福井晴敏

登録日 :2011/04/08(金) 23:16:01
更新日 : 2017/05/15 Mon 02:01:26
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1997年から執筆活動を行っている専業作家。


1968年11月15日生まれ。46歳。東京都墨田区出身。

子供の頃は大の活字嫌いであったらしいが、大学中退後に警備員として働きつつ執筆活動を開始。処女作『川の深さは』を完成させる。

その『川の深さは』は第43回江戸川乱歩賞にて一部の選考委員会から絶賛されるものの惜しくも受賞を逃す。
が、翌年『Twelve Y.O』にて見事第44回江戸川乱歩賞を受賞、リベンジに成功する。
ちなみにこの『Twelve Y.O』、原則単作品での応募が絶対である江戸川乱歩賞において『川の深さは』と同一の世界観、続編のような設定であったため、
掟破りの作品として選考委員会は相当紛糾したようである。よく受賞できたな。

ちなみに、チョイ役ながら映画『日本沈没』に出演している。


◆主な作品

『川の深さは』

『Twelve Y.O』

『亡国のイージス』

『終戦のローレライ』

『op.ローズダスト』


『人類資金』


作風として戦争や自衛隊などをテーマに防衛問題に対しての日本のあり方に疑問を投げかけるという点がある。

ほとんどの作品が共通の世界観を有しており、防衛庁情報局(通称DAIS)という架空の組織が多くの作品において登場する。
兵器も近未来的なものが多く、革新的探知装置「ローレライシステム」、文字通り沖縄を冥界にしかけた毒ガス兵器「GUSOH」、
米軍も真っ青なコンピュータウイルス「アポトーシスU」、お台場を沈めかけた特殊焼夷弾「Tpex」など多彩なものが各作品で登場する。
ちなみにどいつもこいつも揃いも揃ってトンでも性能。福井ワールドの日本は一度や二度滅んでいてもおかしくはないレベルである。
また、多くの作品において冴えない中年親父と諜報機関など特殊な環境で育った少年のコンビが主人公的な立ち位置として活躍することも特徴の1つ。
どれぐらいその傾向が強いかというと、上記の6作品の中でその設定が当てはまらないのは『終戦のローレライ』と『UC』のみ。

夢破れて日々を無為に消化していく中年親父と、特殊な環境下で自らを抑圧してきた少年が、
互いの距離感に苦しみながらも奇妙な信頼感を気づいていくという過程が描写されている。
これは、良く言えば一貫して主張したいことがあるということであるが、悪く言えばワンパターンでもあり、この点を批判されることも多い。


派手なアクションが作中で繰り広げられるのも特徴の1つ。
上記のコンビではアクション担当は主に少年の方が担当する。中年親父は典型的なぐうたら親父の場合が多いのであまりアクションをこなすことは少ない。

アクションの派手さが好まれたのか映画化された作品も多数。
中でも『亡国のイージス』はテレビ放映の機会も多く一般の認知度が高い。
一方で『終戦のローレライ』は映画化の際に設定がかなり改変されてしまい原作レイプに…

余談だが、「亡国のイージス」に登場した菊政というキャラクターがお気に入りなのか、
「終戦のローレライ」や「機動戦士ガンダムUC」にも彼を髣髴とさせる人物が登場しており、
ファンの間では「(イージスの)菊政の先祖or子孫では」と語り草になっている。
今後の作品でも登場しては数奇な運命を辿るのだろうか。菊政一族は。


◆ガンダム作品との繋がり

自他共に認める富野由悠季ファンとして有名。

それが幸いしてか、作家活動を開始した初期のころから交流があったようである。
ガンダムのノベライズも担当しており、『月に繭 地には果実』、『機動戦士ガンダムUC』などの作品を世に送り出している。

自身の作品の設定も多少持ち込んでおり、『月に繭 地には果実』には毒ガス兵器GUSOHが登場している。

同作ではアナザーガンダムシリーズを黒歴史から排除しているため、アナザー嫌いの懐古的な宇宙世紀至上主義者なのでは?とも思われがち。
実際は『川の深さは』の増村保や『機動戦士ガンダムUC』のナイジェル・ギャレットなど、新旧含むアナザーガンダムからのパロディ要素もあったりはする。
ちなみに前者は『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイ、後者は『機動戦士ガンダム00』のグラハム・エーカーのパロディ。

また、『亡国のイージス』や『機動戦士ガンダムUC』におけるマリーダ・クルスアンジェロ・ザウパーのように、
戦争に起因する陰惨極まりない描写(特に性描写)が展開されることが人によっては受け入れにくいよう。

漫画「ガンダムを創った男たち。」に福井ハルトシの名前で登場。
小学生時に小説版ガンダムを偶然書店で読み、文学(と性)に目覚めた。


超人青年×オッサンにロマンを感じる方は追記修正お願いします。

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