アトム

登録日 :2010/11/20(土) 16:45:05
更新日 : 2017/04/17 Mon 11:34:39
所要時間 :約 6 分で読めます





♪そ~ら~をこ~えて~


♪ラララほ~し~のか~なた~


アトムとは、漫画の神、手塚治虫先生の作品であり、氏の代表作・『鉄腕アトム』の主人公である。本項目では彼について説明する。

なお、suncomics版準拠での説明になる事をご容赦ください。


出自

2002年、当時の科学省長官である天馬博士(ひのえうま年生まれ 群馬の人 本名・午太郎 練馬大学卒業)は、
息子の飛雄少年に実際に乗れて本物より速く走るエアカーのプラモを買い与える。
しかし、飛雄少年はそのプラモで公道を疾走中にダンプと衝突。還らぬ人となる。
悲しみに暮れた天馬博士は技術の粋を集めて息子のロボットを作成する事を決意。
資金面などで苦労しながらも2004年4月7日、ついにロボットは完成する。その製作費たるや、 10兆円
しかし、 ロボットは成長しない
息子の代わりを作り出すことに夢中になっていた天馬博士は今更のようにその事実に気づいてしまい、
憤怒と共に作り出したロボットをサーカスに売り飛ばしてしまう。
その後飛雄は新たな名前を与えられ、紆余曲折ありお茶の水博士に引き取られる *1

鉄腕アトムの誕生である。


■キャラクター
アトムの世界のロボットは高性能なモノになると人間と同じ様に考えることが出来、世界最高と言われるアトムは少年らしい無邪気さを持つが、
もちろん完璧ではなくロボットゆえに純粋な人間らしさが欠けている部分 *2 もあることをコンプレックスに感じている。
そしてロボットに対する人間からの差別という現実に直面し、高度な頭脳を持つがゆえに人間とロボットの間の壁に苦悩する事すらある。

■7つの威力
アトムの代名詞的な能力。
実は媒体の違いだけでなく漫画内、アニメ内でも度々変わっており、中には十万馬力(百万馬力)はカウントされないものもある *3

原作版(アトム誕生版)
1.善悪を見分けられる電子頭脳(後に「よい人とわるい人の見分けがつく」とわかりやすく変更)
2.60か国語を話せる人工声帯(100カ国語、160カ国語の場合もあり)
3.1000倍の聴力
4.サーチライトの目(涙も出る)
5.10万馬力
6.足のジェットエンジン
7.おしりからマシンガン

1963年アニメ第1作
1.電子頭脳。
2.60か国語を話せる人工声帯
3.1000倍の聴力
4.サーチライトの目。
5.10万馬力
6.足のジェットエンジン
7.お尻からマシンガン

1980年アニメ第2作
1.電子頭脳
2.1000倍の聴力
3.サーチライトの目。
4.10万馬力
5.腕と足のジェット
6.お尻にマシンガン
7.右手人指差し指にレーザー


幼年誌版やアニメ版で指ビーム。
アストロボーイでアームキャノンなどが追加された。まあお子様に「善悪がわかる」が能力だなんて説明しても理解不能だし。

ロボットなので計算・暗記力も天才的だが、
『すり替え頭脳の巻』ではクラスメイトの親に(勉強関連を司る)「頭脳」を強制交換され、猛勉強によって何とか回復していた。
その一方「芸術」が分からないため、「アトム大使」では積木をしても正方形にしか出来なかった。

