浦安鉄筋家族

登録日:2010/06/29(火) 02:18:24
更新日:2024/02/21 Wed 18:45:35
所要時間:約 9 分で読めます




こいつは、ごくありふれた町の、
ごく当たり前の家族の、
ごく平凡な生活ぶりを何気なくつづった、
心温まるヒューマンな物語。

嘘じゃないよ? 最後まで見てごらん。
責任は、持たないね。
*1

限りなく東京に近い、千葉・浦安。
夢の国からちょっと外れた所に、
こんなラジカルな家族が住んでいるんです。
*2

浜岡賢次が『週刊少年チャンピオン』に連載している、千葉県浦安市を舞台にハチャメチャ小学生・大沢木小鉄とその家族、仲間たちが巻き起こす騒動を描いたドタバタギャグ漫画。
第一部『浦安鉄筋家族』(1993~2002年)全31巻
第二部『元祖!浦安鉄筋家族』(2002~2010年)全28巻
第三部『毎度!浦安鉄筋家族』(2010~2018年)全24巻
が終了し、25周年記念に
第4部『あっぱれ!浦安鉄筋家族』(2018~現在)
が開始された。
同誌ではバキシリーズやドカベンに次ぐ長期連載作品となっている。

また、1996年にドラマCD化、1998年にTBSの「ワンダフル」という番組内でアニメ化し、2014年に『毎度!浦安鉄筋家族』名義で再アニメ化した。
現在TOKYO MXとサンテレビで日曜日の22時27分から放送しており、ニコニコ動画でも同時刻に配信されている。
監督はドラマCD版が谷田部勝義、アニメ版は新旧どちらも大地丙太郎。
そして、2020年4月よりテレビ東京系の深夜ドラマ枠(ドラマ24)にて実写ドラマがスタートした。

高確率でコマの片隅にウンコが描かれている。これは浜岡先生曰く「ギャグの基本」とのこと。
高確率で変に小さい小人が描かれている。これは浜岡先生の趣味だそうである。
描き込みが細かく、描き分けも幅広いが浜岡先生曰く「言葉を丁寧に紡ぐ形のギャグ表現は苦手」であることを公言している。
少なくとも、伏線だとか、キャラ設定・描写の矛盾だとかは気にしてはいけない。
実際大体のキャラクターが基本とにかく縦横無尽に突っ走ることで進行していき、ほとんどの話が一話完結で終わる。
無印時代の中盤辺りまでは、過激で古典的なギャグ漫画という印象であり、毎回の様にウンコや爆発や流血ネタがあった。

しかし、数年所か一年続けただけでもおかしくなると言われるギャグ漫画の長期連載に挑んだ結果、作風は刻々と変化を続けており、賛否両論もあった『元祖』中盤までの生々しい描写や路線を経て、現在では多彩な登場人物により織り成される群像劇と化している。
『元祖』ではリニューアルを意識しすぎて大胆な路線変更を図ったのだが殆どが失敗してしまい(小鉄の海パンと学年が進んだのが残っている程度)、中盤からは原点回帰しており、第3部『毎度』以降は安定化して多彩な笑いを生み出せるようになっている。『あっぱれ!』になってからは安定し過ぎてウンコが登場する漫画の癖に何故かハートフルなオチが多くなってしまったが。

また、作者の絵柄の変化や、キャラクターの顔自体がパターン化された結果、描き込みが増えながらもアニメ調でスッキリした絵柄に変化し、初期のアクの強さが嘘の様に見やすく、特に女の子は“可愛い”と評価されるまでなっている。
この為、現在でもウンコや爆発、流血ネタは登場してくるものの流行りの“萌え漫画”化したと言われたりすることも。
作者曰く、女の子も小鉄と同じ顔を描いてるらしいのだが、髪型やその他でちゃんと個性付け出来ているのは流石はベテランである。

そして、この作品を語る上で欠かせない特徴が「擬音じみたセリフ」の数々。
漫画界で擬音と言えば「メメタァ」「ズキュゥゥゥン」のアレ「めるめるめる」の布教などが有名だがこの作品もこれらとは違ったベクトルでオリジナリティを確立している。
その数は凄まじく、例えばバイオレンスに対するリアクションに絞っても

「ペニイィィ」「す」←金的。わざわざ二コマに割っている。
「どっぽ」     ←同じく金的。ちなみに被害者は垣でその時の擬音が「バキ」
「ジョナサーン」  ←水平チョップ。
「ロイホ」     ←平手打ち。
「ガストー」    ←ドロップキック。お察しのとおりこれと上二つは同じ回、つまり天丼。
「カサンドラー」  ←ウンコと一緒に沈没。断っておくが浦鉄のウンコは立派な「バイオレンス」である。
「フォンドボー」  ←毒性カレー。

