ストライクE(MS)

登録日:2012/06/03(日) 00:43:25
更新日:2024/02/12 Mon 12:30:12
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ストライクEとは『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)。
TVシリーズには登場しておらず、主に外伝系作品で登場する。


目次





基礎データ


型式番号:GAT-X105E
全高:17.72m
重量:64.8t
動力:内蔵バッテリー
装甲材質:ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲

武装:
M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×2
EQS1358 アンカーランチャー×6
M8F-SB1 ビームライフルショーティー×2
175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル

特殊装備:
パワーエクステンダー
ストライカーコネクタ

パイロット:
スウェン・カル・バヤン
エミリオ・ブロデリック
ダナ・スニップ
ルカス・オドネル


機体解説


地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」の依頼で発動された民間軍事企業アクタイオン・インダストリー社を中心とした複数の軍事企業チームによる新型機開発計画、通称「アクタイオン・プロジェクト」にて産み出された機体。
同計画で再製造されたX105ストライクに、その試験及び実戦データなどをフィードバックした改造を施し建造された強化発展機。
機体名の「E」は「Enhanced(強化型)」の頭文字。Experimentではないので注意。

ちなみに、当初は前大戦で入手されたニュートロンジャマーキャンセラーを備えた核エンジン搭載機を造る予定だったが、ユニウス条約が締結される見込みとなったことでこのプランは頓挫。
その代替としてアクタイオン・プロジェクトが立案されたという。


先述の通りストライクをベースに設計されているため、ボディのシルエットはストライクと共通する部分が多いが、機体全体に手が加えられている。
元々高かった基本性能を維持しつつ、テストパイロットを務めたスウェンの意見も取り入れられる形で設計された。
特に彼の搭乗した機体にはその操縦に合わせた調整がなされている。
また、本機はノワールストライカー(後述)共々接近戦に特化した機体として改造するよう要求されており、そのオーダーに従った仕様となった。
とはいえ、背面や腕部のコネクタは残されており、ストライカーパックシステムによる高い拡張性は失われていない。
ただし機動性強化の一環で肩にバーニアが追加されたため、一部のストライカーは肩に干渉して装備出来なくなっており、これに対しては装備類のレイアウトを変更した「アナザートライアル」と呼ばれるタイプのパックを開発することで対処している。
なお、この問題はアクタイオン・プロジェクトの後継プロジェクトである「オルタナティブ・プロジェクト」において、肩部スラスターを取り外し可能な仕様にアップデートしたことで解決している。

頭部はバルカンの改良による給弾経路の変更と強化型統合センサーシステムの搭載の影響で再設計され、スリットが2本増加、位置も変わっている。
また、戦闘時の即応能力や接近戦時のデータ通信の信頼性を高める改良を施している。

腕部は外見こそあまり変わっていないが、中身はかなりの設計変更が行われている。
特に前腕部はアンカーを追加したことでかなり変わっているが、設計者達が頑張ったおかげで変更前からの「人間に近い性能を持つ」と言われる程の能力は維持できている。
だが、ただでさえ低い整備性とコストパフォーマンスは更に悪化した。

装甲はPS装甲からVPS装甲に換えられたが、これは原型機がPS装甲の依存度を上げることで軽量化と運動性アップを図った弊害で、
PSダウン時の抗甚性が下がってしまったことへの対策とされる。
当然、装甲は装備したパックの戦闘スタイルに応じ予め設定された電圧に自動調整され色も変化する。
ストライカー無しの状態でのデフォルトはトリコロールカラーだが、ストライクと比較すると白い部分は若干灰色がかった色になる。


稼働時間の短さはオーブから技術流出したパワーエクステンダーの搭載で解決され、制御用AIにも手が加えられたことでナチュラルでも乗りこなし易くなり、
結果としてC.E.73年時の新型機にも全く引けを取らない高性能を獲得している。


なお、同プロジェクトで造られた他の4機よりも汎用性が高かったことから、後の地球軍MS開発の新しい起点になれるだけの可能性をもっていた。
そのためか最初に計画で直接建造されたスウェン機の他にも複数の同型機が製造され、作中では計4機が登場した。



