ターンAターン

登録日:2011/12/28 (水) 00:38:16
更新日:2023/04/05 Wed 11:40:18
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/ゴォォォォオン\
うう゛にィ~~

ターンAターン
ターンAターン


タァァンエェェェェェェェ



ターンAターンとは、∀ガンダム(アニメ)の前期OP曲である。


▽目次

〇概要

作詞…井荻麟
作曲…小林亜星
歌…西城秀樹
ホーミー…巻上公一(ヒカシュー)


新御三家として昭和を彩った西城秀樹が力強い歌い方で歌う楽曲。歌詞のターンAターンのフレーズもインパクトのある歌詞である。



〇強行スケジュールによりできた楽曲

作曲は数々のCMソング・アニメソング・歌謡曲を手掛けて来た小林亜星に決まり、小林は楽曲の制作に取り組んだ。
曲を作っていく中で誰にこの曲を歌わせようかと考えた際、ちょうど小林は「寺内貫太郎一家」(主演ドラマ)の舞台版にて西城秀樹(ドラマ版から継続して小林の息子役で出演)と共演しており、
西城にこのことを話したら引き受けたことにより西城秀樹が歌うことになった。

しかし、「寺内貫太郎一家」の舞台終了から∀ガンダム放送開始の時間が僅か2週間しかなく、
作詞完成→レコーディング→映像の完成を全て終えるには不可能なスケジュールだった。

そのため、作詞の富野御大は大まかな歌詞を作る→映像を完成→レコーディングという離れ業を慣行。

結果的にちゃんとした形で出来上がってはいたがこれがもし従来のスケジュール通りだったら全く違う歌詞になっていたかも知れない…



〇映像に関して

∀ガンダムの何かを掴み取ろうと伸ばした手から顔へとカメラを動かすシーンから始まる楽曲。

今までの数々のガンダムの記録が流れ*1、続いて左手を伸ばしたロラン・ハリー・キエル・グエンといったメインキャラが映る。
途中キャラクターと関係性の高いキャラ(ロランにはソシエ、キエルにはロラン、グエンにはキエル)が背景に映るのだが、何故かハリーの背景はローラだった。
その後、ビームライフルを構えるターンAのカットが入り、ロランを見下ろしてから毅然として前を向くディアナ様へと続く。
そしてサビの「ターンAターン、ターンAターン……」では、
大量のキエル&ディアナ様に見守られながら宇宙を泳ぐロランという、何ともインパクト大な映像が流れる。

そして、この曲のTVサイズを語るうえで欠かせないのがホーミーのあとに聞こえてくるあの言葉。

「ターネェイグゥァンダァム」

だろう、(明らかに西城秀樹の声ではない)この声は後期OPでも使われたがそのクセの強い声は視聴者を様々な意味で虜にしたはず。

決してボビー・オロゴンが喋ってはいない
…と思いきや諏訪部順一が言っている事が明らかになった。



〇曲に関するエピソード

西城秀樹はガンダムの歌を歌うことが決まった際にどう歌っていいのかわからず、ZとF91の主題歌を担当した森口博子に相談したとのこと。
また、初レコーディングの際に御大がビッグネームである秀樹に偏見があったこともあり“∀”の意味を聞かれて本質からはずれた解答をしてしまい秀樹を悩ませ、富野の人間性を見抜いたこともあって色んな感情の縺れがあった模様。(『∀の癒し』より。)
とはいえ、秀樹にとっても恩人である小林亜星の曲ということもあって亜星の意図を見抜いた秀樹は気合いを込めて歌い上げ、更に「主題歌として毎週流れるならインパクトが必要」と自ら考え、テレビ版においては情熱的に激しく叩きつけるようなアップダウンの強い歌い方を、フルサイズでは本来の歌唱力を遺憾なく発揮し滑らかに朗々とという形で歌い分けている(サビでの違いが顕著)。その後の亜星や阿々子さん(富野が夫人を指して使う仮称)を交えてのディナーの席では、秀樹が富野の本質を言い当てつつ問題点を諭しさすがの富野も脱帽、夫人に対しては「あんな旦那さんを持って大変でしょう」と冗談を交えつつファンサービスのハグ付きという和やかな雰囲気になったと云う。
作曲者の亜星は、番組の打ち上げにも来てくれたそうな。

そんな訳もあって、富野自身はこの曲を気に入っているのだが売上が伸びず、4クール目にOP変更という事態になってしまった(まぁ、曲調の変わりようは異常だったが)。
ただし、カラオケでは好評と聞いて一安心したとか…

ちなみに西城によるアニソンは他に1991年の『走れ正直者』(『ちびまる子ちゃん』エンディング)があるが、本作とは「アニメ原作者が自ら作詞した楽曲」なんて共通点が存在する。

また、西城秀樹は当時レコード会社移籍直前でありターンAターン発売時はレコード会社未所属だったため、当時のガンダムのCDの販売元だったキングレコードから発売。
そしてこの後ユニバーサル・ミュージックに移籍した事が影響したのか、
権利関係のため西城秀樹のアルバムには、没後の2019年にソニー・ミュージックから発売されたシングル曲を完全収録したボックス・セットにシングル発売後20年にして初めて収録された。


2019年3月1日。ソニー・ミュージックエンタテインメント主宰のアニメソング人気投票キャンペーン「平成アニソン大賞」において作詞賞(1989年 - 1999年)に選出されており、本編同様に放映当時からは考えられない程に現在までには支持を集めていることが窺える結果となった。



〇ゲームでの扱い

スパロボでは∀の参戦は自体は少ないがα外伝・Zシリーズ共に∀はこの曲が採用された。

GジェネではWARSの超強気状態で使われた。

ガンダムVSガンダムシリーズでは初代・NEXTで使われたもののEXTREMEではまさかのリストラ…
まぁ家庭版にはカスタムサントラがあるので問題無し。続編のFULL BOOSTでは奇跡の復活。


他のゲームではACEシリーズでは3とPORTABLEにて採用。3は歌付き。

PORTABLEは3の歌なしの流用だがカスタムサウンドトラックを使えば問題ない(まぁ、ゲーム本編は手抜き満載だが…)。




「ツイキィ・シュウセイィ オネガイシマァァス」

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最終更新:2023年04月05日 11:40

*1 よくよく考えると盛大に最終回の「黒歴史」のネタバレをやってしまっている(最も「ザクそっくりなモビルスーツ発掘」という時点で宇宙世紀の未来だという予想は大半の人にできていたが)。「ターンAターン」の歌詞も思い返せば「(悪い)歴史を直す」という趣旨が1・2番冒頭にあり、最初からあのオチが決まっていたのだなとよくわかるOPであった。