○○も××もない

登録日:2011/12/09(金) 07:16:51
更新日:2023/07/18 Tue 02:11:03
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はじめに、このようなアニヲタとは縁もゆかりもないような項目を立てたことをお許しください。


『○○も××もない』

1.
○○及び××の両方について否定すること。
より仔細に言うならば、係助詞「も」によって並立される体言「○○」及び「××」を形容詞「ない」によって全面的に否定する文。
英語でいう"neither A nor B"の構文に相当する。

因みに、これを知ったからといって、金持ちになれることも彼女が出来ることもない。


例)


2.
日本語の慣用句によく見られる言い回し。
意味や種類の似た言葉を並べることで、その言葉が否定する物事をより強調する効果がある。

こちらは単なる"neither A nor B"ではなく、ひとまとまりにして一つの表現である。
いくつかは辞書にも載っており、正式な慣用句として認知されている。


以下辞書に載っている慣用句……などとここで列挙しても味も素っ気もないので、
身も蓋もない言い方になるが、自分で調べて頂きたい。

血ももない人々が「ふざけんな氏ね」等と罵倒したり、根も葉もない悪評を流したりしても、こちらとしては痛くも痒くもないので。

まあ恥も(あるいは見栄も)外聞もなく願うならば、
このも仏もないアニヲタWikiに、欲も得もなくこの項目を編集してくれる人がいれば有り難い。
その上で理も非もなく「いや一覧化すべきだろ」と思う方は、どうぞこのあたりの節を影も形もないように消し去ってください。
誰かさんが身も世もなく泣き伏すだろうけど。


ただ言っておくと、単なる劣化Wikipediaになってしまっては元も子もあったものではない。

もう一度言おう。
ただ並べ立てるだけでは、鰾膠(にべ)もしゃしゃりもないのだ。






なお、↑この数行の改行には種も仕掛けもないので、くれぐれも項目コピーなどという無駄な骨折りをしないように。
まあそれでも見る人はいるだろう。まったく油断も隙もないことだ。



3.
相手が言った○○を全力で否定・拒否・一蹴する場合に、××をつけ加えて言い放つ用法。
こちらは通常は辞書等には載っておらず、慣用句とも言えない。
強いて分類するならただの『慣用表現』『常套句』である。

語感の似た言葉を並べるパターンが主だが、原型は少なくとも江戸時代あたりにはもうあったらしい。
なんらかのメディアの、特にギャグ作品くらいでしか聞かれないが、うまく使えば台詞としてのインパクトはなかなか。
ある意味作者のオリジナリティ発揮の場ともなる。

また、『ない』の部分は
『ねえ』
『あるか』
『ありはしない』
『あったものではない』
等と変化する場合が多々あり、こうした変化がさらに強く相手の言葉を否定する。
※なお、この時の『あるか』は当然反語であり、後には(いや、ない)が隠れている。


例)
  • どうしたもこうしたもない
  • ○○もへちまもない
  • ○○もへったくれもない
かなり古くからある原型的表現。
相手の言う○○が、文脈上取るに足らないことであることを強調する為に、くだらないものの代表として『へちま』*1や『へったくれ』*2を並立する。

「旦那様、ちゃんと支払わないとお奉行様が…」
「うるせえっ! 奉行もへちまもあるか!」

「アンタ、よしなって! お客様じゃないかい!」
「やかぁしい! 金もねえのにお客もへったくれもあるか! おい松、塩撒いとけ!」
等のように用いる。


  • だってもあさってもない
相手が反論しようとして「だって」と言った時に用いる。
「あさって」は語感が似ているだけで特に意味はない。

  • しかしもかかしもない
相手が(ry「しかし」と(ry
「かかし」は(ry特に(ry

よく見られるのはこんなところだろうか。
他にも○○も××もないを用いた台詞はあるだろうが、大抵は著者筆者作者らのオリジナルである。

  • なんでもスーパーカミオカンデもない
トラブルチョコレートにてカカオが発言。
登場人物アーモンドが(ry「なんで」と(ry
もちろん『んで』が共通しているだけである。
なんなら『ゲレンデ』とか『少年サンデー』とかでも事足りる。

  • シナモンパンもレモンパンもなし
シナモンパンとレモンパンが売り切れてしまったことを指す言い回し。
ぶっちゃけただの回文である。



では、もう書くことも貼るものもないのでこの辺で。

追記も修正もないこんな世の中じゃポイズン。

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最終更新:2023年07月18日 02:11

*1 へちま自体ではなく皮部分を指す。「へちまの皮とも思わない」などとへちまの皮=役に立たない物の代表だったのが、皮を略した言い回しが使われるようになった。皮を剥いたへちまは役に立つ。

*2 語源は諸説あり不詳