イワーク/ハガネール

登録日:2010/02/09(火) 16:35:48
更新日:2024/03/22 Fri 07:20:49
所要時間:約 15 分で読めます









イワークとはポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン


イワーク


普段は土の中に住んでいる。地中を時速80キロで掘りながらエサを探す。

全国図鑑No.95
分類:いわへびポケモン
英語名:Onix
高さ:8.8m
重さ:210.0kg
タマゴグループ:鉱物
性別比率:♂50♀50

タイプ:いわじめん
特性:がんじょう(一撃必殺技が効かず、HPが満タンの時にひんしになるダメージを受けてもHPが1残る)
  /いしあたま(技の反動ダメージを受けない)
隠れ特性:くだけるよろい(接触技を受けると防御が1段階下がり、素早さが2段階上がる)

HP 35
攻撃 45
防御 160
特攻 30
特防 45(初代のみ30)
素早さ 70
合計 385

努力値:防御+1

4倍:くさみず
2倍:こおりかくとう/じめん/はがね
1/2:ノーマルほのおひこう/いわ
1/4:どく
無効:でんき


複数個のブロック状の岩が連なって出来た蛇のような姿をしており時速80kmで地中を掘り進む事が出来る。
掘り進みながら土や岩を飲み込み、硬い身体を生成していく。
その掘り進んだ後の穴はディグダダグトリオの住処になるという。
また脳の中に方位磁石のような物があり地中でも方向を見失うことは無い。
長い年月を生きたイワークは体がダイヤやクリスタルのように変化するらしい。

実は初代で一番大きなポケモンだった(後に進化後のハガネールやホエルオーに抜かれるが)。
大きさの割に体重がやけに軽い気がする(およそ成人男性3人分)が気にするな。この大きさでこの重さを再現するとなると、現実だと大体発泡スチロールくらいの密度になるらしい。

余談だが、上記の性質から生態が極めて危険なポケモンであることでも有名である。
この巨体で時速80kmで地中を掘り進みまくるため、
真面目に考え始めるとイワークの生息地域周辺は騒音・振動・地震・地盤沈下・土砂災害等々……の多種多様な災害に見舞われることになる。


■ゲームでのイワーク

初代では一番初めに戦うジムリーダータケシの切り札。

その160と異常に高い防御力のおかげで生半可な物理技ではそうそう落ちない。
初代151匹のうち、防御種族値はなんと180のパルシェン→イワーク→130のゴローニャという順であり、堂々の二位!
もっともHPが低いので実質的な物理耐久はベスト10には入れるという程度だが、上位の面子が進化済みやストーリー終盤に出るような強ポケなので仕方ない部分もある。
それでも序盤に出てくるポケモンとしては破格の硬さで特にピカチュウバージョンでは最初のポケモンが強制的にピカチュウになる為、大苦戦は必至。
合計種族値も340(当時)と、御三家の中間形態並に高い。

だが、特殊耐久は紙同然であり、くさタイプやみずタイプの攻撃では4倍ダメージを食らってしまう。
ゼニガメフシギダネを最初に選んだ人には絶好のカモである。
バタフリーを頑張って育て、「ねんりき」で突破した人もいることだろう。
いわ技の「いわおとし」を覚えていないからこそ、この戦術も有効であった。

また、力強そうな見た目に反してその攻撃力はポッポと同じ
更にHPも見た目に反して異常に低く、高い防御力もあまり意味をなさない…具体的には無振りだとサザンドラと同程度で、対人戦では中の上程度、悪くはないが他の壊滅的なステータスを補うほどではない。

また前述の特殊耐久の低さは倍以上レベルが離れたポケモンのくさ技やみず技で軽く即死出来るレベルと最早ギャグの域。
実は現在はこれでもマシになってる方であり、初代当時は特殊が一括りである都合上 特防30
相性で不利なはずのヒトカゲですら多少レベルを上げれば「ひのこ」のゴリ押しで容易く突破できたりする。

その弱さは「ポケモン界一の見かけ倒し」と言っても過言ではない。

正直ヒトカゲ(とマイナーチェンジ版のピカチュウ)使いを苦しめる為だけの存在と言える。
しかもヒトカゲの場合は前述の通りゴリ押しでもどうにでもなる。
ピカチュウ版以降はタケシ戦までにいわタイプに有利なマンキーが登場する他、
リメイク版の『FR・LG』ではヒトカゲも自力でイワークに効果抜群な「メタルクロー」を取得するので余計立場が無くなった。
と言っても初代と違っていわ技の「がんせきふうじ」を放てる上、高い防御により「メタルクロー」の相性抜群の恩恵が少なくなるため、ヒトカゲを選ぶと結局苦戦を強いられることには変わりない。

カントー四天王の一人シバかくとうタイプオコリザルニョロボンを差し置いて2匹もイワークを使うが、カモ以外の何物でもない。

なお、初代ではイワヤマトンネルとチャンピオンロードで出会えるが、イワヤマトンネルでは出現率が5%と低い上、捕捉率が45(600族と同程度)なので捕獲には難儀する。

チャンピオンロードのほうが出現率は10%とやや高く、ボールにも余裕が持てるため、イワヤマトンネルでの捕獲は諦めたほうが良いかも。
育てても覚えるのは「いかり」や「たたきつける」、頼みの一致技すら「いわおとし」のみとどれもまともに使えない(当時の「いわおとし」は命中65のカス技である)。
なので、純粋に図鑑埋めのための捕獲となるだろう。

