クロスボーン・ガンダムX1

登録日:2011/07/23(土) 01:21:13
更新日:2023/11/23 Thu 01:57:16
所要時間:約 14 分で読めます





奇跡を見せてやろうじゃないか!


目次




型式番号:XM-X1(F-97-1)
所属:新生クロスボーン・バンガード
建造:サナリィ
生産形態:試作機
頭頂高:15.9m
本体重量:9.5t
全備重量:24.8t
装甲材質:ガンダリウム合金ハイセラミック複合材
ジェネレーター出力:5280Kw
アポジモーター数:34
スラスター推進力:25t×4(最大30t×4)

●武装
  • バルカン砲×2
  • ザンバスター×1(バスターガン×1、ビームザンバー×1)
  • ビームサーベル(ビームガン)×2
  • ヒートダガー×2
  • シザーアンカー×2
  • ブランドマーカー(ビームシールド)×2
  • ABCマント×1

搭乗者
キンケドゥ・ナウ
トビア・アロナクス
ウモン・サモン
ベルナデット・ブリエット


概要

サナリィが新生クロスボーン・バンガードの要請を受け、木星周辺の宙域(木星圏)での運用に耐えられるよう開発した超高性能MS。
旧クロスボーン・バンガードの流れを汲む『XM-X』という型式番号が付いているが、
サナリィ社内における本来の型式番号は『F97』、すなわちF90F91などと同様の『フォーミュラ計画』に属する機体である。
これは「実験機のテスト」のためとはいえ「宇宙海賊に協力している」という事実を隠すためであり、後の量産化まで見据えての隠蔽である。
F91の後継機という事もあって、バイオコンピュータは搭載していると思われる。*1

最大の特徴は背中に広がるX字のスラスター。
従来の「全身にマイクロバーニアを配置することで高い機動力を生み出す」方法を木星圏で使うと、

推力の高い大型バーニアや多数バーニアを使用

大型ジェネレーターや大量の推進剤が必要

機体重量が増加

重量化のため、さらに大型のバーニアg(ry……

完全な悪循環である。

そこでサナリィスタッフは「大出力メインスラスターをフレキシブルに可動させて方向転換を行う」という新しい方法を考え出し、
機体重量を抑えながらも機体の強度アップと高機動化の両立に実現に成功した。足裏にアポジを付けないという大胆なMSは希である。
技術的にはビギナ・ギナ等の旧クロスボーン系MSのノズル技術を発展したものを採用しているとされる。

更に海賊軍が人員の少ないことに配慮し、『コアブロックシステム』を搭載してパイロットの生還率を高めている。
なお、コアブロックのドッキング方式はクラスターガンダムで培われた『ホリゾンタル・イン・ザ・ボディ』を採用しており、フォーミュラ計画の系譜であることを示している。

また「無益な殺生をしない」という海賊軍の戦闘思想により、
クロスボーン・ガンダムの武装はより相手の生存率の高い『接近戦』に比重がおかれた物が装備されている*2

接近戦に耐えうるよう装甲が厚めであり、一般的なMSに比べて排熱ダクトの面積が抑えられているため、追加の排熱手段として頻繁に頭部マスクの開閉が行われる。
これは明言こそされていないがバイオコンピュータの冷却も兼ねているのだろう。
このマスクはF91の様な中央開きタイプではなく、口元の上部分がスライドして放熱する。


このようにF97シリーズは宇宙世紀0133年において非常に高い性能を持ちながらも、
接近戦を主体とした設計思想や武装、機動力などから、他のモビルスーツと比較して乗り手を激しく選ぶため、
並のパイロットでは性能をフルに引き出すことができない機体となっている。

同型機として黒色のX2水色のX3銀色のX0、量産型のフリントが存在する。
これらは細かい差異こそあれどほぼ同一機と言っても過言ではないため、それぞれの機体間でパーツを使い回すことができる。

ちなみに、クロスボーン・ガンダム連載開始から間もない頃に放映された、機動武闘伝Gガンダムの48話で登場するガンダム連合に、本機と思しき機体が紛れている。
カラーリングはストライクガンダムのような青と赤だが、特徴的なX字スラスターと足の尖ったパーツが確認できるのでクロスボーン・ガンダムで間違いないだろう。


武装

  • バルカン砲
頭部に2門内蔵された普通のバルカン。

  • ザンバスター
いわゆるビームライフル。ライフルとしての性能は標準的だが、ビーム剣「ビームザンバー」とビームガン「バスターガン」の二つに分割出来る。
また先端に先込め式の実弾頭を取り付けることで、簡易的なグレネードランチャー(擲弾)としても機能する。(現実の89式みたいな感じ?)
作中終盤では核弾頭を装着してジュピトリス9を大破させた。
名前の由来はザンボットバスター

  • バスターガン
フリントロックピストルのような形状をした小型ビームガン。威力はザンバスターに比べると劣るが、取り回しに優れる。
ザンバスター時では、照準器・銃身・フォアグリップを構成する。

  • ビームザンバー
アームガードの付いた大型ビーム。本機(およびクロスボーンシリーズ)の代名詞と呼べるメインウェポン。
ビームを一方向に加速することで通常のビームサーベル以上の切断力を持ち、ビームシールドすら両断出来る。
ザンバスター時では、グリップ・銃床を構成する。
名前の由来は「斬馬刀」からだが、その外見は海賊が用いる剣「カトラス」を髣髴とさせる。
ただし本編中で発振されるビーム刃は直剣状のものであり、カトラスのような曲剣状のビーム刃は立体化の際のアレンジによるもの。

