真木清人

登録日:2011/05/28(土) 11:09:36
更新日:2023/10/21 Sat 07:41:56
所要時間:約 7 分で読めます






物語がエンドマークで完成するように


人もまた死で完成する……



真木(まき)清人(きよと)とは、『仮面ライダーOOO』の登場人物。ここでは、彼が変身する恐竜グリードについても解説する。

演:神尾佑

概要

通称「ドクター真木ィ!

鴻上ファウンデーションの傘下にある鴻上生体研究所の所長にして、オーメダルの研究を担う天才研究者である。

年齢は35歳。服装は主に黒いスーツと丸メガネ。

いつも腕の上に不気味な人形を乗せており、視線は常にその人形に向けている。
人との会話中も顔を合わせようとはせず、人形に話しかけるように喋るのが特徴。
(なおこの人形には本編では呼ばれないものの「キヨちゃん」という愛称が存在し、本項では以下こちらに統一する)

研究者らしく(?)平時は(目は合わせないが)基本的に敬語で話し、感情を表に出すことは少ないが、
後述の通りキヨちゃんが他人に触られたりすると「やめろ!」等の若干おかしなイントネーションで激怒し、
キヨちゃんが肩から叩き落とされたり、服に火が燃え移ったりすると、普段の冷静さが嘘のように取り乱す。
また、「実験」と称して部下の一人から生み出されたヤミーを放置し、結果として大勢の人の命を危機に晒す冷徹な一面もあり、
この時にはそんな真木の言動に激怒した映司に本気で殴り掛かられている。*1

劇中ではカンドロイドやメダジャリバーと言ったメダルシステムを用いたアイテムを開発し、その技術力は鴻上会長から評価されている。
一方で鴻上会長が物事の「始まり」と「誕生」を重要視するのに対し「終わり」と「終末」こそ人の人生に必要だと考えている。
これら思想の違いがあってか、鴻上会長は好意的に接すれど真木の方は会長を毛嫌いしている。
会長が付けた仮面ライダーバースの名前(誕生=バースデー)も気に入らなかった模様。

「無限の力を受け止める器」を作り出す事に関しても鴻上がオーズを候補に決めたのに対し、可能性の問題からグリードや人間を使う事を案に挙げた。
オーズが力を使った末に「終末」が起こりづらい事を知っていたのだろうか?


【キヨちゃんについて】

ドクター真木ィ!が常に肩に乗せているアンティークドール。
「キヨちゃん」という名称は本来演じた神尾氏と東映スタッフ間での勝手に命名した呼び名だが、
公式サイトに記載されたりこの名前で商品化されているので公式でこの名前でよいと思われる。

このキヨちゃん、本来はただの人形なのだが何故か場面ごとに違うポーズを取っていたり変なメイクになっている(眉毛が太かったり)ことが多い。
それどころか里中くんがキヨちゃん用のケーキを前に置いた際に 独りでにケーキのろうそくの火が消えたこともある 。呼吸している.....!?ただ、この人形の経歴を見る限り…
真木博士はこの人形に特段の思い入れがあるようで、場面ごとにキヨちゃん専用の小道具を用意したり、
車にわざわざキヨちゃん用シートが取り付けてあったりする。
その一方キヨちゃんが自分以外の人に触られたりキヨちゃんが傷ついたりすると取り乱してしまう。