未進化でも攻撃種族値が80もある上に「じばく」や「じしん」「だいばくはつ」を自力で覚えるイシツブテの方が明らかに使える。
わざマシンで補強?そんなことする価値はない。

アニメでの人気のおかげか初代ポケスタで使用可能な一匹だが、ゴローニャよりイワークを優先して使うメリットはほぼない。
ゴローニャより防御と素早さは高いがHPの差で物理耐久すらゴローニャ以下、強ポケには素早い連中が多いのでゴローニャより速くイワークより遅いという相手との遭遇率も低い。
というか先制した所でイワークが優位に立てる相手などロクにおらず、レアコイルなら同速かつ相性的にも有利だが、それなら最初からゴローニャで十分である。
レベル30カップのレンタルポケモンとしてのイワークはゴローニャにはない「じしん」を覚えているが、それでもニドキングの方がよほど使える。
特別に「なみのり」を得た個体に限るが、本作で使える40匹中ピカチュウが100%勝てたのはコイツぐらいのもの。
(ゴローニャは「なみのり」でも確定2発、ギャラドスも「かみなり」ではなく「10まんボルト」だと確2)

対戦でも旅パでも使う人はほぼ皆無で、度々話題に上がる最初の関門もタネが割れれば……というかタネが割れなくても、旅の相棒を捨てることなく意外とあっさり攻略可能。

この壮絶な見かけ倒しっぷりは未だに方々でネタにされており、イワークとくればほぼ確実に「攻撃種族値がポッポと同じ」というネタがついてまわる
だが、これについてはきちんとした理由がある。

そもそもイワークの立ち位置は、
物理/特殊攻撃の違いと、タイプによる有利不利をプレイヤーに理解させるためのチュートリアル役である。
御三家が最初から覚えているノーマルの物理技ではまるで歯が立たないが、特殊攻撃、あるいはこうかばつぐんが取れる技ならば簡単に倒すことができる。
それを体感してもらうためにこのような極端なバランスで調整されたのだろう。

また、初代ポケモンには当初、通信対戦の機能を実装する予定がなかったという事情がある。
なんと、対戦機能を盛り込むことが決定されたのが締め切りの2週間前であり、
そのわずかな期間ですべてのポケモンを対戦向けに調整するなど当然不可能であった。

もし対戦も視野に入れた調整を行うだけの期間があれば、イワークももう少しバランスのとれたステータスになっていたのかもしれない。
そんなバランス調整でまともなスペックにすると、最初のジムで出しにくくなるだろうが…。
また、第三世代くらいまでのポケモンは対戦においては「第一線で戦える超一流(厨ポケ)」と「それ以外」でバッサリ分かれるほどの格差があり、イワークはその後者側とも言える。
つまり元々そんなに強いポケモンにする予定ではなかったので、だからこそ次回作で進化系を作られたとも言えるのだ。

似たようなポジションには第四世代で進化系が追加されたモンジャライノムーヤンヤンマ、第五世代以降で天候特性やフェアリータイプを手に入れた連中などが挙げられる。
ただ知っての通りイワークは第二世代で進化していわタイプがはがねタイプに変わってしまったので岩ジムリーダーのタケシは続編や外伝作品においてハンデを背負いつつもイワークに拘るか岩縛りをやめてハガネールに進化させるか、あるいは全く別の岩ポケモンを相棒にするかの選択を強いられることとなった。
イワークのまま活躍できる強化が来るか、あるいはハガネールとは別にいわタイプを残した進化系が来ればイワーク及びタケシのファンも救われるかもしれない。

ちなみに、『HG・SS』や『ブラック2・ホワイト2』のPWTで見せる本気パーティでもタケシはしっかりイワークを手持ちに加えている。
特に後者のイワークは完全にガチ仕様
技構成は「すなじごく」「すなあらし」「ステルスロック」「まもる」と補助技が大半。
特性『がんじょう』と相性の良い「カムラのみ」を持たせ、努力値も最速振り。

カムラ発動後のイワークは実に最速130族まで抜くことが可能。
『がんじょう』で一発は攻撃を耐え、「すなじごく」や「ステルスロック」で場作り。
一度「すなじごく」に捉えた相手には「まもる」で防御しつつダメージを蓄積。
隙を見て「すなあらし」によるさらなるダメージや再度「すなじごく」による攻撃。
と、決して高いとは言えない潜在能力を最大限に引き出す工夫がなされており、彼のイワークに対する愛情がうかがえるだろう。

一方、ワールドリーダーズでは『しんかのきせき』を持たせた上で積極的に攻撃してきたりもする。

タケシ戦後は各種洞窟に低確率で出現する他、山男、ロケット団ボスのサカキの手持ち(初戦のみ、『ピカブイ』ではとうとうクビ)、四天王シバ(2匹、ピカブイでは1匹)で登場する。
だがやはり弱く、序盤から登場する割に経験値が多いのでボーナスモンスター扱いされる事も多い。
特にシバはかくとうタイプの四天王でありながら何故2匹もコイツを…
かくとうタイプならオコリザルニョロボンがいるが、『ピカブイ』でも使ったのはニョロボンだけで、結局1匹使っている。
何か愛着でもあるのだろうか?

