サンダーフォースⅤ

登録日:2012/01/17(火) 00:40:47
更新日:2023/05/17 Wed 09:33:44
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Thunder Force Episode Five.
"The Vastian's Steel"



サンダーフォースⅤ(Thunder ForceⅤ)とは、1997年にセガサターン用ソフトとして、テクノソフトから発売されたシューティングゲームである。
通称TF5・TFV・シリーズ完結作

5年ぶりの新作であることや、ハードが上位機種になったこともあり、3Dでの描写になっているのが特徴。
一方プレイ感覚は2DSTGと同様でシステムも基本的に前作を踏襲しており、3D描画は演出面で活かされている。

前作のサンダーソードを発展させたシステムとして「Over Weapon」が新たに登場。(以下OW)
これはクローの耐久力を消耗することによって一時的に武装を大幅強化するというもので、
これによって敵に大ダメージを与えたり雑魚を一気に薙ぎ払ったりなどが可能。これまでの作品にない爽快感を堪能できる。
発動・停止は任意なので、クローの消耗を抑えつつ使用という使い方も可能。

新たに弾や障害物を掠めることでスコアが加算されるスクラッチボーナスと、
タイムゲージが付いた敵を手早く倒すことによって最大16倍のスコアになるハイテンポボーナスが追加された。

一方、ボスの耐久力がOW前提となっている為、前作の問題点だった「サンダークローがないと不利」という事態が再来してしまっている。
また、「銀河連邦とオーン、そしてファウストとの戦い」が描かれた前作までと違い、突如地球が舞台になったため、多くのファンが困惑した。
ドリームキャストでTF6が企画されていたらしいため本来はそちらでストーリーを繋げるつもりだったのかもしれないが、それより先にテクノソフトが倒産してしまったため、前作までの伏線は尻切れトンボのままとなってしまう。

SS版はあっさりカンスト・処理落ちという諸問題がある。

楽曲は九十九百太郎が担当。過去作のフレーズを織り込んだメロディックメタルな楽曲群は評価が高い。

ゲームデザインだけで見れば大味な感は否めないものの、STGの醍醐味の一つである爽快感とカッコよさをひたすら追求した作風が大受けし、
シューターからは同年代の作品Gダライアスレイストームアインハンダー等と同列と評価される傾向にある。
セガサターンマガジンの読者レビューでは当時衰退していたSTGにも関わらず、6週連続1位という快挙を成しえた。

翌年には「No. 1シューティング」というキャッチコピーを引っさげてPSに移植。描画性能や音源の違いから音声や演出が劣化・変化しているが、
SS版での問題点(特に処理落ち)が多数解消されており、追加要素もある。
ある爆撃が原因で一時期SS・PS版共に中古相場が高騰(1万円オーバー)していたが現在ではある程度落ち着いている。
また、ゲームアーカイブスでPS3とPSP向けに配信中。2016年4月に一度配信が停止してしまったが、全テクノソフト作品のライセンスを取得したSEGAによって再開された。

●ストーリー
西暦2106年。冥王星外部にて人類外知性の建造した戦闘兵器を発見。
Vastian's Steel、人はそれを、『偉大なる者共が作りし鉄塊』…『Vasteel』と呼んだ。

西暦2139年。太平洋上に大型無人人工島『BABEL』と…管理システム『Guardian』及び、Vasteel-Tecnology研究施設を建設。

そして西暦2150年。何故なのかは、誰も知らない。自由意思を得た『Guardian』による全人類への突然の宣戦布告。
Vasteel-Technologyによって、生み出された、戦闘兵器群との第一次交戦。
そして、特殊戦闘機部隊『Thunder Force』による…『Guardian』及び、『BABEL』破壊作戦が開始された。

●用語
◆Thunder Force
Ⅰ~Ⅳまでは『対オーン帝国対抗作戦』として使用されていたが、本作では特殊戦闘機部隊222、通称「Thunder Force」の通称として使用されている。