対人関係

カザリ

第1クール終盤で自身の研究に興味を持ったカザリと接触し協力関係を作った。


「複数のメダルを取り込んだグリードがどうなるか」という実験を行うためカザリに暗躍させ、
メズールが力を制御出来ず暴走した時には「実験は成功」と評している。

以降はコアメダルを慎重に取り込むカザリを観察しているが、本音では「終末」を呼ぶために暴走を望んでいた。

しかし、この行動はオーズの形勢を悪化させる危険性があったため会長からの厳重注意を受けてしまう。


伊達明

中盤、バースの装着者である彼と研究所で同居する羽目に。

伊達はかなりマイペースであったため馬が合わず、振り回される傾向が強かった。


白石知世子

伊達のひょんな行動から知世子の存在を知り、彼女の動向を探る行動を開始。

実は知世子が幼い頃に亡くした姉と瓜二つであり、ストーカーみたいな行動も幼い頃に受けた姉の愛情に対する渇望が原因であった。

カザリが生み出したシャチパンダヤミーの騒動が原因で接触。
2人きりで会話する機会を得た真木は死んだ姉について語る。



以下、ネタバレ













来歴

幼少期、両親を失った清人は姉・仁美(演:甲斐まり恵(白石知世子と2役))によって育てられた。
姉は母代わりとなって清人に愛情を注いだが、時は経ち結婚を間近に控えるようになってから仁美は豹変。

弟を疎ましく思った姉から清人は疎外されるようになってしまう。
この時の仁美の顔は演出による効果もあってか、優しい時代からは考えつかないような禍々しい顔つきになっている。

姉の変化に傷ついた清人は、仁美の眠る部屋に火を放ち殺害してしまう。
この出来事が原因でかつての姉の部屋は真木の目には常に燃えているように映っている。


姉の殺害以降、彼女の教えである「人の人生は終わる事で完成する」を教訓に、
「人が醜く変わる前に世界は終わらせなければならない」と考えるようになった。
ただし、この姉の豹変に関しては清人自身の主観によるものであるため、
本当に仁美が清人を疎ましく思い、突き放すような態度を取っていたのか、
自身の結婚を期に清人に自立を促そうとした結果、彼に「優しい姉が変わってしまった」と誤解されただけなのかは不明。

ちなみにキヨちゃんは元々、姉から自分の代わりにと渡された人形であった。
その時には髪もちゃんとあったのだが、部屋に放火した際に燃えてしまった。
やたら火を消したがったのは人形にトラウマがあったから…なのかもしれない。



【30話以後】

自身の過去と思想を再確認した真木は鴻上ファウンデーションを離脱。

自身の旧宅を拠点にカザリやアンク(ロスト)と行動を共にする。


紫のメダルのグリード/恐竜グリード

会長との決別時に財団が保管していた恐竜系メダル10枚を退職金代わりに奪取。

新たなグリードを生み出そうと1枚を抜き取るも反応しなかったため、
プテラ2枚、トリケラ2枚、ティラノ1枚をカザリの手を借りて体内に取り込んだ。

これにより、戦闘能力こそ未知数だが強力なヤミーを生み出せる紫のメダルのグリードと呼ぶべき存在となった。
第42話の時点ではかなりグリード化が進んでおり、同話内で完全にグリード化したような描写が描かれ、
第44話にて遂にそのグリードとしての姿を披露。
用済みとなった瀕死のカザリを始末するためにその全貌を明らかにした。




オーズのプトティラコンボと同様にコアメダルを砕く力を持ち、
第46話にて意見が衝突したガメル完全体のサイメダルとゴリラメダルにヒビを入れ、これが彼の消滅の遠因となっている。

「コアメダルが10枚集まるのは危険」と考え、同じく恐竜系メダル5枚を取り込んだ火野映司との接触は避けていた。
しかしその後何を思ったのか、自らの紫のメダル二枚を映司に取り込ませ、彼をグリード化させた。

本人曰わく「グリードとして暴走させた方がメダルを奪いやすくなる」との考えからであった。

その後、更なる暴走を促すべく五枚も投入しようとするが、土壇場でアンクに邪魔される。
その制裁としてコアメダルを奪い、更にアンクの人格を司るコアにもヒビを入れた。





【そして最終話】

会長との対話で自らの終末に対する信念を再確認したことで、ついにキヨちゃんへの依存から脱却。
他人と面と向かって話せるようになった。
必要なくなったキヨちゃんはその後、自らにそっくりな装飾を施した上でクスクシエに置いてきている。

