池上亮二

登録日:2010/04/08(木) 01:50:52
更新日:2024/02/15 Thu 21:43:34
所要時間:約 7 分で読めます




池上亮二(いけがみりょうじ)とは
漫画『SLAM DANK』の登場人物。
CV.緑川光
陵南の3年で背番号5の副キャプテンを務め、ポジションはフォワード。

ディフェンスを得意とし、監督である田岡に「ウチではディフェンスNo.1はお前だ」と言わせるほど。その能力をもって、


"ディフェンスに定評のある池上"


と評される。
ネット上でよく見かける"○○に定評のある○○"という表現はここから来ている。


以下、ネタ *1




初登場はコミック3巻、湘北対陵南の練習試合において登場。桜木に対して「変な頭だな」と言ってのける。
ぶっちゃけどっこいどっこいである。

試合開始後、初得点を叩き出すも、ナイスパスを回した仙道に歓声が。

その後、仙道のナイスパスが冴え渡り、得点を重ねる陵南。
そしてその場面はやって来る。



v(池ω上 )^ ≡ ヘイ、パスパス!


≡ ( 流-川)/ バッ!

   \(仙_道 )

         ↓


v(池ω上;)^ !?


  ≡ ( 流-川)ノ !!

   (仙_道 )ヽ
スッ ●





(池ω上;)



(池ω上)

仙道が池上にパスしようとした所を流川がカットしようとしたが、フェイントでかわされる。
本来ならなんてことのない試合の一コマなのだが、コマ奥に描かれている池上に焦点を当てると彼が本気でパスを貰おうとしていたのがわかり、
とてもシュールな絵になる。



そしてその後、流川が爆発。陵南ガード陣を切り崩すドリブルを見せ、ゴールに迫る。
それに相対するはディフェンスに定評のある池上。その結果は―――


彦一「それにあのスピード!! だれもついていかれへん!!」



ついていかれへんかった。



ディフェンス以前の問題である。


そして試合中盤、流川を止めるべきと判断し、流川をマークするも、桜木によって裏をかかれ(桜木本人は流川にパスを渡したくなかっただけ)、
木暮へのパスを許してしまう。さらには木暮のフェイントに引っかかり、逆転3Pを決められてしまった。

試合には辛うじて勝ったものの、池上自身は大した活躍もしなかった。



そして次の登場は彼にとって最後の全国大会予選、海南の清田が更衣室を間違えて陵南のメンバーに遭遇したときである。

思わぬハプニングにビビりながらも錚々たる顔触れにリアクションをとる清田。

「ガードの越野…」
「主将、魚住!!」
「せ…仙道…!!」 ゴクッ


3年の池上……」*2



池上の肩書き:3年

ディフェンスはどうした*3


そんなこんながありながらも、決勝リーグに進出した陵南。初戦、武里を難なく下すも池上は登場せず。
次戦は王者・海南大附属。田岡監督からの檄が飛び、3年である池上にも期待が寄せられた。


[陵南高校スターティングラインナップ]

C魚住 純(3年)
E越野 宏明(2年)
F仙道 彰(2年)
G植草 智之(2年)
L福田 吉兆(2年)



まさかのスタメン落ち。
しかも攻撃特化な海南相手にディフェンスが得意な池上に代わってオフェンスが得意な福田を入れているので立場がない。

しかしベンチウォームに明け暮れる彼ではない。神の3Pによってピンチになった陵南は、ついにこの男を投入する。

「三年の池上だ!!ディフェンスに定評のある池上を神に!!」

ディフェンスに定評があるという評判はここで初めて明かされた。
さらに終盤ではあの帝王・に対してスティールを決めたことで仙道が得点、辛うじて延長戦にもつれ込む。
これには田岡監督も「でかした池上」と大絶賛。


しかし主将・魚住を5ファウルで失った状態で海南とやり合うのは厳しく、結果的に陵南は敗れる。
だが、この試合で後世に残る名言が誕生することとなった。


そして湘北戦、全国大会最後の椅子を賭けた、彼にとっては最後になるかもしれない試合である。





まあ、ベンチなんですけどね!


彼は無力だった。


しかし後半、三井の3Pを抑えるために投入。「俺は俺の仕事をする」と息巻くも、ほとんどコマに写らなかった*4
でも3P打たれた。
しかも「もう打たせん」と躍起になってフェイントに引っかかりまくる。
まあ、三井が脱水症状を起こすほど動いていたため、描かれていないところで仕事はしていたものと考えられる。

また、口プレーで桜木のスキを作ってドリブル突破するも、赤木に阻まれてトラベリングするなどやっぱり活躍しない。



そして、あの名場面がやって来る。

試合終了間際、スティールからの逆転のチャンス。

「逆転だっ!!」

とロングパスを出そうとする池上。しかし…、


「中学レベルが!!」*5


なんと桜木に阻まれる。しかも素人*6の桜木に中学レベルと言われる始末。貴重な逆転へのチャンスを潰してしまった。

そして慌てて流川のマークに付く池上。この男は前回の試合から何も学ばなかったのだろうか?*7

当然桜木が流川にパスを渡すはずも無く、パスは三井の代わりで入った木暮に渡る*8
そしてあの名場面、フリーからの木暮の3Pシュートが決まり、湘北は点差を4点に広げる。