と、枚挙に暇が無い。他にも
国会議員の尻に笛が刺さって「バイショオオオ」
重いものを運ぶ時の吐息が「マチュピチュ」
お気に入りのコロッケを食われて「サモ」
マジで下呂する五秒前「ミルミルキー」
といった具合にヘンテコなセリフが盛りだくさん。
「擬音じゃないじゃん!まんまじゃん!」「そもそも面白いのかこれ?」と思った貴方、そのツッコミは全く正しい。
そんな貴方にはとりあえず作品を手に取って頂いて、電車に乗り座席に座って、深呼吸して気持ちを落ち着かせてから、ゆっくりとページをめくる事をお勧めしたい。
己の表情筋と理性との闘いの果てに、そんなツッコミは無粋である事を貴方は理解するだろう。
ちなみに浜岡先生は過去に単行本のおまけ漫画で
"「できんボーイ」発の偉大な擬音である「ちゅどーん」。これを超える擬音を生み出す事が目標なのだが中々うまくいかない。"ともらしていた。
本来の意味での擬音の使い方は意外と地味なのだが、この思いがこの作品の「色」の一つになっていることは明らかだろう。

※「浦安鉄筋家族シリーズ」は単発のギャグ漫画作品なので、本項目は基本的にキャラクター一覧となっております。
各キャラクターの詳細、活躍エピソードは当該項目を参照してください。

【大沢木家】

CV:田中真弓(ドラマCD)・岩坪理江(旧アニメ)・三森すずこ(新アニメ)
本作の主人公。
年中海パンで過ごし、たとえ休みでも一日一回は登校する学校好きだが勉強は一切苦手で、遊ぶ事が一番得意。

CV:松山鷹志(旧アニメ)・一条和矢(新アニメ)
家でも革靴、一日中喫煙、とことん適当な性格といい所のないダメ親父。
タクシーの運転手をしているが、いつも暴走運転。
ドラマでは大鉄が主人公である。

CV:天野由梨(旧アニメ)・東條加那子(新アニメ)
真面目で器量もいいが、怒ると怖い日本の母。
浦安最強候補の一人。

CV:坂東尚樹(旧アニメ)・一条和矢(新アニメ)
大鉄の父でツルッ禿げのおじいちゃん。孫にはとにかく甘い。

  • 大沢木鶴子
101歳。
15周年記念の特別編にて登場した出オチキャラ。
「歴史が変わる」ため、即時抹消、黒歴史。

CV:一条和矢(アニメ2作)
大学受験に失敗してから無職生活を続けている長男。
発明と洋画が大好きなオタク野郎。

CV:岡村明美(旧アニメ)・橘田いずみ(新アニメ)
長女。母親譲りの美貌と戦闘力を持つが男の趣味は最悪。

CV:大谷育江(旧アニメ)・楠田亜衣奈(新アニメ)
大沢木家の末っ子。当初は赤ちゃんだったが後に幼稚園児にまで成長した。
頭脳、体力ともに優れた天才肌。

  • 青田くん
裕太が溺愛するキモい赤ちゃん人形。

  • スタスキー&ハッチ
大沢木家のペット。
スタスキーは猿、ハッチは犬だが二匹の仲はよく、一緒に裕太の遊び相手になる事が多い。
名前の由来はアメリカの刑事ドラマ。

【小鉄の友人たち】

CV:坂本千夏(ドラマCD)・石井康嗣(旧アニメ)・一条和矢(新アニメ)
小鉄の相棒格で、墓場の隣に住む貧乏な子供。
額の星印がトレードマーク。

CV:神代知衣(ドラマCD)・荒木香衣(旧アニメ)・橘田いずみ(新アニメ)
大阪から転校してきた元気娘にして屈指の乙女。

CV:ならはしみき(ドラマCD)・大谷育江(旧アニメ)・楠田亜衣奈(新アニメ)
いつも何かを食べている爆食肥満児。
「キャプ~」が口癖。

CV:三浦千代(ドラマCD)・小西寛子(旧アニメ)・三森すずこ(新アニメ)
金持ち美少女。
一応ヒロインだが作中で一番不幸な目に遭う回数が多い。

CV:吉田古奈美(ドラマCD)・岡村明美(旧アニメ)・楠ひなた(新アニメ)
……普通。

CV:生駒治美(旧アニメ)
ロッテ好きな父親(しかし父親は野球経験が皆無)に英才教育を受けた野球馬鹿。
その野球愛は自分で涙球場というグランドを作るほど。

「影の薄さ」が個性という変わった女の子。
魔術と動物が好き。

CV:那須めぐみ(旧アニメ)・楠ひなた(新アニメ)
背の高い眼鏡女。「アンドレ」「ヒガンテ」「大女」などと言われると手が付けられないほど暴れる(アンドレやヒガンテというのはプロレスラーの名前で、いずれも大男)。
大の男嫌いだが、ノブには優しい。
暴れるようになったのは無印の16巻以降で、それまではモブとして登場していた。