ちなみに『金・銀』ではキキョウシティの民家でマダツボミと交換で入手出来る。
名前は「ブルブル
育ちが速い序盤のお助けキャラだが「いわおとし」の習得がレベル14とやや遅めで、ハヤト戦までに覚えさせようとすると今度は命令を無視し始める。
むしろ命令を聞くレベル内に抑え、高い物理耐久と耐性を活かし「いやなおと」をばらまくサポーターが本領である。
アカネミルタンク相手でも向こうの「ふみつけ」と「ころがる」への耐性で立ち回れる。「どろかけ」も覚えさせれば尚良しである。
性別はオス固定なので「メロメロ」は被弾してしまうが致し方なし
そうしてそれまでの彼の活躍に感謝しつつ、ボックスに押し込むことになるのである。なにせ「いわおとし」より威力の高い攻撃技を自力では何一つ覚えないので……
『HG・SS』でもブルブルの立ち位置は変わらないが「いわおとし」の習得がLv9と速くなり多少はマシになった。
……が、ポケウォーカーでガルーラコイルなどの入手が最序盤から可能になったことで即戦力としての立場はやや薄れている。


第八世代となる『ソード・シールド』では初代からの同僚達の多くが姿を消した中でなんとか続投を果たし、ワイルドエリアにやってきた新米トレーナーに立ちはだかる壁としてかつてのトラウマの再来となっているとかいないとか。
対戦では全くパッとしないが、シナリオゲームの序盤に出てくる敵としては普通に強敵なのである。
実際のところはデカすぎる当たり判定にひっかかる事故みたいなもんだが


ちなみに上述の「イワーク・ブライア」登場後は、ポケモン・ガンダムファン双方の間でパロネタが流行ったという。


■対戦でのイワーク

初代から貧弱な種族値でネタにされまくっているが、実はいわ/じめん複合組の中では最速を誇る。
といっても鈍足が多いいわタイプの中では素早い部類というだけで全体から見ると遅いのでやはり評価点としては微妙なのだが。

第二世代では爆発できるポケモンの中では比較的素早く「いやなおと」も使えることや155ルールでレベルに関係なくカビゴンに先制できるのが強み。
何気にこの時代ではプテラカブトプスが「いわなだれ」を覚えないので一致「いわなだれ」使いとしても最速を誇る。
以降の世代では火力を両立した岩ポケや爆発ポケが増えたことでイワーク独自の強みも薄れていったが、現在でも活躍させる方法がないわけではない。

PWTのタケシが使う型はイワークの強みを活かした普通に使える型。
その他にも『レッドカード』を持たせ、初手で「ステルスロック」を撒く型なら場を整えつつ相手に強制交代させることで即ダメージを与えられる。
攻撃されれば『がんじょう』で耐え『レッドカード』、攻撃せず積み技等を使われたら「ほえる」で退場、状態異常等には「ちょうはつ」で対処。
「ドラゴンテール」でも同じことができるが、フェアリータイプや「みがわり」に効く「ほえる」の方が安定する。
『がんじょう』発動後は「じたばた」で攻撃するほか、「がんせきふうじ」で後続をサポートする手もある。
同じ戦術が使えるギガイアスよりも素早く、「でんじは」も効かない。

いずれにせよ、アタッカーよりも補助技中心で戦うのが賢明。
オートタスキの「がんじょう」のおかげでそれなりに戦えるようになっており、特性の仕様変更の恩恵を非常に強く受けたポケモンである。


「そうさ、意味なんかない。
 種族値が上のヤツらは恵まれた特性で強力技をぶつけ合って、戦闘に明け暮れている。
 オレ達はそのしわ寄せで、こんな補助役を強いられているんだ!!」

第八世代の剣盾では、既存の技では『がんじょう』と相性のいい「りゅうのまい」と、『いしあたま』と相性のいい「もろはのずつき」を新たに習得。
とはいえ攻撃の低いイワークにとってはこれらの技との相性は微妙…ではあるが、じゃくてんほけん等を使ってこれらの技を駆使し強引にアタッカーとして使う猛者もいる模様。
特筆すべきは防御と防御ランクを攻撃としてダメージ計算する新技、「ボディプレス」の登場で、これにより火力面が大幅に改善された。
どれぐらい変わるかと言うと防御無振り「ボディプレス」と攻撃252「ストーンエッジ」がほぼ同じ火力になる。
『しんかのきせき』の補正は乗らず、不一致技であるとは言え、努力値を耐久に振りつつ高い火力も維持できるようになったためこれは大きい。
ここに来てイワークは「攻撃力ポッポ」「8.8mのハリガネムシ」「発泡スチロール」といった酷評を跳ねのけ、一発の火力と「がんじょう」によるオートタスキを兼ね備えた侮れないポケモンになれたのである。どれだけ素の火力が酷いのか改めて突きつけられた形にもなったが
当然ハガネールよりも威力は劣るが、あちらと違いバンギラスに先制して4倍弱点を突いたりもできる。