この時流川には仙道がマークについていたのだが、実は直前のタイムアウトで、監督から
赤木・流川にボールが渡ったら必ずWチームに行け。木暮はある程度離しておいていい!!」
と指示されていた池上。
前の試合のことよりも監督の指示を優先した*9結果、木暮をフリーにしてしまったのだった。


そして読者は思う。
…これ、普通に池上のポカじゃね?
と。*10

何にせよ、つくづく桜木→木暮のホットラインに縁の無い男である。


そして陵南は敗れ、彼の高校バスケットは終わりを告げた。






だが海南戦で残り10秒、牧からボールが取れず「くそっ とれない」とあの仙道が、あの仙道ですら諦めかけてたその時、後ろに回り込んだ池上が牧からスティールを決めたのはネタ抜きで称賛に値すると言える。
これにはさすがの牧もかなりの驚きを見せていた。
ディフェンスに定評があることをしっかりと読者に刻みつけることができたと言えよう。





さて、このように池上は本作のネタキャラ枠として妙に人気が高い。
しかしこの記事はコメント欄を見れば分かるように、スラムダンクを普通に楽しんでいた人なら明らかに首をかしげるような書かれ方をしている。
実はこの記事はアニヲタの完全なオリジナルというわけではなく、2000年代に人気を博したあるサイトの池上に関する記事が元ネタらしい。

2000年代のオタク界隈では、外見が濃いわりに原作でいいところがなかったり、むしろファンが忘れているようなキャラクターにスポットを当てて無理やり礼賛したりネタにしたりというのが流行した時期があった*11
ファイアーエムブレムのアーダン、テニスの王子様の田仁志慧、FF5のクレイクロウなどが有名であり、ドラゴンボールのナッパなんかもその系譜だろうか。
池上もこの時期あるサイトでこのような形でネタにされていたようであり、アーダンやクレイクロウがそうだったようにそのあおりを受けて二次裏で人気を博してしまう。
そしてコラ素材として大流行。
おそらく近い時期に2ちゃんねるで仙道の「まだ慌てるような時間じゃない」「それでも仙道なら…仙道ならきっとなんとかしてくれる…」などのシーンを元にしたAAが大流行したことがあったのだが、
あおりを食う便乗するような形で、そのチームメイトである「ディフェンスに定評のある池上」のシーンもAA化されて人気になっていった……みたいな流れ。
一時期は赤さんや「見せられないよ!」みたく、モザイク代わりに使う文化もあったらしい。削除要素に対して定評のあるディフェンス、って理屈。


原作では本当にかなり地味なキャラで、仙道、魚住、福田の陰に隠れがち。正当な読者からしてみると、むしろ出番こそ少ないが口の悪い越野の方が印象に残るかもしれない。
ただ「ディフェンスに定評のある池上」と鳴り物入りのように言われている割には、出番に比してそのディフェンスが目に見えて生きたシーンが非常に少ないのも確かであり、
悪人っぽく見える面なのに妙に表情が豊かな点や、見せ場のために相対的に間抜けにされるシーンの多さ、
さらに「練習試合編ではほとんどいいとこなしどころか田岡監督に『ルーズボールは最後まで追わんか!』と叱責される」「チームメイトの植草が放ったボールを木暮より驚いた顔で眺めてる」という細々としたネタ要素、
アニメでは流川とCVが同じなこともあり、流川がしゃべるとキャラクターの名前がクレジットされない(そして池上が話す回に限ってアニオリ要素で流川がしゃべったりする)という不遇要素、
この作品では他のキャラが微妙にネタにしにくいこと*12なども重なり、こういった恣意的な取り上げ方をしなくとも割とネタ扱いしやすい存在ではある。
また、湘北戦では桜木や対戦経験のない三井のみならず、赤木からも「5番」としか呼ばれないなど、原作でもややネタ扱いしているシーンはある。現役最後の試合となった湘北戦で守備で一番目立ったのがマッチアップ相手の桜木であるなどストーリーの犠牲になった印章も否めない。
まぁ……遊戯王でいうところの「攻めのデュエル」を打ち出してるけど実際にはチームメイトの方が攻撃的なデッキを組めるせいでなんか個性に欠けるジャック・アトラスみたいな感じというか……。


なお、コアな読者的には池上は「湘北ですら4人がかりだったスーパープレーヤーの牧からたった1人でスティールし、反撃のチャンスを作る」という、他校の選手にすらできなかった大快挙ともいえる見せ場があるのに対し、
陵南のスタメンとして常にしれっといる(そしていつのまにか交代している)植草は本当にいいところがない(そもそも活躍が描かれない)せいでむしろ彼をネタにする方が好まれているらしい。
ネタにするだけの活躍量すらない。そもそもこんな奴いたっけ。