  • ビームガン/ビームサーベル
コアファイターの機首部に装備されたビームガン。
本機とドッキングすると、首筋に収納されビームサーベルとして機能する。収納されていても、ビームガンとして使用可能。
作中の描写からビームバルカンレベルの連射ができるようだ。

  • ヒートダガー
ふくらはぎに仕込まれたダガーナイフ。
スラスターの排気熱で加熱することで高い威力を生む。
足の裏にはこれの射出口が存在し、飛び道具のように使ったり、飛び出した状態で固定してスパイクのようにしたりできる。

  • シザーアンカー
フロントスカートに仕込まれた鎖付きのハサミ
「武器(主にビームザンバー)を掴んで振り回す」「敵を捕縛する」など用途は多岐に渡る。

  • ビームシールド/ブランドマーカー
両腕に装備したビームシールドデバイス。ビームを収束させることでビームスパイク「ブランドマーカー」としても機能する。
ブランドマーカーの名は、スパイクを打ち付けることでX字の刻印が残ることに由来する。F91と同じように展開したまま取り外すことも可能。
キンケドゥはヴェスバーを防御するため、展開したまま取り外したビームシールド二枚を撃ち抜かせて威力を減退させた上でビームザンバーで受け止めるという離れ業を披露している。

  • ABCマント
耐ビームコーティング(Anti Beam Coating)マントビームを受けた瞬間に気化することでビームを無力化する防御装備。
通常のMSに装備させる場合、肩から纏わせると背中のスラスター噴射を妨害してしまうために下半身など一部にしか装備できないが、
クロスボーン・ガンダムのフレキシブルスラスターであればマントがスラスター噴射の妨げとはならないため、ほぼ全身を覆うような形で装備出来る。
メタ的には作画を短縮するための形態(スラスターを描かずにすむ)である。
この設定上、近年のゲーム作品でよく見られるマントからX字のスラスターが付き出したクロスボーン・ガンダムというのは原作では有り得ない姿である。*3
標準的なビーム兵器であれば5~6発(ヴェスバーなら1発、カングリジョのメガ粒子砲だと貫通)は耐えることが出来るがかなり高価。そのくせ基本的には使い捨てという金食い虫でもある。

排熱のためゴァッと開ける部分。振るわれたヒートダガーすらくわえ込むほど力が強い。


ビリー

オウムの形をした偵察メカ。エビル・Sが使っていた偵察用ポッドから着想を得て作られた。
サイコミュでコントロールするが、サナリィにはサイコミュに関するノウハウが乏しかったため、使用時は使い手がビリーの操作に集中しなければならない。
元々は武骨でメカメカしい見た目だったが、F97にドクロのマーキングが施されたことを知ったサナリィのスタッフが、笑いながらオウム風の外装を仕立てたという。

木星戦役の初期の頃に使われたものの、使い処が難しかったためトビアが加入した頃(=本編開始以降)には既に使用されてなかった。*4
木星戦役の後、サナリィの倉庫で在庫になっていたものをブラックロー運送が格安で貰い受ける。
「スカルハート」の時期に、木星軍残党の奇襲でX1が来るまで持ちこたえなければならなくなったトビアが使用。全高2.8mと人間からしたら意外とデカイ事を活かし、生身の兵相手に奮闘した。
その後、木星戦役から36年後にブラックロー運送の倉庫に眠っていたものが掘り起こされ、内部の記録ユニットを爆弾へと詰め替えて、誘導爆弾としてX-13によって使用された。
なお、誘導爆弾としての使用は開発当時から想定されたものだったという。

クロスボーン・ガンダムX1改


クロスボーン・ガンダムのレンジ外から攻撃してくる『クァバーゼ』の「スネークハンド」に対抗するために新装備「スクリューウェッブ」を装備した形態。
本体のスペックに変更はないが、スクリューウェッブはリアスカートにあるシザー・アンカー用のチェーンの収納スペースを利用しているため、
シザー・アンカーは使えなくなった。

  • スクリューウェッブ
スネークハンドに対抗するために技師長の「リーチが長い敵なら、その相手より更に長い武器を使えばいい」というアイデアを元にして作られた武器。
攻撃力はスネークハンドには劣るが、非常に長大な鞭で、先端が高速回転することで凄まじい破壊力を生む。


劇中の活躍(X1&改)


新生クロスボーン・バンガードのエース『キンケドゥ・ナウ』の機体として登場。海賊軍の象徴として木星帝国に恐怖を与える。

敵の新型MA「カングリジョ」を瞬殺し、対クロスボーン・ガンダム用に開発された新型機「クァバーゼ」「トトゥガ」「アビジョ」を操る
『死の旋風隊(デスゲイルズと読む)』との戦いでは、1対3の不利な状況かつ、両腕を切り落とされ中破しながらも引き分けに持ち込むなど、
パイロットの技量も合間って凄まじい力を発揮した。

『改』は改修直後に連邦軍のF91部隊に襲撃を受け、隊長機の青いF91を何とか退けるもメインカメラが破損してしまう。
続けて、木星帝国に下ったザビーネX2改に襲撃を受け、何とか善戦するがとある事に気を取られた隙にコクピットをビームサーベルで貫かれ地球へと墜ちて行った……

が、

なんとその状態でビームシールドによる大気圏突入を行いそれを成功させ、キンケドゥも重傷を負いながらも生還。
死の旋風隊に襲われピンチに陥ったトビアを救出に向かい、スクリューウェッブで遂にクァバーゼを撃破した。

その後、木星帝国の大軍勢に大気圏を離脱しながら奇襲を敢行。
狂気に駆られ暴走するザビーネと死闘を繰り広げ、紙一重の差で勝利し長年の因縁に決着を付けた。
地球に降下したトビアを追って降下、トビアを回収し、哀れな幻を見るドゥガチに最後の一撃を下した。