学校などではちゃんと服を着ているが、有事には服が持たないのでいつも知られているようなパン一姿になっている(ナイジェリア向け版アニメでは洋服姿で描かれている)。

■パワー
皆さんご存知の通り10万馬力。「アトム大使」では500万ダイン(50㎏を1秒で1m動かす力。しょぼっ)だった。
その活躍たるやスーパーマン顔負けの代物で、
  • 鉄骨や拳銃くらいなら飴みたいにクチャクチャに
  • 真正面から走ってきた車を片手で止める
  • 戦闘機をパンチ一発で破壊(幽霊製造機の巻)
  • 体当たりでコンクリートの壁や超合金性の扉を障子紙の様に突き破る
  • 超大型旅客機を下から持ち上げて軌道を変える(火星隊長の巻)
  • 暴れ回る10m級の巨大ロボットをものの数秒で解体(若返りガスの巻)
  • 野球ボールを投げて建物を端から端まで貫通(エジプト陰謀団の秘密の巻)
  • ビルの壁や柱を打ちこわし、屋根を引っ張って20フロア分ほど引き千切る(マッド・マシーンの巻)
  • 中距離ミサイルを素手で掴んで受け止めて投げ返す(天馬族の砦の巻)
  • 巡航ミサイルを片っ端から掴み取って戦艦に向けて投げつけて粉砕(ロボット宇宙艇の巻)
などと大盤振る舞い。

途中、100万馬力のロボット・プルートゥと戦うため、天馬博士が100万馬力に改造している(アニメ版ではいずれもこのシーンはカット)。

■ディフェンス
全身がゴム製の人工皮膚で覆われており、質感は人間と大差ないが、体は極めて頑健。
同じ機能を有するコバルトやニセアトム、アトラスなどの打撃にも耐えうるほど頑丈で、
銃弾程度なら何十発受けようが弾き返し、爆弾が至近距離で5個連続で爆発してもほぼ損傷が無かった。

悪人が鉄骨でぶん殴った時には鉄骨の方が歪み、列車にはねられても列車の方が断裂する…どんな素材だ。
数千度のガスが充満する環境でもしばらくは駆動可能で、雷が直撃しても涼しい顔をしている。

ただし超強力な電磁波を受けると機械がダレるようで、手持ちの光線兵器でやられたこともある。
また首が壊れても稼働可能で、「海蛇島の巻」では首なし状態で日本に帰国、「デッドクロス殿下の巻」では別ロボの首だけ借りて影武者となっていた。
宇宙空間や深海1万mでも自在に動き回ることが可能で、常人なら圧死しかねないほどの遠心力にも平気で耐えることが出来るため、
前人未到の地の開発にも何回か従事している。


■人物関係

アトムを取り巻く人物との関係

◆天馬博士
アトムの生みの親。一時はDVの挙げ句にサーカスに売り飛ばすが、後にアトムの要望を呑んで百万馬力に魔改造したり、アトムの両親の頭脳を育てたりした。
「アトム大使」ではアトムそっちのけで難民宇宙人への国家的ヘイトクライムに走り、その果てに……。
酷い仕打ちをしてしまったアトムに対して複雑な感情を抱いており、
アトムを中心とした帝国を作ろうとしたり、天才をこじらせた様子。

◆お茶の水博士
よくアトム製作者と間違われる鼻デカ博士。天馬博士の後任の科学省長官で、アトムにとっては育ての親にあたる人物。
裏設定では『火の鳥』シリーズから呪われ中の猿田一族の子孫(雑誌・復刊ドットコム版『火の鳥 太陽編』で語られている)。
彼の代では先祖が犯した罪の清算は収束に向かいつつあるらしいが、まだ償い切れてはいないらしく、
敵にさらわれたりなんだりとトラブルに巻き込まれることが多いのはそのせいらしい。
アトムに護身用として「お尻からのマシンガン」を追加改造するという独特のセンスを持つ人。

◆アトムの両親
お茶の水博士謹製の両親。
作られたのがアトムよりも後だったため実質的にアトムよりも年下であり、作られたばかりだったので常識を知らなかった。
後に人間らしさを学ぶ情操教育として、アトムと同じ小学校の1年生として通うことになった。
「アトム今昔物語」では、母の顔は天馬博士の妻(故人)を模して造られている。

◆伴 俊作
誰かわからない?
ヒゲおやじだよ。アトムの担任だったり、私立探偵だったりと忙しいお人。手塚作品には欠かせない名脇役。

◆ウラン
アトムの妹。十万馬力だが7つの威力は無い。
ウラン登場話は複数存在するが、先生がどれが正規エピソードか忘れた為に出自不明。

◆コバルト
アトムが行方不明になった際に作成されたいわばアトム二号機。
概ね、アトムに準ずる性能を持つが急いで作成されたためにアトム程の器用さを持たない。
正確もアトムに比べてのんびり屋で、どことなく頼りないのだがキメる時はキメる、憎めない弟。
また、部品の一部がアトムと反転して作成されており、その部分がアトムと共鳴してお互いを呼び合っている。

