寺岡薫

登録日:2010/01/03(日) 16:38:35
更新日:2023/09/09 Sat 22:55:00
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寺岡薫とは、パワプロクンポケットシリーズの登場人物。



【概要】

初登場の『3』ではパワフル大学に在籍する院生で、3年目の時点で24歳。若きマッドサイエンティスト。
以後7裏、8、9裏に登場し、10、11、12では話題のみ登場。

洒落っ気の無い眼鏡に寝癖の付いた髪型と身だしなみにはまるで気を使わないが、誰にでも敬語を使う礼儀正しい性格。
一方で自らの研究棟に万が一のために自爆装置を備え付けたり、柱時計を爆弾に改造したのが6才の頃だったりと、時折そのマッドさを垣間見せる。



パワポケ3

彼女候補の1人。
大学出資者であるプロペラ団の研究に協力していたが、サイボーグである主人公に興味を示し、彼の身体の調査と引き換えに研究を取り止める。
さらに、研究資金を援助する代わりに主人公の延命処置も手伝ってくれることになり、そのうち2人は互いに惹かれ合っていく。


●バッドエンド
彼女への資金援助が十分でないと発生。
研究の最終実験中の爆発事故によって帰らぬ人となる。

●グッドエンド
資金援助を全て達成すると発生。
事故から生還し、渡米して自らの悲願であった極小電力炉を完成させた後、主人公と再会してそれに彼の名前をつける。



【7裏】

悪の組織「我威亜党」の幹部、「寺岡子爵」として登場。
主人公とは一応敵対関係だが、主人公を尾行して目的地にある機械を調べさせてもらったり、暴走した発明品の始末を依頼したりするなど悪い関係ではない。
女性というだけで研究者として認められないという不満が故の我威亜党への協力だったが、
彼女が「自分の理論を実際に試してみたくて」作った発明品は物語終盤で大きな悲劇を生むことになる。
エンディングではその件を深く反省し、より多くの人を救う研究を続けている。
彼女の弟子を名乗る人間が多数存在し、各方面で活躍したとされているが彼女自身が歴史の表舞台に上がることは最後まで無かった。



9裏

機械の星コテツ唯一の生身の住人「テラー」として登場。
現地住人(住ロボット?)達の修理を請け負う。
彼女も他のコテツ来訪者と同じく「合理的に生きられる機械の体」を求めてコテツにやって来たが、
自身が一向に機械になれず他の星から来た人達がどんどん機械の体になれていることを不満がっていた。
修理の常連のたかゆきの案内でコテツの社会問題の現場に直面しロボット達を救う方法を探し出すため主人公に同行。
その後コテツ星の探索に連れていくとコテツに潜む深い闇を目の当たりにすることになる。
そのことに大きなショックを受けロボット達の救済の決心を新たにしパワーアップ。
エンディングでは「極めて合理的かつ数学的な教義」をもつロボット向けの新興宗教を立ち上げ教祖となり、ロボット達に生きる意義を与えている。



※以下、表サクセスのネタバレ。




















実は中学生の時に放射線被曝しており、脳に悪性腫瘍が出来ている。
そのため余命は幾ばくも無く、『3』開始時点で既に残り3年の命だった。
彼女の研究は「生命維持装置」とそれを稼動させる「極小電力炉」を発明することだが、それは自らが生き延びるために必死の思いで取り組んでいたもの。

”正史” では主人公と彼女は結ばれないが、主人公との交流はあった上に仲も良好だったことが公式の質問コーナーにて語られている。
最終的には他の彼女候補*1に身を引いてしまい、主人公から離れたようだ。


『3』以降(『6』以降?)は大学を卒業して和桐製作所に就職し、新製品の設計と研究開発を担当していた。

しかし脳の腫瘍は治らず進行しており、身体の様々な部分を人工物に置き換えることで何とか生き長らえていたが、
直に身体の全てが機械となることを察し、自身という存在について葛藤していた。
また、症状の進行と脳の機械化によって記憶に障害が発生し、過去の様々な出来事を忘れてしまっている。



パワポケ8

違法パーツを購入していたところを主人公に見つかり、白瀬芙喜子が調査目的で彼女に近付く。
ところが2人に奇妙な友情が芽生え、上記の事情を聞いた主人公によって見逃される。