武装


  • トーデスシュレッケン
頭部に内蔵。
イーゲルシュテルンより口径が1/6に小型化されたが、威力の低下は半分に抑えられた。

  • アンカーランチャー
手足に内蔵。
接近戦特化の要求に応えて追加され、攻撃や拘束など様々な使い方が可能。
ワイヤーは単分子繊維の芯線を特殊なポリマーでコーティングして強度としなやかさを両立させている。
総重量100t程度の物を引っ張ったりしても千切れない。

  • ビームライフルショーティー
専用の小型ビームライフル。
通常のビームライフルから銃身を詰めに詰めて小型化し、射程の低下と引き換えに接近戦での取り回しを良くした。
結果、ダガーLのビームカービンよりも小さくなっており、見た目はもはや拳銃である。
腰のサイドアーマーに一丁ずつマウントされている。
マウント位置が被るアーマーシュナイダーはオミットされた。

  • ビームライフル
デュエルガンダムの物と同じタイプ。
熟練パイロット達からの評価の高さから試作品ながらベストセラーになった。



ストライカーパック装備形態


ストライクE+I.W.S.P.

型式番号:GAT-X105E+AQM/E-M1

統合兵装ストライカーパック「I.W.S.P.」を装着した状態。
VPS装甲は再生産ストライクとほぼ同じ暗いトリコロールカラーとなる。
元々プロジェクトの段階で再生産ストライクとI.W.S.P.の組み合わせでデータを収集し、その結果からストライクEとノワールストライカーが設計されているため、完成型であるストライクEは勿論試験で乗り続けたスウェンとは相性が良い。
ただしI.W.S.P.自体の使い難さは変わっていないため、敢えて使用してはいない。


『ΔASTRAY』中盤、オーブ近海でのマーシャンのデルタアストレイとの戦闘の際、ノワールストライカーを破壊されたスウェン機が味方機からI.W.S.P.を奪って戦闘を続行し、勝利している。
ちなみにこの時使用されたのはオーブ軍が保管していたオーブ製のI.W.S.P.。
戦闘後即座に帰投しているため、パックがちゃんと返還されたかは不明。



アナザートライアルソードストライクE/アナザートライアルランチャーストライクE

「アクタイオン・プロジェクト」において、初期GATシリーズの再生計画と並行して進められた試験型ストライカー開発の過程で改修された、格闘戦/砲撃戦用ストライカーを装着した状態。

アナザーソードストライカーはマイダスメッサーをパンツァーアイゼン基部に移植し、それを両腕に装備することで武装を充実させている。
VPS装甲は淡い水色。

アナザーランチャーストライカーはコンボウェポンポッドを背部ユニットに新設したジョイントに接続することで火力の低下を防ぎ、取り回しの利便性も改良されている。
VPS装甲は濃い緑色。

『ΔASTRAY』の後日談『STARGAZER PHANTOM PAIN REPORT』において、マーシャンとの戦いに敗れたエミリオとダナが、取材に来ていたジェス達の地球軍施設の調査に同行した際、施設で研究されていたこれらの装備を装着した2機のストライクEで脱走を図った(エミリオがソード、ダナがランチャーに搭乗)。
が、マーシャン達との交流で心境が変化していたエミリオは突如ダナ機を真っ二つにして投降している。



ストライクノワール

型式番号:GAT-X105E+AQM/E-X09S

「ノワールストライカー」を装着した状態。
VPS装甲はカラーリングが黒基調に変化。
汎用性と引き換えに単独飛行能力を付加し、砲撃・格闘性能を強化している。
詳しくはリンク先で。



個体情報


ストライクE(スウェン機)

アクタイオン・プロジェクトで直接製造された機体。
試験を経て開発されたノワールストライカーを基本装備に「ストライクノワール」としてファントムペインのホアキン隊に配備・運用された。

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』では主役機の一角を務め、『ΔASTRAY』などにも登場しており、ストライクE(ストライクノワール)といえばこの機体を指すことが多い。


