ガンダム試作1号機/試作1号機フルバーニアン

登録日:2010/02/23 Tue 22:49:44
更新日:2024/01/22 Mon 19:48:57
所要時間:約 7 分で読めます





ガンダム試作1号機/試作1号機フルバーニアンとは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ(MS)である。




概要

地球連邦軍アナハイム・エレクトロニクス社と共同で推し進めたガンダム開発計画で建造された試作機
コードネームは「ゼフィランサス」。
この名前は同名のヒガンバナ科の植物から付けられている。花言葉は「清き愛情」など。
ただし、あくまで開発中のコードネームに過ぎないため劇中では誰もこの名で呼ばない。
劇中の呼び方はもっぱら“1号機”。
現実だと「試作1号機」や「GP01」といった呼称・表記をされる場合も多い。


改装後のフルバーニアンと区別するため、地上戦仕様の方をゼフィランサスと呼称する事はある。

デザインはマクロスシリーズバルキリーVFのデザインも行っている河森正治氏。





ウラキ少尉、吶喊します!


◆ガンダム試作1号機

型式番号 RX-78GP01
所属 地球連邦軍
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
全高 18.0m
全備重量 65.0t
出力 1,790kw
推力 108,000kg
装甲材質 ルナ・チタニウム合金

武装
60mmバルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
90mmマシンガン
シールド

搭乗者 コウ・ウラキ


ガンダム開発計画によって作られた機体で、一年戦争で凄まじい戦果を挙げたRX-78-2ガンダムをベースに開発された新しいガンダム。*1
RX-78-2の意匠を受け継ぎ、ツインアイや額のブレードアンテナ、バックパックから肩上に生えたビームサーベル、白青赤のトリコロールカラー*2などを備えるが、装甲形状は全体的に曲線を多用したものになっており、やや趣が異なる。


コンセプトは「MSとしての性能を極限まで引き出すこと」。そのコンセプト通り、基本性能は初代ガンダムを上回り、同時期のMSとしては非常に高い水準でバランスが取れた機体に仕上がっている。
しかし、これは運用条件を考慮した調整や換装を前提にした設計によるものでもあり、アニメ本編で登場した事実上の基本形態は地上戦仕様となっている。
また、漫画『REBELLION』では調整や換装機能の設定が広げられ、複数のオプション装備が登場している。

ボディ部分にはRX-78などと同じく「コアブロックシステム」を採用しており、コクピットブロックはコアファイターとしてボディから分離可能。
ただし、RX-78のようにファイターを内部に完全収納するのではなく、機体を半ばで垂直に変形させて本体の背面から挿し込むような形で、背部に出ているファイターのスラスター部がそのままMSのメインスラスターを兼ねる方式が採られている。*3
合体前には中心部が僅かなフレームのみとなってしまうため、「本体側からの駆動」から「四肢側からの駆動」に改めた新型の機動システムが装備されている。
ただしプラモデルRGの組み立て説明書によると、初代ガンダムと違い戦闘中の分離、合体には対応していないらしい。

この設計思想はのちに「ムーバブルフレーム」へと発展、以後のMS開発に貢献したとされている。

当初はアナハイム所属のパイロットであるニール・クレッチマンがテストパイロットを担当する予定だったが、ジェネレーター調整中のトラブルにより事故死。急遽連邦軍パイロットが担当する事となった。
これは連邦軍側でテストをさせるための妨害工作の1つだったのではないか、などとも言われている。


□武器

  • ビームライフル
専用のビームライフル。どことなくRX-78のライフルを意識したデザイン。
交換可能なEパックを使用した初めてのビームライフルであり、後のほとんどのビームライフルの基本となった名銃。
砲身下に「ジュッテ」と呼ばれる小さなビームサーベルを発振する機構を有し、緊急防御に使える。
この名称は正式名など知らない交戦したジオン兵も口にしており、宇宙世紀ではそれなりの知名度のある装備の模様。

