四乃森蒼紫

登録日 :2011/06/30(木) 04:24:32
更新日 : 2017/08/17 Thu 21:38:50
所要時間 :約 16 分で読めます





…それでも俺は
この闘いに決着をつけねば、
前には進めぬ



四乃森(しのもり)蒼紫(あおし)

るろうに剣心』の登場人物。
CV:安原義人 演:伊勢谷友介
東京出身/嘉永6年(1853年)1月生まれ水瓶座/A型/身長182cm/体重72kg
初登場時・26歳

物語が進むにつれてイメチェンしながら登場する(特に髪型と服装)まさに忍者の鑑というべき御庭番衆の御頭。
抜刀斎時代の緋村剣心以上に無口で無表情で無愛想、何を考えているのかよく分からない人物。
しかしその実は情に厚く仲間想いで、男気溢れる熱血漢だったりする。


■来歴

14歳で抜刀斎として暗躍していた剣心同様、年若くして隠密として暗躍していた。
13歳時点ですでに江戸城の護衛をしており、15歳にして御庭番衆最後の御頭の座を継いだ天才。

しかし、彼が守るべき将軍慶喜は、鳥羽・伏見の戦いの敗北を機に事実上降伏し、大政奉還が成る。
動乱が終わったことで、彼ら御庭番衆は戦いの場を失ってしまった。

明治政府は御庭番衆の中で彼だけに要職を用意していたが *1 、路頭に迷う部下の為にそれを蹴り、暫くは御庭番衆の拠り所となっていた京都の葵屋に転がり込む。
この頃の交流から巻町操から慕われるようになった。
そのうち、部下たちは再就職先を見つけて一人一人去っていき、最後に残ったのは戦うことしかできない四人だけだった。
そうして残った四人と共に戦いの中で生きることを決めた蒼紫は彼らと共に葵屋を去り、戦いを求め裏社会を彷徨うこととなる。


本編での初登場は東京編。
武田観柳の用心棒として活動する中、幕末最強と謳われた人斬り抜刀斎を倒して御庭番衆こそが最強であることを示そうとする。
なお、登場から話が進む度に 前髪が増加 し、現状の髪型になる。
観柳邸での決戦では流水の動きから繰り出される「回天剣舞」で剣心を追いつめるも、敗北。
加えて観柳に裏切られ四人の部下を全員喪ってしまい、失意の内に遺体から斬り取った四人の首を手に現場から姿を消した。
このあたりは般若の項目も参照。
ちなみに、逃走の際剣心に対し「 俺が倒すまで、誰にも殺されるなよ 」というツンデレ丸出しのセリフを残していく。

その後、とある山に四人の首を埋葬した蒼紫は、絶望と孤独に苛まれながら唯一残った「抜刀斎を殺す」という目的を果たすべく独り修練を積むのだった。


そして京都編にて再登場。
コートなどの服おマイナーチェンジし、得物を二刀小太刀に変えた。
この頃になると般若たちの死による絶望から、かつての仲間を捨ててでも抜刀斎を殺すことだけを目的とする修羅と化しており、抜刀斎との対決を実現するためだけに志々雄真実一派に合流。
剣心の居場所を教えない「じいや」こと柏崎念至に庭番式小太刀二刀流奥義「回天剣舞・六連」を放ち半死半生の重傷を負わせた。
だが本来なら十分に殺せていたはずの念至が生きていたことで剣心は蒼紫が完全な修羅にはなりきっていないことを看破した。

その後志々雄のアジトにて、剣心と再戦。渋る剣心を無理矢理抜刀させ、そのうえで倒そうとする。
しかしこの時、剣心に「(操に)連れて帰ると約束したのは『四乃森蒼紫』であり、修羅であるお前ではない」という言葉に動揺。
それは詭弁だと言うも、自分の意地がかつての仲間を悪霊にしていると諭され、
葛藤の末に観柳の用心棒に流れつく以前……かつて操が憧れ、般若たちが頭として慕った、本来の「御庭番衆御頭・四乃森蒼紫」としての誇りを取り戻した。

そして晴れてお互い全力で奥義を撃ち合い、“分厚い”紙一重を感じながら剣心に敗北。しかしその顔は、どこか清々しいものだった。

剣心との戦いに敗れた後、志々雄と剣心の最終決戦場まで赴き、一度は志々雄の技の前に倒れた剣心のために時間稼ぎをする。
志々雄との決着がついた後は、いつか酒を交わそうという剣心の誘いを「俺は下戸だ」と断り、かわりに「茶の席なら付き合わないこともない」と述べ、
東京に帰る剣心たちと別れる。やはりツンデレの気があるのかもしれない。酔いつぶれて操に食べられる薄い本の執筆が待たれる