なお、第二世代の頃からリトルカップにおいては結構人気のポケモンだったりする。
元々ストライク等トップメタの対策としていわタイプ自体の需要が高いが、中でもイワークは群を抜いた防御を誇り、素早さも平均以上。いくらポッポと侮られようと、元は最終進化系なのでポッポどころかそんじょそこらの進化前よりよほど強いのだ。
環境の中央でジャック・ザ・リッパーと化していたストライクをメタるために必須。裏を返せばストライク、イワーク、ラッキーの3匹を揃えさえすればポケモンスタジアム金銀のリトルカップなど散歩道も同然である。
第四世代ではマニューラの登場によりニューラがリトルカップ入りしたが、このニューラをメタるためにも使える。第五世代以降では特性『がんじょう』が強化されて押しも押されぬ強ポケと化した。「がんじょう」と「ステルスロック」を両立できるノズパスチゴラスと比べても攻撃から補助技撒きまで運用の幅が広い点で勝る。
普段は攻撃の数値が同じであることからネタにされていてもポッポとは比較にならないほど使い勝手が良い。ボディプレスがなくても強い環境では結構強いのである。


■アニメでのイワーク

ゲーム同様タケシの切り札。
イワークはじめんタイプな為ピカチュウのでんき技が効かず一度は圧勝したが、
再戦時は電気でジムのスプリンクラーが誤作動したせいで水を浴びてしまい、でんき技が通じるようになるという微妙な負け方をした*1
まあ普通にピカチュウの電撃をくらって倒されたポケスペよりはマシだが。
余談だがこの時「いわタイプにはでんきは無効」と言われていたが、正確にはいわタイプでなくじめんタイプに無効である
といってもこの時期はガラガラにでんきタイプの技が直撃したりしてたし、取り巻きの「1まんこうねん」のボーイスカウトもいわタイプのジムなのにサンドとディグダ使ってたし、まぁ多少はね?

その後は仲間になったタケシの手持ちとして度々活躍していたが、やはりアニメにおける大型ポケモンの宿命かあまり華々しい活躍をすることはなかった。
RS編以降はタケシの弟ジロウに預けられ、いつの間にかハガネールに進化している。明らかになった当時は「弟はタケシよりトレーナーの才能がある」とネタにされていた*2

またオレンジ諸島編では全身クリスタルのイワークが登場。
このイワークは何故か水が効かず、炎が弱点となっていた。
後に『サン・ムーン』で登場したリージョンフォームに相当する形態変化なのかもしれない。

BW編第87話では野生の群れが登場し、さらに色違いの個体も登場した。

トレーナーではDP編ヒョウタXY編ザクロが使用した。

■漫画でのイワーク

穴久保版ではタケシ戦の個体が「タケシの持つモンスターは強すぎる…。」「ヒトカゲもこのありさま(注:瀕死状態)だ!!」と、凄い評価をグリーンからされる。
(厳密にはイワークのことなのか不明だが、レッドのタケシ戦ではこいつしか出てこなかった。)
そしてレッドのピッピが挑んだ所、案の定ピッピの攻撃が通らないほど固く、弱点の水もピッピがこぼして失敗。
だが、頭はさほど良くなく尻尾に描かれたピッピの絵を本物と間違えぐるぐる回りだし、目が回ったところをジムの柱でつぶされ敗北した。
これでも一応レッド自身から「強敵イワーク」と言われるだけ、漫画版の中ではかなり高評価な扱いなのである。


金銀以降は下記のハガネールに進化するようになった。

ハガネール


地中の高い圧力と熱で鍛えられた体はあらゆる金属よりも硬い。


出典:ポケットモンスター サン&ムーン、43話『ジムバトル!Zワザ対メガシンカ!!』、
16年11月17日~19年11月3日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

全国図鑑No.208
分類:てつへびポケモン
英語名:Steelix
高さ:9.2m
重さ:400.0kg

タイプ:はがね/じめん
特性:がんじょう(一撃必殺技が効かず、HPが満タンの時にひんしになるダメージを受けてもHPが1残る)
  /いしあたま(技の反動ダメージを受けない)
隠れ特性:ちからずく(追加効果が発生する技の威力が1.3倍になる代わりに追加効果が発生しなくなる)

  • 種族値
HP:75
攻撃:85
防御:200
特攻:55
特防:65
素早さ:30
合計:510

努力値:防御+2

2倍:ほのお/みず/かくとう/じめん
1/2:ノーマル/ひこう/エスパーむしドラゴン/はがね/フェアリー
1/4:いわ
無効:でんき/どく

イワークに「メタルコート」を持たせて通信交換すると進化する。


100年以上生きたイワークの体がダイヤや鋼のように変質した姿。
それに伴い、タイプもいわタイプが当時の新タイプであるはがねタイプに変更される。
元いわタイプなので相変わらず岩っぽい姿をしてはいるが、表面には光沢感がある。

顎がしゃくれて牙も生え体にもいくつか棘状の突起物が生える等、全体的にやや攻撃的なイメージとなった。
その発達した顎で地中を噛み砕きながら掘り進む。
ちなみに下顎の牙が2対あるのが雄、1対しかないのが雌。
地中深くで圧縮され、鍛えられた金属のボディはダイヤモンドよりも遥かに硬い。

見た目や名前からも、はがねタイプを代表するポケモンである。



■ゲームでのハガネール

我らがミカンちゃんの切り札。

他にもジムリーダーのトウガンや四天王のオーバ(ダイヤモンド・パールのみ)、シバ(FRLG強化版)、シャドー幹部のヴィーナス(初戦)が使用してくる。

ダイヤモンド・パール・プラチナ』では、こうてつじまやチャンピオンロード、『HG・SS』ではシロガネ山洞窟にて低確率で野生で出現する。
たまに『メタルコート』を持っている。