  • ビームサーベル
バックパックに2本装着されている近接武器。
コアファイターの時にはビームガンになるが、ほとんど威力なし。


  • 90mmマシンガン
ジム改等連邦MSの一般的な武器。
初期の陸上戦はよくこれを使用していた。


長めの形状だが、スライドして半分ほどにまでサイズダウンすることが出来空気抵抗を減らせる。
裏にライフル用Eパックの予備が取り付けられている。後のガンダムMk-Ⅱにも影響が見られる形状。
また青い部分は対ビームコーティングがされておりビームライフルの直撃も1、2発なら耐えられる。


  • ロングバレルライフル
CDシネマ『ルンガ沖砲撃戦』で使用していた武器。
この機体専用の装備ではなく、照準精度を高めるためにアルビオンの主砲のスタビライザーを移植している。



□劇中の活躍

オーストラリア・トリントン基地試作2号機と共に実験のために戦艦「アルビオン」によって搬送されていた。

しかし試作2号機は核弾頭を積んだままの状態でジオン公国軍残党のアナベル・ガトーによって奪取される。
残った1号機は偶然居合わせた新人テストパイロットのコウ・ウラキが無断で乗り込み起動させた。

そのまま2号機と戦うも経験の差から圧倒されて防戦一方となり、2号機はそのまま逃亡。アルビオンと共にガンダム奪還任務に就く。
途中でモンシアに1号機パイロットの座を狙われたりする等のなんやかんやがあったが、無事コウがパイロットを務めることになる。

ニナによればコウはポテンシャルを完全に引き出していたらしいが、それでも2号機を宇宙に取り逃がしてしまう。

その後、宇宙に上がるもコウが独断で宇宙用の装備への換装や調整をしないまま出撃し、シーマ・ガラハウ率いる部隊と交戦。
そもそも推進システムが宇宙非対応な上、多少の知識はあっても素人に過ぎないコウが自力で調整したOSでは、ニナの言う通りGM以下の戦力でしかなかった。
敵1機を奇跡的に撃墜したものの、そのまま格好のカモにされてしまいシーマのゲルググマリーネによって大破してしまう。
危うくそのまま撃墜されかけるが、1号機の余りにも頑丈な装甲とバニングが治っていない怪我を押して強引に出撃・介入した事によりなんとか撃墜だけは免れた。




貴様が忘れても、オレは忘れはしない!


◆ガンダム試作1号機フルバーニアン

型式番号 RX-78GP01-Fb
所属 地球連邦軍
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
全高 18.0m
全備重量 74.0t
出力 2,045kw
推力 234,000kg
装甲材質 ルナ・チタニウム合金

武装
60mmバルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
シールド

搭乗者 コウ・ウラキ


シーマ艦隊との戦闘で大破したGP01を月のフォン・ブラウンにあるアナハイム本社工廠で改修し、宇宙戦仕様にした機体。
元々試作1号機は簡単な調整で宇宙空間戦闘に対応出来る機体であったが、その調整前に機体が大破してしまったために修理も必要となり、宇宙戦用の改修計画もそれに対応した変更のうえで実施されることとなった。
そのため本編に登場したこのフルバーニアンは当初の改修計画による宇宙用試作1号機とは仕様が異なっている。
ちなみに、本来のプランはコアファイター中心に機体各部のスラスターの換装に留まり、外見上の変化は少なかったとされる。


最大の特徴は機体各部に装備されたスラスターである。
コアファイターは翼を取り外し巨大な「ユニバーサルブースターポッド」を2基増設。
肩や足も改修され元々の物とはかなり異なる形状になった。
また胸にもバーニアを内蔵し、急激な制動が掛けられるようになった。

その推力故の機動力はまさしく圧倒的であり、全身のスラスターを駆使した跳ね回るような機動はシーマに「バッタか!?」と言わしめたほど。


一方、経緯と出来上がりを見れば分かる様に、悪く言えばその場凌ぎの設計変更&突貫工事によって宇宙に完全特化させているため、地上戦をまともにこなせるのかは怪しい。
余裕のある状況では無かったため、地上戦まで考えた設計・シミュレーションなどはそもそもしていないと思われる。
むしろ二日でこの急な魔改造を終わらせた時点でファンから驚かれている*4