◆Vastian
「偉大なるもの」の意。「Vasteel」を建造した外宇宙生命体であり、前作までの銀河連邦を示す。

◆Vasteel
前作の自機RYNEXの残骸。詳しくは前作のED参照。
「Vastean's-Steel」の略で「偉大なるものの遺せし鉄塊」。様々な技術がVasteelを元に生み出された。
解析は一部を除いてほぼ終わっており、現在はBABEL内部に保管されている。

◆Guardian
Vasteel-Technologyによって生み出された人工知性。Vasteel Technologyの殆どを管理し、人類に多くの恩恵をもたらしたが、突如人類に反乱を起こす。
Vasteel Technologyによって作られた強力な兵器群と、旧世代の兵器の制御中枢を掌握する超干渉能力により圧倒的な戦力を誇るものの、
確実に勝てる所でも撤退したり、自分で自分の兵器を破壊するなどの不可解な行動も見せる。
その真意は…?

◆セネス・CTN・クロフォード
シリーズ唯一の女性主人公で、『Thunder Force』隊長。現32歳。肉体年齢は20歳。
CTNはクローンを用いた擬似的な不死の意で、彼女は死ぬたびにCTNクローンとして登録された18歳の肉体で蘇る。
ちなみに2回死んでて色白のロリババア。
同人CD版サントラ「Lost Technology」での声優はドm…児玉さとみ。

◆Reffi
RVR機のナビゲーションシステム。
Guardianの干渉からの機体保護や火器制御・思考同調によりパイロットを補佐する。
元ネタはリフ(Riff)からか。ちなみにVerはSS版が1.02でPS版は1.03。ビュアーモードのみ1.04。

[自機解説]
※RVRとは「Refined Vasteel Replica」の略であり、Vasteelの模造品。名称は全て防具に由来。RVRの名称は三菱の自動車が元ネタ。

RVR-01 GAUNTLET
前半主役機。
「兵器としてのVasteelの再現」がコンセプトであり、砲身にカバーが取り付いてることを除けばRYNEXに酷似。OW発動時にカバーがスライドする。
なお、OPでは砲身を完全に開いた状態が確認でき、シューティングゲームヒストリカで再現も可能。
カラーリングはFIRE LEO系と違い、青と白基調。
『Thunder Force』の主力機として活躍するが、セネス機を除き4面までの戦闘で全機撃墜されてしまい、セネス機もVAMBRACEへの換装のためにコクピットブロックを残して解体された。
デザインの元ネタはSガンダム
名称は篭手の意。

火力特化のEx・速度特化のHis・量産性重視のEの派生機が設定上存在する。
Eは5面の背景でも登場し、PS版で隠しコマンドで全機使用可能。

RVR-02 VAMBRACE
Vasteel-Tecnologyと人類の最先端技術を掛け合わせた新型。5面からの主役機。
設計過程でコストに問題が生じ、後半に登場する試作機しか現存しない。
武装が一部変更され、クロー回復速度も向上している。OW発動時は光の翼こと、第6のOWにあたるイシュターエッジを展開する。
元ネタは多分ΖプラスのWR。
名称は腕甲の意。

RVR-02B BRIGANDINE
VAMBRACEに支援ユニット「BRIGANDINE」を装備した形態。
単体での大気圏突破能力に加え、CRAW強制増殖機構によってOWが使い放題。更に強力なシールドも兼ね備える強行型。
因みに公式設定での読みは「ブリガンディ」なのだが、ファンから良く「ブリガンダイン」と呼ばれる。「シューティングゲームサイド」で組まれたシリーズ特集でも後者の読みが使われていたのでこちらも半公式化しているといっていいだろう。
まかり間違っても大気圏離脱ブースターではない。推進力強化と強行突破に特化した武装である。
よくデンドロ呼ばわりされるが、モチーフはハミングバード。
名称は胴鎧の意。
因みに設定上はGAUNTLETとの合体も可能。