『ダイヤモンド・パール』では後半のジムでちょくちょく見かけるポケモン。
はがねタイプのジムであるミオジムはまだしも、こおりタイプジムのキッサキジムやでんきタイプジムのナギサジムにも使用するジムトレーナーが1人ずついる。
ジムトレーナーではないが、四天王でありほのおタイプ使いのオーバも上記の通り使用している。ほのおってなんだよ
これらのタイプはシンオウ図鑑に登録されている系統が非常に少なく*3
いわゆる「三色キバ」を使えるハガネールがいかに便利に扱われているかがわかる。

また、ミカンは対戦だけでなくコンテストやポケスロンでも使用する。この時のニックネームは「ネール」。
さらに『HG・SS』では、クリア後にミカンとのポケモン交換で入手する事も可能。交換に出すポケモンは何でも良く、更に能力値もなかなか高い。この時のニックネームも「ネール」。
ちなみに断崖の洞窟には野生個体が出現するが、出現率は脅威の2%。ただし洞窟内の野生ポケモンの中では最もレベルが高い23、かつ同じレベルのポケモンがいないため、レベル22のポケモンを先頭にしてスプレーを使えば確定で遭遇できる。

X・Y』ではラブカスの代わりにハガネールと交換してくれるトレーナーがいるため、ジムリーダーのザクロやシトロンマーシュ対策として育てるのもいいかもしれない。


■対戦でのハガネール

進化した事であのパルシェンをも上回り、レジロックと並ぶ最高レベルの防御力を取得し、他の能力も軒並み強化された。
だが重くなった為か素早さは激減している。

いわタイプがはがねタイプに変更されたことにより、イワークの頃は弱点だったいくつかのタイプに等倍か強くなってはいるが、
ほのおタイプにだけは弱くなっている。

その防御力はHP振りだけであの『ふといホネ』持ちガラガラの「じしん」を弱点であるにもかかわらず耐え抜く程。
その防御力から物理受けとしての活躍が期待出来る。

また物理攻撃力はイワーク時代の名残か85と平均値程度しかないが、
技候補は「じしん」「ジャイロボール」「ヘビーボンバー」「ストーンエッジ」「いわなだれ」「だいばくはつ」等、
高威力の物を多数備えておりある程度は補える。
特に「ジャイロボール」はタイプ一致の使い手の中ではナットレイツンデツンデに次いで鈍足で高威力を保ちやすい。「のろい」を備えているのも◎。
(ヘビだけに)「ヘビーボンバー」もあり、フェアリータイプ対策としてはゼルネアス以外には有効。素早さ調整をするならこちらも一考。

前述の通り、かなり遅いので「トリックルーム」などの補助技を絡めないと思うように活躍できないこともある。
また、相手の「おにび」にも注意。

物理に対して特殊耐久はそれほどでもなく、弱点も多目なために耐久面に過信は禁物。
ある程度は特性がんじょうで誤魔化せるが。

一応もう一つの特性として『いしあたま』があるが、活かせる技が「すてみタックル」と「もろはのずつき」(第8世代)しかなく、実質「もろはのずつき」一本用になってしまっている。
命中率は不安定だわピンポイントだわタイプ不一致だわで非常に使いづらい。というかダイマックスでおk

隠れ特性は『ちからずく』。
技の火力を補強出来る優秀な特性だがメインウェポンの「じしん」と「ジャイロボール」には適用されず、
適用される技は三色牙や「いわなだれ」等ピンポイント気味。
一応「アイアンヘッド」や「アイアンテール」には乗るが、後者は特に命中率が…。
なので基本的に「ジャイロボール」で十分であり、『がんじょう』が無難に優秀なのもあって実用性は微妙。希に「あくのはどう」等の補正適用特殊技を搭載した意表を突く型もいるらしいが。

イワークと同じくボディプレスも使えるが、ハガネールの場合ジャイロボールで事足りてしまう場面が多いため圧倒的な防御種族値に対して需要は微妙。
はがねで弱点を突けないあくタイプ対策など、明確なメタを意識する必要があるだろう。

VC版第二世代環境では、特性など存在せずタイプのみが状態異常に耐性を持たせるための要員になる中、どく状態と「でんじは」を無効化する良耐性が光る。さらに微妙な特防も、この世代の全ステータスに努力値を全振りできる仕様からあまり気にならない。「どくどく」で粘りつつ「じしん」で削りを入れ、起点にされそうな時や他に対処がしづらい相手と出くわした時に「だいばくはつ」で1:1交換を狙う型が主流。


■メガシンカ

メガハガネール


出典:ポケットモンスター サン&ムーン、43話『ジムバトル!Zワザ対メガシンカ!!』、
16年11月17日~19年11月3日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

高さ:10.5m
重さ:740.0kg

HP 75
攻撃 125
防御 230
特攻 55
特防 95
素早さ 30
合計 610

特性:すなのちから(天候がすなあらしの時、じめん・いわ・はがね技の威力が1.3倍になる)