クロスボーン・ガンダムX1改・改


通称スカルハート。キンケドゥからトビアに受け継がれたX1改がさらに改修された姿。
胸のクロスボーン・バンガードの紋章がX3同様のドクロのエンブレムに変わっているが、
これは貴族主義と縁が切れたクロスボーン・バンガードが紋章代わりに施したもので、ガトリング砲の機能を持つX3とは異なり完全な飾りである。
右前部腰アーマーに「シザー・アンカー」を、左後部に「スクリュー・ウェッブ」を装備していることから、X1とX1改の中間的機体となっている。

普段はガワを被せられて、フリント共々ブラックロー運送の作業用モビルスーツとして偽装されている。
ちなみにその外装はなんとなく旧ジオンの水泳部のようにも見える。

  • ピーコックスマッシャー
新たに作られたボウガン型多連装ビームガン。展開式のフレームに九つのビーム砲を取り付けたもので広範囲に攻撃出来る。
正規品ではない為かフレーム部のビーム砲は使い切ったら完全にエネルギー切れになり、パーツごと交換する必要がある。


劇中の活躍(スカルハート)

表沙汰にならないような危ない事件を秘密裏に解決する姿から「スカルハート」なる謎のMS伝説を生み出す。
E衛星事件ではハリソンのF91と共闘し、背中合わせでフェイスオープンという非常にカッコイイ絵を見せてくれた。
だが月面で「影のカリスト」の駆るMS『コルニグス』との戦闘で中破してしまう。





おまえは死を恐れていないんじゃない!
それ以上に恐ろしいものから逃げ出したいだけなんだあーっ!


クロスボーン・ガンダムX1 パッチワーク


コルニグスとの戦闘で中破したスカルハートを、サナリィに残っていたX3のパーツで修復した機体。
いわばX1とX3の「ニコイチ」であり、「パッチワーク」という愛称も黒と水色のまだらとなった機体色から(塗り直す時間が無かった)。

  • Iフィールドハンド&胸部ガトリング砲
X3が持っていたそれと同じもの。X3のパーツを流用しているためそのまま使える。

  • フックシールド
先端部にワイヤーフックが取り付けられた小型シールド、先端部はアンカーの様に射出する事が可能。
連邦宇宙軍がデブリの排除などに使っているものであり、ハリソンから拝借する形で装備した。デブリから身を守る盾として頑丈な造りとなっている。
しかしトビアにかかれば、ただのワイヤーフックもトリッキーな武器に早変わり。
左腕のIフィールド発生器カバーの上に装着されているが、カバーの開閉及びIフィールドの発生を妨げる事はない。




もって……くれよX1!
もってくれっ!フルクロス!


クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス


グレートバレーでの戦闘で中破したパッチワークを『鋼鉄の七人』作戦のため修復し、可能な限りの改修を施した最後のX1。
X1とX3のパーツはもちろん量産型のフリントや残っていたABCマントの破片をも全て利用しており、
文字通りの『最後のクロスボーンガンダム』である。……はずだったんだけどね。

最大の特長は両肩と胸部に取り付けられた巨大装甲板「フルクロス」。
これは破砕し使い物にならない切れ端を含むABCマントを積層した多重防御兵装である。
両肩には計4機のIフィールド・ジェネレーターが備わり、両腕にもビームシールド/ブランドマーカーを装備し、防御態勢は万全。
「突撃作戦」のためとはいえ、この圧倒的なまでの防御力は明らかに過剰と言える。

武装も桁違いに多く、「バルカン砲」「ビームサーベル」「胸部ガトリング砲」「ヒートダガー」
「シザーアンカー」「スクリューウェッブ」を内蔵。
「ピーコックスマッシャー」を携行し、補給役のアンヘル・ディオナには「ムラマサブラスター」も用意してある。


無数の武器を携え、巨大な外套を纏ったその姿はまさしく「海賊の頭」である。


  • ムラマサブラスター
14基のビームサーベルとブラスターガンで構成されるマルチウェポン。X3の使っていたそれと同じ武器。
ピーコックスマッシャーの存在がある為か、ブラスターガンとして使われたのはシンヴァツを攻撃した時だけで、
ほとんどは14基のビームサーベルを展開したモードで使われている。

  • フルクロス
切れ端含むABCマントを掻き集め積層化、更に二基のスカルヘッドユニットで構成される対ビーム用防御ユニット。
上半身はおろか首から下全てを覆いかねない大きさだが、
練りに練られた装着方法とスラスター内蔵のフレーム、そしてユニット自体に可動軸を設けた事でX1本来の機動性が殺される事はない。
原型となったフルクロスは木星戦役時に完成していたが、マザー・バンガードへの輸送船が事故で難破してしまったため、鋼鉄の7人作戦時に改めて作り直された。
本来はシェルフノズルを発展させた、使い捨ての加速用装備という位置付けで開発され、防御性能自体は二の次であったという。

実はヒートカッターも仕込まれているのだが、劇中では登場機会が無かったため事実上の没装備となった。一応、メカニック解説には載せられている。

  • スカルヘッドユニット
両肩に取り付けた大出力のIフィールドジェネレーターを二基ずつ、計4基搭載したドクロ型ユニット。
エネルギーと冷却が続く限りIフィールドを張り続ける事が可能だが、防御範囲は狭い。
非正規な使い方ではあるがナックルガードとしても使用可能。


劇中の活躍(パッチワーク&フルクロス)


サポートメカ「ノッセル」で地球に降下し、ギリを仲間にしようと接触した際に現れた木星軍と戦闘。この時はベルナデットが操縦していた。
ちなみに地上での移動の際はorzの体勢で運ばれていた。

