スウェン・カル・バヤン

登録日:2011/10/04 Tue 20:22:24
更新日:2024/02/14 Wed 00:36:08
所要時間:約 4 分で読めます







消えろ、コーディネイター共。




スウェン・カル・バヤンは機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERの登場人物。立ち位置的には主人公に当たる。





【性格】
幼少時は天体観測が好きな少年で、天文学者になることを夢見ていた。

だが、テロに巻き込まれ両親が死亡した後、ブルーコスモスの施設に引き取られ、
コーディネイターに対する徹底した洗脳と、兵士としての過酷な訓練を受ける。そのため寡黙で冷徹な性格へと変貌してしまった。

しかし今でも夢は忘れておらず、ユニウスセブン落下事件の際に地球へ降り注ぐコロニーの残骸(流星群)を見上げていた。

任務を淡々とこなし、民間人を殺害することも躊躇しない。
しかし、洗脳が不完全だったのと、本来の優しい性格から心の隅では感情を押し殺しながら戦っている。
それを表すように、コーディネイターの難民キャンプの殲滅を命じられた時は上官に疑問を投げかけていた。


残念なのは、いかんせん本編が50分弱と短いため、キャラの掘り下げが不十分な点。
コミック版、ΔASTRAY、その他ホビー誌などで補足や補完がなされているが、それでも不十分感は否めない。



【戦闘力】
電極によるバイオフィードバックを用いた洗脳教育や、ある程度の投薬こそ受けているが、
世代的にはより強力な薬物投与や強化手術を施されたブーステッドマンやエクステンデッドより以前に養成された兵士であり、
その上で教官が温情のある人だったことで過剰な投薬の類も制止された*1ことから、
投薬の禁断症状や情緒不安定性はないが、心身共にナチュラルに近いため、良くも悪くもナチュラルの兵士と大きな差は無い。

しかし、特殊訓練で培ったその実力はナチュラルの一般兵はもちろんのことながら、ザフトの一般的なコーディネイターパイロットも軽く凌ぐ高い戦闘能力を誇る。
特殊部隊内で見ても抜きん出て能力が高く、過去に同僚2人を相手にした模擬戦では僅か5分で彼らを沈黙させた実績を持つ。

チームワークで対抗したり、キラ達コーディネイターが戦場を圧巻するこの作品に置いては稀少な、彼らと単独で渡り合えるだけの実力を持ったナチュラルであると言える。


操縦が困難なIWSP仕様の機体を難なく操る彼だが、コロニー等の建造物内もスムーズかつ縦横無尽に活動出来る、アンカーワイヤーを駆使した移動戦闘術を好んで扱う。
ファントムペインは隠密裏の任務に多く従事することもあって、その戦闘スタイルは開発スタッフからも評価され、スウェンの経験や戦闘データはノワールストライカーの開発に活かされることになった。


余談だが、スウェンはノワールストライカーを十全に使いこなしているが、IWSP装備のストライクEとはより長い間苦楽を共にしただけに、スウェン当人が無自覚ながらIWSPはノワールに勝るとも劣らないほど体に馴染んでいる。
後述のマーシャンの駆るΔアストレイとの戦闘においては、ストライクノワールによって片腕を奪い形勢有利になったのはあれど、IWSPに換装した途端に、スウェン自身も意識しないほど自然体で機体を操ってΔアストレイを文字通り瞬殺してのけた。



【劇中での活躍】
本編開始以前から連合軍の特務部隊ファントムペインに所属しており、ユニウスセブンの落下後には世界中の戦場を転戦。戦果を挙げていた。
その最中、ステラ機のデストロイを搭載した戦艦ボナパルトの護衛任務に当たるが、同僚のミューディーが凄惨な戦死を遂げる。
彼女を手に掛けた3機のケルベロスバクゥハウンドを瞬く間に殲滅し、その後ストレッチャーに横たわるステラと邂逅しており「長くはないだろう」と寿命を看破していた。
そしてDSSDの外宇宙探索MS「スターゲイザー」を奪取する為に宇宙に上がり、DSSDと交戦。

戦闘用MSではないとは言え、セレーネ、ソルが操るチート性能のスターゲイザーと激戦を繰り広げるが、同僚でありミューディーの死で暴走傾向にあったシャムスが戦死。
彼の戦死を悔やんだ一瞬の隙に攻勢に出られるなど、一時は追い詰められながらも武装用バッテリーのエネルギー切れまで追い込んだ結果、
スターゲイザーのヴォワチュール・リュミエールの超長距離移動で一緒に吹き飛ばされる形で、機体が破損しながらもスターゲイザーと共に金星近くの宙域に漂着。

