捏造/でっち上げ

登録日:2011/01/18 Tue 20:19:18
更新日:2023/03/13 Mon 22:58:44
所要時間:約 6 分で読めます





これぞワシの発明、モンタージュ理論!
"歴史はスタジオで作られる"でゲスな



捏造及びでっち上げとは、実際には『無い』ことを『有る』かのように見せかけることである。

または、中身はなく形だけ作ることもでっち上げと言う。捏造にはこちらの用法はない。
空の境界両儀式は自分の家の流派のことを「先祖が捏造したもの」と語っているが、剣術自体は実在しているため、この意味では誤りである。
ちなみに剣術の創始者が「神様の啓示を受けてこの剣術を教わった」とか騙るのは古来よくあったことではある。


【語源】

捏造は単純に『捏ねて』『造る』である。


『でっち上げ』の『でっち』とは『丁稚』、つまり江戸時代の商家への年季奉公における最初の位のこと。

入門したての頃は誰もが丁稚の為、庶民の親が子どもを「奉公に上げる」ことを『丁稚上げ』と表現するようになったことが、最初の起源とされている。

『丁稚』は上方(近畿)での呼び名の為、関東では『小僧上げ』と言った。


現在の意味になったのはそれよりも少しあと。

入門した丁稚は、店の手伝いをしながら礼儀作法や商売のいろはを叩き込まれていく。
その後は仕えた年数や能力等によって『手代』『番頭』と役職が上がっていき、主人に認められれば、暖簾分けして自分の店を持つことが許されるのだ。

そうした経緯から、多数いる丁稚の中で先んじて昇格する為に、他の丁稚を貶める行為を働く丁稚も出てきた。
そして『他の丁稚を陥れる嘘』へと意味が変わり、
転じて『自らを良く見せる為の嘘』を表すようになった、と言われている。

一説によれば、とある問屋の丁稚であった根ッ三(ねつぞう)と呼ばれる小僧が奉公先で行った悪事から
でっち上げと捏造が同じう意味を持ったともいわれている。
後にこの小僧は出奔、槍の武芸者として大成し、武器をあえて二つに折り片方の刃のついていない方を投げ捨てることにより
丸腰になったと見せかけて隠し持った刃のついた側で打ち倒す超奥義を開発した…かどうかはわからない。

参考文献:民明書房著「あの子は槍MAN 丁稚age伝」

※参考文献から察せられる通り、この項目の上記部分はフィクションであり、登場する由来、人物・団体等はすべて架空のものです。


【使う場面】

この言葉が使われる主な場面は、もちろん悪事に関してである。


Ⅰ.功績の捏造

少し前、考古学界の『ゴッドハンド』として話題になった人物のことは、多くの人が記憶しているところである。
彼は考古学的に極めて重要な発見をいくつも、次々と成し遂げたが、後にその殆どがニセモノであり捏造であり、でっち上げだったことが発覚した。

考古学に限らず、どんな職種であれ、何らかの数字や事実を水増しするようなことは誰かしらがやっているだろう。
2012年10月、iPS細胞開発で知られる山中教授のノーベル賞受賞直後には、
まだ臨床段階ではないにもかかわらず人体への応用手術を行なったとかいう変な人が話題になった。
不正イクナイ。


Ⅱ.記事の捏造

特に写真週刊誌等において、記者の妄想でセンセーショナルな記事を書くことはよくある。
この場合は話の整合性がとれていなかったり、そもそもどこから出た話なんだということになり、だいたいすぐ問題となる。
内容によっては名誉毀損等の訴訟、賠償沙汰に発展するが、売上が伸びればいいというスタンスの出版社も多く、こういった捏造記事は跡を絶たない。
ただしⅠの捏造事件の後と言う絶妙なタイミングで別の考古学者を捏造と叩いて世間を騙した、非常にたちの悪いケースもある。
ちなみに叩かれた考古学者はその後自殺。ご冥福をお祈りします。