●武装
※クローを装備することにより、LEVEL0→1→2→3(最大)と微強化されていく。

  • ツインショット→ブレイド・OW:ソード
毎度お馴染み2連ショット。ブレイドは前作とほぼ変わらないが別に罠武器ではない…が、フリーレンジが強すぎて空気。
OWは前方に断続的にレーザーを発射。性質・名称から前作のサンダーソードを思わせるが、性能は普通…というより微妙。一応シンプルな分使い勝手はいい。
BRIGANDINE時もOWは変わらず。

  • バックショット→レールガン・OW:チェイン
毎度お馴染み前後方向にノーマルショット。従来作に比べて後方への弾が大型化しており威力も高いが、連射力が落ちている。
レールガンはブレイド同様Ⅳとほぼ変わらず。
OWは稲妻を後方に連射。一旦前方に展開するため、前面の敵にも当たる。
レールガンは減衰無しだとOW並みの威力であり、コンティニュー時のラスボス戦ではこれの使い方がキーとなる。
BRIGANDINEの場合、上下後方に高威力の貫通レーザーを発射。移動しながら放つと地味に射角が変わる。火力はフリーレンジに劣るが5面ボス第2形態の部位破壊にはこちらの方が便利。

  • ウェーブ・OW:スペル
と同名武装だが性質は少し異なり、前方に空間振動波を断続的に発射。地形を貫通する。
威力が低すぎて小型機の相手以外で4・6面くらいしか出番が無い。OWは範囲・威力強化だがド空気。
ただしフリーレンジ封印プレイをするならこれの使い方が重要になってくる。

  • フリーレンジ・OW:ウィップ
バランスブレイカー。IVのフリーウェイの発展型。
自機と逆方向に動く四角推のターゲットサイトを展開し、サイト内の敵に自機から3束・クローから1束ずつのレーザーを浴びせる。
ボタンを押している間(発射時)は射角固定される。敵が自機と近いほど威力が向上。
OWは超強化された稲妻レーザー。クローの消耗は最も低い。
デタラメな威力、百発百中の命中精度、広い射角など反則性能過ぎるが、破壊のカタルシスを最も味わえる武器。
一応、サーチ出来ない対象が居るのが弱点。

  • ハンター・OW:ニードル
毎度お馴染み高速追尾弾。今回は地形貫通しない。
フリーレンジの壊れぶりに隠れがちだがこっちも強すぎる。場所によってはこっちの方が便利なことも。
OWは針状の追尾弾を高速連射。展開時の変化中にも攻撃判定があり、密着して撃つと威力が大幅に上がる。

  • CRAW
綴り・設定は変わったが呼び名は以前と同じクロー。90兆のナノマシンとコアブリッドで構成された支援ユニットで、外殻が無く光球となっている。
意図的に暴走(ゲーム上は耐久力の低下)させることにより、OWを発動することが可能。
消耗しきった状態で被弾すると消滅してしまうが、時間経過により自動回復する。
3つ(Exのみ2つ)まで装備可能だが、前作までと違い回転速度が遅いのでやや防御に使いづらい。
装備したまま撃破されると画面中に散らばるが、バウンドしつつ一定時間留まり、再取得すると全快状態で再装備される。

  • シールド
耐久力3発。機体に纏わう帯状のエネルギーという感じ。
被弾すると変色する為、耐久力を把握し易い。

●ステージ
◆1面-「No Blue」 BGM-「Legendary Wings」
海上。殆ど演出面。BGM「Legendary Wings」の転調部分はIIIの「Back to the fire」の前奏部分のフレーズ。
ボスは空水両用型の機動兵器「DEEP PURPLE

◆2面-「Wood」 BGM-「Beast Jungle」
ジャングル。Guardianが生体兵器の実験を行っていた場所らしい。
スクラッチ稼ぎ名所だが判定が解かりづらいので事故らないように。
ボスはレギオンにそっくりな「Iron Maiden
弱点部位が分かれているので普通に戦うとやや手間だが、フリーレンジを使うと僅か数秒でケリが付いてしまう。

