才賀貞義

登録日:2011/05/31(火) 19:17:50
更新日:2023/08/20 Sun 00:57:06
所要時間:約 6 分で読めます




からくりサーカスの登場人物。
CV:古川登志夫

精密機械分野に留まらず多分野に事業を広げるグループ企業の総帥で、才賀勝の父親。
先代会長の才賀正二の息子でもある。

劇中では、高速道路で人形のようなものがタイヤに絡まったことが原因と思われる謎の事故により、既に死亡している。

しかしなぜか総資産180億円を末子の勝に受け継がせる遺言を残してたものだから大変。
親戚の間で、勝を殺して財産を分捕ろうとする者、勝を養子にして保護者名目に財産を好き勝手しようとする者が、馴染みの黒賀村の人形使いで殺し屋や賞金稼ぎ等裏の世界へ渡った者達を雇って小競り合いに発展する。


しかし実はこれは貞義が仕組んだ策略だった。
しろがねが全ての人形を壊した後、不要となった人形と人形使い、つまり黒賀の者達が衝突し潰し合う為に、態と勝に全財産を相続させて火種を作り出したのだった。

もっとも勝が阿紫花英良にこの事実を告げたことで完全には成功しなかったのだが。




















彼の本名はディーン・メーストル
古くから戦っているしろがねの一人であり、ルシールの娘アンジェリーナとは旧知の仲。

お調子者で悪乗りしやすい明るい性格。
特技は変装で、それも薬品による染髪やガラスの目玉だけではなく、顔を引っ張ったりなんだりして他人そっくりの顔に変えてしまうというビックリ技術。

才賀正二と結婚したアンジェリーナの招きを受け、40年間、人形破壊者しろがね本部へ才賀機功社が作り上げた人形を送る橋渡し役を務めると同時に、しろがねである正二が常人より歳をとるのが遅いのを人に怪しまれない為に、跡継ぎの貞義として変装技術を使い入れ替わりを演じてきた。

1909年に本部からの命令で新しいしろがねのグループの隊長になる為に日本からフランスへ戻る。
しかし直後に自動人形の襲撃でアンジェリーナを失った正二を慰め、サポートする為に日本に戻って「貞義」になり、公私ともにかけがえのないパートナーとして働く。


しかし正二はやがて彼に不信感を抱くようになる。
妻の忘れ形見であり柔らかい石を持つ娘のエレオノールを守る為、あえてしろがねとして育てることを決意したが、その彼女が当初の意志と反して人形のような性格になってしまう。
しかも一度も行っていないのにエレオノールは何度も自分と会ったと言い、しろがね達も正二がやってきて人形の仕組みについて説明までしたと言う。

何者かが自分になりすまして何か黒い計画を推し進めていることに気づいた正二とギイ・クリストフ・レッシュは推理の末に気づく。
72年間の間、正二やギイの動向を知り、正二の姿を誰にも怪しまれないレベルまで真似ることができ、操り人形の説明ができるくらいの知識がある者。それは一人しかいない。


そう、貞義である。


気づかれないよう貞義の動向を調べる正二だが、そこで貞義がある計画を持ちかける。
自分の愛人の子として引き取った子供を餌にして、裏社会で生きる黒賀村のはぐれ者達を潰す計画を。


でも、金は払って育てさせようかなァ。名前は「勝」とでもつけてさァ。
僕は…なんでも「勝利」するのが好きなんだ。


その場は冗談扱いで済ませたが、本気であることを見抜いていた正二は、勝を守る為にエレオノールを派遣させる。

しかし貞義は黒賀村にゾナハ病をばらまき、村民を発病させる。
本性を表した貞義を止める為、正二は黒賀村に向かう。


正二。
僕は、あんたよりもずぅーっと——
早くから——
彼女(アンジェリーナ)を見ていたんだ。


そこで貞義は、アンジェリーナを好きだったこと、それなのに彼女は消えた上に日本で正二と結婚していたことに愛想を尽かしたことを告白する。

そして彼は永遠の命を求めた。
自分の溶けた生命の水を誰か一人に飲ませることで記憶を受け継がせ、自分のコピーを作り出す方法を。
その為に自分で自動人形を作り出し、黒賀村のアンジェリーナを襲うが、アンジェリーナの体内にあったはずの柔らかい石の行方は分からなくなり計画は頓挫する。
そこで次は人間の脳の情報を電気信号化し、誰かの脳に転送する方法を選ぶ。
その為の器として後に選ばれたのが勝である。

さらにその計画中に彼は衝撃的な発見をする。
アンジェリーナに瓜二つなエレオノールである。
幼い彼女に心奪われた彼は、彼女の心を手に入れる方法を考える。だめだこのロリコンはやくなんとかしないと。

普通に仲良くするだけではアンジェリーナの時と同じ失敗を繰り返すだけと思った彼は、エレオノールに勝という少年を守らせるよう刷り込ませる。正二への復讐として彼に変装して。
そして勝という材料が揃ったのを期に、黒賀村撲滅計画をちらつかせることで、正二はエレオノールが勝を守る為日本に派遣されるよう動いてしまうのだった。

全てをさらけ出した貞義は3体の操り人形で圧倒し、彼を殺害する。
しかし正二は事前に貞義の転送計画の機材やデータを破壊しており、計画は3年遅れることとなった。

そして3年後、貞義は勝を呼び出して眠らせ、機材を積んだ車に乗せて転送を実行する。
しかし転送中に高速道路上で、実は自分そっくりの人形とすり替わっていた為に無事だった正二に襲撃される。
そして勝を救い出され、貞義は正二もろとも濃硫酸入りのタンクローリーの中に落ちていった。

その後、タンクローリーが転落事故を起こしているのを発見され、瀕死の正二が発見されるも、貞義の死体は見つからなかった。








以下さらにネタバレ











彼の本当の正体は白金
生命の水に溶けて自殺しようとした直前、フランシーヌの遺髪を生命の水に溶かして誰か女に飲ませれば、その女はフランシーヌの記憶を持つ、つまり第2のフランシーヌが生まれるということに気づく。
その為キュベロンに放置してきたフランシーヌ人形を回収する為に向かおうとするが、自分が年老いてしまっていることに気づく。

そこで本番前の実験も兼ねて、白金は近くの村から同じ白家の少年を拐い、自分が溶けた生命の水を飲ませるように仕組む。
飲んだ少年は白金の記憶や人格を持つようになりコピーは成功する(ただし柔らかい石の精製方法など一部の記憶は失われた)。

その後、旅をしてキュベロンに着くが、フランシーヌ人形は行方不明になり、代わりにしろがね達が屋敷にいた。
そして彼はフランシーヌに瓜二つのアンジェリーナと出会うと、当初の目的も忘れ彼女に恋をするのだった。だめだこのボケ老人はやくなんとかしないと。つーか顔が似てりゃいいんかい。

そして彼女に気に入られる為に彼女の側でしろがねとして戦い守るのだった。
動機は兎も角、この時期は割と一番人間としてまともな時期だったかもしれない。

結局、また振られたどころか、そもそも勝負の場に立ってすらいなかったのだが。





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最終更新:2023年08月20日 00:57