ネットで流れる様々な噂も、でっち上げであることは多いと思われる。
正に『を嘘と見抜けない人には(利用するのは)難しい』のだ。


Ⅲ.冤罪

憎いあん畜生やライバルのアイツを陥れる為に、罪をでっち上げて冤罪を被せることはいつの時代にもある。
状況的におかしくない濡れ衣を着せることはもちろんのことながら、ひどい場合には何もないところから捏造する輩もいるとか。
冤罪の手法や質は往々にして辻褄が全く合っていなかったりするお粗末なものなのだが、
被害者からしてみれば悪魔の証明を強いられることが多く、アリバイや冤罪の証拠を提示するのは非常に難しかったりする。
当初は凄まじくお粗末なでっちあげだったとしても、時間が経てば真偽不明になることも全く珍しくない。
(刑事裁判の『疑わしきは罰せず(諸事情により徹底されているわけではないが)』は元をただせばこういった事情も理由の一つである)
歴史上でも、このでっち上げによって失脚させられた・成り上がったという記述は枚挙に暇がない。
ちなみにこの場合は「讒言(ざんげん)する/される」と表記する。
二次元ではよく使われる手段。そして、よく引っ掛かる。特にラブコメとか大友向けのNTRとか。


気になるのはこの人痴(ryは果たして何割が真実なのか、というところ。


Ⅳ.レポートのでっち上げ

サボりすぎてレポートの期日前日になってもまだ一行も書いていない学生がいるとする。
彼または彼女は、次に『とりあえず形だけでも仕上げよう』と画策し、Wikipedia等を漁ることになるだろう。
だが悲しいかな、今の教員達はコピペルナー(コピペ判定支援ソフト)等を駆使してそれを暴き、哀れ学生は単位を落とすことになる。
コピペ、ダメ、絶対。

あるいは実験データ等都合よく改竄して提出する者も。
どっちにしろすぐバレる。
むしろ、あとから発覚した方がヤバい事になる事もある。


Ⅴ.何かそれ的な場合

せっかく用法を載せてるんだからもうちょっと書くべきかな、と思ったんだが、まったくもって非常に極めて残念極まりないことに、これ以上思い浮かばなかった。
そうだ、そんな感じの経緯自体を書けば字数は稼げるな。
ついでに、もうちょっとばかし、句読点を、増やしておこう、、、かな。


【特徴】

捏造・でっち上げの最大の特徴は、やはり『事実ではない』という点。
また、それに付随して情報の欠落・矛盾が生まれることも多い。

レポートをでっち上げた時にバレるのは、つつけばすぐにボロが出る為。
当然と言えば当然。


罪を被せる時には、そんな浅はかな真似はできない。
狡猾な者は、様々な状況や前後関係を考慮し、多少の事実を交ぜ込んだりして、整合性を保とうとするとか。

ただしこれも、時に『当事者しか知りえないこと』まで語る等、『説明が必要以上に詳しい』という不自然な事態を招く。
首謀者の知り得ないところである程度調べが付いていて、疑われているとも知らずに同情寄りの誘導尋問でボロを出すという大恥をかくパターンもある。

尚、日本の法律では偽証や犯人隠匿に始まり、取り返しの付かない規模の捏造やでっち上げに関わるともれなく犯罪となる。直接真実を見透かす能力なんて持たない人間だからこそ、故意に真実を歪めて他者を貶めようとする行為には殊更厳しいのも当然の話だろう。


【歴史上有名な捏造事件】


  • ピルトダウン事件
20世紀初頭のイギリスで起きた、考古学史上最大のスキャンダルとして知られる事件。
現代人とオランウータンの骨を薬品で処理して化石っぽくしたものという、今から考えれば冗談みたいな偽造化石に著名な学者たちが騙され、「現代人の祖先」として発表してしまう。
根底には「わがイギリスこそが人類発祥の地でないといけない」という、イギリス人のプライドがあったとも言われる。

なお犯人はいまだに不明とされるが、有名なのはコナン・ドイル犯人説。
さらにジョークの類として、モリアーティ犯人説まである。自分のライバルであるホームズばかり活躍させるドイルを陥れるために計画したのだとか。

なお、似たような事件として日本国内でも2000年に旧石器捏造事件が発覚。考古学者自らが石器を事前に埋めている姿を
2000年11月5日の毎日新聞朝刊にスクープされ、不正が発覚した。
こっちはこっちで埋めた本人が「埋めすぎてどこに埋めたかわからない」とまで言った上に記憶のみならず精神まで崩壊してしまったため、日本の旧石器時代研究に疑義が生じ、
中学校・高等学校の歴史教科書はもとより大学入試にも影響が及んだ日本考古学界最大の醜聞となり、海外でも報じられた。

