魔法使いハウルと火の悪魔

登録日:2010/11/19(金) 09:29:31
更新日:2023/09/27 Wed 17:48:37
所要時間:約 5 分で読めます





ダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作のファンタジー小説。
「動く城の話を作って下さい」と言う生徒の要望から生まれた。
そのため内容も西洋のおとぎ話の伝統を取り入れた子供向けになっている。

2004年には「ハウルの動く城」のタイトルでスタジオジブリ制作による長編アニメ映画化がされている。
序盤こそ原作に準拠した内容だが中盤からは差異が多々見られる。
しかしダイアナ・ウィン・ジョーンズは「もう一つのハウル」と絶賛している。

原作と映画の違い
  • 戦争の有無
  • 荒れ地の魔女の扱い
  • カブや犬人間の正体
  • ハッター姉妹の活躍の有無
  • ソフィの呪いの描写の有無
  • ハウルとカルシファーが契約したタイミング
などがある。

特にソフィの呪いは原作では明確に解けたと言う描写に乏しいため、制作スタッフも四苦八苦した模様。

また千と千尋の神隠し同様、世界観の説明は意図的に省かれているため初見では不明瞭な所も多いが、原作を読めば理解出来る。


【あらすじ】
魔法が当たり前に存在するインガリー国が舞台。
帽子店の針子として働くソフィー・ハッターは「長男、長女は出世出来ない。成功するのは末娘で、長女は運試しをしてもうまくいかない」と言う迷信に囚われ、
人と接することなく毎日を過ごすことも合間って次第に心を閉ざしていった。

そんなある日、街で噂になっている荒れ地の魔女が来店し、呪いをかけられ90歳の老婆に姿を変えられてしまう。
帽子店にいられなくなったソフィーは呪いを解くヒントを探るため魔法使いハウルの動く城がある丘陵地帯へ向かうことに……。



以下ネタバレ含む



【登場人物】
  • ソフィー・ハッター
CV:倍賞千恵子
帽子店で働く三姉妹の長女。あかがね色の髪をした幸薄少女で迷信に囚われている。
そのため自己肯定感が低く、生き甲斐は出世する運命にある(と思っている)妹を仕込むこと。
生前の父が娘たちを学校に行かせるために借金をしていたことが判明し中途退学している。
ずっと人と接することが無かったため、些細なことでビクつくような気弱な性格になってしまっている。
老婆に姿を変えられて以降はハウルの城に勝手に上がり込んだりかなり図々しく、積極的な性格になっている。
実は隠れた魔法使いの才能を持ち、かけた言葉がその通りになる言霊の魔法を無意識に操っていた(出世する帽子と言えばそうなるなど)。
映画では迷信云々の話はなくなり、容姿が原因で臆病で自信がない性格になっているが、ナンパされたりもしていて美人扱いされている。またこちらでも無意識下ではあるものの魔法使いの素質があるが、こちらでは生命を吹き込む魔法を操るという設定になっている。

  • ハウル
CV:木村拓哉
動く城に住む魔法使いで「美女の心臓を喰らう」として恐れられている。
殆どの噂はマイケルが流したもので、根は善人。
ナルシストで容姿に相当の拘りを持っていて魔法でいろいろやってる。

女好きと言うよりは恋愛好きで口説き落としたら捨てる悪癖持ち。
物語ではソフィーの妹(次女)を狙っている。
本名はハウエル・ジェンキンスで、異世界(現実世界のイギリスに相当)イギリス・ウェールズから来た。故郷には姉夫婦、姪、甥がいる。
異世界では大学に通っていた過去がありラグビーをやってたりしていた。

映画版ではキャラ自体は変わっていないが見えない部分がかなり変わっている。
荒れ地の魔女と大人の交際をして捨てて恨まれていたり、偶然ナンパしたソフィー(といっても絡まれてるのを助けたという面もあるが)が運命の相手で妹は狙っていない。
そして時系列を整理するとかなりの年齢。多分40は行っている。

