闇の書(リリカルなのは)

登録日:2012/01/24(火) 03:08:10
更新日:2024/02/09 Fri 21:02:57
所要時間:約 6 分で読めます






出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、
2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT


TVアニメ『魔法少女リリカルなのはA's』及び映画『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』に登場する茶表紙の本。物語の根幹に関わる最重要アイテム。


持ち主と世界に破滅を呼ぶとされる禁断の本。
そのあまりの強大な力故に時空管理局から『第一級ロストロギア(発展し過ぎた文明の遺産。危険過ぎて封印されるべきアイテム)』に指定されている。

魔導師や特殊な生物の魔法の源である「リンカーコア」の魔力を食らうことでページを増やしていき、全666ページが完成すると、持ち主たるマスターに凄まじい力を与える*1

しかし、その強大過ぎる力はマスターの意思すら食いつぶし、世界を滅亡に導いてしまう。破滅しかもたらさないことが伝わっていないのか、それとも歴代の主の慢心のせいなのか、過去何度も暴走しては多くの次元世界や人命を葬ってきた。

魔導師一人に対してリンカーコアを蒐集できるのは一度のみで、これは特殊生物も同じ。
更に蒐集の際には魔力と同時に魔導師の所有する魔法をも吸収する特性を持つ。

最大の特徴は転生機能と無限再生機能。
例え破壊されても再生して他世界にワープしてしまう。
そのせいで闇の書の完全破壊は不可能とされていた。
時空管理局は何度も封印を試みてきたものの失敗を重ね、犠牲者を出している。


数々の世界に破滅を齎し、終わることのない永遠の旅を続ける悪魔の魔本。
それこそが「闇の書」である。



経緯は不明ながら鎖で厳重に封印された状態で八神はやての家に置かれていたが、
はやてが9歳になった瞬間に(劇場版ではその前日にはやてがバスに轢かれそうになった時に)封印が解かれ、
守護騎士であるヴィータシグナムシャマルザフィーラを呼び出した。
だが、はやては魔力蒐集を望まなかったためそのまま放置されていた。

出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、
2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT

しかし、はやての原因不明の麻痺が「闇の書が足りない魔力をはやてから奪い取っていたこと」が原因であることが判明。
放置すればやがて彼女の命を奪うことを知った4人は、はやてを救うため独断で魔力蒐集を開始した。


クリスマスイブ。遂に完成間近になるが、なのはたちに変身した謎の「仮面の男たち」の策謀で(劇場版では闇の書の闇の暴走で)
ヴォルケンリッターの4人を無理矢理生贄にされてしまったため、はやての眼前で遂に完成してしまう。

大切な家族を失った悲しみと家族を奪った者への憎しみを引き金として、はやての肉体を変化させ銀髪赤眼の成人女性と顕現。
「白き魔導師」なのはと「黒き魔導師」フェイトを倒さんとするが……。





以下ネタバレ












出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、
2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT


本来は『闇の書』などという名ではなく『夜天の魔導書』。
マスターと共に旅をし、各地の魔導師の技術を収め研究して、後生に伝えるために作られた健全な魔導書だった。

闇の書を不滅の存在たらしめていた転生機能と無限再生機能は、各地へ旅をするためのワープ機能と情報保全のための自己修復機能が変質したもの。

そしてマスターを守り、魔導書を完成させるための「守護騎士プログラム」ヴォルケンリッター(「雲の騎士」の意味。劇場版だと実際雲と名乗っている)が付いていた。

戦力としてみれば、ヴィータやシグナムに近接、ザフィーラに防御を担当させ、
固定砲台に近いマスターが融合騎の支援も受けつつ魔導書の多種多彩な魔法で支援。
負傷や離脱方面ではシャマルに支援させるという組み合わせになる。

それぞれ単体でもなのはやフェイトとタイマンを張る実力者で、彼らが補い合いながら向かってくることになる。
こんなに高水準かつ非常にバランスの良い力を魔導書一冊で担えるとなれば、元の魔導書がどれだけ優秀だったかが分かる。


しかし、いつかの時代のマスターがシステムを改変。
自己進化式の自動防衛プログラムを組み込んだことでバグが発生。
ワープ機能と自己修復機能は無限に再生し、転生し続ける機能へと改悪され、
自動防衛プログラムに至ってはマスターの意思に関わらずにマスターを取り込み過剰防衛を働き、手当たり次第に破壊を行うようになった。

劇場版にて自動防衛プログラムにも名前が与えられ「ナハトヴァール」という名前になった。
意味は明かされていないが、ベルカ語がドイツ語とほぼ同等と考えるとおそらくは「夜の鯨」または「真の夜」か。

さらに劇場版に追加された設定によると、
古代ベルカが領土拡大のために周辺世界にも手を伸ばしながら戦争開始した頃から、
すでに闇の書になっていたらしく、様々な主の元を渡り歩きながら戦争を体験していたようだ。

騎士たちも、記憶機能にまでバグが発生し、闇の書の完成=マスター死亡という事実さえ忘れ、歴代の悲しい記憶ばかり引き継いでいた。

クロノ・ハラオウンの父「クライド・ハラオウン」もかつて闇の書の犠牲となっていた。

仮面の男の正体「リーゼアリア・リーゼロッテ」の主人、
そしてクライドの上官で師匠でもあった全ての首謀者たる時空管理局提督「ギル・グレアム」は闇の書に終止符を打つため、
そしてクライドの仇を討つために今回の行動を起こしたのであった。