ストライクE(エミリオ機)

ストライクE(ダナ機)

先述の通り『STARGAZER PHANTOM PAIN REPORT』に登場。
アナザートライアルストライカーの研究施設に残されていたが、登場直後にエミリオ機がダナ機を破壊。
エミリオ機がその後どうなったかは不明。


ストライクE(ルカス機)

FRAME ASTRAYS』に登場。
FUJIYAMA社が地球軍内の軍事産業のシェアを奪取すべく立案した新型機開発計画でベース機として用意された。
ザフトから寝返り同社の預かり兵となっていたルカス・オドネルをパイロットに据えている。

左肩にルカスのマーキングは入っている以外は他のストライクEと外観・装備も同じ。
だが、これまでの戦闘経験を元にルカス自身が四肢制御の分散処理プログラムに手を加えており、その結果性能が改良前とは段違いに上がった。
ストライカーは主にI.W.S.P.を装備し、レールガンで長距離砲撃して敵を混乱させた後に斬り込む戦法を得意としていた。
ソードとランチャー、二種のアナザートライアルストライカーも用意され時折使用されている。

増援として東アジア地域の連合軍基地に配備されザフトと戦ったが、途中左腕を破損。
その後ルカスと共に連合を裏切り、I.W.S.P.は偽ブルーのパイロットに譲られたが、機体の行方は不明。


ストライクE(AP再現機)

ダブルブイことヴァレリオ・ヴァレリとロウ・ギュールが手を組んだ狂気のプロジェクト「オルタナティブ・プロジェクト」により、シミュレーション上で再現された機体(実機は建造されていない)。
基本的にはノワールストライカーを装備したストライクノワールの状態で検証が行われている。
上記の通り肩に設計変更が加えられ、肩部スラスターが取り外し可能になった。
これにより通常のソード及びランチャーストライカーを装備することが可能になり、運用性が大幅にアップしたアナザートライアル二種の立場が無くなってしまったが
またノワールストライカーの基部にも設計変更が加えられ、シュベルトゲベール及びアグニの懸架アームを装着可能。
これによりノワールストライカーを装備したままソード&ランチャーストライカーも運用可能と言う発展性も手に入れたが、当然ながらエネルギー消費は増すため繊細な運用が求められる。
またロウの工夫により全体的に整備性が向上している。

軍部にプレゼンを行った所高い評価を受け、今後建造されるストライクEやストライク系の次世代機に技術がフィードバックされていく予定。


関連機体


ストライクガンダム

開発時にベースとなった機体。


ブルデュエル

ヴェルデバスター

ネロブリッツ

ロッソイージス

同じくアクタイオン・プロジェクトで開発された前期GAT-Xシリーズをベースとした機体群。
全機ファントムペインに配備された。
その他同プロジェクトではアストレイノワールブラウカラミティロートフォビドゥンゲルプレイダーなども開発されているが、こちらは計画が私物化された後の産物でありほぼ別ラインの機体となっている。


ライゴウガンダム

型式番号:GAT-FJ108
連合側の軍需企業フジヤマ社(日本の企業と思われる)が開発した機体。
開発時にストライクE(ルカス機)のデータが使用された。
詳しくはリンク先で。



立体化


ガンプラ

ストライクノワールは早々にキット化されていたが、ストライクEとして発売されたのはMG版のルカス機(I.W.S.P.装備)が初。
マーキング以外に本来のストライクEとの違いはないため、ノワールのマーキングシールを流用してスウェン機と気取るのも悪くない。
同スケールのストライカーの装着も可能である。



余談


本機と同じように「ストライカーパックシステム装備型だが肩にバーニアが増設されていて一部の装備が追加できない」ウィンダム(MS)との関連を指摘する声もある(どちらの開発が先行していたのか、ウィンダムにアナザーストライカーパックが装備可能なのか明言した資料はない)。


上記の通りアニメや漫画に登場してはいるのだが、『STARGAZER』で登場したストライクノワール形態の知名度がダントツで高く、ゲームなどへの出演も多い。



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最終更新:2024年02月12日 12:30