  • レティ・ハッター
CV:香月弥生
三姉妹の次女。美しい黒髪を持つ街1番の美女で、街の半分の男から求婚された逸話を持っている。ハウルも狙っている(レティの姿をしたマーサ)。
父が死んでからはパン屋で奉公に出ていたが、魔法を学びたいために三女と口裏を合わせフェアファックス夫人の元で修行している。

  • マーサ・ハッター
三女。父と後妻の間の子で金髪。マイケルの恋人。
早く結婚して子供が欲しいために、マイケルと一緒にいたいために、魔法で次女と姿を入れ替えパン屋で奉公している。

  • マイケル・フィッシャー
ハウルの弟子。15歳。マーサの恋人(本人はレティだと思っている)。
ハウルの浪費癖に悩んでおりカルシファーと貯金しようとしていたり根は真面目
しかし、ハウルに恋人(レティの姿をしたマーサ)を取られないように悪い噂を流したりする狡猾な面もある。
映画のマルクルに相当。

  • カルシファー
CV:我修院達也
悪魔。元は流れ星でハウルとは5年前に契約した(映画は数十年昔)。
ハウルに魔力を与えたり、城を動かしたり、暖炉から動けなかったり苦労している。

  • カブ
CV:大泉洋
しなびたカブ頭をしたカカシ。
ソフィーに話しかけられたことで命を吹き込まれ、動けるようになる。
サリマンが荒れ地の魔女の毒牙に掛かる前に自分の魔力を吹き込んだカカシで、
ハウルの助けもあり荒れ地の魔女を倒すことに貢献している。作中1番の
映画版では最初から動いており、ソフィーに助けられる事で彼女についてくるようになった。
なぜ彼が動けるのかについては終盤にて判明する。少なくとも、こちらの彼もではあった。

  • 犬人間
様々なの姿になる呪いをかけられた人間。
根性で数秒だけ人間に戻れる。パーシヴァルと言うレティに恋心を抱くぼんやりした青年。
パーシヴァルの正体はバラバラにされたサリマンとジャスティンのパーツの内、荒れ地の魔女が気にいらない余りのパーツで作った複合人間。
彼がレティに恋心を抱かなければサリマンとレティは結婚しなかっただろう。
映画には登場しないが、代わりに近いポジションのキャラとして「ヒン」という老犬が登場。その名の通りの掠れた声で鳴く。
実はサリマンの使い魔であり、ハウルたちの情報を探るスパイとして紛れ込んでいた。
だが、あるタイミングからハウルたちを個人的に気に入ったようで、サリマンへ情報を流すのをやめていたりする。

  • 荒れ地の魔女
CV:美輪明宏
ラスボス。かなりの美人。自分好みの人間を作ることを目的としている。
そのためサリマンとジェンキンスをバラバラにしたり、ハウルの首を欲したりしている。
作った人間とでインガリー国の王位も狙うつもりだったが、カブとハウルの活躍で白骨化する。
映画版では肥満体型で、当初こそラスボス感漂っていたものの、何やかんやソフィー達一向に加わり、老獪さを残しつつも何とも可愛いばあちゃんになった。
また若い頃の姿は本当に美人である(もっと言うなら肥満体型になった現在でも顔立ち自体は整っている)。ハウルも手を出す訳だ

  • サリマン
CV:加藤治子
王室付き魔法使い。男。
行方不明の王弟ジャスティン捜索の際に荒れ地の魔女の襲撃を受け、
体をバラバラにされ、ジャスティンと融合、複合人間パーシヴァルになる。
後にレティと結婚。ハウルと同じ異世界の住人。
映画版では女性。かつ、一応のラスボス。とはいえ立場上敵対しているというだけ。


「あんたは追記、修正しなきゃいけないだろうね、今すぐに!」

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最終更新:2023年09月27日 17:48