続くグレートバレーでの戦闘ではギリの量産型クァバーゼ、ミノルの量産型F91と共に影のカリストのインプルース・コルニグスと交戦。
圧倒的な力の前に防戦一方だったが、切り札のIフィールド・ハンドで逆転に成功。
最終的に影のカリストの油断でかろうじて勝利するも、片腕を失い中破した。
その後、月面のサナリィでフルクロスへと改修される。
なお、EXVSで色んな意味で有名になったトビアの「コノシュンカンヲマッテイタンダー!」はフルクロスではなくこっちでの台詞。

フルクロスは「鋼鉄の七人」作戦に投入され、ご先祖であるF90、F91と組んだBチームの近接援護を担当する。
フルクロスとスカルヘッドユニットによる防御性能を活かした突貫により多数の木星軍MSを撃破し、
『最大稼働モード』を限界まで使用して、防御行動を捨てた上で光のカリストのディキトゥスと激突。
常人が立ち入れぬ領域で激戦を繰り広げ、満身創痍になりながらもムラマサブラスターで一太刀を入れ、これを撃退。
コロニーレーザー「シンヴァツ」も破壊した。

その後、もはや戦う意味も大義名分も失ったディキトゥスと「私闘」を展開。
ブランドマーカーで最後の一撃を叩き付け倒すも完全に機能を停止、エウロペによってシンヴァツの外へ放り出された。

直後にシンヴァツは爆発、機体はその余波で殆ど原形を留めないほどに大破。消息不明となる。

その後、大破した本機は発見されたが、パイロットの"トビア・アロナクス"は発見されていない。



クロスボーン・ガンダムX1 フルアーマー


X1を消耗させることなく敵の中央に突っ込ませてたどり着かせる、という目的のためにウモンらが寄せ集めのパーツを使ってでっち上げた機体。

各部に増加装甲を取り付け、右手にはムラマサ・ハイバスターを持ち、左肩にはパイルバンカー内蔵の大型シールドを付けている。
またフロントスカートからはIフィールドを展開でき、膝にもパイルバンカーを装備。頭と胸にはバルカン砲も追加された。
両肩にはジェネレーターが増設され、右肩はムラマサ・ハイバスター、左肩はIフィールドにパワー供給を行う。リアスカートのアーマーはプロペラントタンクとなっている。
これらの追加装備は使い切った物から分離していく。

シルエットは後に情報が解禁されたF90 Gタイプに似ているので、もしかしたらそのうち繋がりが生まれるのかもしれない。*5

元々は長谷川氏が出した同人誌「長谷川裕一ひとりスーパーロボット大戦 大外伝」に登場する非公式の機体だったが、
シリーズ完結記念の人気投票で票を入れてくれた人が居たということで、公式出版物の「機動戦士クロスボーン・ガンダム メカニック設定集」に収録された。

ちなみに長谷川氏はX1の追加装備を出すか「クロスボーン・ガンダムX4」を出すかで迷っていたそうだが、
最終的にX4はファンの妄想用にとっておき、こちらを出したとの事。


デザイン

原案となるデザインは作者である長谷川氏が描き、それをカトキ氏に送ってデザインを整えてもらい、
再び長谷川氏の手で漫画用に手直しされたのが現在のクロスボーンガンダムである。
カトキ氏に送られる直前の段階で本体部分はほぼ完成していたが、背面のスラスター部分は今と大きく異なっており、骨の意匠も無かった。
V字アンテナも太めで角度が浅いものだったが、これは後にX3とX0の頭部デザインとして復活している。
紺を主体としたカラーリングはパイロット(キンケドゥ)が大人であることを踏まえ、落ち着いた色が選ばれた。
原案段階では後にX3の装備となるIフィールドハンドや、同じくX0の装備となったバタフライバスターの原型も装備の候補として描かれている。

頭部のドクロマークは長谷川氏が作品のタイトルを見た時に「このタイトルならおでこにドクロを付けないといけない」と発言し、
富野監督からOKが出たというエピソードがある。
また、背中に骨を背負うというアイディアは当初監督は否定的だったもののすぐに撤回し、
その後カトキ氏の下からデザインが送られてきた際に付け足されていたという。

パッチワークとフルクロスの発想元はどちらもカトキ氏で、前者は「鋼鉄の7人にX3を出したい」、後者は「X1をフルアーマー化したい」という氏の要望から生まれた。

ちなみに、型番が直前のF91からF97まで一気に飛んでいるのは「その間を誰か描いてくれないかなぁ」と思った長谷川氏が意図的に飛ばしたからである。
だがご存知の通りその間は埋まらないまま25年以上が経過しており、かろうじて後続ナンバーのF99が、長谷川氏本人の手で埋まったくらいで未だFシリーズには多くの謎が残っている。
だいたいの人は先生が書かないで誰が書くのよって思ってるんじゃ…


立体物

鋼鉄の7人』までのクロスボーン・ガンダムシリーズにおける顔役という事を考えても、
非映像作品としては異例とも言えるほど立体化の機会に恵まれている。
多様な武器を持つことや、原作でのアクションシーンの多さから、キット映えするというものあるだろう。
あとX1を作れば金型の使いまわしで他のクロスボーンガンダムも作れるから