試合後は後輩たちに後を託す際に感極まって言葉に詰まった魚住に代わり、ものすごくあっさり、そしてさっぱりと後を託した。
様々な思いがこみ上げて言葉に詰まる魚住に対し、「たつ鳥あとを濁さず」とばかりに明るく激励して作品での出番を終える。地味ながら名シーンである。



「アニヲタだ! 追記・修正に定評があるアニヲタをWikiに!!」



~~~~試合後~~~~

魚住「来年こそ…すまない、バトンタッチ」

池上「来年こそ全国大会で追記修正してくれ。」

魚住「あっさり!」

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最終更新:2024年02月15日 21:43

*1 コメント欄に刺々しいツッコミがあるが、以下のものはあくまでも「ネタ」である。ネタキャラ化するには当然のことながらその理由が存在し、歴史が存在する。ネタキャラ化の理由となる記述だけをばっさりと削除してしまうのは不自然すぎてよろしくないが、誤解を招くような恣意的な記述ばかりが残り続けるのもよくない。そのため原文を残しつつ注釈でのツッコミという形にとどめておきたい。この方式は以前の記述をさらしものにしているみたいでよろしくないのだが、実際こういう取り上げられ方をしてネタキャラとして人気を博したのも確かである。もし気に入らないと思ってもコメント欄で暴言を吐いて魚住みたいにテクニカルファウルをもらうのもバカげているので、ツッコミは注釈に任せて「20年くらい前のオタクはこういうネタで笑っていたのだ」という史料として見ておいていただきたい。

*2 元々の並びは池上→越野→大ゴマで清田を威圧する魚住→落ち着いている仙道のコマから次に「せ…仙道…!!」と驚くシーン。なのでこうして改めて比較すると面白いのだが、読んでいる際はあんまり格落ち感はなかったりする。

*3 「ディフェンスに定評のある」という設定自体、この後の海南戦中盤(単行本17巻)で初出である。いうなればこのツッコミは、遊戯王GXの序盤で「なぜエリクシーラーを出さない?」とツッコんでるようなもん。

*4 これ自体は湘北の宮城リョータ、山王の一之倉聡なども似たポジションである。

*5 本来は「池上にスティールされた」流川を罵倒・挑発した台詞である。ただこの台詞と同時にボールを奪っているうえ、流川はノーリアクションなのに対して池上は思いっきりショックを受けた顔をしているため、誤解しやすいシーンであることは確かである。

*6 素人なのは確かであり、田岡監督も陵南の勝ち筋のひとつとして「素人・桜木」を挙げていた。しかしこのシーンの前から桜木が覚醒しており、池上はもちろん魚住、福田、仙道、田岡監督、それどころか味方すらもビビらせている。つまり「素人だが天才」「素人だから何をしでかすか分からない」という描写が、このパスシーンの寸前になされている。

*7 この記事ではまるで池上の判断ミスのように書かれているが、実際にはこの「たった2ページ前」に田岡監督が「赤木・流川にボールが渡ったら必ずWチームに行け。木暮はある程度離しておいていい!!」と指示を出している。この時は誰もが「流川にパスが行く」と予想して然るべき局面であり、それに即応してみせた池上の判断力は寧ろ「ディフェンスに定評がある」ことを裏付けるものと言えよう。

*8 ただし、これは「流川にだけはパスをやりたくない」という桜木の私情に起因するプレーであって、積極的に池上の裏を掻こうとしたわけではない(これ以前から、たとえチームが不利になろうと流川にだけはボールを渡すまいと意地になる場面は複数回描かれている)。木暮にチャンスを繋いだ形になったのは、ぶっちゃけた話単なる偶然である。

*9 スポーツ的にはそもそも個人判断に走って監督の采配に従わない方がむしろポカ。安西先生が谷沢を叱った『お前の為にチームがあるんじゃねぇ チームの為にお前がいるんだ!!』である。ましてやこのままでは敗北してしまうという絶体絶命の状況で個人判断に走るのは、厳しい監督だとたとえ勝っても厳罰コースである。

*10 よほどひねくれた読み方をしない限り、その前後のシーンもあって「田岡監督の判断ミス」「素人・桜木の意外性」「木暮の3年間の成果」を印象付けるものではあるが、池上のポカとは思わないはずである。

*11 世代ではないという人は、今の漫画評論系Youtuberの走りのようなもんだと考えてもらえばいい。当時からすでに「アクセス数を稼ぐために針小棒大な取り上げ方をする」記事は正当なファンの間で問題視されていたが、携帯電話のカメラ機能はおろかスキャナもデジカメも高級品だった時代だったのでシーンを具体的に挙げての反証ができないのだ。

*12 全員が名プレイヤー枠の翔北・海南・山王、ネタにすると荒れる話題につながりやすい豊玉など