CV:岡村明美(新アニメ)
自称「少年探偵」の馬鹿。

CV:山口祥行(新アニメ)
『バキ』のパロディキャラ。
ランドセルの代わりに墓石を背負ったグラップル小学生。
中の人はネオVシネ四天王のひとり。

カンフー小学生。
くすぐり拳を始め、数々の奇怪な奥義を究めている。

小鉄のクラスで一番小柄な、宇宙人そっくりの男の子。

「金子先生」のあだ名で呼ばれるフケ顔の少年。
大好きな小鉄のためにいろいろな事をやるが、いつも裏目に出る。

CV:楠田亜衣奈(新アニメ)
どれだけ食べても太らない(しかも美味しそうに食べる)鉄の胃袋を持つ美少女。

根本和江 CV:西村ちなみ 山崎民子 CV:三森すずこ 淡口静香 CV:橘田いずみ
小鉄のクラスで一番の地味グループ。

広島カープ大好きな野球少女。ドSでドM。「テヘッ」と「ウニャ~」が口癖

中村タケシ
CV:堀内賢雄(ドラマCD)・松本ヨシロウ(旧アニメ)
キツネ
CV:山崎たくみ(ドラマCD)・中川玲(旧アニメ)
リトルX
CV:岩永哲哉(ドラマCD)
ラフボーイ
CV:なし
中村タケシ率いる(元)極悪集団だが、現在は低迷中。

中身一切不明の謎のキャラ。

チャンピオンの編集長が元ネタのデブ男。
あかねには嫌われているが本人は気にしてない。

【ご近所関係】

CV:島田敏(ドラマCD)・一条和矢(アニメ2作)
ブルース・リーそっくりな、小鉄のクラスの担任教師。

CV:岡村明美(旧アニメ)・東條加那子(新アニメ)
仁の母親。変人だ!!

CV:島田敏(ドラマCD)・石井康嗣(旧アニメ)
浦安に出没する、ものすごいウンコをする男。屁は犬を殺し、花を枯らす威力を持つ。
モデルはアントニオ猪木。

CV:堀内賢雄(ドラマCD)・石井康嗣(旧アニメ)
デビュー作以降、全くヒットに恵まれないホラー漫画家。
漫画家のくせに手塚治虫を知らない。

小鉄が笛を吹くと現れる、赤いパンツのプロレスラー。
見た目は間違いなくジャイアント馬場だが記憶を失っており、ひょんな事で記憶を戻したりする。

CV:白鳥由里(ドラマCD)・生駒治美(旧アニメ)
春巻の同僚の先生。よくできた人だが片付けは苦手。

CV:宮田浩徳(ドラマCD)・坂東尚樹(旧アニメ)
小鉄の家の隣に住んでいる、猛獣を飼う人間嫌いの爺さん。
元ネタはムツゴロウこと畑正憲。
旧アニメ版では牛松虎五郎という名前になり、唇が厚くなったが、性格も彼が出てくる話の内容も変わっていない。

CV:坂本千夏(ドラマCD)・巴菁子(旧アニメ)
プロレス技で除霊をする霊能おばさん。
元ネタは宜保愛子。
旧アニメ版では三途野川霊子という名前になり、姿も大幅に変わったが、松五郎同様性格や彼女が出てくる話の内容は変わっていない。

怖い話に定評のあるタレント。大沢木家とは何かと縁がある。
元ネタはもちろん稲川淳二。

とにかく「1」という数字にこだわる布団叩き師。
元ネタは王貞治。

体を張ったアクションが得意なお騒がせ主婦。佐茂飯禁子、弓票鷹子という妹がいる。
元ネタはジャッキー・チェン、サモハン・キンポー、ユン・ピョウ。

CV:山口祥行(新アニメ)
垣の母ちゃんで通称「鬼母(ママ)」。
性別を除けば、ほぼ範馬勇次郎そのもの。

浦安で一番偉い人。誰よりも浦安市民を愛する市長の鑑。

ファミレス「べーやん」の美人店長。
大鉄、順子と交友関係がある。

非常に魅力的なウソをつくじーさん。
見た目のモデルは大滝秀治。

CV:内藤玲(旧アニメ)・森嶋秀太(新アニメ)
桜の彼氏で、芸術的に服を脱ぐ男。

一年の大半を刑務所で過ごす家庭内魔獣。
(一応)『サザエさん』のパロディ。

米国からやって来た英語教師。
モデルの影響か「24」の数字に縁がある。



春巻
〝……追記・修正してホーイ……〟

春巻
〝なんかキャラクター欄が増えてるちょー!!〟


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最終更新:2024年02月21日 18:45

*1 テレビアニメ版第一期の冒頭ナレーションより。

*2 テレビドラマ版の冒頭ナレーションより。