そのため、媒体によって(というよりゲーム上の都合で)地上でも使える・地上でも元の機体よりパワーアップしているケースもある一方で、
地上ではフルバーニアンは使えないとしているケースもある。
もっともGP03を(ゲーム上の都合で)地上で運用する場合の圧倒的な違和感に比べれば些末なことなので影に隠れがちである。



□活躍

月面のアナハイム本社で修復・改造され、コウに戦いを挑んできた元ジオン兵であるケリィ・レズナー操るヴァル・ヴァロを分離機構を使って見事撃破する。
ケリィとの戦闘前のテストにおいて、本人は「上半身だけで動きまわるのって気持ち悪いな」と若干気持ち悪がっていたが、その機構に助けられた。

以後は「星の屑」作戦阻止に尽力するも、ガトーの試作2号機は観艦式開催前の強固な警戒網を強行突破。

旧「ソロモン」・コンペイトウに核を発射し、連邦軍艦隊は殲滅されてしまう。
その後離脱しようとする試作2号機と交戦。
激闘の末、ビームサーベルで刺されるも胸部バーニアの噴射でできた隙を衝いてサーベルを突き刺し、相討ちに持ち込む。
だが激闘と無茶なバーニアの噴射で機体全体が限界に達しており、小説版ではコアファイターで脱出を試みるがシステム回りも破壊されており止むを得ず機体を放棄。

コウとガトーが脱出後、試作2号機と共に爆散して宇宙に散った…。

デラーズ・フリート壊滅後、パイロットのコウは試作3号機の無断使用と抗命罪の容疑で拘束され、軍事裁判で懲役1年の有罪判決を受けてしまう。
だが今回の戦争においての自分たちの数々の失態の隠蔽を目論む連邦の上層部が、服役中のコウと司法取引を行い、試作2号機、試作3号機と共に本機の登録を抹消。
本機の存在は歴史から闇に葬られてしまう事となったものの、これにより罪状が消滅したコウは無事に釈放され、北米のオークリー基地へと配属となった*5



□バリエーション

◇ガンダム試作1号機(ティターンズ仕様)


ゲーム『ガンダムトライエイジ』にて登場したティターンズ用となった試作1号機。
「ガンダム開発計画が抹消されず(デラーズ紛争でGP01が失われず)予定通りに進んでいた場合」というifの姿。
外観は機体色がティターンズカラーになったフルバーニアンで、ガンプラでもその色に塗れば再現可能。
ただ、本機の設定に関しては幾らかの無理をしてる部分が存在している。
原作「0083」を見ている人にはご存知だろうが、ガンダム開発計画の責任者でもあるジョン・コーウェン中将はティターンズを創設するジャミトフ・ハイマンとは政敵の関係であり、ジャミトフはガンダム開発計画を頓挫させるためにある謀略を打っている。※Gundam Evolve 04参照。
さらに言えば製造元であるAE社はスペースノイドの企業でもあるので、地球至上主義を掲げるティターンズとの相性は悪く(Z本編でAE社から引き渡され、使い潰されたマラサイの扱いが顕著)、試作1号機よりも「0080」に登場したNT−1アレックスの方が黒く塗られる可能性は高い。

しかし、ティターンズ結成の当初の理由がジオン残党狩りで、ジオンの象徴であるザクをベースにしたハイザックを採用し、その後もジオン系の特徴であるモノアイの機体を採用している、AOZのTR系機体の一部装備にガンダム開発計画の技術が反映されているとする資料がある、ティターンズがAE社と裏取引をしてガンダムMk-Ⅳを建造したという設定がある……といったあたりから、前記のような確執があっても利用価値があれば採用していた可能性はある。

色々設定面の問題はあるにせよ、あくまで「IF」の機体と割り切ってしまえば大した事はないが……。

なお、『トライエイジ』内ではビルドMSの時に使えるビルドアクションがラウンド1の敵MS全員のアタックを30%低下させる能力が頼もしく、この機体が実装されたビルド2弾の排出カードであったアリー・アル・サーシェスのパイロットスキルが同じ能力であるので、組み合わせてラウンド1を耐え凌ぐ戦法が取れる。
その後もビルドアクションの使いやすさがあって、多くのプレイヤーが格納庫に入れていた機体でもあった。