ガンプラとして初立体化は、ゲーム『SDガンダム G GENERATION F』への参戦に伴い、
BB戦士のフォーマットで発売された(Gジェネシリーズ名義)。ビームザンバーとザンバスターが付属。
また、2018年から展開されている『SDガンダム クロスシルエット』では、
ファーストガンダムナイチンゲールと共に第一弾として発売された。
+ クロスシルエット詳細
顔が大きいSD頭身なのでフェイスオープンギミックもしっかり搭載。
クリアパーツは付属しないため武装がやや寂しいことになっているが、実は後述のHGUC版のクリアパーツを流用することが出来る。
また、背面スラスターのサイズがHGUC版とほぼ同等なので、ちょっと改造するとHGUC版のクロスボーンガンダムにバランスよく装着できる。
というか、クロスボーン・ガンダムシリーズの作者である長谷川先生が改造方法も含めて自身のブログで紹介しているので、
興味があれば見に行ってみよう。
この改造は何の意味が?と思うかもしれないが、HGUC版はいわゆるVer.Kaであり、
背面スラスターのデザインはクロスシルエットの方が原作寄りなのである。

リアル頭身としてはMGが最初に発売された。各種武装を完全再現しており、ABCマントが付属。フルクロス版も新規パーツを追加する形で発売された。
デザインはカトキハジメ自らの手によってリファインされたVer.kaである。
2020年現在、ガンプラでの立体化は(Ver.kaと明記されていなくても)Ver.ka基準となっており、原作版デザインでのガンプラ化は一切無い*6
+ 原作版とVer.kaの主なデザインの違いについて
  • 頭部
原作版は縦に細い印象を受けるデザインだが、Ver.kaは一般的なガンダム顔に近い横に広いデザインとなっている。
また原作版は釣り目だが、Ver.kaは一般的なガンダム顔に近いタレ目ぎみ。

  • 胸部
原作版では突き出たようなデザインだが、Ver.kaでは大人しくなっている。*7
また、原作版ではクロスボーン・バンガードのマークが胸部のやや下側に刻まれているのに対し、Ver.kaではほぼ真ん中に位置している。
これは胸部デザインの違いにより、コックピットの開閉部位にも違いがあるため。

  • X字スラスター
原作版のX字スラスターは先端部が大腿骨(あるいは工具のスパナ)の様に凹型になっており、
モチーフとなっている海賊旗の意匠が強いが、Ver.kaでは先端部が小さくなり、凹の部分も主張が小さくなっている。

  • 髑髏マーク
スカルハート以降に施されている胸部髑髏マークの意匠が、原作版では顎無しなのに対し、Ver.kaでは顎付きとなっている。

  • フロントアーマー
原作版はシザーアンカーの先端部の形状が分かりやすく浮き出ているが、Ver.Kaでは分かりにくくなっている。


+ MG詳細
素版はパーツの差し替えでX1改やスカルハートも再現可能(ピーコックスマッシャーは付かないが)。

フルクロス版も基本的にVer.Kaだが、頭部と胸部髑髏を原作準拠のパーツに差し替えることが可能。新しく追加されたフルクロスにはアレンジが加わっているが。
武装はピーコックスマッシャーとムラマサブラスターの他に、
原作では使用していないザンバスターも付属するが、ABCマントは付かない。
設定通りスカルヘッドユニットを腕に装着する事もできる。

ただ、MG初期の頃に発売されたキットと言う事もあって、何かと出来の悪さが目立つ面も。
特にフルクロス版は、ピーコックスマッシャーやムラマサブラスターなど大型の武器を持たせたいのに、
何故か固定指が付属していないので保持力に関しては絶望的。ポリキャップレスキットのため関節の磨耗も激しい。
また、あくまでもVer.Kaなので、原作のようながっしりしたプロポーションを期待する層からはおおむね不評。
そういうコンセプトのキットなので仕方ない事ではあるが。

HGではHGUCでX1が登場後、フルクロスもビルドファイターズトライ仕様(Ver.GBFT)で登場。
プレバン限定で改やスカルハート、そしてHGUCディキトゥスの販売に合わせてX1フルクロス(原作カラー版)も販売された。
+ HG詳細
可動域は近年のガンプラらしく充分なものがあり、原作におけるアクションシーンの再現にも苦労しないだろう。
シザーアンカー、スクリューウェッブ、ABCマントは一般販売の素X1には付属せず、
他のプレバン限定販売の各種クロスボーン・ガンダムに付属している。売り方が汚い。

フルクロスも一般販売だが、機体色が通常の白からパールホワイトになっており、
原作のフルクロスとはだいぶイメージが異なる。プレバンのスカルハートを売りたいからだろう。
フルクロスを装着すると、フルクロスが干渉するため可動幅が狭まってしまうがこれは重装備系の宿命か。
武装は素のX1に付属する物に加えて、ピーコックスマッシャーとムラマサブラスターが付属する。
フルクロスと大型武装2つでボリューム感に申し分は無いのだが、いずれも色分けが甘く、見栄えをよくするのなら塗装が必須。
フルクロスのスラスター部分、ムラマサブラスターのビーム発生部分、そしてピーコックスマッシャーのすべてが難関となるだろう。
また、ムラマサブラスターはクリアパーツを装着すると重くなるので、補強をしないと手の甲がポロリしたり、肩が下がってしまう事がある。

なお、フルクロスと頭部のアンテナパーツを取り外せば容易にスカルハートを再現できる。
X3(プレバン限定)とミックスすればパッチワークも再現可能。フックシールドはさすがに自作するしかないが。
ただ、上記の様にHGフルクロスは機体色がパールホワイトなので、何らかの工夫は必要である。

RGでは初の15m級モビルスーツとして発売された。
HGと同じ縮尺ながら差し替え無しのフェイスオープンや、コアファイターのドッキングなど、MG並みのギミックが凝縮されている。
フェイスオープンはアレンジされており、原作では上顎がスライドするが、RGでは下顎がスライドするようになっている。
また、一般販売の1/144スケールでは初めてABCマントが付属。各種HGに付属していたものとは違ってマントは硬質で形状は固定されているが、雰囲気はしっかり出ている。
色分けが変態的で、ほとんどシールを貼らなくても良いともっぱらの評判。
同時期に発売されたHGCEデスティニー共々、バンダイの技術力が詰まった傑作キットとなっている。