◆3面-「Human Rord」BGM-「Rising Blue Lightning」
ビル群。ここも演出面。
実は元々ハイウェイ上の戦闘予定だったらしく、ステージ名やバイク型の中ボスはその名残。
ボスは多脚型の可変戦車「A3(Armorment Armed Arm)」元ネタはアラバマ3から。

◆4面-「Guardian's Guardian」 BGM-「Cyber Cave」
BABEL強襲。コンテナ地帯はスクラッチ名所。オブジェクトの破壊にはウェーブが役立つ。
ボスは巨大戦闘機形態に変形する可変ロボ「Guardian's Knight」。Guardianに奪われた人類側の戦力のうち1機らしい。
超大型ビームソードや高難度時の弾ばら撒きには要注意。初見だと撃破後に……してしまうことも。

◆5面-「Judgement Sword」BGM「Steel Of Destiny」
支援ユニット「BRIGANDINE」を装備したVAMBRACEとドッキングし、艦隊戦・迎撃機を薙ぎ払いつつ敵母艦ジャッジメントソードを目指す。
1面同様BGMと演出のシンクロから人気が高い。
ボスはステージ後半に割り込んでくるRYNEXこと「Vasteel Original」。3種類の強化外装を取っ替え引っ替えしてくる。
ボス戦戦のBGM「Duel Of Top」は、前作のOP「Lightning Strikes Again」のアレンジ。
余談だがボス出現時のアラートを訳すと「全てはここから始まった」となる。
…見れば解るが封印の儀式などではない。そんなことを言う人はどれだけ目玉が腐っているのだろうか。

◆6・7面-「From The bottom of One's hart」 BGM-6面「Electric Mind」/7面「The Justice Ray Part2」
電脳空間。
硬い敵や攻撃を当てづらい敵が地味に多く、うっかりフリーレンジを無くそうものならかなり苦しくなる。
処女受胎なボスを撃破後、実質7面でGuardianとの決戦。
最終形態の攻撃が苛烈で、かつ前作の最強武器サンダーソードを使用する挙句、
実体化させて振り回してくる…のだが、これが場合によって画面の2/3を埋め尽くすと洒落にならない。
また、雄叫びを上げながら自機を捕らえて噛み付く攻撃はシールドが最大状態でも死ぬ(噛み付かれている内にシールドが減少する)。
噛み付き・サンダーソードは予備動作はあるので絶対に回避するように。剣実体化後?根性と運でしのいでください。
ちなみに開発スタッフ曰く「フリーレンジでさっさと倒してね」というニュアンスらしいが、ぶっちゃけフリーレンジがあってもかなりきつい。
PS版では頭部の耐久力が大幅に引き下げられているおかげである程度倒しやすくなっている。

>restart
>system "GUARDIAN"
>
>worldnet break down
>
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory error
>memory check ok

>playback

>"LAST LETTER"



●MD版
元々はMD用タイトルとして製作されていたが、一度お蔵入りした。
5面BGMであり人気曲「Steel Of Destiny」は元々本作の1面BGMとして用意されていたもの。

●タイトル
元々ローマ字のⅤではなく、英字のVのタイトルで製作されていた。
これは物語自体ほぼ外伝なのとVasteelに引っ掛けていることから。

●シューティングゲームヒストリカ
これまでガレージキッドで本作の主役機「GAUNTLET」はリリースされていたが、
2010年に「シューティングゲームヒストリカEX」としてマスプロダクトモデルが発売されている。
「BRIGANDINE」を含む全形態の再現(5面にのみ登場する擬似キャノピー付属)が可能。特に「VAMBRACE」・「BRIGANDINE」は初の立体化。
また、通販やコミケ限定販売として設定上のバリエーション機もリリースされていた。
現在は生産停止中で元々高額アイテムということもあってか価格相場が恐ろしく、入手困難。


追記・修正は難易度MASTERをクリアしてからお願いします。

画像出典

サンダーフォースVPerfectSystem PSP版タイトル画面より
(C)1996,1997 Technosoft Co.,Ltd. / Published by Twenty-One TecnoSoft div. 2016 (C)SEGA
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最終更新:2023年05月17日 09:33
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