◇フルアーマー・ゼフィランサス

『マスターアーカイブ RX-78GP01 ゼフィランサス』に掲載されたフルアーマー形態。
防御性能向上のためフルアーマーガンダムを踏襲する形で企画されていたという。
フルアーマー系では珍しく装甲自体を強化装甲と交換する架装方式。
ガンダム開発計画自体が凍結されたので、シミュレーション時点までは進めていたがお蔵入りになったというこれ系のご多分に漏れない設定。



◆『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』での換装


チョバム・アーマー装備

試作2号機とのバディとなるために、チョバムアーマーを装備して、核攻撃に耐えられるようにした形態。
アレックスのと違って頭部にフェイスガードが追加されている。このフェイスガードのゴーグル形状はジム系統。


◇アクア装備

アクアジムのパーツを流用した水中戦仕様。
両肩にアクアジムと同型のアーマーが装着され、バックパックは新造品となった。
武装は両肩に4基の魚雷発射管、携行武器として魚雷付属ミサイル・ランチャー。


G・アーマーⅡ

試作1号機用のサポートメカ「GファイターⅡ」とドッキングした形態。
基本運搬目的なのと試作1号機のコア・ファイター形状の違いからGスカイやGブルにはなれない。


重装フルアーマー・バーニアン

試作1号機Fbに、ガンダム7号機の「セカンド・アーマー」を流用、再調整したものドッキングさせた形態。
従来のものからサブアームユニットやらミサイル・ランチャーが随所に追加されている。



□余談

設定上のフルバーニアンの推力は異常に高く、かなりのハイスペックとされるΖガンダムよりも高く設定されている。
しかもウェイブライダーよりも高い。
その為、ファンからはもっぱらオーパーツ扱いされている。

実際、カタログスペックだけで見ればグリプス戦役の新MSに対して終始戦い抜けるポテンシャルがある。

「星の屑」事件終結後、「ガンダム開発計画」は闇に葬り去られ、3機の試作機は全て登録抹消されたために本機で使用された技術も継承されなかった、というのがどうやら公式側の見解らしい。かなり苦しいが。
その際に予備パーツ等も廃棄されたらしいが、リック・ディアスの機体構成やガンダムTR-1[ヘイズル]のユニバーサル・スラスター・ポッドなどに僅かながら開発思想は受け継がれている模様。
その他、『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場したゲルググ・ウェルテクスにFbのデータが流用されている。


尚、OPで試作1号機は地上用装備のままカタパルトで颯爽と出撃してガトーの駆る試作2号機と戦っていたが、
実際地上用装備でもOSの書き換えと多少の機体調整だけで、それなりに宇宙で戦えるという設定がある。
劇中シーマにフルボッコにされたのは前述の通り換装どころか、コウがいじっていたOS構成や計算が間違っていた事に加え、調整までも無視して出撃したため。
そんな状態でまともに戦えるわけがない。

そのため、そんな状態で出撃するぐらいならバニングのジム・カスタムで出撃した方が良かった。

とはいえ宇宙に出た直後のコウが自分なりにパラメータを入力していた場面の小説版では
ニナが「この機体は 実験機で、 評価試験機や先行量産機じゃないのよ!」と発言しており小説版においてはこれは実験機らしい。
試作◯号機の呼称が出たのは後年で、この時点ではGP-01表記が主体だったが、2号機強奪事件がなければそのままトリントンで評価試験をする予定の機体が評価試験機ではないという不思議。*6
と言ってもこのニナの発言の趣旨は「本来なら実戦に出す段階じゃない機体を無茶して使ってる状況なんだからコウはもうちょい考えろ」なので実験機うんぬんはあまり重要ではなく、
むしろ試験止まりで実戦しない想定の機体なのに実戦で戦い抜いた1、2号機の完成度が素晴らしい。