完全体となった後にオーズとの一騎打ちに敗れた我らのウヴァさんを消滅寸前にコアメダルを追加して助けるも、
彼以外のグリードは消滅したか、自分と袂を分かっていたため、消去法で「メダルの器」とすることを決め、
暴走することに怯え、逃げようとするその姿勢を「美しくない」「見苦しい」と酷評しつつも、手持ちのコアメダルを全て投入し、暴走させる。

決戦ではオーズプトティラコンボとアンクのコンビを一人で圧倒し、彼の持つ紫のコアメダルを取り戻そうとするが、
映司の奥の手である無数のセルメダルを使ったグランド・オブ・レイジの直撃を受けて倒された。

――が、メダルの器からのエネルギー照射を受けて復活。
映司が完全にグリードと化すのを静観しようとするも、覚悟を決めたアンクの献身により、
映司は彼から受け取ったクジャク、コンドル、そして、アンク自身の人格を司るタカのメダルを使って、暴走することなくタジャドルコンボに変身。
まるでアンクと二人で攻めてくるかのようなオーズ・タジャドルコンボの攻撃に、徐々に追い詰められていく。

真木は不利を悟ったか、メダルの器内に逃走するも、追撃してきたオーズに追い詰められ、
タジャスピナーに恐竜メダル七枚を装填した『ロストブレイズ』を受け、遂に敗北。
恐竜メダルのエネルギー同士がぶつかり合った影響か、体がワームホール化。
世界を終わらせる前に自身が「完成」してしまうことを嘆きながら、他のコアメダルやメダルの器を飲み込みつつ完全に消滅した。


あぁ......私の終末......

私が『完成』してしまう......。


恐竜グリード

身長:211cm
体重:127kg
能力:物質凍結能力/飛行能力

頭部はティラノサウルス、両肩はプテラノドン、胸部はトリケラトプスの顔を模したパーツになっている。
前述のように深手を負っているとはいえカザリを一撃で仕留めたり、
ガメルにはすれ違いざまに当てた打撃で彼のコアメダルにヒビをいれたりと他のグリード達を圧倒する戦闘能力を誇る。
翼で飛べ、高層ビルを瞬時に凍結させる。
ちなみにキヨちゃんは、この姿に変化するときは同化するらしい。


《ヤミー》

何らかの思い出が込められた物品にセルメダルを投入する事で誕生する。
例が少ないため断言は出来ないが何らかの「終末」を迎えた思い出から生まれている。

誕生の方法こそ『MOVIE大戦 CORE』と似通っているが細かい差違がある。

活動の方針は物品に込められた思い出に左右され、持ち主の境遇や思考で行動を決定する。
また、飽くまで物品から生まれたためか、想いの大元である人間を親と認識せず危害を加える。

他のヤミーとの最大の違いは「欲望を破壊する」能力を持つ点。
このため殺傷力に全振りしたかのような戦闘力の高さが特徴で、またその性質上オーズもプトティラコンボ以外では歯が立たない。


○プテラノドンヤミー(オス)


映画にも登場したヤミー。
「欲望を無力化する」能力を持ち、口から出す霧は人を消滅させオーズは変身を解除させられてしまう。
思い出は「人(の終末)」

後に2体目が出現した。

○プテラノドンヤミー(メス)

CV:鶴ひろみ

同じく映画に先行登場。
オスとは同じ能力を有している。

オーズを追い詰めるも、突如として変身したプトティラコンボ最初の犠牲者となった。
こちらも思い出は「人(の終末)」と思われる。


○ユニコーンヤミー

CV:松本大

服飾デザインコンテストの準優勝トロフィーから誕生。
人の夢を実体化させて破壊する能力を持つ。
夢を破壊され「夢無くし」となった者は夢に関することに無関心になり、最悪昏睡状態に陥る。