戦うような状況ではなくなり、セレーネの説得に応じて一緒にスターゲイザーによる太陽風を利用した帰還を試み、ストライクノワールの残存エネルギーをスターゲイザーに移譲。
セレーネはエネルギーは帰還に支障なしと判断するが、試算したところコックピット内の酸素量に対して帰還までに必要な酸素量が不足していた。
酸素の節約のため、両者共に体の代謝を限界まで下げる薬品を投与し、賭けに等しい帰還の旅を始める事になる。
それぞれの夢を語り合い、母親の面影をセレーネに見た後、冬眠状態になる。




アニメではセレーネと共にスターゲイザーでDSSDのトロヤステーションに帰還したが、コックピット内の酸素量が限界を迎えており、生死の明確な描写はなされなかった。
漫画版では生存が描写されており、セレーネの説得を受けもう一度星を目指すためにDSSDに参加する(カバー裏のDSSDパーティーの片隅に彼の姿がある)。
戦闘の後遺症なのか、杖をついて歩いているがMSの操縦には差し障りの無いものとされている。
なお、ロゴスメンバーがデュランダルの告発後に死亡あるいは拘束された煽りで連合軍が行っていたブーステッドマンやエクステンデッドを始めとした非人道的な行いが芋蔓式に明るみとなり、ファントムペインは事実上解体された事が示唆されている。



【その他媒体での活躍】

アニメ公開と共にいくつかの媒体でメディアミックス展開がなされた。


以下、紹介
  • ΔASTRAY
プラントの賓客であり憎きコーディネイターでもある、マーシャン使節団のアグニス達と幾度か交戦。
戦闘用コーディネイターであるアグニスのデルタアストレイと互角に渡り合った。
普段の編成で交戦した際には、遮蔽物を物ともしないシャムスの見事な曲射等、手練れとして腕を振るうも取り逃がす。
その後の空中戦が可能な兵装を与えたオーブの下級氏族を引き連れてオーブでの海上戦を決行。
噛ませ兼予備兵装の荷物持ちである彼等を踏み台にする作戦勝ちとはいえ、デルタアストレイを墜とす等の活躍を見せる。

  • 漫画版
本編を補足する形で展開され、両親が政界と繋がりを持っていたり、帰還後に生存した事が明かされた。

  • ホビー誌
ストライクノワールや、ストライクIWSPの発売に合わせて電撃ホビーやホビージャパン等でも登場。
コートニーのプロトザクとは互角の死闘を繰り広げた末に撃退したり、模擬戦でシャムスとミューディを同時に相手にして勝利するエピソード等が掲載された。



【ゲーム】
  • 連合vs.Z.A.F.T.IIPLUS
ゲーム初登場。セリフもそこそこある。
また、この前後にスウェンを演じた声優の小野大輔は「自分は全ガンダム肯定派」とコメントしている。

  • EXVSシリーズ
EXVSFBよりストライクノワールと共に復活、後に前作に当たるEXVSの家庭版にDLCとして参戦し、以降EXVSMBONまで継続して登場。
原作通り、コーディネーターが関わると敵意を向けたセリフを喋る。
どういうわけかGガンダムのシュバルツとの掛け合いが多い。
シュバルツのテンションの高さとスウェンのテンションの低さとのギャップから生まれる天然ボケは一聞の価値あり。

  • スパロボシリーズ
Kでめでたく初参戦。KのSEEDはコーディネイター至上主義と言っても過言ではないため、
数少ないナチュラルのスウェンでは魂があってもキラ・アスラン・シンレベルに手が届かない。

シナリオ面での扱いもほぼ空気。挙句の果てにノワールはスウェン専用機なのでかなり持ち腐れ感が漂っている。まぁ本編が短いし、シナリオライターがアレなんで仕方ない。
そういう事もあったのか、アンソロジーコミックで彼とシン、そして何とイザークとの絡みを描いた作品が掲載された。

かつての仲間2人の死の悪夢にうなされるスウェンを立ち直らせようとするシンとイザークの行動はかなり熱い。


なお、乗機であるストライクノワールは種系ガンダムの中でもトップクラスの人気を誇る。




漆黒のボディ、2丁拳銃&大剣二刀流という設定が厨二心をくすぐるのだろうか。






俺は・・星を目指したい!

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最終更新:2024年02月14日 00:36

*1 劇中でアズラエルと担当の教官と思われる人物が口論をしているワンシーンがあり、投薬の事で揉めていたものと思われる