  • 外科医の写真事件
これまた20世紀初頭のイギリスで起きた、世界一有名であろう未確認生物の写真をめぐる事件。
ネス湖の湖畔からネッシーを撮影したとされるこの写真は誰もが一度は見たことがあるだろう。
20世紀末になって、当時の関係者が潜水艦のおもちゃを使ったトリック写真だと告白した。

中には、潜水艦のおもちゃにしてはバランスが悪すぎるなどといった反論もあるものの、この写真が怪しいという点ではネッシー研究者の間でも意見が一致している。

なお未確認動物を撮影したものとしてこれと並んで有名な「パターソン・フィルム」については、やはり怪しいとはされるものの、今のところ捏造だとする決定的な証拠は出ていない。

  • コティングリー妖精写真事件
またまた20世紀初頭のイギリスで起きた事件。今度の仕掛け人は普通の幼い姉妹である。
姉妹が撮影した妖精の写真を、写真に詳しい大人たちが「トリックの形跡がない!!」などと騒いだためイギリス中を巻き込む大騒動になった。

トリックの形跡がなかったのは当たり前で、撮影方法は妖精の絵をピンで地面に刺して撮影するというシンプルなものだったのである。
二重露光だのフィルムに細工するだのといったテクニックを使っていなかったため(ただの少女たちのいたずらに過ぎないのだから当たり前だが)、逆に多くの人が騙されてしまったわけである。
なお、コナン・ドイルもこの写真を信用した一人である。

  • ミステリーサークル
って、またイギリスだよ
二十世紀末にイギリスの麦畑に現れた謎の幾何学模様は、異星人の円盤の着陸跡だ、いやプラズマによる現象だなどと、科学者も巻き込んで真剣な議論がなされていた。
だが、種が割れてみるとあっけないほど単純な事実が判明する。
全ては二人組のおじいちゃんが、板とロープを使って夜毎行っていたいたずらだったのである

このおじいちゃんコンビ、棒高跳びの要領で移動するなどして現場に足跡を残さず、本当に二人だけで長年誰にもバレずにこんなことをやり続けた強者である。
ただし、おじいちゃんのうち一人は毎週毎週決まった曜日に夜な夜などこかに出かけることから妻に浮気を疑われて問い詰められ、白状させられたという。
まあ無理もない。

上記のように、科学者を含む人々にミステリーサークルが余りにも注目を集めてしまったために、ついに真相を公表した。

だが、異星人説やプラズマ説を信じていた人々はこの証言を信用せず、複雑な形状のサークルの例を持ち出してきて、
「お前らみたいな爺さんに、こんなすごい模様が作れるわけないだろ!!」
などと反論した。

そこでおじいちゃんコンビは、彼らの証言を信じた研究者と組んで一芝居打つことに。
世間には「もうサークル作成からは引退します」と宣言しておきながら、協力関係にある研究者のもとにあらかじめサークルを作る場所や日時・形状「予告」をした上でサークルを作る、ということを繰り返したのである。

そのサークルを見た専門家達の反応
「これこそミステリーサークルが爺さんのいたずらなんかじゃない証拠だ!!」

「やっぱりイタズラで作られたサークルと本物のサークルは全く違うよ、見ればわかる!!」

そう、彼らはものの見事に釣られたのだった。

上記の二人の仲間の研究者が真相を明らかにすると、ついに異星人説・プラズマ説は止めを刺されることになった。
その後人為的にサークルを作る再現映像も撮影され、もはやすべてはイタズラだったことに疑問の余地は無いとされる。

その後、二人に触発されてイギリス中にサークルを作るグループが現れ、サークル作りはいわば一種のエクストリームスポーツみたいなものになったようである。
(ただし、勝手に人の畑に立ち入ったり作物を荒らしたりするのはやめましょう)。


  • 朝日新聞珊瑚記事捏造事件
1989年(平成元年)に沖縄県西表島において、朝日新聞社のカメラマンが自作自演で珊瑚に落書きによる傷をつけ、
その写真をもとに新聞記事を捏造した虚報事件である。落書きの文言「K・Y」を取って、KY事件とも呼ばれる。
事件の発覚とその後の経緯は各自検索してもらいたい。


なお、この項目は事実を確認せずでっち上げたものなので、他者に語る際は注意されたい。
特に語源とか。

関連項目






追記・修正は追求・終生という言葉から来ている

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最終更新:2023年03月13日 22:58