オメガルビー・アルファサファイア』ではメガシンカを習得。
首の金属部分の一部がクリスタルのように結晶化し、鉱物が首の周りを浮游しているというかなりオシャレな見た目に。
色違いだとクリスタル部分が分かりやすいためかなり美しい。
メガボスゴドラと同値の防御を誇り、攻撃もその外見にふさわしいレベルにまでアップ。
特殊耐久も決して不安な要素ではなくなった。

砂パであれば、特性のおかげで凄まじいパワーを発揮できる。
鈍足だけはどうにもならないので、メガシンカ前と同じ戦法がベストか。

しかし、最近の環境では砂パの使い勝手が微妙であり実質特性が空気、能力値のバランス的にメガシンカ前とやることがほとんど変わらず、
その自慢の物理耐久も同じ鋼のメガシンカ勢で同じ数値のメガボスゴドラが既に存在し、特性『フィルター』の分むしろあちらに耐久は負けてる…

ちなみに公式サイトでは「メガシンカのエネルギーにより結晶化した体内の細胞は、どんな鉱物よりも硬く、どんな高温にも耐えうる」と説明されている。
だったら特性『たいねつ』でも貰えれば良かったのに…。

…といったことから、ORASから追加されたメガシンカの中ではトップクラスに空気である。
なんと2015年1月頃ではレートでの使用者が4人ぐらいしかいないという統計結果まで出ており壮絶にネタにされることを強いられる始末…
因みにORASシングルレーティングバトルでメガシンカできるポケモンだけで使用率ランキングを見た場合、メガタブンネが固定最下位でメガピジョットメガヘルガーらと共にブービー賞を常に争っていた

更に、メガストーン『ハガネールナイト』が入手できるとして鳴り物入りで登場した特別体験版(日本国内向けに限る)だったが、
入手できる個体はLv.40なので肝心のキンセツジムでは命令を無視する
そもそも製品版でハガネールナイトがある場所に行けるのはキンセツシティでマッハ自転車を貰ってから
育て屋があるのはキンセツシティのすぐ近く
前述のXYでラブカスと交換して貰える個体ならLv.30以下では命令を無視しないので、特別体験版の個体である必要が無い
ぶっちゃけ海外向けのオニゴーリの方がよっぽどマシ。

メガハガネール「そうさ、(俺のメガシンカに)意味なんてない。
種族値や特性が恵まれた奴らは高火力技を撃ち合ったり妨害しあったりして、ポケモンバトルで活躍している。
オレ達はそのしわ寄せで、ネタにされることを強いられているんだ!!」


しかしメガハガネール軸のパーティでレート2000台に到達した猛者もいたりする。

『サン・ムーン』では対戦環境の中心がハガネールが得意とするフェアリータイプになったことで密かに需要が増し、使用率はORAS時代よりはマシになった。
主に「のろい」と「ジャイロボール」を活かせるトリルパのエースとして使われている模様。
砂の力ェ…

仕様が変わりメガシンカそのものがなくなった『ソード・シールド』では登場しない。
が、同時に多くのポケモンがリストラの憂き目にあい同タイプで競合していたライバルや苦手としていたポケモンが姿を消した新世代でのハガネールの評価は果たして...


■漫画でのハガネール

ポケットモンスターSPECIAL』・第3章のカントー&ジョウトジムリーダー対抗戦でミカンが使用。
当初は岩を纏ってイワークの変種(?)に変装していたが、タケシのイワークの「しめつける」で徐々に岩がはがれ、鋼のボディがあらわになっていく
岩が全てはがれたと同時に「かみくだく」を繰り出し、イワークを戦闘不能にした。

試合の後、なぜイワークに見せかけたのかというタケシの質問に対し、ミカンは「見せ物にされるのがかわいそうだった」と答えている。
彼女がそう考えたのは、ハガネールの存在自体がはがねタイプも含めて当時新種だったため。
なおこのお披露目によって、オーキド博士にはがねタイプが新たなタイプとして認定された。

第5章ではロケット団三獣士の一人・チャクラが使用し、ナナシマで破壊活動を行った。
この時、どういう方法かは定かではないが空を飛んでいる*4。「りゅうのいぶき」で5の島を焼き尽くしたものの、バトルではレッドニョロさんに力負けした。
しかし、その攻撃の凄まじい被害は島民達を動揺させ、攻撃の理由としてチャクラが名指ししたレッド達に敵意を向けさせるには十分なものであった…。

第7章では鋼鉄島のボスとして登場。



■アニメにおけるハガネール

サトシ、もしくはレギュラーキャラを苦戦させる強豪ポケとして扱われることが多い。

金銀編ではゲーム通りミカンの手持ちとして登場。

番外編『ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説』ではロケット団の一人バショウの手持ちになっている。

AG編では野生の個体が登場。また、サトシのライバルトレーナーのマサムネの手持ちにも入っている。

DP編でも野生の個体が登場したほか、ミオシティジムリーダーのトウガンの手持ちとして登場。

SM編第43話ではタケシの手持ちとして久し振りに登場。
カキバクガメスと対戦し、さらにメガシンカも披露した。
バクガメスの「ダイナミックフルフレイム」を正面から喰らってもなお耐えきる圧倒的なタフネスを見せ、見事勝利した。
技構成はジャイロボール、しめつける、あなをほる、ストーンエッジ


