ガイエスブルク要塞

登録日:2012/09/12(水) 10:01:04
更新日:2022/09/21 Wed 01:03:13
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『ガイエスブルク要塞』とは、大河SF小説『銀河英雄伝説』作中に登場する架空の人工天体である。


銀河帝国が持つ要塞で直径およそ45km、収容艦艇16000隻、主砲高X線ビーム砲「禿鷹の鉤爪(ガイエス・ハーケン)」の出力は7億4千万メガワット。
イゼルローン要塞に比べれば一回り小さいものの、その戦力はイゼルローン要塞に匹敵する。
自由惑星同盟にイゼルローン要塞が奪われてからは、帝国内における最大最強の軍事要塞である。


建造された時期や経緯は不明だが、OVA版の「かつてはイゼルローン要塞と同じく流体金属で覆われていたが、年月の経過で蒸発しところどころ内部構造がむき出しになっている」という設定に従えば、少なくとも帝国暦454年(イゼルローン要塞建造開始)以前に建造されたと思われる。


本編においては、帝国内の大規模な内戦・リップシュタット戦役の折、リップシュタット連合軍が接収しその本拠地とした。
その後相次ぐ敗北と将兵の叛乱により実質的に連合軍が崩壊し、連合軍盟主であるブラウンシュヴァイク公オットーは「自決」(実際は部下により強引に毒薬を入れたワインを飲まされた)。
内戦が終結するとローエングラム侯側に空け渡された。


が、その後ガイエスブルグ要塞で行われた捕虜引見の際、ラインハルト暗殺を目論んだブラウンシュヴァイク公の元部下・アンスバッハによりキルヒアイスが殺害されるという悲劇の舞台ともなった。


その後第8次イゼルローン要塞攻防戦に使用され、イゼルローン要塞との戦闘に利用される。
この時帝国軍科学技術総監のアントン・ヒルマー・フォン・シャフト技術大将の提案に基づいてワープエンジンと通常空間用エンジンが各12基ずつ装備した移動要塞に改造され、戦闘に投入された。


そのため要塞自体に推進力がありイゼルローン要塞に接近、引力でイゼルローン要塞の表面の流体金属を引き寄せ(いわば流体金属の「引き潮」を起こしたわけである)、ガイエスブルク側のビーム砲やトール・ハンマーを封じつつ、薄くなった背後から帝国艦艇が攻撃するという戦法が主にとられた。


が、同盟側が善戦し、その上政府に首都星ハイネセンに呼び出されていたヤン・ウェンリーが帰還。
ついに最終局面でイゼルローン要塞に特攻をかけたが、エンジンの一つを一点集中攻撃で破壊されて推進軸をずらされて特攻は失敗する。
挙句の果てに随伴していた駐留艦隊を巻き込んで制御不能の急スピン状態に陥ってしまい、そこにイゼルローン要塞の要塞砲を撃ち込またことが決め手となり、核融合炉が崩壊。
こうして、ガイエスブルク要塞は要塞内部の将兵はもちろんのこと、駐留艦隊も含む多くの帝国将兵を道連れに爆発・崩壊した。


帝国側の損害は総司令官カール・グスタフ・ケンプ提督が戦死。
副司令官ナイトハルト・ミュラー提督も重傷を負い、そしてガイエスブルグ要塞を始めとした総兵力の9割を喪失するという、まごうことなき大敗であった。
この大損害の一因は崩壊するガイエスブルグ要塞内部での帝国軍将兵どうしでの殺し合い(脱出手段をめぐってのもの)であるだろう。


この戦いの後、帝国軍はコストや手間の割に使い勝手が悪い移動要塞を使用した作戦は行ってはいない。



なお、上記の流体金属関連の設定や戦法はOVA版オリジナル。
原作ではイゼルローン要塞とさほど変わらない球形の宇宙要塞とされている。


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最終更新:2022年09月21日 01:03