「銀髪赤眼の女性」は元々は夜天の魔導書のマスタープログラムであり、
マスターとユニゾンすることで蓄積された膨大な魔法を円滑に運用するユニゾンデバイス。
だが望んでいない破壊を齎しマスターの命を奪い続けることに悲しみ、永遠に終わらぬこの連鎖に絶望していた。


フェイトを自らの幻想世界に取り込むも、なのはの決死の攻撃で眠っていたはやての意識が覚醒。
はやては「永遠に覚めることのない夢」より、例え辛くとも「前に進む現実を生きる」ことを選び、
管理者権限でマスタープログラム(管制人格)と防衛システムの切り離しに成功。

二度と「闇の書」などという悲しく醜い名を呼ばせぬために、新たな名を与える。




夜天の主の名において、

汝に新たな名を贈る。


強く、支えるもの……、

『幸運』の追い風……、

『祝福』のエール……、



リインフォース。



はやては魔導師として覚醒。
ヴォルケンリッターも蘇り、フェイトも幻想世界から脱出した。

だが切り離された自動防衛プログラムは巨大な怪物「闇の書の闇」として暴走する。独自の意思があるのか、女性の上半身のような部分が生成されていた。
ちなみに劇場版ではかなりデザイン変更がなされて凄いことになった(手描き→CGになっているがそれどころではない)。
TV版では一方的にやられてたが、劇場版は攻撃力、防御力がパワーアップして迫力のバトルを展開した。

出典:魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's、セブン・アークス、アニプレックス、
2012年7月14日、©NANOHA The MOVIE 2nd A's PROJECT

なのは・ヴィータ・フェイト・シグナムによりバリアを砕かれ、ユーノ・アルフ・ザフィーラに拘束され、
さらにはやてのミストルティンで石化され、クロノのエターナルコフィンで完全凍結されてもなお再生し暴走するも、
なのは・フェイト・はやてのトリプルブレイカーを喰らい沈黙。
残ったコアも衛星軌道上に運ばれアースラのアルカンシェルで完全消滅した。

この一連の攻撃は劇場版でパワーアップしており、
特にテレビ版で分かりづらいと言われたクロノのエターナルコフィンは、なのは達のトリプルブレイカーのための時間稼ぎという事がより明確になっている。
ミストルティンはおそらく、エターナルコフィンの準備のためなのだろう。

だがリインフォースは自分が存在すればいずれ防衛プログラムが蘇ると告げ、はやて以外に皆に自分を消滅させることを望む。
翌朝はやてに黙って消えようとするも、追いかけてきたはやてに『もっと幸せにする』と涙ながらに制止される。
だが彼女ははやてに「一度でもあなたと共にいれて良かった」と言い、こう告げる。



私はもう、世界で一番幸福な魔導書です」と。



そして新たに作られるであろうユニゾンデバイスに自らの名を付けて欲しいと告げ、笑顔で雪の空に消えていった……。




出典:魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-、ウィッチクラフト、バンダイナムコゲームス、
©なのはA's PROJECT©2010 NBGI、2010年1月21日
本作ではリインフォースは生き延びている(詳細はリインフォースの項目を参照)ため、夜天の魔導書そのものも存続していると思われる。

今作では闇の書の残滓が闇の欠片として関係者の姿を取って暴走。なのはたちや八神家に戦いを挑んでくる。

更には、マテリアル(構築体)として3体のマテリアル
星光の殲滅者雷刃の襲撃者闇統べる王が現れる。

消滅してもなお周囲に厄災をもたらしてしまっているが、
管理局側としては闇の書事件の余波被害として予想していたことであり、大事件にはなることなく処理された。



3体のマテリアル達が復活。それに伴って闇の欠片、更には謎の姉妹も現れる。
彼らは、砕けえぬ闇の復活を目指して暗躍する。

  • 紫天の書
本作にてディアーチェが語った闇の書のシステム。
リインフォースや守護騎士たち初期プログラムには干渉されないように、後に埋め込まれた独立型プログラム。
そのため、リインフォースも存在を把握していなかった。

無限連環プログラム「エグザミア」とそれの制御プログラム。制御プログラムをサポートする理と力の4つからなるプログラムで、
それぞれアンブレイカブル・ダークロード・ディアーチェシュテル・ザ・デストラクターレヴィ・ザ・スラッシャーとして顕現している。

ディアーチェ曰く「後に組み込まれた自動防衛プログラムのせいで寝ていた」とのこと。つまり前作でのおかしな言動は寝ぼけていたせいだったらしい。

この「紫天の書」が「夜天の魔導書」の直接的な暴走の原因かどうかは定かではないが、
その独特のプログラムの性質上「無限再生能力」に関わっている可能性は高いと思われる。


余談

偶に勘違いされるが、闇の書=夜天の魔導書はユニゾンデバイスではなく、大容量の魔導書型ストレージデバイスに該当する。
そしてその制御のためにユニゾンデバイスであるリインフォースが本の内部に搭載されており、
夜天の魔導書が有する膨大な魔法の砲身として、アームドデバイスのシュベルトクロイツがある。

つまり夜天の魔導書は、ストレージ・ユニゾン・アームドの三つのデバイスが揃って一つなのだ。






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最終更新:2024年02月09日 21:02

*1 Detonationでユーリが語るには、死んだものの蘇生と時間干渉以外なら何でもできてしまうとのこと。