■ポケモンカードゲームにおけるハガネール


進化前のイワーク共々、旧シリーズからそれなりの頻度でカード化されている。
特にneo時代(第二世代)は、ストーリー中でミカンが必ず繰り出すことやそのメタリックな外見もあって「新タイプである鋼タイプの顔役」として扱われていた節があり、そのイメージを引きずるように今でも鋼タイプの高レア枠や特殊ポケモン枠を射止める常連。
「ひかるハガネール」「ハガネールex」「ハガネールEX」「MハガネールEX」「ハガネールV」「ハガネールVMAX」「かがやくハガネール」など、非伝説かつそこまで人気があるわけではない*5はずのポケモンにしては妙に優遇されている。
互換切りされたPCG時代までに登場した10枚に全部キラ仕様があり、特に旧裏から新裏に裏面を変更した直後のセット「ポケモンカードVS」ではキラカードとして2枚もカード化されている。

基本的にはエネルギーが軽いがダメージが少ないorエネ加速に使える技と、「連続して放てない」「エネルギー消費が重い」「コイントスに極度に依存する」などのデメリットもあるがダメージが凄まじく大きい2種類の技を持っていることが多い。
そして「にげるエネルギーの多さ」も圧巻。ほぼすべてのカードで無色マークが4つ、PCGのハガネールexに至っては5つも並んでいるのは目を疑う。これはもう「逃げることができない」というデメリットを持つカードとして扱うべきだろう(後述)。

初出の「ハガネール(金、銀、新世界へ…)」は、旧裏時代によくある「適当なワザを2つ持っているだけ」というもの。1進化の弱いポケモンという第一印象に反し、当時の……それどころか現在のポケモンカード旧裏界隈でも猛威を振るっているというとんでもないカード。
鋼タイプが新登場したばかりの旧裏時代は、そもそも鋼タイプのポケモン自体が6匹しかいないこともあって鋼タイプ自体が特殊な存在として扱われており、鋼エネルギーは後の「特殊鋼エネルギー」のみしか存在しなかった。
これは「ついている限り受けるダメージをすべて-10する」という永続的なディフェンダー効果を与えるというもの*6だが、ハガネールはデメリットを受けることなくディフェンダー効果だけを持つことができる。
つまり鋼エネルギーさえつけてしまえば額面よりHPの高いポケモンとして君臨してしまうのだ。しかも原作の毒タイプを無力化する性質を反映し、草タイプ(当時どくタイプは草タイプに併合されていた)に対する抵抗力を持っている始末。
弱点となる炎タイプ以外に対しては非常にどっしりと戦うことができ、特に草に対するアンチ性能の高さは特筆に値する。
環境をちゃんと遊んでいなければ絶対に気づくことのできない強ポケ。実にいぶし銀である。

草タイプのデッキはこのやたら固いハガネールの対策を強いられることになるが、単純だが効果的な方法として「どく状態にする」というものがあった。
原作しか遊んでいないと盲点なのだが、ポケモンカードには鋼タイプがどく状態にならないというルールは存在しない。
そしてどくの処理はダメージではないので鋼エネルギーのダメージ軽減は効かないし、にげるエネルギーが4つも並んでいるような超重量ポケモンなのでベンチに逃げての解除も難しい。
原作では毒はまったく効かないしアニヲタwikiでよく好まれる「ポケモンカードGB」ではむしろ弱い側の戦略と評される状態異常が、当時の環境ではむしろハガネール対策として非常に有効だったのである。

また、やはりneo時代の「ハガネール(トレーナーズプロモ)」は「コイントスに成功すれば1エネで50ダメージ」という旧裏としては破格の火力技を持っている。
もちろんデメリットも存在し、コイントスの成否にかかわらず次のターンにワザが使えなくなってしまう。しかし「だったら手札に戻して出し直し、別のポケモン扱いでリセットしちゃえばいいじゃん」という発想が昇華された結果、この1エネ50ダメージを連発するハガネールデッキが2020年頃に開発されてしまった。

つまり旧裏時代のハガネールはかなりの強ポケだったのだ。
そしてハガネールが強いのだから当然進化前のイワークも評価が上がる。
ポケモンカードGBでは出た瞬間にサイド1枚確定のボーナス状態だった「イワーク(第一弾)」だが、「HPが90あり1エネで技を放てる」というところから現在では「ハガネール(トレーナーズプロモ)」の進化前として最適という評価を得ている。
つまりロマンデッキのパーツではあるのだが、評価としてはガチ寄りのカード。遊戯王の「マシンナーズ・フォース」じゃないけど、カードプールが激変すればカードの評価は大きく変わるのだ。


裏面変更後も活躍は続いた。「ハガネールex(金の空、銀の海)」はポケボディー(特性)「どくていこう」により弱点だったどく状態を克服。
草タイプと雷タイプに抵抗力を持つため、強いポケモン相手にはめっぽう強い。
一方弱点も炎タイプと闘タイプと2つも持ってしまっているため、「自分が有利を取れる相手を詰ませる」ような役割で当時の環境に君臨していた。
「ビッグサンダー」「あまごい」のような派手な逸話は持たなくても、強いポケモンは強いのだ。まさにいぶし銀。
にげるエネルギーは圧巻の5つ。さすがにこれを超えるカードは現在でも存在せず、歴代でもDP期の「マンムー(破空の激闘)」と1位タイの記録を守り続けている。つっても3以上なんてフレーバーテキストみたいなもんだけど……


