する、勇敢・誠実な組織のイメージを損なわない範囲での話。防衛出動の描写であろうとあまりに弱く描かれると難色を示されるくらいには、自衛隊は映画内での印象に厳しいのである。

*26 と同時に深作欣二の大ファンである。