いたずらごころ(ポケモン)

登録日:2011/09/29(木) 19:13:38
更新日:2023/09/28 Thu 17:59:39
所要時間:約 8 分で読めます




いたずらごころとは、ポケットモンスターシリーズにブラック・ホワイトから登場した特性である。

その効果は変化技を優先度+1で出す事ができるというもの。要するに素早さに関係なく先手で変化技を撃てる。
先制で出せるといっても、同じ優先度であった場合は自分より速い方が先制する。

先制技を持たない相手や鈍足相手には、確実に何かしらの仕事ができる。
また、優先度が+1されることから、本来「ふきとばし」や「ほえる」には先制できない「トリックルーム」を先手で出すことが出来る可能性も出てくる。
(「ほえる」「ふきとばし」は優先度-6、「トリックルーム」は優先度-7)
とはいえよほど上手くかち合ったときしか起きない現象ではあるが。

この壊れ効果により、いたずらごころを持つポケモンはかなり厄介。
というのも、不遇だのマイナーだの言われていたポケモンにこの特性が与えられただけで不遇卒業に成功して第一線で戦えるようになったという報告があるという程。


◆利点


昔から言われていた「速さは堅さ」という言葉通り、先手をとって「めいそう」なり再生回復なりができるのは確実にアドバンテージとなる。
先手でリフレクター等を貼り耐久を補うポケモンもいる。

そしてそれを実現するには、相手より高い「すばやさ」を持たなければならない。
その為、「すばやさ」に努力値を振ることとなり、数値上の耐久力は落ちる。


しかしいたずらごころの場合

  • 変化技そのものに優先度が付加されるので、努力値を耐久に気がねなく回せる。この特性のポケモンの場合、そういうことから努力値が耐久特化の型もざら。

  • 耐久型や変化技主体のポケモンは「ちょうはつ」に弱いが、いたずらごころを持つポケモンも「ちょうはつ」を習得できるものが多い為、妨害されにくい。
  • 自分より速い先制技持ちには抜かれるが、先制技は基本的に低威力で、耐久に振ればそこまで脅威ではない。
    そもそも大抵の先制技持ちは鈍足の傾向があるため、Sを振っていない状態でも先手を取ることがある。

などの利点がある。

この特性ありきで強さを保っているポケモンもいるほどで、いかに強力な特性かおわかりだろうか。

◆短所


上記のように強力な効果だが、考え無しに扱えるほど簡単なものではない。

  • いたずらごころを活かす為には、必然的に補助技中心となる。
    上に「相手のちょうはつより先にちょうはつできる」と書いたが、それはあくまで読めればの話。
    特に初見で型の読めない相手には、「攻撃される」か「ちょうはつされる」かの二択である為、場合によっちゃ読み外して死ねる。
  • こだわり系のトリックを受ければ機能停止。
  • 技によっては「マジックミラー」「マジックガード」等で詰む。
  • 「なかまづくり」「スキルスワップ」等で特性を変えられる。
  • トレース持ちに鉢合わせすると、この厄介な特性を相手に渡してしまう。
  • そもそもバランス調整の為かこの特性を持つポケモンは種族値が低い者が多い。
  • 一部の条件下で完全無力化(後述)

等。

しかし型の豊富さが売りな事もあり、使いこなせば非常に強力な戦力となることは間違いない。


これに対して第七世代からは大きな調整が加えられ、一定条件下で変化技が防がれるようになった。

まず、場に「サイコフィールド」が展開されている場合、優先度が上がった技は相手に効果がない。
攻撃技も変化技も優先度が上がってさえ入れば無効化される。

さらにあくタイプを相手にした場合、この特性によって放った変化技は無効となる。
ねこのて」「まねっこ」「ゆびをふる」によって出される攻撃技も対象である。

運ゲーとはいえワンサイドゲームを展開しやすい上に防ぎにくかったため、大きく調整されたのだった。

ただし、いずれも特性いたずらごころのポケモンが相手を対象とする技を優先度+1で放った場合に限定される。
例えば先制で壁を張る、積んで火力や耐久を上げる、「まもる」や「みがわり」でターンを稼ぐなどの戦術は従来通り有効である。
クロバットのような素早さの高いポケモンによる変化技も優先度は0であるため防げない。
オート「ちょうはつ」のような効果はなく(あったら理不尽すぎる)、サイコフィールドや悪タイプで先制妨害技を完全に封殺できるわけではないため注意されたい。

この仕様変更と「でんじは」「いばる」「アンコール」「みちづれ」などの悪戯心持ちポケモンの要になる補助技が軒並み弱体化(特にいばるは目も当てられないことになっている)。
加えて環境上位に「サイコフィールド」を自動発生させられる特性を持つカプ・テテフが躍り出たことから、この特性を持つポケモンは使用率を大きく減らした。
現在の悪戯心持ちの立ち位置は相手を妨害するやり方から自軍の強化・サポートをする戦法に移り変わっている。

◆いたずらごころ持ち一覧


ご存知いたずらごころの代名詞。
脅威のやどみがや追い風、アンコール、置き土産、壁張り等、豊富すぎる補助技を駆使して立ち回る可愛さ余ってなんとやらなもふもふ。

悪戯好きの風神雷神。
アタッカーとしても強力で、最速の少ないエルフーンに先手でちょうはつを撃てる貴重な存在。
他にも電磁波や追い風もある。
他のいたずらごころ組と違って素のスペックも高水準であり、全ルール通して活躍しているポケモン。
耐久ボルトロスの電磁波威張る運ゲーはうざったいの一言。
ダブルラムメタグロスと組んでいばラムしてくることも。クレセグロスと趣旨は似ているがこちらはほぼ確定で撃てるためタチが悪い。
あまりのウザさに別名すけべだましい。
おそらく、第七世代でのいたずらごころ弱体化の原因の1つ。