雑誌連載時では「破壊されて死亡し、墓石付きのお墓が建てられる」という、
どこぞのゲーム版を思い出させるような鬱展開が描かれたが、単行本化の際にカットされなかったことにされた。
しかもコバルト自ら自分の墓石の前で「これぼくのお墓だって」というメタなことをやらかした。
まあ手塚作品はメタ表現は基本だが。

プルートゥ
最も有名なアトムの敵。最強を決めるべくアトム始め七体を葬ろうとしたが、ウランとの交流により戦いに疑問を持つようになり、
最終的に戦いを放棄する。しかし、そこに現れた謎のロボットボラーの挑戦を受けて立ち、結果、敗北を喫して破壊される。
高い格闘能力と伸縮自在の角、腕を広げ回転する事で発生させる竜巻が武器。

◆アトラス
アストロボーイで有名になった敵。オリジナルは筒状の尻からジェット出して飛ぶ。

◆青騎士
ロボット王国造ろうぜ!!
間接的にだがコイツのせいでアトムは死にました。

◆ハムエッグ
「アトム今昔物語」ではサーカス団長としてアトムをこき使い、「アトム誕生」では天馬博士からアトムを買い受けサーカスに売り払った。

◆アセチレン・ランプ
いつも通り

◆タマオ
アトムの親友その一。
メガネのだめなヤツ。アトム本編の前章「アトム大使」では前半のキーパーソンとなった。

◆四部垣
アトムの親友その二。
ガキ大将で金持ち。

◆ケン一
アトムの親友その三。
手塚作品で常連な優等生キャラで、非常時にはまとめ役として活躍する。



■アトムの最期

一番有名なのが初代アニメの最終話だが、漫画版では複数の後日談(後日談同士は完全なパラレル)が存在する。
後日談の共通は「宇宙人に修理され地球に帰るが、過去に着いてしまう」というもの。

中でもアトム今昔は一読の価値あり。

また作者自身が書いていて嫌になった「アトムの最後」なる短編もあるが……
実は本掲載時に同時掲載されたのが水木しげるの『その後のゲゲゲの鬼太郎』という明るい(?)後日談だったりした。

また、最終話の後に別個体のアトムが造られるというものもある。

ちなみに本連載時は掲載誌自体が打ち切られたため普通の話で終了している。


■余談

実はテレビアニメ版に先駆けて実写化されたことがある。
半世紀以上前であることを考慮しても 余りにも残念過ぎるクオリティ黒歴史となっていたが、DVD-BOX化が決定した。
主題歌で「ぼくはよいこだ鉄腕アトム」とか言っている。

また原作者は最晩年『アトムキャット』 *4 というアトムの「セルフパロディ」ないし「オマージュ」的作品を制作した。
そこの『アトム』は「アトムの漫画が好きな眼鏡少年に拾われ、事故で死んだ後宇宙人夫婦 *5 に(飼い主のアトムイメージから)アトム風サイボーグとして改造されたアトム柄の猫」だった。何か別の猫型ロボットと少しだけ被るような……。

suncomics版・手塚治虫漫画全集版での別巻(番外編及びカラーアニメ版とのタイアップ連載編を収録。光文社文庫版では第15巻)では、
なぜか『ブラック・ジャック』の「おまえが犯人だ」 *6 と、アトムと言うには果てしなく微妙な短編「わが名は百科」が収録されている。


因みにアトムの動力は原子力だが普通に や首、胸などの補給口から補給してる。
近くに人がいても。
しかしアトムの寝たベッドから放射線の反応が出なかった為、普段は問題ないが、アトム曰く乱暴にすると放射線が漏れるらしい。
カラーアニメやリメイク版では重水素カプセル内蔵のカセットを挿入する形になったため、放射能漏れはなくなった。


追記・修正おねがいします

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