アルバムではおもちゃ用の小型動力炉として開発していた「WG(ワギリ)バッテリー」の発明に成功。
しかしこれは従来のエネルギー事情を根底から覆す発明で、後に世界を混沌に陥れることとなる。
彼女にはこの発明品に付ける名前として心に決めた人(恐らく『3』主人公)がいたらしいが、既にその名前すら思い出すことが出来なくなっていた。



※以下、更にネタバレ。




















実はシリーズを通してのかなりの重要人物であり、”本来の歴史” では既に死んでいるはずだったことが『11』にて語られる。
しかし未来を改変しようとした「」やサブが持ち込んだサイボーグ技術によって数年間の延命が可能となり、
その間に本来の歴史には存在しなかった「WGバッテリー」を開発したことで、未来は大きくその姿を変えることとなる。
この未来を再び覆すため、サブが和桐製作所を潰そうと画策した…というのが『6』シナリオにおける背景である。

後に激化したオオガミとジャジメントの戦いによって和桐製作所がジャジメントの標的となり、浜野朱里ら工作員によって工場が爆破される。
それに巻き込まれて瀕死の重傷を負う(あるいは肉体は死亡する)が、違法パーツを使用していたためにオオガミの研究所に送られることとなる。
彼女の死亡時期や工場爆破の原因については『10』と『12』の説明で食い違いがある。)



パワポケ12

物語に大きく関わるキーパーソン。作中では「5年前に亡くなった」と語られ、前述の通り彼女自身は登場しないが、
主人公はネット内で「カオル」と名乗るどこか彼女の面影があるアバターと最初に出会うこととなる。

名前と立ち絵でピンと来たプレイヤーも多かっただろうが、これは研究所で彼女の脳回路の表層意識から抽出された電子生命体であり、
同じく彼女の脳回路の深層意識から抽出され、さらにオカルトテクノロジーを付与されたのが「デウエス」である。

カオルはデウエスと分離される過程で生前の記憶を殆ど失っており、呪いのゲームに立ち向かう主人公を応援しながら、
(ネット内ではあるが)念願のキャッチボールをしたりデートをしたりと交流を続けていくが、ストーリー後半で自分の正体を思い出す。

それに呼応して現れたデウエスに取り込まれてしまうが、その寸前に「デウエスとの試合に勝てばデウエスを消滅させられる」という呪いをかけ、
さらに最終決戦においても内部からデウエスの完璧な操作を妨害したりと、最初から最後まで主人公の大きな助けになった。


また、カオル本人からはデート時に
  • 好きだった男の人がプロ野球にいること
  • 昔つきあっていたが、他の女の人にとられてしまったこと
  • それを忘れようと思ったら本当に球団や名前すら忘れてしまったが、好きだった人がいたことだけは覚えていること
という話を聞くことができ、和桐製作所の社長からも同様の内容が聞けるほか、
  • 新しい物を作る以外には無欲で、生き延びようとしていたのも死への恐怖より死ぬ前に何かを残したかったから
  • 「WGバッテリー」が兵器などに転用されていることに心を痛めており、最後に聞いた言葉は「ごめんなさい」
  • 和桐製作所に就職したのはたまたま野球の試合を見たから
という話も聞くことができる。



最終決戦後、薫本人の深層意識であるデウエスはカオルに代わって悲痛な叫びを吐露するが、それに対して「私たちはもう死んでいる」と語り、
全てが終わった後は「私は全部覚えている」「楽しい思い出をたくさんありがとう」と主人公に感謝しながら消えていったのだった。

過去作の登場人物がそれなりに重要な役割として再登場する、というのはパワポケシリーズにおいてよく見る光景ではあるが、
流石に「サクセスシナリオそのものの中核(発端)を担う」という例は他ナンバリングには見られないものであり、
これまでの正史においてあまり報われない人生を送ってきた彼女だったが、最期に少しだけ救済されたと言えるのかもしれない。






追記・修正は未来を変える発明に成功してからお願いします。

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最終更新:2023年09月09日 22:55

*1 『11』での描写から唐沢博士の娘の唐沢ヒナコである可能性が高い