ちなみに『機動武闘伝Gガンダム』最終回のガンダム連合の中にこっそり混ざっている。

かつて松戸にあったガンダムミュージアムにはGP01のコクピットの実物大模型があった

最近発売されたムック本にて一号機が表紙を飾ったのだがなんとサブアンテナが書き忘れられていた



□ゲームでの活躍

ガンダムVS.ガンダム
家庭版の隠し機体として登場。最初はゼフィランサスで出撃し、撃墜されるとフルバーニアンに換装して再出撃するという変わった機体。
GP03とは違い、こっちはニナがよく喋る。
被弾する度に紫豚に怒られてビキビキする人もいる。

かなり特殊な挙動やコストを持ち、続編のNextではゼフィランサス時のコストが1000に下がった。


EXTREME VS
ゼフィランサス形態が削除され、終始フルバーニアン形態で戦うようになった。
独特の挙動がなくなり、初心者でも扱いやすい機体に…と言いたいが。
ダウンをとれる武装が少ないが、単発150ダメージのCSである程度カバー出来る。
だが物凄~~~~~く当てづらいのでかなりの慣れが必要。
アテヌッ!!

横格闘からの前派生で、敵を掴み上昇後イズナ落としが発動。
『しぃぃずめぇぇぇ!!』
他にも格CSによるスーパーアーマー利用も可能。
弾数の多さから射撃の回転率も良い部類。

一方で機動力は初代などと同じで低くキャンセルルートもほぼ無く、火力は大きいものの攻撃の当てにくさ、ビーム依存などが響き、
一般的には2000コストの中では最弱の片割れという扱いになった。


次作のEXVSFBでも影は薄かったがAC終盤で怒涛の上方修正を受け、一転して2000としては上から見た方が早い程の強さになり、かなり戦える部類の機体となった。
具体的には相変わらずの火力・SA利用可能、2000トップクラスの総合的な機動力・それなりの射撃回転率・豊富なキャンセルルート・オバヒでも多彩な動き可能になり、
ビームに依存している部分をあることを除けば、2000としては隙が無い機体となった。
途方もなく強そうに見えるが、これで当時の環境としては実に丁度良いバランスとなったため、良調整と言われている。
ただ、他機体の数が増えたりして使用者が少なかったためか、前作の様に弱いという誤解を持ち続けたプレイヤーも多かったり、うっかり忘れられがちで評価されないといったケースもあった。

3作目のMAXI BOOSTにてゼフィランサスが復活。
40秒経過で使用できる特殊射撃を使用するとフルバーニアンへと換装する。
初期はコストに比べて性能が低いが、一定時間経過後はコスト以上の性能を発揮するという形。
しかしゼフィランサス形態は1500コストにも劣りかねないレベルの弱さで攻撃性能も貧弱すぎる為、換装まではひたすら耐えるしかない。
その為、「40秒待ってくれ」等と言われていた。
加えて、復帰時にも毎度ゼフィランサスからの出撃となる為、一度撃墜された後また40秒戦力にならなくなるという悲惨にも程がある性能だった。
流石に弱すぎた為か、稼働翌月にゼフィランサス形態に各種強化が施され、更に3か月後に換装後であれば撃墜されても換装後のままとなるようになった。
(ただしフルバーニアン形態でいるのが基本になった事を考慮されてフルバーニアン形態の機動力が少し落とされた。)
フルバーニアン自体はほぼ据え置きということと周囲の強化っぷりと合わさり、結局稼動初期から最後まで2000コスト最弱の一機と当然の様に言われるとてつもない弱体化となった。
このためか、次作ではゼフィランサス形態はオミットされた。