「メタルバースト」「しっぺがえし」くらいにしか活かせなかった「あとだし」と決別し、隠れ特性として習得。
先制「おにび」が撃てるのはコイツだけ……だったが後にメガジュペッタも修得(後述)。外れた時は泣くしかない。
ちなみに、先制「じこさいせい」ができるのは未だにコイツだけ。
ORASで耐久が大きく上がるメガシンカを習得したが、特性まで変わってしまうのでタイミングが重要になる。
自身もあくタイプなので相手のいたずらごころは効果無し。

同じく隠れ特性として習得。
バルビートは特攻3段階うpする「ほたるび」を覚え、さらにバトンも可能。
イルミーゼはせいちょうやあまえる、うそなきといったダブル向けの技を多く覚える。
アンコールや電磁波も優秀だが、素の能力が低すぎるのが痛い。

  • ヤミカラス
「いばる」→「みがわり」→「イカサマ」のコンボが強力かつ、うっとうしい。
優秀な再生回復技の「はねやすめ」も完備。
しんかのきせき」で耐久もなかなか。下手したら進化後のドンカラスより強い。
滅びの歌でフィニッシュブローも可能。プリンソーナンスなどと共に滅びパーティのパーツに組み込まれていることも。
自身もあくタイプなのでいたずらごころ無効の恩恵はあるが、コイツの場合はデメリット面の方が強い。

解禁待ち→されました→鬼畜どころかキチガイコンボが……
ねこのての仕様の隙をついて確定で先制「キノコのほうし」を放つ、さらに先制威張るで縛ってメタモンで能力変化ごとコピーという脅威の戦法、所謂『レパルガッサメタモン』が有名。
おそらくコイツもSMでの悪戯心弱体化の原因の一つ。
ダブルでは「りんしょう」等でもお呼びがかかることがある。
もちろん、自身もいたずらごころが効かないという利点はある。

  • リオル
こちらもARサーチャーで解禁。先制まねっこで優先度の低いほえるを先制で打ったり、トリックルームにトリックルーム返しを食らわせて解除させることができる…が、シングルでは相手依存なので条件を成立させるのは難しい。
進化してルカリオになると特性が変わるのでこのポケモンだけの特権である。

XYで登場した悪戯心ネコ2号。にゃんぱすー。
補助技の数は少なめだが、「リフレクター」「ひかりのかべ」の両壁を貼ることが可能。その他「でんじは」「あくび」など。
♀なんていなかった。
アニメではゴジカが使用し、視聴者を驚愕させた。

XYで登場の鍵束。
エルフーン・トルネロス・ボルトロスが不在だった発売当初にいばみがイカサマで大流行した。
はがね・フェアリーという珍しいタイプを持ち耐性が優秀だが、種族値は低め。
こちらも電磁波やリフレクター・光の壁など使い勝手の良い補助技はひと通り覚える。
第7世代では大きく弱体化して以前より使いづらくはなったものの、いたずらごころの強さはそれでも健在。

「補助技だけは優秀」と言われ続けてきたジュペッタがメガシンカによりついにいたずらごころを会得。
鬼火や金縛りなどのトリッキーな技に加え、先制みちづれという凶悪な一発芸を持つ。
ただ、「メガシンカしたターンの行動順はメガシンカ前の素早さ・特性に従う(メガシンカ前に行動順が確定する)」という仕様のためメガシンカしたターンはいたずらごころの恩恵を得られない。
まもるを入れるか?生き残りに賭けるか?それが問題だ。
SMでは処理が変更され、メガシンカ後の素早さ・特性に基づき行動順が決まるため使いやすくなった……
と思いきや、戦略の要であるみちづれが「連続で使用すると失敗しやすくなる」という弱体化を受けることに。
ちなみにレートでは「みちづれ」を優先度+1で使える唯一の存在。「みちづれ」の効果対象は使用者自身という扱いなので、サイコフィールドも効かない。
第七世代以前は「ゆびをふる」(第三世代教え技)を優先度+1で使える唯一の存在だった(レートでは不可だったが)。
やはりイカサマには弱いので注意。

剣盾初登場。
あくタイプのおかげで他のいたずらごころ持ちに邪魔されることなく壁貼り、積み技ができ、さらにフェアリー複合なのでいたずらごころを無効化する相手のあくタイプも牽制できる。
ある程度のパワーがあるため、補助技だけでなく先達部隊として相手に削りを入れる役割も持てる。
そのため、現在対策必須ポケモンの1匹となっている。
「ゆびをふる」も使用可能。

SV初登場。
初となるノーマル・どくの複合タイプ。しかしやはり耐久は低い。
習得できる補助技は妨害が主。故にあくタイプに出られると簡単に止まってしまうのが難儀。
特にドドゲザンなんかに出られたらどうしようもなくなる。
故に、純粋な素早さ勝負で妨害を入れる通常特性の「かるわざ」にも十分価値があり、この中では珍しく「いたずらごころ」の選択肢がマストにならないポケモン。


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最終更新:2023年09月28日 17:59