フィギュアではGFFとROBOT魂で発売。
GFFには不織布と塩ビ2種類のABCマントが付属。
ROBOT魂は原作デザインに寄せて作られている貴重な立体物。
後に発売されたフルクロス版は新規造形となっており、フルクロス版をスカルハートへと改造するキットや、フルクロス版をベースにしたX1改もプレバン限定で発売された。
さらに、F91に続いてEVOLUTION-SPEC版としてX1(改)が三度目の登場。
こちらは従来の物よりサイズ(と値段)アップしているが、出来に関しては過去随一ともっぱらの評判。
特に漫画版を意識したデザインの評価が高く、また付属武装もたっぷりとあるので遊ぶのに困らない。
ただ、直前に出たEVO版F91の評判に引きずられる形で埋もれてしまっているのが難点か。

METAL BUILDではX1が登場。
原作者の長谷川先生もデザインに協力しており、モビルスーツを印象付ける顔から胸にかけてのデザインは特にこだわっているという。
新規装備としてオウム型偵察メカのビリーが追加、こちらは原作へ逆輸入された。
海賊っぽい豪奢なアレンジがX1のキャラクター性と上手くマッチした珠玉の逸品となっている。
後にフルクロスも発売。本体のX1の色が(意図的に)少し変わっていたり、没装備となったヒートカッターが復活している。


ゲームでの活躍


Fから参戦。
GジェネオーバーワールドではX1・X1改・スカルハート・パッチワーク・フルクロスと全てが参戦。
スクリューウェッブやグレネードなどバランスの良い武器を持つが、X2やX3に比べると若干パンチ不足。

が、フルクロスになると話は別。スカルヘッド・ナックルガードやピーコックスマッシャーで高い火力を得られる。
そしてなにより硬い。
素の防御値がすでに35と高めなのに、Iフィールド・ビームコーティング・フルアーマーシステムを搭載している。
ビームに対してはほぼ無敵、実弾や必殺技も30%のダメージカット。
ここまで来ると、もはやMSサイズの機動要塞である。

Fでは原作冒頭のバタラに乗り込んだトビアとX1の初遭遇シーンがムービー化されており、
死に物狂いで抵抗するもなす術もなく撃破されてしまう様は「戦場でガンダムを敵に回す事の恐ろしさ」を主人公視点で絶妙に描写している。

なお「SDガンダムGジェネレーションF」は記念すべきクロスボーン・ガンダムの初映像化・ゲーム参戦作品で、同作の評価が非常に高い事もあって
作品そのものの知名度の向上にも貢献する事になった。

第2次αVXTに参戦。
第2次αは高い性能を持ち参入も早いが、全体攻撃が重要な小隊システムでありながらそれを持たず、かなりクセが強い。
換装でマント有りとマント無しが選べるのだが、マント有りにすると全武器P属性になる代わりに
必殺技のビームザンバー連続攻撃が使用不可となり、マント無しにすると連続攻撃が使える代わりに
なんとスクリューウェッブ追加まで射程1の武器にしかP属性が付かなくなる。
原作でも戦闘で頻繁にマント脱いでたんだから、戦闘中マントパージとか有ってもよかったと思うのだが…。
なお、あろう事かビームザンバー連続攻撃はX3のムラマサブラスター連続攻撃よりわずかに攻撃力が高い。X3ェ…

Vではスカルハートとフルクロスが登場。
スカルハートは第2話で参入し、マントはないがフル改造すると格闘武器全てにバリア貫通効果が付きクリティカル率が上がる。
また第3話でビームザンバー、第32話以降でピーコックスマッシャーが追加される。
最初はトビアが乗っているが途中でキンケドゥが再び乗ることになり、トビアはフルクロスに乗り換えとなる。
この時キンケドゥのスカルハートはビームザンバーとピーコックスマッシャーの威力が上がっていて、その時点における量産型F91の改造をそのまま反映する。
一方、フルクロスはトビアが乗っていた時のスカルハートの改造を引き継ぐ。
ちなみに本作のフルクロスは三つの世界の技術を取り入れつつスカルハートの予備パーツから新たに組み上げられたという設定である。

Xでも引き続きスカルハートとフルクロスが登場。宇宙ルート22話にてスカルハートで参入。
基本性能はどちらもVからほぼ変更なし。スカルハートは最初から全ての武装が使える。
今作のトビアは本編以後鋼鉄以前の時間軸から召喚されており、フルクロスはヘルメスの薔薇の設計図から再現されたという設定。
カスタムボーナスで高いクリティカル補正を持つことと、NT能力を必要としないこと、更に今作ではHi-νガンダムナイチンゲールが入手できるため
トビアが他のNT専用機に乗り換えて、天才スキルで高いクリティカル率を誇るクリム・ニックが乗っているプレイヤーが多いとか…フルクロスありがとうねぇ!