恐竜系なのにユニコーンというチョイスは初見では誰もが疑問に思うだろうが、これは恐竜系の厳密な括りが「人間が生きている姿を見た事が無い動物」であるため。


思い出は「夢(の終末)」。


〇アンキロサウルスヤミー


氷から誕生。本編に登場した中では唯一の「恐竜」モチーフ。
周囲を凍結させる冷気を放ち、アンキロサウルスだけあって強力なハンマーと硬い甲羅が自慢。
映司から紫のコアを奪うために生み出され、映司をおびき出す為街の人間を凍らせ苦しめた。
オーズのことを知らないと言ったサラリーマンを氷の塊にして砕くという、グロンギ並のエグい殺害をした。



【その他】

仮面ライダーゴースト特別編「伝説!ライダーの魂」のオーズ編で恐竜グリードとしてスペクターと対決。
「もし大切な者がいるのなら、それが醜く変わってしまう前に終わらせる事をお勧めします」とスペクターに問いかけ、持ち前のパワーで圧倒する。
しかしスペクターの窮地に突如赤のメダルの妨害にあい、そのメダルが変化したオーズゴースト眼魂でオーズ魂に変身したスペクターの蹴りに破れ、「世界は今はまだ、美しい…」と言い残し爆散した。
なお声は当時と同じく神尾佑がつとめている。

劇場版シリーズでは「ギル」という恐竜系グリードの存在が示唆されていた(映画には後姿のみ登場)のだが、
本編には登場せず、真木博士が恐竜グリード化する展開になった。
この件については詳細は不明だが、諸事情で話数短縮したことも合わせ大幅な設定変更があったのでは?と考察されている。

47話で彼がアンクの攻撃で火が付いたキヨちゃんをとっさに海に投げ捨てた後、
キヨちゃんを探して海に入った真木が「ナイヨ!ナイヨ!」等と口走りながら必死で探すシーンがあるが、
この時キヨちゃんは 本当に行方不明になっている 。(あの一連のシーンは半分演技で半分素だったとのこと)
後にスタッフ総出で探して回収したらしい。
なお、平成ライダーでは以前にもレンゲルバックルデルタドライバーなどが紛失している。
なんかヤバイものばっかり無くなってるんですが気のせいですかね…?

『フォーゼ』の43、44話では真木を演じた神尾氏がユウキの父役でゲスト出演してるが、実はこっそりキヨちゃんもゲスト出演している。
気になる人は頑張って探してみよう。

また、演者は後に『非公認戦隊アキバレンジャーシーズン痛』にて玩具屋の店員をしているのだが、眼鏡姿に肩に人形と明らかにドクターを意識した格好だった。

ちなみにキヨちゃん自体は1/1サイズで商品化されてないが、パーツは市販されているドールの物なので容易に再現可能。
また、放送終了後しばらくしてガチャポンとして商品化されている。


《セリフ集》

「やあぁぁぁめえぇぇぇろおぉぉぉ」

「帰ってぇ!!!」

「さわぁるな。」

ダァクトゥァー…と、呼んでもらいましょう。」

「ヤッメロ!」

「ワオ!?」

「ダメダカラー!ナゲチャダメダカラー!!」

「ナイヨ!?ナイヨ!?アッタヨ!!」

「メガネモナイヨ!?」

「オヨゲタヨ!!ボク、オヨゲタヨ!!」

「ボブ…ボブ・マーリー!!」





全ての項目は削除される事で始めて完成します。

アニヲタWikiに良き終わりが訪れん事を……。

伊達「終わり、かぁ。俺は追記・修正の方が好きだな!」

「よし!俺がドクターの項目に追記・修正してやるよ!」

……やめてください。やめてください。

やめなさい。やめなさい!

やぁぁぁめろ!やぁぁぁぁめろぉぉぉ!!


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最終更新:2023年10月21日 07:41

*1 実際に当てる気はなかったらしく、鼻面を掠めるような軌跡で近くのスイッチボックスを殴って凹ませているが、「これ以上喋りかけるな(意訳)」と警告するほど怒気を露わにしている。