モバイルアダプタGB

登録日:2012/02/27(月) 15:15:11
更新日:2024/02/19 Mon 09:57:07
所要時間:約 3 分で読めます




子供達にも、新しいゲームの世界にチャレンジさせたい。   佐々木主浩


モバイルアダプタGBとは、ゲームボーイカラーゲームボーイアドバンス専用の周辺機器である。
2001年1月27日から翌年12月14日までそれに伴ったサービスが施行された。


【概要】

特定の端末を対応ソフトと携帯電話に接続することで、データのやり取りが可能になる。
端末はPCD用の、cdmaOne方式用の、PHS用のの三色で、第2世代の携帯電話およびPHSに対応している。

通信方法は以下の二通り。

  • みんなでモバイル
専用プロバイダであったDION(現au one net)を介し、専用サーバーとして通信する。
楽しむには専用コースと契約が必要だった。

  • ともだちとモバイル
ゲーム内で「電話を待つ」状態を選択した相手に対して「電話をかける」ことで成立。
通信交換と対戦に使用する。
サービス終了後でも対応機種と通信相手さえいれば利用できたが、最後まで残った旧DDIポケット(現在のソフトバンク)のPHSが2021年1月31日でサービス終了したのでこれも完全終了した。


【ポケモンとの連動】

モバイルアダプタGBを語るのに欠かせないのが、『ポケットモンスター クリスタルバージョン』との連動である。
モバイル通信を生かして、バトルタワーで全国のポケモントレーナーと戦うことも可能となった。

また、セレビィを正規の方法で手に入れるためにも必要だった。

通信時のピチューが可愛い。


【問題点とその末路】

上記からいいこと尽くめ…と思いきや、そうは問屋が卸さない。

なんせこの機能、アホみたいに金がかかるのだ

まず、通信はパケットではなく通話として行われる。つまり接続時間に応じて通話と同じだけの料金がかかる。
第2世代の携帯電話は、少なくとも第3世代ガラケーより通信料がかなりかかる。
下手したら高いと言われているLTE世代のスマホより高かったかも…。
その上、モバイルシステムそのものの利用料(従量制、10円/分)と、コンテンツごとに設定された料金(10~100円程度)も必要になる。
ポケモンの場合はバトルタワーが1回10円、ニュース配信(セレビィもこれで入手)が月額100円といった具合である。

もちろん子供がメインターゲットである以上、使用料は天井知らずということにはならない。
例えばバトルタワーであれば最初(敵データダウンロード)と最後(成績アップロード)に数秒程度の通信を行うのみの上、
挑戦(敗北または7連勝で終了)は1日に5回までという制限がある。
それでも毎日フルに遊んでいれば月額数千円は必要となる。全国のお母さんが、後日届いた請求書を見て発狂したに違いない。
そこまで極端でなくとも、『鎧の孤島』『冠の雪原』のような追加コンテンツや、『Pokémon Home』のようなサブスクリプション制といった昨今のゲーム作品では当たり前になった概念も、まだ無かった時代。
オンラインゲームもコンシューマ機ではファンタシースターオンラインくらいであとはほぼPCゲームの時代なので、あまり一般的なものではなく、割高な印象は否めなかっただろう。

また、当時の携帯電話がゲームボーイのユーザーに浸透していなかったのも原因の一つ(浸透したとしても、一部のポケモン廃人のみ)。
GBAとの連携も強調されていたが、結局の所サービスは約2年で終了したのだった。

サテラビューの反省を生かそうとしたが、残念な結果となってしまった。


だが、後年にはこれらの反省点を元にした無線通信機能が誕生することになる。


【余談】

  • クリスタルバージョンのVC版は、バトルタワーには挑戦できないが、セレビィイベントが収録されている。



バトルタワーをやり込んだ方は追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年02月19日 09:57