Tでも引き続き(ry。第6話にてスカルハートで参入。
参戦時点でビームザンバーが使用可能で、15話でピーコックスマッシャーが追加。
今回はキンケドゥが木星戦役後そのまま乗り続けている設定となっており、トビアはX3がないので量産型F91に乗っているというVとは逆の状態に。
途中でフルクロスをまたもスカルハートとは別機体として入手するが、今回はトビアが量産型F91に乗っているのでそちらからの改造をそのまま反映する。

  • Climax UC
アクション系初参戦作品。
原作通り格闘寄りの機体には違いないが、いかんせんグレネードがチート。
射撃ゲーなので仕方ないと言えば仕方がないが。

リリース当初からキンケドゥのX1改がコスト2500で登場。
出撃ムービーでは各種武装を使った演出や、核弾頭狙撃シーンが再現されている。

性能は、素の耐久値は高くないもののABCマントによる対ビーム射撃耐性があり、ヒットスタンも照射でなければ付かないので詰め寄りやすい。
ほぼ万能機並みのBR、誘導の強いアシスト、覚醒CSで一発撃てる核弾頭と、格闘寄り機体としては射撃の手数が多く、
格闘も中距離付近まで接近拒否が出来る横サブ、驚異の突進速度を誇るBD格等高性能なものが揃っている。
闇討ちが得意な為、格闘機入門として常に安定した評価を受けている良機体。
その圧倒的な性能から弱体化調整が入る事となる。

更にアプデでフルクロスも登場。コストはX1改よりも高い3000で、アーケード時代では最終版に出た。
本来は鋼鉄の七人の機体だが、無印枠での参戦となっている。

…だがコイツが、ゲームの屋台骨を揺るがすとんだ問題児になってしまったのである。
その特徴は、射撃・格闘それぞれのCSを発動する事によって時限強化する特殊な機体。
射撃CSは弾数が5発から18発になり特殊射撃の一斉射による面制圧力が増すものだが、格闘CS時の性能は凄まじく、特にN格はコンボで300近く削れる。
同時解放では攻撃・機動に加え、防御も跳ね上がった突撃仕様となる。
フルクロスでビームを無効化するため迎撃もしづらく、N格を振った時の台詞「コノシュンカンヲマッテイタンダー!」は多くのプレイヤーのトラウマになった。
さらにコスオバしてもマントが付いてるので『一回撃墜される→復帰後即座に両開放→マントつきで覚醒して突っ込んでくる』という荒業で一気に場をひっくりかえす試合は山ほどあった。
家庭用のオンラインでも部屋のルールに「フルクロス禁止」と書かれる事が多かったといえばその強さが分かるだろう。

しかし一度発動させるとリロードに時間が掛かり、通常状態では同コスト最低の性能。
とはいえ格CSのダメージ効率と崩し性能が異常なのでたいした問題ではない。
そもそも通常時ですら『ピーコックスマッシャー一斉発射→Nサブをステキャンして特格(リロード)することで誘導をきりつつ弾を補給してまたピーコックスマッシャー(以下略)』…と繰り返すだけで
弾幕を張って時間稼ぎをすることが可能なのだから。

機動戦士ガンダム Extreme vs. FULL BOOSTでも続投。
X1は上方修正を受け、特に主力のBD格闘や横サブ射撃が強化した。
さすがに前作ほどの優遇を受けている訳ではないが、だいぶ扱いやすい性能にはなっている。

フルクロスは、全体的に大幅な弱体化を受け、コストオーバーで再出撃するとフルクロス未装備で出撃するようになった。まぁ前作がおかしかったといえばそれまでだが。
特に格闘回りの弱体化は著しく、初代よりも通常状態を意識して立ち回らないといけない。ましてコストオーバーで撃破されるなど許されないのは、プレイヤーとしても厳しかった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOSTでも続投。
X1はさらに強化を貰い、ABCマントがなんとリロード方式になった。X2と違い脱ぐ事はできないが、リロードが完了すると格闘CSで着られる。
また下格闘のビームシールド投擲が、緑ロックだと抜刀しなくなったので隙もなく落下できるのは嬉しい修正点。
更には後期に上方修正も貰いより評価を高めるなどこの時のX1は歴代でもかなり恵まれていたと言える。

フルクロスも強化が入っており、特に大きい点が各種CSの持続、リロード時間統一でこれにより両解放の輝きが復活、片解放の際にも調整が効きやすくなるなど非常に有り難い調整となっている。
新システムのドライブとの相性も良く、特に格闘強化のFドライブとは最高の噛み合わせでありシステム面でも追い風が吹く形となった。
稼働初期にはFドライブ、覚醒、両解放を合わせた強烈な攻めで猛威を振るっており同じくFドラ覚醒が強力なマスター、クアンタと合わせて『Fドラ三銃士』と呼ばれ恐れられた程。
しかしFドライブは程なくして調整が入りある程度の落ち着きを見せ、フルクロスも直接の下方はされなかった為程よい塩梅の立ち位置となった。
が、どういうわけかその後上方を貰っており、似た例の謎上方として挙げられやすいストフリ程強烈な内容ではないが痒い所に手が届く修正を貰い、その地位を盤石のものとした。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONでも続投。
X1はABCマントが脱着可能となり、X2のように降りテクとして使えるようになったが、着衣中は機動力が低下するようになった。
特殊射撃のバタラ呼出に、原作さながらの抱え切りが追加、通称トビアックス。SAがついているので強引に押し込めやすく、追撃もバウンドダウンなので容易。
とまあこう書くと悪くないように思えるがマント装着中の機動力低下が痛く、マントを着て強引に斬り込む事が強力だったのがその強みを潰される形になってしまった。
初期はあまりにも悲惨であったため早々に修正が入りマント装着中の機動力や代名詞の横サブが追撃可能になるなど上方を貰うも、他の内容が微妙すぎて初期よりはマシだが評価はイマイチのままであった。
その後、待望の2回目の修正が確定したがここでX1に大きな悲劇が起きてしまう。
と言うのもこの時期の上方修正は部分的に下方も織り交ぜて性能が壊れないようにするという慎重な方針が採られていた。
これが悉く悪い方に作用してしまい、前の修正で追撃可能になった横サブは追撃不能になり、トビアックスは威力激減、全く使う必要の無いキャンセルルートの追加、もう一つの代名詞のBD格闘は発生だけ上方した結果伸びが追いつかずメインのビームでよろけた相手にすらスカすようになるなど、上方ではなく実質的な下方とまで揶揄される散々な有様に成り果ててしまった。
特にBD格の悲惨さはBD格スカるハートなどとネタにされる程だった。
この修正はシリーズプレイヤーからも悪い意味で伝説として記憶されており、滅多に無いが実質下方同然の上方修正が起こった際には毎回引き合いに出される程である。
そしてその後3度目の正直と言うべき上方が入り、横サブは再び追撃可能に、トビアックスは初期より威力増加、BD格闘も伸びが強化されるなど前回の修正を全否定すると言わんばかりの上方内容であった。
これによりようやく不遇を脱却、一躍環境機体の仲間入りを果たす事となる。
自衛力は2500の中でもめっぽう強いが、格闘機不遇気味の環境なので攻めるとなるとやや辛い傾向。それでも大分強い方だが。