ポケモンカードゲームDPの拡張パック「破空の激闘」にて登場したハガネールは、そのギャンブル性とリターンの大きさからポケモンカード屈指のロマンカードとなっている。

ワザ:アイアンテール
鋼鋼無無
ウラが出るまでコインを投げ続け、オモテ×100ダメージ。

公式ガイドブック曰く「無制限の破壊力」。20ダメージや50ダメージの間違いではなく、100ダメージである。
当時の環境で目玉かつ主流だったLv.XポケモンはHP120~160。つまりコインを投げて2連続で表が出てしまえばオーバーキル気味にワンパン出来てしまうのだ。
また、DP世代のポケカで最大のHPを持っていたのは、拡張パック「月光の追跡」で登場したホエルオーの200。しかし鋼タイプに耐性が無いため、HP増強やダメージ軽減などの対策を取らない限り、やはり2連続で表が出ればちょうどピッタリの数値でワンパン出来てしまう。

運さえ良ければあらゆるポケモンを一撃で仕留めてしまう凄まじい技だが、欠点として付き纏うのが必要なエネルギーの重さとコイントスによる不安定さ。
鋼×2はともかく、無色×2はすぐに集まるのではと思うが、当時は今のようにエネルギーの加速手段も充実しておらず、無条件or軽めのリスクで複数個分を賄ってくれる「ダブル無色エネルギー」「ダブルターボエネルギー」といった特殊エネルギーも殆ど存在しなかった。
よしんばエネルギーを揃えたとしても技の成否を決定するのはコイントス。失敗すればダメージは0でハイおしまいである。初手でいきなりウラが出てしまうなんてよくある話。

要求エネルギーの重さとコイントスの成否というワザを放つまでに乗り越えなければならない壁、その壁を超えられた時の圧倒的破壊力と爽快感。正しく「浪漫」の二文字が相応しいカードと言えるだろう。

重量ポケモンらしい暴力的なダメージ設定と取り回しの難しさを製作者側も気に入っているらしく、後々の世代・シリーズでハガネールのカードが登場した際は、持ちワザとしてこれと全く同じダメージ計算のアイアンテールを引っ提げていることがある。

イラスト面としてはe時代の「ハガネール(神秘なる山)」のHikaru Koike氏の暗くて太くて毒々しいイラストと、「ハガネール(海からの風)」のHajime Kusajima氏の明るく細っこく幻想的なイラスト。
どちらも同じハガネールを描いているのに「らしさ」を損なわずにまったく印象を異にするという、カードのイラストに求められるものが手探り状態だったこの時期ならではのイラストの妙が光る。
しかしやはり最近の流行であるジムリーダーを一緒に描くことで所有者を示すというイラストの方が耳目を集めるだろう。
「ドリームリーグ」で登場したCHR版ハガネールにはミカンが描かれている。原作の弱気で健気な彼女を表現したため、引き攣って緊張した顔で指示を出しているミカンが前面に出ているのだが、この顔が妙にエロい。どっちがメインだかこれもうわかんねぇな

そんなわけでこのハガネール、ポケモンカードでは鋼タイプの重鎮として昔も今も脈々とその系譜をつないでいる。
テッカニンポリゴンミュウのように個性的な動きをするわけではなく、ピカチュウやブイズやゲンガーのように頻繁に強カードが印刷されるわけでもない。
しかしそれでもなんやかんやで印刷され続けるという、まさに「鋼タイプの顔役」なのだ。

それとタケシをイメージした構築済デッキで「イワークGX」というのもいる。ハガネールには進化できない。タケシらしいこだわりをゲームのルールでも再現だ。
ハガネールGXが存在しなかった理由はおそらくこの進化ラインに関する混乱を避けるためだろう。
イワークとハガネールの説明が入れ子になってしまって申し訳ないが、やっぱ原作で元々最終進化系かつ双方に紐づけできるトレーナーがいるとなると説明がちぐはぐになっちゃうわけで……。
特に金銀時代はまだカードゲームどころか対戦ゲーム自体が黎明期であり、進化後が追加されたことで評価がいきなり上がるというカードも多かった。進化系が追加されたポケモンは結構説明が難しいのだ。



ズバット「そんなの意味がないですよ!」

イワーク「そうさ、意味なんかない。

     トレーナーのやつらは裕福な生活を送りながら、くだらない思想をぶつけ合って、ポケモンバトルに明け暮れている。

     俺達はそのしわ寄せでこんな生活を―――強いられているんだ!(集中線)」



このwikiを 1ねん いじょう ついきんへんしゅうしてると からだの せいぶんが アニヲタのように へんかする という。


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最終更新:2024年03月22日 07:20

*1 後に「みずびたし」という技で再現できるようになった。

*2 アニメのタケシははじめはブリーダー、のちにドクターを志すようになるので、アニメマニア的にはちょっと感慨深いいじり方でもある。

*3 こおりとほのおは2系統、でんきは3系統しかいない。

*4 ちなみにゲーム本編でも第四世代以降は「でんじふゆう」で宙に浮く事ができるようになっている。

*5 「ポケモン総選挙」で720匹中210位。

*6 鋼タイプ以外につけるとデメリットがある。旧裏時代はこのデメリットを逆手にとって悪用されることもあったのだが、話が逸れるのでここでは割愛。詳しくは……そのうち誰かがはがねタイプ(ポケモン)の項目あたりで書いてくれるでしょう。