EXVSMBONでは上記の通りゼフィランサス形態が廃されたが、さりとて受けた調整は微妙なものだった。
全体的にブースト回りの性能が劣化し、機動力が命の当機には逆風を吹かせるハメになっている。
まともな強化といえばサブ射撃の弾数増加や特殊射撃の強化だが、それだけでは環境に追い縋る事もできなかった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2ではアシストに照射が追加。
ただキャンセル補正の一律追加でダメージが低下し、微妙な修正ばかりで実のない性能に落ち着かされてしまったため、不遇に甘んじている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは一躍強化が入り目立つようになった。
覚醒中に一度だけ射撃CSがロングレンジビーム・ライフルに変更。銃口補正や威力に優れた照射ビームを打てる代物で、コンボの最中に入れてもダメージが伸びる。
ちなみにドラマCDでのみ登場した武器で外見はオリジナル。
また、ホバー中特殊射撃にはビームサーベル投擲が付き、前格闘も切り上げになるなど追い風は吹いた。
更に2022年6月には中間アップデートで強化が入る。
射撃CSは誘導が強化され、かつてはアテヌ砲と呼ばれたあの低性能が嘘かのような命中精度になった。アタルッ!
他にもアシストに突撃攻撃追加や、特殊格闘中特殊射撃に誘導切り追加、格闘前派生が追加入力によるダメージ増加ができるようになるなどの強化を受けている。


機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
コスト550スタートの汎用機。ガンダム開発計画発の機体は全てこのコストとなっている。
ビームライフルが弾数制7発で即よろけと使い勝手がよく、更に格闘が強判定高威力かつ独自モーションのため下格の出が早いのが特徴。
以前はその特徴をかき消すレベルのコンボ火力の低さ、武装の少なさが問題となっていた。
前作で即よろけビームライフルを持ち込んだ結果バランスをぶっ壊した懲役が5年以上続いている等と言われ、
実装以来弱機体の象徴のように扱われていたが、2023年1月についに釈放もとい強化調整が入った。
スキル追加によるコンボ火力の増強や、唯一の副兵装のバルカンがコスト700相当の化け物バルカンに進化。
ビームライフルを当てて神速の下格闘を当てて寝かせるだけと言う初心者でも扱いやすいシンプルさと、
バルカンや追加スキルを活かした立ち回りの幅広さと言う上級者向けのテクニカル要素を兼ね備えた良機体に生まれ変わった。

一方でフルバーニアンは実装時は550宇宙における環境機であった。
宇宙戦闘の必要なスキルを取り揃えているだけでなく、更に貴重なスキルである「オーバード・ブースト」を持つ。
条件付きで一定時間ブーストゲージを使い放題になるので、その間に緊急回避を連打すれば殆どの時間を無敵時間で過ごすことができる。まさに原作で「バッタ」と呼ばれた異常な機動性を再現している機能と言えよう。
主兵装で選択可能な試作大型ビーム・ライフルが低燃費・長射程・高威力と申し分ないスペック。
とは言えその強みは良くも悪くもパイロットのエイムに依存しきっており、環境の変化に伴う戦闘スピードの高速化についていけなくなっていた。
こちらも地上版と同じく23年1月に調整が入っている。
各種火力が上昇しワンチャンスで叩き込めるダメージが増加した上、地上版共用の強力バルカンを獲得。
バルカン射程内に接近する必要こそあるもののエイムが追いつきにくい高速戦闘に対して食いつく手段ができたのは立ち回りの幅が増えたと言える。

既存機の強化から1週間後の23年2月頭にはガンダム試作1号機[アクア装備]が追加。
連邦機では貴重な水中適正を持つ。ジオン系でもこのコスト帯ではカプールくらいなもの。
基本スペックも高く、水中戦ならば殆どの他機体に対して優位に立てる。
ただ根本的にこのゲームでは水中戦はあまり人気がない。ランダムマップで水中マップが選ばれたとしても編成抜けが発生してゲーム開始できないことがザラ。
戦場の大半を占める地上マップでは、「スターク・ジェガンほど射撃が得意ではない」「試作1号機(前述)ほど格闘が得意ではない」「バランスは良いバランスは」等と言われている。
まあこのゲームでは「苦手が少ない機体」よりも「◯◯押し付けときゃ勝てる機体」の方が評価されがち。
考えようによっては「水中戦を押し付けときゃ勝てる機体」ではあるのだが、マッチングシステムの都合上水中戦は押し付ける事ができない。



Gジェネレーションシリーズ
武装は「ビームサーベル」「60mmバルカン砲」「ビームライフル」とごく基本的な物のみ。
特別な思い入れがない限り、図鑑埋め及び他のGPシリーズ初代ガンダムを開発するための機体と言える。
フルバーニアンは元の1号機とは別に開発する必要があったが、『WORLD』から換装パーツ扱いになった。


