吸い物

登録日 :2012/03/23(金) 16:24:27
更新日 : 2016/10/14 Fri 13:42:20
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吸い物とは、日本料理の一種で、ダシ汁に薄口醤油、などを加えて調味したものである。

懐石料理においては実は酒の肴のカテゴリーに当たるが、一般人の日常生活においては汁物と認識されている。

ダシを取れる材料や冷蔵庫の余りものなどで簡単に作れるので、
例えば、「味噌汁を途中まで作ってたのに、味噌が無い事に今さら気づいた」とか言う時、薄口醤油を入れれば簡単にお吸い物に出来る。
炊き込みご飯やちらし寿司、うな重など、味噌汁よりも吸い物が欲しくなるようなメニューもあり、
その手軽さも相まって日本人にとっては最も身近な食品と言えるだろう。

だが、「出汁」や「具材選びのセンス」など、実は日本料理としてのセンスが最大に問われる要素がたっぷり揃った料理であり、
本当に美味しく作るには調理人のセンスと才能が試される。

懐石料理の中でも重要な椀物を担当する「椀方」を選出する際、試験の題材にされる事も多い(椀物は必ずしも吸い物では無いが)。


■出汁各種
どれも旨味と共に臭みがあるのもばかりなので、淡い味付けの吸い物は味噌汁よりも慎重に作業する必要がある。

◆鰹節
出来るだけ薄いものを多目に、かつ、魚臭さが出ないように、なおかつ旨味はたっぷり出るタイミングを計って取られる。
濃い一番ダシかすっきりした二番ダシか、素材に合わせた選択もセンスが問われる。

◆昆布
表面を軽く洗い、事前に水のまま鍋に置いてから火をつけ、海草臭さが出ないタイミングでひきあげる。
鰹節と合わせると旨味が膨らむ。

◆椎茸
戻した汁を使うが、実は最も臭みが出やすい素材なので基本的に吸い物には推奨されないが、一流の日本料理人は臭みをまるで出さずに吸い物を仕立ててしまう。

◆煮干し
独特の「苦味」があるので味噌汁と違い推奨されないが、上手く使う料理人もいる。

◆鶏ガラ
脂や肉などが浮くのは日本料理の美意識に反するので、これらを徹底的に削ぎとり、骨髄から出た旨味のみを濃厚に出す事を求められる。
汁が濁りやすいのでやはり扱いは難しい。


■調味料

◆薄口醤油
色こそ濃口醤油より薄いが、実は塩分濃度は濃口より濃かったりする。
それでも吸い物に綺麗な色を出すにはセンスが必要。

◆濃口醤油
本来は吸い物向きでは無いが、薄口に加えると味わいに幅が出る。
ただし、すぐに色が悪くなるのでほんの少しにしよう。


塩気を足したいけどもう醤油を使いたくない時に。腕の良い料理人は塩だけで見事なお吸い物を作る。

◆酒
味が尖ったと感じたら入れよう。まろやかさが出る。

◆味醂
「甘味」を足したい時に。入れすぎるともちろん甘ったるくなるので注意。


■具材


味を吸いやすく汁も濁らない手鞠麩のお吸い物は、調理人のセンスを見るにはピッタリの材料である。

豆腐
味噌汁よりも小さく切る。

◆ワカメ
美味くてミネラルたっぷりだが、味を薄めるので味付けの調整が必要。

◆野菜類
季節の白菜キャベツなど葉野菜が味を吸いやすくおすすめ。家庭では余った野菜を消費するのにもいいかもしれない。

◆魚介類
貝類を使えば潮汁となる。貝は旨味を出しやすいので濃厚な味わいとなる。
刺身などで余ったアラを使ったアラ汁や、鰻の肝を使った苦美味い肝吸いなどもある。
魚を使う際には下茹ですると汁を濁さずに済む。

◆肉類
鶏肉や豚肉など。やはり下茹でをした方が良い。

◆そうめん
いわゆる「にゅうめん」になる。ちゅるちゅる美味しい。


■吸い口
吸い口とは、香り素材を入れて吸い物に香りつけする事。
すぐに蓋をしないと香りが飛ぶので注意。
蓋を取った時、湯気と共に立ち上る香りが食欲をそそる。

◆柚子
皮を削って入れる。爽やかさを演出してくれる。

◆木の芽
山椒の若葉。一枚だけ入れる。香り付けだから無理して食べなくていいよ。

ワサビ
おろしたてをほんの少し入れる。ツンと鼻をつくあの香りが立ち上る。

生姜
針生姜を浮かべたり絞り汁を入れたりする。

◆ミョウガ
薄切りして水に晒したものを浮かべる。


最後に、お吸い物を飲み終えたら蓋を逆さにして戻す人がたまにいるが、これは作法としては誤りである。
特に男性の場合、「これが正しい作法」と勘違いしてる人も結構いるので気をつけましょう。
蓋はそのまま戻して大丈夫。


◆おっぱい
俺達には関係ないから説明いらないよな?


追記・修正は、椀方試験に合格してからお願いします。

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