フルクロスはほぼ手が入っていない。
下格闘が原作再現技のカウンターになったくらいで、能力調整はほぼ入っていない。
逆に言えば前作の強みはほぼそのままなので終始性能に手は入らなかったが安定した強さを維持し続けた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2でも続投。
前年に発売したGUNDAM VERSUS.の性能を色濃く引き継いでいる。
X1はABCマントがEXVSMB時代に戻り、機動力が安定するようになった。
サブ射撃には前後が追加。飛び上がってスクリューウェップを叩きつける。
下格闘はブランドマーカーを手裏剣のように水平に飛ばす仕様になった。
特殊射撃はバタラからX3に変更している。
BD格闘で下派生可能や、横格闘で前派生が可能になるなど武装選択も充実。
がGVSでの下方も受け継ぐ形となり、環境機体の立場からは転落。
後に上方修正を受け、Nサブ射撃がダウンを拾うようになったり、格闘のダメージ効率が上昇している。

フルクロスは射撃CS及び覚醒技に、ピーコック・スマッシャー照射が追加。
G VSの変更を受け継ぎ、BD格闘や横格闘のモーションが変更し格闘も十分振れる性能にはなったが、こちらもGVSでの下方が足を引っ張り中間アップデートでの強化を含めてそれほど強くはなっていない印象に落ち着く。
環境自体もかなりインフレが激しい時代になっていたのも拍車をかけていたようで、時限強化による爆発力も強固な自衛力の前には成す術が無かった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでも続投。
X1は大胆なコマンド変更や修正が施され、ベズ・バタラ呼出攻撃が下格闘で、ビームシールド投擲がEXVSMBON時代のものが下特殊射撃で復活した。
代わりにサブ射撃の射程が落ちるなどの下方点もあるが、EXVS2時代に惜しまれていた武装を取り戻せたのは大きく、相対的には強化で間違いない。
更に拍車をかけるように強化を貰う。格闘は追従性能と発生の強化をほぼ全てのコマンドにどちらか貰い、かち合いに強くなっている。
特殊格闘に使い切りでX3の核弾頭発射が追加。使い切りとはいえダメージはそこそこで、使い終われば既存武装に代わる。とはいえそちらも標準性能が強化されているので、使い勝手は相変わらず良い。
射撃CS、前サブ射撃、特殊射撃にも強化点は貰ったが一切ダメージ調整に関しては触れられておらず、当たりやすくなり押しつけられる武装が多くなった印象。
2022年12月に下方調整が入る。サブ射撃の射撃派生入力をしない時の拘束時間短縮と攻撃回数の減少だが、これはC覚醒の不正延長を防止する目的の意図が強い。実際同タイミングで同じ悪さをしていたグフ・カスタムやEz-8が同様の調整を受けており、その煽りを受けたといった具合か。
何気に特殊格闘派生もダウン値上昇という下方調整を受けているが、こちらは微誤差レベルなので大して気にもされていない。

フルクロスは遂にここに来て奇跡とも呼べるほどの強化を貰った。
横サブ射撃の薙ぎ払いが通常でも使用可能に、ピーコック・スマッシャー照射が射撃CS中特殊射撃に移行などの変化を得る。
更に射撃CSと格闘CSの強化が、持続時間こそ3秒減ったがクールタイムが0秒の15秒リロードという破格の回転率を得た。これにより片方ずつをサイクルして回す戦法や、両解放しても負荷が軽減されるなど非常に都合がよくなった。
また覚醒技に乱舞系が追加。前作の照射は後覚醒技に移行し、どちらも使い勝手の良さが目立つ。
他が弱体化や調整を受けたのもあるが、純粋な強化と爆発力の助長によって久方ぶりに最上位に輝いている。しかし目立ちすぎた為に当然と言うべきか下方を食らったもののそれでも一定の性能は維持している。




追記・修正を見せてやろうじゃないか!



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最終更新:2023年11月23日 01:57

*1 後のパッチワークの時点までは不明だが、フルクロスの時点では搭載が明言されている

*2 ビームシールドが普及したために、ビームライフルが決め手になりにくいというのもある

*3 唯一の例外としては原作最終話ラストシーンのX1のシルエットはX字のスラスターを展開しつつマントを纏っているように見えるものとなっている

*4 後述するMETAL BUILDでの追加装備なので致し方無し。

*5 Gタイプの存在自体はフルアーマー以前からあったものだが、デザインはGタイプよりフルアーマーの方が20年近く先に公表されている

*6 部分的に再現された場合ならあるが

*7 近年の原作デザインでは突き出し具合がやや抑えられ気味