スーパーロボット大戦シリーズ
シリーズ初期の作品では武装が貧弱で火力が乏しすぎるため、数合わせか中盤までの繋ぎ程度の存在でしかなかった。
しかし、『第2次α』で「ビームライフル(連射)」追加、『IMPACT』で地形適応が陸A宇宙Sに、『A』で「ロングバレルライフル」追加とシリーズが進む毎に強化されている。
バニングら脇役パイロットにとっては選択肢に上がるレベルにはなったと言えるだろう。
地上用が登場したシリーズは少なく、専ら改修後での登場が基本となっている。


ガンプラでのGP01

1991年6月に1/144でゼフィランサスが発売。
後年キットと比べ設定画に準拠したプロポーションで、特にその後発売したフルバーニアンはより特徴を掴んでいる。
しかし色分けが非常に残念で、同時期発売されていた機動戦士ガンダムF91のキットと比べかなり劣悪。ビームライフルや盾が青色一色成形なのは見るに堪えない。
フルバーニアンはやや色数が増えたのもあってマシな部類にはなった。

1997年にはMGが発売。
設定画がカトキハジメによって再設計されたため、頭部を含めややスラッとした体形に変わった。
フレーム構造は脚部に導入され、盾の伸縮ギミックもここで初めて再現された。
フルバーニアンも程なく発売。腕や頭部など極一部を除いて新規造形になっており、特に脚部はフレームが共通しているので改修している風なのが味わい深い。
胸部のスラスター展開はさすがに差し替え再現ではあったが、肩部スラスターが装甲内部から引っ張り出せるなどギミックが盛りだくさんだった。

2000年にHGUCが発売。このブランド初のガンダムという名誉もこの時拝している。
ついに90ミリライフルが付属し、吶喊した時の再現が可能となった。
フルバーニアンも勿論発売したのだが、胸部と肩部のスラスターが展開状態のものしか付いていない。
このため2007年にガレージキットが発売し、上記の収納パーツや脚部のデザイン差替えが可能。
オマケとして地上用・宇宙用のいずれも、非変形のコアファイターⅡも付属。

2003年にPGが発売。
地上用と宇宙用に換装可能で余剰パーツは付属するハンガーにマウントしておける。
しかしパーツ数が1200と凄まじい事になっており値段もやや高め。
そしてなにより、換装可能にしたためかものすごいガチムチ体型である
いやマジで。比べる2号機がいないがすごく威圧感がある。

2013年7月にはRGで発売。
瀧川虚至デザインの設定画となり、顔つきはやや凶悪なものに。
アドヴァンスドMSジョイントはRGガンダムMk-Ⅱと共通している。
いくらRGといえど小サイズでは換装まで再現出来ないため、ゼヴィランサスとフルバーニアンが別々に発売された。
フルバーニアンは脚部がやや細く賛否の分かれるものだが、肩部や胸部スラスターが仕舞える利点は捨てがたい。
更に両形態共にコアファイターの分離・合体ギミックも差し替え無しで再現。ただ大きさや当時の技術不足で安定性に欠けるが……。

2021年にはフルバーニアンのみだがROBOT魂A.N.I.M.E.が発売。
アニメ準拠のプロポーションで可動域やエフェクトパーツなどが優秀。様々なシーンの再現も余裕で可能だった。



“コウ・ウラキ、追記・修正します!"

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最終更新:2024年01月22日 19:48

*1 戦後に行方不明となったRX-78-3がアナハイムに譲渡されており、それがベースになったという説もあるが定かではない

*2 青部分は水色寄り

*3 メタな理由を言うとデザインを担当した河森正治があれだけの推力があるのに合体すると使えなくなるのは勿体ないと考えたため。

*4 仕様上非対応の宇宙でとは言え、自分たちの最新鋭ガンダムが旧型ゲルググタイプにボコボコにされたことがスタッフのアナハイム魂に火を付けたとの事

*5 事実上の左遷である

*6 小説版でもこの発言の直前のページで評価試験の予定だったという描写がある。