ちなみにその剣心との茶はアニメ版オリジナルエピソードで実現する。
その茶席で剣心は足を痺れさせ、胡坐をかいた姿勢のままひっくりかえってしまった。


余談だが、京都編で蒼紫が後半まで敵だったのは、読者から「 どうせ蒼紫はなんだかんだ言って味方になるんでしょ~? 」と言われて、
「だったら敵にしてやる!」 と作者がマジになっちゃったせいである。
つまり作者的はツンデレではないらしい(ツンツンツンツンデレくらいかもしれないが)。
ただし、「おかげで馬鹿長い京都編がさらに長くなった」と後悔したとか。
ちなみに蒼紫に限らず、和月作品のライバルキャラは目的が一致すれば共闘してくれるが、基本的に相手との決着を諦めないパターンが多いため、
作者自身そう簡単にデレるようなライバルを好んでいないように思える。


人誅編にて、の日記を持ってくる操の付き添いとして、衣装を変えて再々登場。
この頃になると、初登場時と比べると別人にしか思えないほどデザインが変わっている(作者の画力の向上にもよるが)。
神谷道場の決戦には間に合わなかったため、と剣心の初戦には立ち会わなかった。
また薫の死にも直面せず人から聞いただけだったので、「薫を剣心の目の前で殺すのが一番剣心にダメージを与える事が出来るはずなのに、
何故剣心はおろか仲間の誰一人にも殺害の瞬間を見せなかったのか 」という疑問点に気付き、
さらに御頭を引き継いだ際に読破した書物に屍人形に関するものがあった事を覚えていたため、薫の死体は屍人形であったという可能性を提示。とんだ名探偵が近くにいたものである。
その後屍人形を回収しにきた外印と交戦。
多くの読者の夢を粉々に砕いた後に「御庭番衆の最後を締めくくる御頭として 外法の悪党は外法の力を以て葬る 」という信念のもと、外印を殺害。
味方キャラの中では唯一、敵とはいえ人を殺している(斎藤を含めれば二人目)。
なお、この件については蒼紫個人の信念として、剣心も認めている(あまり殺し過ぎるな、とは言っているが)。
一方で「帰りを待っている者(操)がいる」とあくまで生きて帰ろうとする前向きな発言をするなど、改めて修羅となっていた頃との違いを見せたりもしている。
ちなみに外印からは「志々雄のアジトで見た時とまるで別人、これが奴の真の実力ということか」と言われており、 京都編の時より強くなっているらしい
剣心が「生きようとする意志は何よりも強い」という境地に至り、「抜刀斎を越えた緋村剣心」となったように、
蒼紫もまた同様の境地に至り、「修羅を越えた四乃森蒼紫」となったのであろう。

縁のアジトがある孤島の浜辺では朱雀と対戦。奥義である回天剣舞・六連まで完全にコピーされ、小太刀を弾き飛ばされて絶体絶命のところまで追い詰められるも、
拳法で顔に一蹴り入れ、更に「自分の剣故に太刀筋は百も承知」といって( 考えてみりゃそりゃそうだ )朱雀の武器を破壊、見事撃ち破る。

剣心と縁との決着がついた後は、東京編で亡くした仲間たちを改めて埋葬するため、「みんな」と一緒に京都へと帰っていった。

明治16年時点では、外印との戦いの中でも漏らしたように、戦いから身を引き葵屋の主になっている。
……ちゃんとやれているのだろうか。
そして、十歳離れた操とのその後の関係は如何に。




モデルとなった人物は新選組鬼副長・土方歳三であり(蒼紫が下戸な設定もここから)宗次郎や左之助の例に漏れず本編に描かれた土方は蒼紫のそっくりさんである。
いくら作者の遊び心と言え、死んだ仲間に似た人物がこれだけいて発狂しなかった斎藤一は流石としか言いようがない。
ちなみにトレードマークのロングコートだがモチーフはX-MENのガンビットである。これは作者がアメコミ好きのため。
初登場時は中央の前髪がなく、額が丸出しだったが、その後登場する度に左右の前髪が閉じて行き、剣心との初戦時にはほとんどメカクレに近いほど長い前髪になっていた。
作者曰く、描き直そうかとも思ったが、笑えるのでそのままにした、とのこと。 


■戦闘力

御庭番衆の中でも天才と称されるだけあって剣心や斎藤らに匹敵する戦闘能力を持つ。
防御に向く小太刀を用いた剣術を得意とする。また、般若の師であるため拳法・体術にも長けており、素手で刀剣を叩き折るなど、得物が無くても高い攻撃力を持つ。
取り回しの利く小太刀で鉄壁の防御を布き、拳法で攻撃するのが基本スタイル。

再登場後には先代御頭と同じ「御庭番式小太刀二刀流」を独学で習得していた(念至の見立てではその技は既に先代を超えている)。
ちなみに二刀小太刀は一本の鞘の両端に納め、一本の長刀に見えるよう偽装している。

□技

  • 流水の動き
流水の如く緩急自在の動きで敵の攻撃を避けつつ視覚を惑わせる独自の体術。破るには攻撃に移る際の一瞬の変化を見切らねばならない。

  • 回天剣舞(かいてんけんぶ)
流水の動きから敵の隙を見切り、高速回転しつつ一瞬の内に三度斬撃を繰り出す。
初登場時の必殺技であり、その威力は鉄拵えの鞘をあっさりと輪切りにしてしまうほど。江戸城警備の頃にはこの技で刺客を悉く葬ったらしい。
勘違いしやすいが回 剣舞ではない。

  • 陰陽交叉(おんみょうこうさ)
小太刀二刀流の技。斬り付けた片方の小太刀の峰にもう一方の小太刀を垂直に撃ち込み対象を一気に両断する。
作中では念至の鋼鉄製トンファーを両断するほどの威力を見せた。

  • 陰陽撥止(おんみょうはっし)
小太刀二刀流の技。小太刀の柄尻にもう一方の小太刀の切っ先を当てて撃ちだし対象を射抜く飛龍閃と同系統の技。
一本目の小太刀の後ろに全く同じ軌道で二本目の小太刀が隠れているため防御が難しく、たとえ二本とも回避しても無防備になったところに蒼紫の体術による追撃が待っている。
また、二本とも交差して刺さる(抜きづらくなる)ように撃つ事も可能。これと小太刀に結び付けた鋼線のコンボで逃げようとした外印を捕まえて事実上トドメを刺した。

  • 呉鉤十字(ごこうじゅうじ)
小太刀二刀流の技。二刀を交差させ鋏のように斬り付け対象の頸動脈を切断する。

  • 回天剣舞・六連(かいてんけんぶ・ろくれん)
御庭番式小太刀二刀流奥義。名前の通り回天剣舞の強化版であり、回転の方向を左右どちらにもすることが可能になったことで攻撃の起点を見切らせないようになっている。
威力自体も凄まじく、本棚や樹木を一瞬で細切れにし、無意識の手加減が働いていた状態でも翁を半死半生に追い込むほどの重傷を負わせた。
回天剣舞に比べると作中での使用頻度は高い反面、翁戦以外では決め技になったことが無くイマイチ凄さが伝わりにくいが、喰らった後の翁のあの状態を見れば
気軽に対人戦でヒットしたらマズイ事はお分かりになると思われる。




■再筆 *2 では


もしかして:アシュヒト・リヒター

という状態になっている。再筆でもイメチェンですか……ちなみに土方の方はデザインはあまり変わってない。
正確には再筆版蒼紫の方が先で、このデザインがアシュヒトに流用されたのだが。
設定に大きな変更点はない。
アシュヒトそっくりな事に目が行きがちだが、よく見ると 左胸に核金にしか見えない胸当てを付けている
…まさかあの核金が二刀小太刀になるとでもいうのだろうか…



■実写版

二作目「京都大火編」から登場。
演者は伊勢谷友介。
原作通りロングコートを着ているが、最初から二刀小太刀を使用。
また、左之助を素手でボコボコにしたりするなど、身体能力は化け物じみたものになっている *3
「倒幕時に部下を喪って以来、御庭番衆に最強の名を取り戻すことだけを目的に抜刀斎を探し彷徨っていた」という設定になり、原作よりも不気味な雰囲気に。

京都大火編では剣心を追い東京から京都へと向かい、京都大火の最中葵屋で翁と交戦。
最終的には勝利するものの原作以上に苦戦し、剣心が薫を追って市街を離れたため挑戦は空振りに終わる。

そして「伝説の最期編」の中盤でようやく剣心本人と対面し勝負を挑むが修行を終えた剣心に敵わず敗北を喫する。
なお、この時剣心は途中で鞘を手放しており、原作と違い天翔龍閃ではなく九頭龍閃で倒されている。
その後は葵屋で介抱され、翁を死に追いやった自分に生きるよう告げる操の言葉によって考えを改め、終盤煉獄での志々雄戦に乱入し剣心を助けた。

原作に比べより「修羅」に堕ちたイメージで描かれているが、剣心本人との因縁や志々雄一派との絡みなどが無くなったことで、原作とはかなり異なる立ち位置になっている。



ならばせめて「追記・修正」というあでやかな華を項目に添えて、良項目に換えてやりたかった。

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